2011,01,26, Wednesday
先日、羊皮紙を購入したので、さっそくこれに銀尖筆(シルバーポイント)で何か書けるように下準備したいと思い、骨の灰を作ってみることにした。銀尖筆で書くには、銀が削れて筆跡を残せるように微細な凹凸が必要なのだけど、その件に関して、チェンニーニの書には骨の灰を使う記述がある。銀尖筆用のジェッソのような製品も売ってることだし、骨灰もやはり売っているのだけれど、骨を焼くだけで作られるなら、試しにやってみたいところである。
まずは骨付き鶏肉を購入。チェンニーニ(岩波書店)には「・・・雌鶏か,あるいは去勢した雄鶏の腿や手羽の骨を用意する.鶏は,年をとったものであればあるほどよい.食卓の下にそれを見つけたら,見付け次第,火にくべ給え・・・」とあるけど、若鶏の手羽元買ってしまいました。そもそも老鶏ってのが売ってるかどうかは知らんけど。ところで、「食卓の下に」っていうのは、当時の職人、あるいは一般的な食卓では、鶏肉を食べたら骨を床にポイ捨てしていたということだろうか。まぁ、そんなものか。 骨炭作った際は、水炊きにしたけれども、鶏の臭いに参ったので、今回はカレーにしてみる。 ![]() 食後に残った骨を乾燥させたのち、コンロの上で炙ってみた。 ![]() ずいぶんよく燃える。脂が燃えているような感じである。 Wikipediaの「骨灰」項には、「・・・動物の骨からにかわ・脂質を除いたあと、高温で焼くことによって作られる、白い粉末状の灰・・・」とあるように、本来、膠やら脂質を除いた方がいいのかもしれない。お湯で茹でたりすれば、除ける? 「(骨を)見付けたらすぐさま火にくべ給え」のチェンニーニにその工程はないけど、年をとったものであるほとよいというのは、脂の量が違うとかそういう意味だったりするのだろうか。 短時間で真っ黒い炭になった。ここで止めて砕けば、ボーンブラックか。 ![]() さらに焼き続けると、白っぽくなってきたが、ここから先はかなりの時間焼いてもなかなか白くなってくれない。 ![]() 骨が崩れてきたので、フライパンに移し、加熱を続ける。 ![]() しかし、フライパン上ではさっぱり焼成が進まず、めぼしい変化がないので、ガスバーナーで炙ってみる。 ![]() 乳棒で細かくしてみたが、まだ黒い。 ![]() バーナーでじっくり炙ると、徐々に白く。。。 ![]() でも、白ではない。 ![]() チェンニーニ曰く「・・・灰よりもずっと白くなったら・・・」というけど、簡単に考えていたが、けっこう大変なものである。 ひとまず色は諦め、乳鉢でさらに細かく粉砕。 ![]() スクリーン版画用のメッシュ(200)を通して粗いものを取り除く。 ![]() ↓こんな感じで一応、完成?でしょうか。 ![]() ”bone ash”をネットで検索して出てくる画像は真っ白なんだけど、今回作ったのはちょっと灰色である。それでも、機能上とくに問題がないのであれば、真っ白よりはむしろこちらの方が好みではある。。 ↓こちらの画像とは全然違う。 http://www.marui-grp.co.jp/kagakukan/009/melma.html しかし、よく読むと、豚や鳥より牛の骨がより白くなるとも書かれているので、その辺も関係あるのかしら。 Natural PigmentsのBone Ashには、膠を取り除いた骨を1100℃で焼成、325メッシュで濾過等々書かれている。 もっと思い切って焼かないといけないとしたら、陶芸用の窯で、本焼き(1200℃)の際に、素材(骨)を入れておくというのもいいかもしれない。 |
コメント
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| 正田 修 | EMAIL | URL | 2017/07/29 06:53 AM | jqEV5Bqg |
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