ほとんどの植物油は気長に待っていればいずれ乾燥する
もう10年も前のことになりますが、食用として販売されている様々の植物を、顔料と混ぜてパネルに塗布してみたことがありました。
■主な植物油の乾燥性をテスト
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植物油は複数の種類の脂肪酸で構成されており、中でも特にリノレン酸が乾燥性がよくそれを多く含む亜麻仁油などが油彩画の展色剤として使われているわけですが、他にはやや乾燥の劣るリノール酸を多く含む油、例えばポピーオイルや紅花油、クルミ油なども油彩画に使用されています。リノール酸を含む植物油は多いのですが、けっこうな割合で含んでいないと、なかなか乾燥してくれません。オレイン酸は乾燥性はないとされ、オレイン酸主体のオリーブオイルはいつまで経ってもヌルヌルのままとなるでしょう。紅花油、ひまわり油などはリノール酸が多い物とオレイン酸が多いものなどがあります。食用としては酸化し難い方が優れているので、オレイン酸が多い方が好まれると言えるでしょう。

でもまぁ、実際どうなんだろうかと、菜種油、キャノーラ油、米油、ハイオレインの紅花油、ハイオレインのひまわり油まで含めて、手当たり次第に顔料と混ぜて塗布してみたのです。むろん、リノレン酸主体の亜麻仁油、紫蘇油、荏胡麻油などは非常に乾燥性がよかったです。それ意外はなかなか乾燥しませんでした。という試験をやってから、10年経ったけですが、なんとなく取り出し、改めて塗装表面と触ってみたら、なんと皆けっこうしっかり乾燥しており、指でかなり擦ってもびくともしないくらいに乾燥しているのです。溶剤試験はまだやっておりませんが、指先で触れた感じは、かなり理想的な乾燥をしております。むろん10年も待たされるのでは実用にはなりませんが、でも最終的には乾燥しているのです。日新キャノーラ油も、味の素のハイオレイック紅花油も、日新の綿実油も、昭和産業のオレインリッチひまわり油も、国産圧搾法なたね油もいずれも、なんのベタつきもなく、カラリと乾燥しているのであります。例外は米油でこれは製品の表示ではオレイン酸6に対しリノール酸5となっておりますが、ほぼ乾燥していますが、長く触ると指紋の跡が付きそうなベタつき感が感じられます。それと不思議なことに、トルコ産のハイリノールひまわり油も非常にわずかですがベタつきのようなすべり止め感があって、ハイオレインを謳っている昭和産業のひまわり油の方がしっかり乾いております。とはいえ、確かにほぼ固まってはいるのです。

製品の表示の、リノール酸含有量があまり宛にできない可能性もあるということが考えられます。植物から得られるものでありますか、パッケージに印刷された通りとならないこともありましょう。あるいはある程度含まれていれば、いずれは乾燥するということかもしれません。ところで、オレイン酸が大半であるオリーブはどうなるかな、と気になってので、この機会に塗布してみましたので、10年後に結果をお伝えしたいと思うところです。

| 絵画材料 | 10:37 PM | comments (0) | trackback (0) |










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