『エル・グレコの生涯 神秘の印』を読む。
ヴェロニカ ブリューン・デ・オーサ(著)『エル・グレコの生涯 1528-1614 神秘の印

学術書や小説などを含め、画家の伝記作品でこれだけ面白いのを読んだのは初めてかも。今年読んだ本のマイベスト最有力候補として一歩抜きんでたと言っていいくらい良かった。と、ちょっといつもより余計に褒めてみたかも。エル・グレコの生涯を描いた伝記小説だが、クレタ島から、ヴェネツィア、ローマ、トレドと渡り歩いたグレコだけあって、淡々と話が流れつつも、ティツィアーノやティントレットなどの大画家はむろん、比較的マイナーな画家も多数登場、画家だけじゃなくて、その他の歴史上の人物もたくさん絡んでくる。註や解説が全くないので、どこまで史実に忠実かはわからないし、そもそもこの本のコンセプト自体が不明なのだが、パッと見た感じでは年表的な事実を守りつつ小説として再現しているような記がする。と言っても私自身はグレコにそう詳しいわけではないので自信はないけど。グレコの画集なんかによく出てくる絵の解説などが上手く物語の中に描き出されており、例えば、マリアが三人登場していること発注側ともめる『聖衣剥奪』や、フェリペ二世の不興を買う『聖マウリティウスの殉教』など、そういうのが物語として大変わかりやすく、面白く書かれているので、エル・グレコ入門書としても優れていると思う。欲を言えば、はじめか終わりにちょっとくらい訳者の解説があってもよさそうな気がするが、もしかしたらない方が正しいのかも。最近、理屈っぽい人多いし。


| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::美術 | 12:21 PM | comments (0) | trackback (0) |










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