杉山 正明 (著)『モンゴル帝国の興亡(上・下)』を読む。
モンゴル帝国の興亡〈上〉軍事拡大の時代 講談社現代新書
モンゴル帝国の興亡〈下〉世界経営の時代 講談社現代新書

これはとにかく面白くて夢中で読んだ。横山光輝はチンギスの生涯だけで筆を置いてしまったが、モンゴル帝国が面白くなるのはその先なのである。つくづく残念でならない。横山先生のストーリーテリング能力で描ききってあれば『三国志』に限りなく近い規模の大作になったに違いないのに。が、漫画の話はいいとして、今まで抱いていたモンゴル帝国、及び元朝へのイメージが、この本を読んで劇的に変わってしまった開眼の書と言える。もっとも、著者の語り口も若干大げさ過ぎるかと思う部分はあるが、元朝直後の明にあれだけ痛快に言ってくれると、かえって爽やかである。中国の諸王朝と比べて、モンゴルの方が文化的に劣っているというイメージがどうしてもあったが、かつての中国のどの時代と比べても、モンゴル帝国の方が遙かに上をいっている。少なくとも、ユーラシア大陸を跨る物流を則すなんて、中国にはこういうのは無理ではなかろうか、とか、まあ、私がどうこういうものでもないが、ちょっと前までは、西洋世界に比べて、国力も文化的にも東アジアや中央アジアの大帝国の方が遙かに発展していたのに、それが19世紀、20世紀にはあそこまで惨めに落ちぶれてしまったのかといつも思うが、クビライが作り上げたものと、その後の明朝をこんなふうに比較されると、それもしょうがないかという気にもなる。とりあえず、お薦め品。


| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 10:11 PM | comments (0) | trackback (0) |










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