読了:金澤正剛(著)『中世音楽の精神史: グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ』
読了:金澤正剛(著)『中世音楽の精神史: グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ』(河出文庫)

古典古代哲学から多大な影響を受けたヨーロッパ中世伝統のリベラルアーツ(自由七科)は文法学、修辞学、論理学の3学と算術、幾何、天文学、音楽の4科から成っていわけですが、最初にこの話を聞いたときから、何故にここに音楽が、というのは絵画専攻の者からすれば、どうしてよと思わないでもないですが、音楽というのは楽典を勉強する、あるいは単純に楽譜の読み方を勉強するだけでも、実に数学的なものであると感じることでしょう。むろん今の楽譜のようなものは古代にも中世もありませんが、それでも音階の仕組みなどはほとんど数学、あるいは自然学といえるでしょう。初期中世では、神の世界、理想の世界について、数学や天文学を通して追求しており、音楽もそのように研究されたので、我々が考える音楽とはだいぶ違うといえるでしょう。実際に演奏するような技術ではなく、協和音とか、そういう数学的なものを研究して神の世界について追求してゆくようなものが、リベラルアーツの音楽、場合によって演奏などされなくても、あるいはそもそも曲などなくても別にかまわない、というほどであり、ちょっと前までは、こういう具体性のない神学的なものを軽視していたのですが、ここ数ヶ月ひたすら中世に関する本を読んでいたら、拒否感がなくなり、というか、むしろ何かすごく面白くなってきたような気すらしてきました。音楽理論のスタートはピタゴラスですが、中世リベラルアーツの音楽では、まずはピタゴラスが重要だったようです。次いでプラトン、そしてやはりアリストテレスは直接伝わらず、後にアラビア経由でというパターンなのか。時代が下っていくにつれ、グレゴリオ聖歌から、ポリフォニー音楽へと話が移っていくわけですが、最初期のポリフォニー、オルガヌムはノートル楽派により、などというのは聴いたことはありましたが、あまり詳しくは知らなかったので、勉強になりました。パリのノートルダム大聖堂が建設される同時代にとは胸が熱くなります。ノートルダム楽派と言っても実際にはレオニヌスとペロタンぐらいしか作曲者名は残っていない。それにしても、youtubeで検索すれば様々なグループの演奏を聴くことができて、聴きながら読んでいるとわかりやすいうえに、とても楽しい。ちょっと前なら図書館に行って音源を探しつつ、みたいなものですたが、便利になったものです。

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