もしも、新規格のキャンバス寸法を策定するなら。
現行キャンバスの寸法が号数によって比率が違うなど、整合性の無さが当サイトの掲示板等で話題になっていますが、もし新しい規格を作るとしたら、どんなものがよいかというのをちょっと考えてみた(ちなにみ、ある程度、絵を制作していったら、やがては自分のスタイルに合った寸法というものがあらわれると思うので、オーダーして木枠を造り、オーダーしてフレームを作るというのが絵画制作の流れとして理想的なんじゃないかと個人的には思うのだけれども、とりあえず私の考えは別として)。


まず、Mという比率は規格から排除してしまうのがよろしいかと。実は、個人的にはMはわりと好きなので、けっこうな頻度で利用しているけれども、広く市場を見渡して、これは特寸でカバーしていいレベルかと思うので。黄金矩形だからって稼ぎの少ない人を住まわせおく余裕はないのよ、という意味ではなく、実際にMを使っていると、もっと長く伸ばしたいと思うこともけっこうあるので、このくらいの横長になったら、絵の構想に合わせて自由に寸法を決めるのが、良いのではないでしょうか。

そして次に、驚いたことに、規格からFもばっさり削除してはどうかと提案してみたりする。Fは肖像画サイズとも言われるが、現代のモードの肖像画ではPの方が収まりがよい可能性がある。
で、Fに替わって規格化するのは、Fよりもやや短い矩形である。
http://www.salvastyle.com/menu_baroque/vermeer.html
↑でフェルメールの作品群を参照すると、なんとなくF矩形より若干長辺が短いものが多いような気がする。Webページに記載の寸法が正確かどうかはひとまずおいて、「牛乳を注ぐ女」は比率、1:1.109、「ヴァージナルの前の二人」は1:1.148、「レースを編む女」1:1.166、風景画「デルフトの眺望」は1.192、という感じである。F(1:1.236)よりやや短い矩形は、既製キャンバス規格登場の前には、けっこう多い寸法であったかと思うので、それに立ち返ろうかと。。。巨匠の作品も既製キャンバスそのままで模写できる確率が(たぶん)上がります!

具体的な比率は何とも決定し難いが、「ヴァージナルの前の二人」に見られる1:1.148、または「レースを編む女」の1:1.166を候補して挙げてもよさそうである。惹かれるのは1:1.148のほうであるが、短すぎるとの反応もあるかもしれない。かなり語弊があるが、ひとまずこれを「フェルメール型」と呼んでおくことにする
この型は、私の構想では現行のFに該当する主軸寸法であるが、現行主流のF規格と直接衝突しないので、一般ユーザーの混乱を招かないという、実行上の凄い利点が付随する。

そして、もうひとつ採用したい規格は√2矩形。P規格に相当するものであるが、現行のP規格は例によって不整合であるから、√2の正規版という感じでしょうか。√2矩形はコピー用紙などにも利用されており、2つに折ると半分の大きさの同じ比率ができるなど、なかなか合理的な値である。単に合理的というだけでなく、実際に使ってみると、静物画を描いても人物画を描いても、風景画を描いても何かと収まりがよかったりするとは思いませんか? また、下絵を描くときにコピー用紙が使えたりしてちょっと便利だったりも。ちなみに、P型に関しては元々の利用者が少ないので、新規格ができても、Fのような混乱はないでしょう。

というわけで、新規格は1:1.148のフェルメール型(仮称)、及び、√2矩形の正規P規格の2つに集約、あとは特寸を奨励

もしうまく行ったとして、おそらく予測できる結果として、新規格と平行して、現行のF規格はたぶんずっと残って、広いユーザー層に使われるでしょう(現行Fは触らぬ神に祟り無しという感じで、そのままでいいでしょう)。現行P、Mは自然と消えてゆくという形になり、新しい規格を合わせて3種類の規格で落ち着くような感じになるかと。移行期の混乱を巧みに避けつつ、使用頻度の高そうな寸法を得られて、なかなかいいとは思いませんでしょうか。Mを排除した点は、(影響力は少ないかも知れないけれども)特寸の需要を多少なりとも拡大して、自由な比率への道を開くかもしれないとも。M、Fをスルーしたことは、黄金比から離れてしまうので、批判を受けるかも知れないけれども、その点に関しては丁寧に論破していく準備が着々と整いつつあります。

なお、国際サイズはあまりよくないと思うのだけど、その理由は、FPMと現在多量に流通している木枠や額縁を衝突して混乱を招きやすいということと、黄金比に傾倒しすぎており、マリオ・リヴィオ(著)『黄金比はすべてを美しくするか?』のような本が今後続けて出版されたりすると、間の抜けた選択をしたと後生の人に思われる可能性があるということで。

※この記事は、冗談なので、あまり本気にしないでください。

| 絵画材料 | 01:32 AM | comments (0) | trackback (0) |










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