フジミ模型「清水寺舞台」 1/400 制作記 その1(檜皮葺屋根の塗装)
なんと、あと1ヶ月で1年が終わってしまうのですか。何の目標も達せられずというところですが、日本の建築について勉強中なので、せっせと資料を参照しつつ、模型を組み立ててゆきましょう。缶スプレーの消費量が多いので、エアコンプレッサーを買った方が経済的なような気もしてきましたが、模型作りは一過性の趣味のような気もするので、買って放置してしまうのが心配なので、踏ん切りがつかないところです。職業柄、旅行は控えているので、今は模型で構造を把握しつつ、春になったら実物を見に遠出してみたい、というふうに考えているわけですが、今回はフジミ模型「清水寺舞台」 1/400を作ってみます。
フジミ模型「清水寺舞台」
清水は単なる観光地のように思ってしまいがちですが、非常に古い歴史を持つ寺院で興味深い経歴がありますが、それはともかくとして、模型を作る場合に気になるのは本来どのような色であったのかという点です。今では厳めしい雰囲気の建物でも、かつては極彩色であったというのはよくあることでして、私としては本堂が歴史上どんな色をしていたのかというのを確認したくて、資料を探そうとはしたのですが、そのことに言及されている本は見つけられなかったので、とりあえずは美術全集などに掲載されている洛中洛外図を参照することにしました。清水寺はたいてい登場しますが、昔から概ね素木のような色をしている絵が多い模様です。山形にあるということで、何度か実物を拝見したこともある上杉本も、寺院内にある仏塔等が朱色であるのに対して、舞台や本堂は素木のように描かれています。ただし、舞台を支える柱は何故か黒く描かれていたのですが、清掃されずに汚れが蓄積されたのか、あるいは漆でも塗ってあったのか、気になるところです。なお、現在の清水寺は1633年の再建であるからして、狩野永徳作である上杉本洛中洛外図は再建以前の様子なのであろうと思うのですが、建物の姿は現在のものとそっくりです。というわけで、もっと調べてもいいのですが、今は広く浅く調べて、どんどん組み立てていこうと思うので、下調べは今は打ち切って、とりあずは無理に派手に塗る必要はないという結論に至りました。

では、まずは塗装です。屋根からいきましょう。清水の屋根は檜皮葺であります。檜の樹皮を重ねて葺くという、たいへん手の込んだ屋根ですが、この檜皮葺に注目して塗装したいところです。いつの日か、石山寺多宝塔にリベンジしたいのですが、あれも檜皮葺であり、ここで檜皮葺のノウハウを構築したい。日本伝統建築と言えば、瓦葺き、檜皮葺、こけら葺きの三種が代表といえますが、実例を普段からよく観察しておくのが大事でありますな。本当は県内にある檜皮葺の屋根を見に行きたかったのですが、なんか疲れてしまってgoogleで画像検索して済ませてしまっているけれども、今度見に行ってみようと思います。
フジミ模型「清水寺舞台」
で、これが屋根のパーツですが、水平の線がモールドされておりますが、これが檜の皮を重ねた跡ということなのでありましょう。吹き替えたばかり檜皮葺屋根では、職人が綺麗に積み重ねた段差が見えるわけですが、さすがに1/400のスケールではこのパーツのようにはならず、見えなくくらいの段差になってしまうとは思いますが、模型に対してそんなことをいうのも無粋ではありますが、でも何か工夫せねばなりません。また、檜皮葺の屋根は時間の経過で様相がかなり変化し、30年くらいで葺替えせねばならぬようですが(清水本堂は50年に1度)、ちょっと年数が経ったくらいの状態が模型としては魅力的でもあります。
というわけで、経年のちょっともこもこした感じを出すために、タミヤの情景テクスチャーペイント路面ライトグレイを塗布してみました。
フジミ模型「清水寺舞台」
これはいつも基壇の石造り部分のテクスチャとして使っているものですが、色さえ気にしなければ檜皮葺的な表現にもいけるかと思いまして。4~5回くらい塗りました。それで概ね水平の線もほどよく隠れつつ(ちょっとは残ってもよい)、檜皮葺の柔らかさが出てくるのではないでしょうか。

そして、ダークグレイやブラウンの缶スプレーを交互に吹きつつ、ちょうどいい色合いにしてゆきます。
フジミ模型「清水寺舞台」
具体的に色名をいうと、タミヤの「ダルレッド」を塗って、そして「ガンシップグレイ」を吹いて、それでやや暗くなりすぎたので、「ライトサンド」を軽く吹いてみたり、また繰り返したり。エアブラシがないので、塗料を混ぜてから塗布することができないのですが、こうして交互にスプレーするとむしろ檜皮葺感で出てきているように思います。綺麗に均一に塗ってしまうと、かえって経年劣化の檜皮葺の色の不均一が感じがなくなってしまうので。少々赤みが強くなってしまいましたが、全体を素木風に塗るので、多少屋根の色味は濃いめでよろしいでしょう。

というわけで、屋根のことばかりで終わってしまいました。

| 絵画材料 | 10:56 PM | comments (0) | trackback (0) |
オリーブの搾油を試みる。
随分前から自宅にオリーブを植えているのですが、そもそもの理由はオイルを絞りたかったから、という理由でありました。絵画材料の中でもメディウムに関心の高いわたくしは、一時期、さまざまの材料からの搾油を試みたことがありましたが、ふつうは植物油というのは種子を圧搾して得るものなのですが、オリーブの場合は果実から油が採れるのです。それは試してみたい。オリーブは非乾性油なので油彩画の媒材にはならないのですが、それでもまぁ、これは試しておかねばならないような気がして。と言っても、なかなかオリーブの新鮮な実を買えるという機会はなさそうだったので、苗から育ててみたのです。しかも結実するように、品種の違うものを2本。

それから何年経ったか、わからなくなってしまいましたが、そろそろ奮起せねばと思って、農文協の「オリーブの絵本」やら、ネットの情報を参照しつつ、搾油を試みてみました。なお、オリーブの搾油の件に関しては「オリーブの絵本」は実際にやってみると、内容に不明瞭な点があって、搾油に関しては他の資料をあたった方がよろしいでしょう。

というわけで、こんな感じで黒く熟した実がついております。
オリーブの搾油

集めてみたところです。
オリーブの搾油
そんなに多くありません。果たしてこんな量で油が得られるのか。なお、若干、青い実も混ざっていますが、あとからわかりましたが、なお、青い実は堅くて潰すのが難しいと感じましたので、黒く柔らかくなった、あるいは手でそっとひっぱるともげるくらいの実を採取するのがよいと思います。

厚めのビニールのパックに入れて、手で揉んだり潰したりしていきます。
オリーブの搾油

1時間もかけてようやくこのくらいになりました。オリーブの濃厚な香りがします。
オリーブの搾油

二重のガーゼで包んで絞ります。
オリーブの搾油

さあ、出てきた液体ですが、分離して、油は上層にきます。
オリーブの搾油

日の当たる場所で、分離を待っていましたが、以下のようになりました。
オリーブの搾油
おそらく下層は水溶性の成分、上層は油、中間はなにかわかりませんが、何かの粘性物質でありましょうか。これは低温圧搾亜麻仁油を精製するときのと似てて関連性が気になるところです。

写真のようにごく少量しか油は得られなかったのですが、味見してみましたが、意外と苦くなかったです。まろやかな感じでありました。少量過ぎて風味まではコメントできないのですが。いずれにしても、古代ギリシアでオリーブオイルは重要な輸出品であり、そのための壺も人気の工芸品であり、という話ですが、種からよりはずっと絞りやすいとは言えるものの、やはりプリミティブな環境で植物油を得るにはそれなりの労力が必要であるなぁと感じました。

| 絵画材料 | 06:15 PM | comments (0) | trackback (0) |
ウェルドで木綿を染めてみた。
西洋の黄色染料の代表格のひとつであるウェルド、数年前からタネの発芽を試みつつ、なかなかうまくいかなかったのですが、今年はついに一定量の収穫があったので、それを乾燥させていたのですが、いよいよ何か染めてみることにしました。

染色方法はあまり調べておりませんが、手元にあるエセル・メレの『植物染色』を参考にしていこうと思います。本来もっと計画的にやるべきところですが、あまり丁寧にやろうとすると、やるまえにいつの間にか日々が過ぎて機会を逃してしまうことが多いので、とりあえず黄色い色が出るのかどうかを確認するくらいということで、けっこう雑な感じで進めてゆきます。まぁ、一回目は軽くやってみてそれから情報を集めた方が理解しやすいということもありまして、逆に手を付けずに文献を調べていると言っている意味がわからないということもあって、はじめはいつもこんな感じですので。

というわけで、本当に黄色になるのか、煮出してみることに。
ウェルド
煮始めるとすぐに水が黄色っぽくなって、沸騰して泡が立つと、その泡も黄色くて、確かに黄色が出ている感じはしました。お試しということで15gの乾燥葉をしばらく煮てみることに。エセル・メレには45分とありましたが、30分ほど煮続けたところで煮汁も少なくなってきたので、そこで止めておきました。ほんとはもっとたくさんの量を45分煮出すとよろしいのでしょう。

そして綿布というか、たまたまあった木綿ガーゼを浸してみます。
ウェルド
この布は事前にミョウバンと酒石酸(8:2)くらいの割合で先媒しております。なお、エセル・メレではミョウバンと酒石酸でとあったのですが、比率などは書かれていませんでした。煮汁はかなり茶色っぽく見えるかもしれませんが、薄めた状態だと、たいへんきれいなレモン色に見えます。

こちらが染めた布を乾燥させた状態ですが、ギリギリ黄色く染まっているというところでしょうか。
ウェルド
画像では白っぽく見えますが、肉眼ではもうちょっと黄色い印象でした。黄土色とかじゃなくて、確かに黄色ではあるよなぁ、とは言えるでしょう。濡れていたときはもうちょっと黄色っぽかったのですが。隣は木綿のおしぼりですが、無媒染です。いずれにしても薄いので、綺麗で濃い黄色染めるには、まだ勉強が必要な模様です。単に濃くしようとすると赤茶っぽい色になりそうな予感もしますが、顔料化するとやはり以前下記の動画で撮ったウェルド顔料のような色味になるように思われました。いや確実にそうなるでしょう、という気がします。何が問題か、媒染剤か?土地の問題か?
[Medici] 染料系顔料 黄色編
https://youtu.be/6SF-aM1nJh8

黄色の植物染料はいくつか試してみましたが、キハダが群を抜いて黄色いし、染めやすいというのは草木染めをやっている人から聞くことがありますが、同意見です。カリヤスも黄色を出すには複雑な工程が必要でした。その他もそんな感じでありましょう。サフランは濃そうですが、料理にしか使ったことがないので、個人的にはキハダの凄さが際立つ印象でありますが、レーキ顔料にする話は聞かないので、耐久性等の問題があるのかもしれません。天然染料の世界において、赤や青に比べると、黄色を鮮やかに出すというのは難易度高いと言えるのではないでしょうか。

| 絵画材料 | 08:41 PM | comments (0) | trackback (0) |
ウェルドを乾燥させ、タネを取り出す。
ヨーロッパで古くから使われてきた黄色染料のウェルドという植物ですが、長年の間、育てようと思って試行錯誤しておりましたが、今年はようやく花らしきものもついて、そしてタネもできました。成長した様子の写真も撮ることができましたので、あとは染色を試みるだけです。無事黄色い染料が取れれば私としてはもはや思い残すころはないのですが。

庭の片隅に植えただけなので、そんなたくさんはないのでありますが、束にして吊して乾燥させました。
ウェルド

とりあえずタネを取ってみることにします。
ウェルド
先端の花が咲く部分に実のようなのがたくさん付いているのですが、そこに小さな黒いタネが入っております。軽く叩いただけでは出てこなかったので、手で揉んで殻を粉々にしたあとに、タネだ選分けたのですが、なかなか手間のかかる作業でした。少し斜めにした紙の上で微振動を与えていると、タネだけ転がってくるので、それを別容器に入れるという具合でした。実際のところ、無理に分別しなくても、殻と一緒に取っておいて、揉みほぐしながら土に蒔けばいいのかもしれません。

袋に詰めておきました。
ウェルド
10月くらいからは秋植えの時期になりますので、植えるのを忘れないようにせねばなりません。春に植えるより、秋に植えた方がうまくいくようなのですが、考えてみれば野生においても夏以降にタネが落ちて、秋に多少延びて冬を越して成長するというサイクルでしょうから、これが正しいのかもしれません。秋に植えると、葉っぱだけの状態の成長具合で冬を越し、そして春に葉っぱがぐんぐん大きくなります。基本的には2年草なので、その年も葉っぱだけの成長で終わることがあります。翌年の春からは、花の付く茎が伸びて、やがてタネを付けます。たぶん、それでこの植物の一生は終わりであるかと思います。刈り入れないで放っておくと、翌シーズンも生きるのかどうか、まだ試してないのでわかりません。早めの秋まきをしたものは、翌春に花が付いてしまうこともあるので、その場合1年の寿命となるかもしれませんが、でも様子を見ていると小さな花ができるだけで、翌シーズンが本格的に結実するようにも思えます。いずれにしても、もうちょっとだけ観察してみたいと思います。どのような条件だと染料が得やすいかという点も気になります。しかし何よりもまず、今回得た乾燥葉を煮出して、黄色が得られるかどうか、それを試さねばなりません。気がついたら夏休みもあと3日しか残されていません。

| 絵画材料 | 11:19 PM | comments (0) | trackback (0) |
ウェルドを刈って干す
西洋の代表的な黄色染料であるウェルドを植えていたのですが、気が付くと梅雨の長雨の為にだいぶ状態が悪くなってきているように見えたので、ハサミで切って束ねてガレージに吊るしておきました。

ウェルド

参考にしたのは英国染色家エセル・メレの『植物染色』です。
ウェルド

雨は続くし、コロナでマスクをしながらの仕事というのも堪えるもので、気が付いたら刈り入れのタイミングを逃してしまった感があるので、これは今回の反省点として、できれば梅雨入り前に借り入れる方がいいのでは、という教訓が得られたくらいの成果でした。まぁ、生きている限り、いろいろと世間のゴタゴタ等に心かき乱されることも多くて、実験やら研究を淡々と進めるというのは難しいものですな。そういうのができる人というのは、けっこうな割り切った精神の持ち主であるのでしょう。私もそうなりたいと最近切に願うところです。

ボウルの上に種を落としてみましたが、まさしく売られている種と同じような形状のものが取れました。
ウェルド

もっとも種がうまくできるタイミングというのもあるので、種を取らないで純粋に染料とするなら、梅雨入り前ですかね。一部と採種用に残しておくというような方法もありかと思います。これは種が出来るに従って栄養が種に取られてしまうというのを避ける意味でも、染料としては早めに刈る方がよいという可能性も考えられます。もっとも検証する時間もあまりないのですが。とりあえずは個人的には黄色の染色を試して、そして植物の写真も入手できれば、経験としては満足なわけですけれども。絵画制作でウェルド顔料が必要な時は専門家が作ったものを入手したいかと。まぁ、もうちょっとしたら布か糸か染めてみて、黄色くなったら大成功であり、嬉しい、というところです。楽しみです。

| 絵画材料 | 07:34 PM | comments (0) | trackback (0) |

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