生地に糊がついているかどうかの判別
布というのは織る際に縦糸に糊付けするらしいが、生地店で布を購入してきた際、その布に糊がついているか、あるいはすでに糊抜きされているのか確かめる手段としてヨウ素液で試験する方法があります(理科の実験などでやるヨウ素液とデンプンの反応を利用したもの)。

本実験では、ヨウ素液として、薬店で簡単に手に入る希ヨードチンキ(ヨウ素を含む)を使用。ただし、そのままでは反応が強すぎてかえって判定が困難になるため、水で約30倍に薄める。
ヨードチンキ実験

購入した布の一部を切り取って、ガラス棒(のようなもの)でヨードチンキ液を1~2滴ほど垂らす(布の端に垂らしてもいいけど、作業中にヨードチンキが飛び散ったりすると、せっかく購入した布のあちこちに黒い斑点を作ってしまいかねないので、やはり切り取ったサンプルがよろしい)。
ヨードチンキ実験

今回は生地屋から購入したシーチング、生地屋から購入した生成の麻布、画材用の麻布(膠引き済み)、薬店のガーゼでテストしてみた。画材用の麻布は生キャンを使用したかったのだが、手元にあったのが膠引き済みのものだけだったので、その裏側を使用することに(割と高級な部類のキャンバスである)。ガーゼは薬局で購入したもので、精錬・漂白されている布の典例として実験に加えてみた。
ヨードチンキ実験
写真は左からシーチング、麻布、画材用の膠引き麻布、ガーゼ。ヨードチンキにより青紫色に着色された場合はデンプン糊がついている可能性あり。黄色いままの場合は、デンプン糊はないであろうということで。見たところ、シーチングは糊がある模様(まぁ、実際は布に触っただけで分かるのだが)、生地店の麻布もデンプンの反応が出てるっぽい、画材用の膠引きキャンバス(の裏側)はほぼ無色、ガーゼもほぼ無色。

なお、染色の場合は、糊が残っていると染料をよく吸ってくれないため、糊抜きは重要な行程だが、絵画の支持体として使用する場合どうなのかはよく知らない。デンプン糊は用紙のにじみ止めとしても普通に使われていたり、ときには絵画用地塗りの媒材とされる記述をみることもあるので、べつになんか悪いというわけではないと思うが。

というわけで、染料関連の本で布の精錬、漂白の部分を読んでいて、糊が付いているかどうかの判別方法を知り、思わずやってみたくなったので、そのレポート也。素人実験なので、そのつもりで読んでください。

| 絵画材料 | 07:41 PM | comments (0) | trackback (0) |










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