石墨について考える。
ふと気が付いたら2011年になってしまった。これはヤバイ。
しかし、年が明けようと明けまいと、年末であろうと年始であろうと、やっていることの続きを淡々と続ける以外にやることはありませんなぁ。

で、それはともかく、古くから使われている伝統的な黒のうち、植物炭と骨炭を作る件は既に進行中であり、同時に油煙集めも進んでいる。この他に、タンニンのインク、これは樹木の虫こぶなど、タンニンの多く集まる部分からタンニンを得て、鉄と反応させて作るインクであるが、これは布の染色で個人的によく使っている。そしてもうひとつ、重要な黒で、まだ個人的に謎の多い素材は石墨である。

古吉先生も推薦されている『美しき姫君 発見されたダ・ヴィンチの真作』を読んでいたら、この作品には黒チョークも使用されていたそうで。黒チョークの原料は「・・・おそらく石墨片岩・・・」で、「・・・堅い黒チョークの先を針のように尖らせて用いた・・・」とある。他には没食子インク、いわゆるオークのゴールから得たタンニンのインクも使われているそうで、これに関しても興味深い記述が多々含まれていたが、それはまた別の機会に。。

チェンニーニに出てくる柔らかい黒石、というのはおそらく石墨であろうかという話が岩波書店の日本語版用語解説に載っている。チェンニーニの黒石が何だったにせよ、古くから石墨で素描するということがあったようである。石墨は簡単に言えば鉛筆の原料だが、現代的な鉛筆が登場するのは18世紀末のニコラ・ジャック・コンテの発明(粉末にした石墨と粘土混ぜて焼いて芯を作る)以来と言ってもいいであろうけど、16世紀末にイギリスのボローデールで質の良い石墨の鉱脈が見つかり、これを木材で包んだ鉛筆はなかなかいいものだったようである。それでも、これもダ・ヴィンチよりはずっと後の話であるが。実は、石墨について知ろうとして、ヘンリー・ペトロスキー(著)『鉛筆と人間』という本を読み始め、鉛筆の存在の凄さを知ったところである。考えてみると、メタルポイントは獣皮の表面を骨灰などの顔料で粗くしてやってようやく書けるという面倒以前に、書いた時点では薄い線で、時間の経過かと共に色が濃くなるというものであったし、タンニンのインクも作り方にもよるが大なり小なり、時間が経たないと黒くならない要素があったりする。墨や炭のインクは、インク壺も持ち歩かないと書けない(昔はボールペンはない)。しかし鉛筆はそれ単体で紙の上に普通に書けて、色も濃いし、消しゴムで消せるしで、便利さは破格である。

まぁ、本を読むのはほどほどにして、とりあえず石墨原石を触ってみようではないかと思ったのだが、そう言えば、以前購読していたデアゴスティーニの『地球の鉱物』シリーズに石墨号がったので、さっそく取り出してみた(この鉱物だけ、ビニールに包まれていたけれど、確かに露出状態では周囲が黒く汚れますな)。

石墨
この黒光りっぷりは、鉛であると誤解されても仕方がなさそうな金属的質感である。

で、水彩紙上で、条痕色を確認しつつ、線を引いてみる。
石墨
条痕色確認って、ふつうはもっと堅い物の上で行なうのだけれど、石墨の場合は普通の紙で十分っぽい。
意外と普通に線が引ける。木炭に比べて繊細な線が引けそうな予感がある。
まぁ、先端を針のように尖らせてというのは、できるのかどうかわからんけど。

鉱物標本の石墨片岩でも、線を引いてみた。
石墨

こちらは不純物が多いのか、ちょっと堅くて、擦れた薄い線しか引けなかった。
石墨って言っても、地面から採れるものなら、品質はいろいろであろうし、不純物とか、砂や石みたいな固まりが混ざることも多いというわけで、その辺を解決したのがコンテ氏の発明なんですかね。

| 絵画材料 | 01:08 AM | comments (0) | trackback (0) |










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