世界の古典名著を解説する本
高校生の頃、学校の図書館で見つけた『世界のSF文学 総解説』(自由國民社)を当時むさぼるように読みつつ、それを頼りにSFの名著に挑んだり、あるいは入手できないまでも、想像を膨らませたりしていたものですが、同シリーズの『世界の古典名著総解説』には、ちょっと面食らった覚えがあります。文学などではなく、政治・経済、思想・哲学・科学等のガチの名著、例えばマキャベリの『君主論』とか、デカルトの『方法序説』などですが、そんな本のことなど誰も語ってくれなかったので、全く新しい世界に見えたものです。読書量は多いと思っていたのに、この中に採りあげられている本を全く読んでない、というか、存在を全く知らない本ばかりだ、ということで、それで、まぁ、大学生くらいの頃でしょうか、この本を頼りに古典名著について把握しようと試みたわけですが、しかし今振り返ってみると、この解説書の本文は、ほとんど解説になっていなかった気がします。『世界のSF文学総解説』の方は、しっかりと作品を紹介しており、読んでみたいぞ、あるいは読まねばならぬ的な思いにさせられたものですが、『世界の古典名著総解説』の方は、なんというか、内容を要約しようとか、若人を導こうとか、そんな配慮が一切なく、その本にまつわる小難しい蘊蓄を語っているだけで、総解説といいながら、解説自体はすっかりサボっているなと思ったものです。その本について知っている人が読めば感心するだろうけど、知らない人が読んだらチンプンカンプン的な内容です。多数の著者によって書かれているので、中には悪くない箇所もあるのですが、それは一部分であり、ほとんど全部が今の私が読んでも、訳のわからん感じの文章ばかりでした。が、一昔前の入門書、解説書とはほとんどそんなものばかりで、何をするにもそういうものを頼りにせねばならなかった時代であり、『世界のSF文学総解説』の方が珍しい例外だったのかもしれません。が、それはともかくとして、『世界の古典名著総解説』を頼りに、いろいろ読んだりしていたわけで、個人的に思い入れは深かったりします。

そしてふと気になって、現在はどのような本があるのか、確認してみたくなり、手頃なところで、以下の2冊を購入してみました。両者共、昔の本と比べてものすごくわかりやすくなっています。各序文を読むだけでも、いかに要約して伝えるかへの工夫や情熱みたいなものが感じ取れました。両者共文庫本で、なおかつ文字が非常に大きい為、紹介してある名著の数は限られるのですが、なかなか普遍的で理にかなった選択がなされていて、すっきりしています。文庫本に50冊前後の作品を選択ということで、両者、似たような構成になっており、改めて感想を述べようとすると、どっちの話だったかわからなくなったりする面もありますが。。、

木原武一(著)『大人のための世界の名著50』角川ソフィア文庫,2014
さきにこちらを読みました。洋の東西を分けず、さらに文学作品も含まれているので、より厳選されたリファレンスになっているけれども、全体的に安心して読めそうな気がします。

久恒啓一(著)『図解でわかる! 難解な世界の名著のなかみ』中経の文庫,2011
こちらは図も使われており、旧約聖書、新約聖書のように複数の文書で構成されているような本の場合は、理解の助けになっていると思いました。ものによっては、図は必要かと思われるところもありましたが。。文学作品が含まれないぶん、西洋以外の名著も前者よりやや多めに採りあげられています。

世の中、たいへんわかりやすくなってきて、今の人がうらやましい気もしますが、しかし、分厚くてやや大きめの紙面に細かい文字でわかりにくい文章がぎっしり敷き詰められている『世界の古典名著総解説』も、逆になにかちょっと懐かしいような気がしてきました。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 09:50 PM | comments (0) | trackback (0) |










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