木灰で灰汁媒染液を作ってみる。
灰汁というのは、植物の灰を水に混ぜたときの上澄み液で、灰中の水溶性成分が溶けた水溶液。主成分は炭酸カリウム。アルカリ性で、染色用途ではアルカリ媒染剤となる。染料系の色材をいろいろ試してみている今日この頃なんだけど、まだ灰汁での媒染というものをやってみたことがないので、今回はそれを試してみることに。

昔の人は薪やら炭やらを日常の燃料としていたので、木灰、および灰汁は豊富にあり且つ非常に多用途な材料として使われていたようだが、現代ではあんまり身近ではないっすね。家にも火鉢のようなものがあるので、灰がないわけではないけれど、あまりたくさんはないので、藍熊染料(株)の木灰(樫)を使用。500gを630円で買ってくるのはどうなんだろうと疑問に思いつつも、だからと言って大量にまとめ買いしても使い道ないし、まぁ、しょうがないということで。
灰汁媒染剤

この記事では、木村光雄(著)『自然の色と染め』P.68の手順に従って行なうことに。具体的には「・・・灰の10倍の量の水(たとえば、灰1㍑なら水10㍑を加えて、時々かき混ぜながら1週間ほど置き、上澄みを取る方法で・・・」という、たったそれだけの一文であるが。しかし、その他にも灰汁の性質についていろいろ書かれてあるので参照されたし。

では、さっそくバケツに木灰を入れ、容積比にて10倍の水を注ぐ(本の処方が重量でなく体積比だっただめ、計り損ねて結局てきとうな感じで水を入れてしまったが)。
灰汁媒染剤

で、よくかき混ぜる。
灰汁媒染剤

フタをする。
灰汁媒染剤

1週間ほど、時々かき混ぜながら観察。一部の灰が水の表面に浮かんで、綺麗に上澄みが取れるか心配だったが、何度もかき混ぜる行為を繰り返しているうちに、全部下に降りていき、一週間後には実に綺麗な上澄みが取れそうな様子に。
灰汁媒染剤

というわけで、できあがった上澄みをすくい上げる。
灰汁媒染剤

さっそく実験ということで、スオウ(蘇芳)で染めたシルク(未媒染)を、灰汁に付けてみると、オレンジ色が鮮やかな赤へと変化。
灰汁媒染剤

シルクのスオウ染め、左が未媒染、右が灰汁媒染(乾燥したら紫色に)。
灰汁媒染剤

| 絵画材料 | 11:55 PM | comments (0) | trackback (0) |










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