読了:平野純(著)『はじまりのブッダ: 【初期仏教入門】』
ここ数ヶ月、ヨーロッパ中世神学や西洋哲学に関する本を読んでおりましたが、東西のバランスが悪い気もしたので、というわけでもありませんが、いろいろ思うところあって、初期仏教に関する本をいくつか買ってみました。だいたいはパラパラと目を通すぐらいなのですが、こちらの平野純(著)『はじまりのブッダ: 【初期仏教入門】』は、初っぱなから面白くて、一気に全部読んでしまいました。ブッダが生きていたころのインドは、バラモン教主流でありながら、多くの異端が現れて活動していた、しかも強烈な登場人物のオンパレードで、そんなカオスな状況が描かれており、これまでの想像を大きく覆されるような感じでした。それぞれの異端の意見を読むと、洋の東西問わず、哲学、宗教分野で議論されうる問題の大半が、二千数百年前のインドで既に極端なまでに考察されているのだなと感じました。ブッダは当時流行っていた極端な苦行、断食はおろか、牛舎に忍び込んで牛糞を食らうなど、なかなか素晴らしい苦行をしていたとか。7年続けたのち意味がないと止めてしまったようですが、悟りの後は極端に走らずに中道をいったところが、仏教が後に大成する要因のひとつだったとか。興味深いのは、世界に始まりはあるか、終りはあるか、肉体と魂は別か、などの質問に対して沈黙で答えたという点でしょうか。ヴィトゲンシュタインの「語りえぬものについては沈黙しなければならない」みたいでもあります。もっとも、初期仏教経典でも、状況次第あるいは相手次第で輪廻的なことを語ったりなどしており、いわゆる方便みないなところもありますが。しかし、もしブッダが本書のいうとおり、現世の苦痛を取り除くということに徹していたとしたら、その点について深く学びたいところです。些末な物事に心を悩ますことなく日々を過ごせたらと常々思っているわけですが、まだまだ修行が足りないところです。


| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 03:12 AM | comments (0) | trackback (0) |










http://www.cad-red.com/blog/jpn/tb.php/1401

↑上に戻る↑ <<新しい記事 : 古い記事>>
累計
本日、昨日 集計結果
  
■NEW ENTRIES■
■RECENT COMMENTS■
■RECENT TRACKBACK■
  • 昔のキャンバスの木枠は意外とシンプルだったのか?
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■PROFILE■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■
■LOGIN■
現在のモード: ゲストモード
USER ID:
PASSWORD: