ウルトラマリンの退色、変色を無理矢理発生させてみる実験。
ウルトラマリンは大気による灰色化や、シルバーホワイトとの混色による変色などを本などでよく目にするけれど、実際にはっきりと目で確認する機会はあまりないと思うので、ちょっと強引な環境を作って、それらの現象を発生させてみよう、という実験です。

まずは、小さく切った合板にアクリルジェッソを厚めに数層塗布。そこに油絵具のウルトラマリンを塗る。
ウルトラマリンの退色or変色
写真のように、ウルトラマリン単色と、シルバーホワイトとの混色の2種類を塗布。
塗布の際、自製サンシックンドオイルとテレピンで若干希釈してある。

ガラス容器に酢(ワインビネガー)を注ぐ。
ウルトラマリンの退色or変色

ワインビネガーに直接サンプルが触れないように、陶器の器を置いて、その上にサンプルの板を置き、フタをする。酢酸とか使う方が実験らしいかもしれないけれど、より身近な素材を使った方が、より現実味が増すような気がするので。
ウルトラマリンの退色or変色
これで酸性の空気に曝されるという感じになると思います。

すぐに反応が現われると思っていたのだけれど、何日経ってもほとんど変化無し。塗布するときに、しっかり油を加えて塗ったので、油による防護膜で出来ていたかもしれない。次回は、テレピンのみとか、水彩絵具などもサンプルに加えておこうかと思った。

3週間ほど経って、ようやくパッと見でもわかるような変化が現われたので取り出してみる。酸性の大気に触れさせるつもりだったけど、すっかり水滴が付いてたりする。
ウルトラマリンの退色or変色

脱脂綿で水滴を拭き取り、撮影する。
ウルトラマリンの退色or変色
左のシルバーホワイトと混色した方は、全体に黒い斑点が多数現われているのが見える(特に外周あたりに濃い黒が出てますね)。酸との作用で、ウルトラマリンから遊離した硫黄がシルバーホワイトの鉛と反応して黒くなったものと思われる(違ってたらご指摘を)。
右側のウルトラマリン単色の方は明らかに色が薄くなってなっている。

条件としてはかなり過酷な状況での変化だけれども、通常の環境でもい長い年月のうちにこのようなことが起こるかもしれない。といいつつ、予想したより反応に日数が必要だったのは、やはりリンシードオイルをしっかり追加したからか、と思ったりして。次は、ワニス引きした場合などの比較してみたいっす。

| 絵画材料 | 09:34 PM | comments (0) | trackback (0) |










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