鉛白を水で洗う
夏から作っていた鉛白、だいぶ集まりましたが、ここから絵具にするまでが大変です。最終的にはリンシードオイルで練って、油絵具にするわけですが、そこまでのノウハウはまだあまり解決していないような気がします。

ある鉛テープから作り出した鉛白がピンクがっかっており、これは特定の鉛テープにしか発生したなかったので、原料の方に問題があるのだとは思いますが、こちらを使って、いろいろ試してみたいと思います。


まずは、水で洗浄してみます。水での洗浄というのは必要な工程であろうかと思います。まず、水に溶けるような不純物を取り除けます。変な色がついているときは、水洗いだけで消えることがあるようです。

というわけで、700mlほどの水に入れて撹拌し、顔料が沈むのを待ちました。

なんか、綺麗な純白色になっているように見えます。気のせいかもしれないし、屈折率の影響で見えなくなっただけかもれませんが。

それから強い酸性の蒸気の中で生成された鉛白ですから、酸性の傾向を示すのではないかという心配もあります。水を万能リトマス紙で確認しました。

中性に近いと思われます。実はこの万能リトマス紙、ph5~8あたりの色が似ていて、いまいち判定しずらいのですが、水道水に浸したときと同じ色をしているので、たぶん中性に近いか、あるいはわずかに酸性よりかもしれませんが、少なくとも水道水基準値内くらいではあろうと思われます。700mlの水で1回洗えばphの問題はクリアできるのではないかと考えています。鉛を洗うわけですから、廃液は少ない方がよろしいですし。

他には、塩基性炭酸鉛になりきれていない酢酸鉛も水に溶けやすいという情報もあるので、酢酸鉛除去にもなるのかもしれません。

さて、水を移してすくい上げた鉛白ですが、たいへん被覆力に富んだ立派な鉛白になったように思います。

白さ、明るさも立派なもので透明感みたいな感じはありません。かなり薄く塗布しても白さが強いので、むしろ体質顔料等で割りたいくらいに見えます。

しかし現時点でもなんとなくほんのりとビネガー臭がするのです。数種類の酢を取り扱いましたが、ふつうの市販の穀物酢に比べるとワインビネーが酢の臭いがけっこう強烈です。まぁ、古来染料でもなんでも臭い物ほど性能が良いものなのですが。もう一度水と取り替えて洗浄することにしました。鉛白は重い顔料ですから、すぐに水の底に沈みます。面倒くさがらずにときどき撹拌するのがよいと考えます。

さて、上記の鉛白の写真を見ると、若干粒状感的なものを感じるかと思います。ちょっと大きめの粒的なものがあって、以前他社製スタック方鉛白を練ったときは、なめらかな絵具にするまで少量でも数時間かかったということもありまして、この辺がどうなるか気になるのです。これに関しては手練りでいこうと思います。それでダメならポットミルで延々摺ってからというパターンと試そうと思います。鉛を含むので工程は手短な方が助かるのですが。※この記事を参考にする場合は、毒性があること及び環境への配慮を留意ください。

| 絵画材料 | 09:01 PM | comments (0) | trackback (0) |










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