2012,08,19, Sunday
前回はヴァイオリン制作に関する本をたくさん読んだという話をエントリーしたけれども、その知識を生かして、木工仕上げ用の赤いニスを作りたいと思う。知識と言っても、かなり漠然とした知識であって、しかも実行にあたっては、改めて下調べなどほとんどせずにやってみようという感じであり、陶工パリシー的に、最初はあまり調べずに行き当たりばったりで、いろいろ試して経験を得てゆくという方法でいきたいと思うので、以下、いろいろ不確かなことが書かれている可能性がある点をご了承願います。
で、天然染料による衣類などの、いわゆる草木染めという行為は、何年か前に熱中して、ブログにも度々記載したけれども、その際は、アカネ、コチニール、スオウなどの原料をお湯で煮だして、染液を作っていた。今回は木工用ということで、アルコール抽出をやってみようかと。なお、ヴァイオリン用ニスの染料と言えば、真っ先に挙げられるのはドラゴンズブラッド(麒麟血)であるけれども、これに関しては、中途半端ながらも以前シェラックニスに混ぜて塗布した話を書き込んでいるので、今回は不採用。 書籍やWebの情報を参照する限りでは、アカネはアルコールでは抽出し難くいが、スオウとコチニールはいけるという話である。スオウは大好きな染料であり、これで染めた布は、何とも言えない暖かい輝きがあって、個人的にはどの染料で染めた赤よりも好きである。ただし、耐光性が非常に悪く、短い期間で色が褪せて茶色っぽくなってしまうのが難点である。木工ニスの場合は、当初の赤が黒っぽく変色した的な色合いも悪くないだろうと思われる。数十年かかる色あせを数週間ぐらいで体現できるかもしれない的な期待もある。コチニールは現代でも説明不要の天然染料かと思う。最終的にはシェラックまたはコーパルをアルコールで溶かしてニスの母体にしたいと思うのだけれど、まずは、それぞれの原料をエタノールに入れるだけというシンプルな方法で、抽出の様子も観察したいから、スオウ、コチニールを別々の容器にてエタノールに入れてその様子を眺めてみることにした。 というわけで、こちらがスオウ。 ![]() これをアルコール(消毒用エタノール)に入れて、振るなどしてみる。 ![]() どれくらいの割合で抽出するのか、全く予備知識無しの状態で始めたが、ちょっと多目に、重量比にて、エタノール200g(大凡250ml)にスオウを50gほど投入した。 こんな感じである。 ![]() 1日経ったら、むしろ黒と言えるくらいに色が出ていた。 ![]() はっきり言って、スオウを入れすぎたかもしれないが、ニスとして薄く塗布すれば丁度よい濃さになるかもしれない。 次にコチニールである。 ![]() 乳鉢で磨り潰して、 ![]() エタノール200gに20gほど投入してみた。 ![]() なお、コチニールの凄いところは、少量の原料で、たくさんのものを染めることができる点であると、『完璧な赤』にも書かれていたし、普段布を染める際も、大きな容器の水に少量のコチニールを使って染液を作っているのだが、やはり200g(大凡250ml)に対して20gは多すぎたかも。 いずれにしても、塗ってみるまで結果はわからないので、シェラック母体で何か木工品にでも塗布してみたい。 |
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