塩野七生(著)『ローマ人の物語(15)ローマ世界の終焉』を読む。
塩野七生(著)『ローマ人の物語(15)ローマ世界の終焉』

ついに最終巻になってしまった。毎年楽しみにしていたのに。本巻は蛮族が勢揃いで、ちょうどAoCの「フン族のアッティラ」をやっていたところなので個人的にタイムリーというか。それにしても、研究者と違ってある程度自由に書けるという利点を差し引いても、プロットというか、流れがいい。例えば、イベリア半島までの西ゴート王国の変遷にしても、全体の流れや因果関係がよく描かれている。他の本は、細切れの散文みたいに出来事が羅列されているだけで、まるで繋がりがないかのように思えてしまう。細部は正確でも全体が不明瞭というのが、歴史に限らずあらゆる分野で専門家の書いた著書にありがちな傾向だが、それを補うという意味でも価値ある存在な気がする。また、他の本では、当然の知識として省略しまいがちな部分も、バカ丁寧に説明しはじめる点もいいと思う(しばしば解説のリフレインが起こるがそれは仕方あるまい)。専門家にとっては当然の知識でも、読み手もそうとは限らないのであり、現代の歴史書が、通史といいながら散文みたいに思えてしまうことがあるのも、省略のしすぎで発生する現象かもしれない。あるいは不確定な要素は断定して書けないか、省略せざるおえないから、そうなるとも言えるが、そういうところも堂々と書けてしまう「ローマ人の物語」は歴史書なのか小説なのか、ジャンルが曖昧と批判されることも多く、特に独自の解釈が多いので、歴史書ではなく文芸作品ととらえなければならないとの意見もあるが、確かに現代人の書く歴史書ではないが、古代の歴史書のテイストというか情熱を備えた歴史書という捉え方もありかもしれない。


| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::美術 | 04:14 PM | comments (0) | trackback (0) |










http://www.cad-red.com/blog/jpn/tb.php/299

↑上に戻る↑ <<新しい記事 : 古い記事>>
累計
本日、昨日 集計結果
  
■NEW ENTRIES■
■RECENT COMMENTS■
■RECENT TRACKBACK■
  • 昔のキャンバスの木枠は意外とシンプルだったのか?
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■PROFILE■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■
■LOGIN■
現在のモード: ゲストモード
USER ID:
PASSWORD: