『コミック版 NHKスペシャル文明の道 第2巻 クビライ』
星野之宣(著)『コミック版 NHKスペシャル文明の道 第2巻 クビライ』を読む。

「安彦良和VS星野之宣」とか言って宣伝しているので、第1巻の安彦良和『アレクサンドロス』を読んだなら、やはりこっちも読まねばならぬと思って、さっそく読んだ(しかし3巻以降は出てないみたいであるな~)。それにしても、宗像教授登場とは言え、チンギスハーン=源義経説が主題となっている時点で、読みはじめる気力が減退して困ったが、以前読んだ『モンゴル帝国の興亡 上下』の杉山正明氏が協力者となっているので(と言っても、番組制作の方に協力しただけかもしれないが)、義経説以外は、ベースが講談社新書の内容を手短にまとめたものとなっている。しかし、いきなりこの漫画版を読んでも、粗筋未満の内容なので、全くなんのことやらわからないから、先に上記新書を読んでおいた方が良いと思う。入り口ではなくて復習に丁度良いと言った感じだろうか。予習には横山光輝の『チンギスハーン』全5巻の方が適している。それにしても、チンギスハーンからクビライまでをしっかり漫画化するには、上記の新書上下2冊をベースにしても、最低10巻は要るだろうなあ~と。横山光輝の漫画でも、チンギスハーン一代の人生を語るのに全5巻を要しながら、それでも物足りない感じがしたのだから、クビライまでしっかり描くとなると『三国志』並の巻数になりそうな気がする。少なくとも1冊では絶対無理だと感じだ。第1巻のアレクサンドロスも無理があったが、チンギスハーン~クビライとなると、必要とする紙数はそれよりも遙かに多いだろうなあ。


| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::美術 | 02:38 PM | comments (0) | trackback (0) |
ゴッホのひまわり
ホームセンターで売っていた「ゴッホのひまわり」なる種を植えてわけだが、無事に咲いたので、来年のためにも成長の経過をメモっておこうと思う。ちなみに種まきは5月初旬、あとは、画像の日付を参照のこと。

ひまわりの成長

ひまわりの成長

ひまわりの成長

ひまわりの成長

ひまわりの成長

ひまわりの成長

ひまわりの成長

花瓶に生けてみたが、これがけっこう難しい。それで、改めてゴッホの画集でひまわりの絵(写真下)をまじまじと見つめてみたが、ゴッホの絵に出てくるひまわりは、周囲の黄色い花びら(いわゆる弁舌状花)がついてない状態の花が多い。中心部分の茶色い花(筒状花)だけになっている花がメインなのだ。モチーフは緑色の茎と茶色い筒状花であり、強烈な黄色の印象は、バックの黄色によるものである。このような色彩のセンスはなかなかスゴイものだと思う。
ゴッホのひまわり
絵画教室でもヒマワリは人気のモチーフだが、花屋さんから買ってきたような綺麗な弁舌状花のヒマワリを一生懸命黄色に塗っていたりして、そういうのを見ていると色彩に関して創意工夫が全くない様子が伺える。ちなみに下はうちのクソババア(母)が描いたヒマワリである。弁舌状花に意識が集中して、ひたすらそこを描き込んでいるのがわかる(ちなみにバックは薄い色が塗ってあっただけでほどんど顧みられていなかったが、あまりにひどいので私が筆後が残るような感じで手を入れたからなんとかバランスがとれてはいるが、もともとは弁舌状花のところばかりに絵具がのっていた)。たぶん、これが一般的な花への視点であると思う。ゴッホがひまわりを描いた時代では、ひまわりを描こうと思ったこと自体が斬新な視点だったと思うが、こうやって現代の凡人が描いたひまわりと比較すると、ひまわりというモチーフがありきたりになった現代においても、いかにゴッホの絵が例外的な視点で描かれているかがわかる。
素人のひまわり
見たまんまを描いた、あるいは頭の中にあるヒマワリに対する固定観念を描いたようなヒマワリが全国の絵画教室で量産されているわけだが、憧れのゴッホの絵をもう一度よく見てみるべきだと思う。あるいは模写をやってみるのもよい。ゴッホの模写なんて意味がないと思う人がいるかもしれないが、色彩に関しては、なんじゃこりゃー!という驚きの連続なので、是非やってみた方がいい。


| 家庭園芸 | 05:35 PM | comments (0) | trackback (0) |
『ワンダフル・ライフ バージェス頁岩と生物進化の物語』
スティーヴン・ジェイ グールド (著)『ワンダフル・ライフ バージェス頁岩と生物進化の物語』を読む。

カンブリア紀中期の軟体動物が奇跡的に化石となっているバージェス頁岩の研究の物語と、カンブリア紀の奇妙な生物について語りつつ、生命の進化について云々している本。文庫本だけど600ページ近いボリュームがある。こんな本を読んでる場合かよ、美術の本を読めよと思いつつも、読まずにいられなかった。非常に面白いが、ちょっと難点もあり。「訳者あとがき」によると、サイモン・コンウェイ・モリスは本書を「冗長」だと評したそうだけど、確かに文章が回りくどい。飾りの多い面倒な言い回しと、同じ主張を何度も何度も繰り返すリフレインが多く、さらには本書のテーマとは何のかかわりもないような話もあちこちに出てきて(それがまたツマラン)、かなりの部分をすっ飛ばして読んだ。また、内容自体はなるほどと思って読んだわけだけど、あまりにも大げさな語り口なので、半分まで読み進めたころにはかなり胡散臭い本だと思うようになっていた。『ワンダフル・ライフ』を「冗長」と批判したコンウェイ・モリスの著作(講談社新書)の方はコンパクトで冷静な文章だそうなので、思わず注文ボタンを押してしまったが、このような分野の本を何冊も読んでどうするのだ?と後悔しつつ、さらに『生命 最初の30億年―地球に刻まれた進化の足跡』も注文してしまった(こちらはバージェスよりさらに古い生命の話がメインらしいが)。


| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::理系・工学 | 03:31 PM | comments (0) | trackback (0) |
『図説 ロマネスクの教会堂』河出書房新社
『図説 ロマネスクの教会堂』河出書房新社を読む。
この本の良いところは、CGで描かれた立体図面風のイラストで、これのおかげでかつてないほど判りやすいロマネスク入門書になっている。でも、正直なところ、肝心の文章はちょっと読みづらかった。イラストがあるから理解できたが、本文だけではなんのことやら全くわからなかったと思う。冒頭のプロローグからすでにかなり堅くて読みにくい印象を受けたし、その他、あまりにも文章がクドいと感じた箇所はすっ飛ばして読んでしまった。少し前に『図説 大聖堂物語 ゴシックの建築と美術』という傑作を読んだ後だったから、そういう不満を感じたのかもしれない。「大聖堂物語」は一般向けの本としては神レベルのわかりやすさを誇る。思い切って文章の贅肉をそぎ落とし、特に大事な部分だけを抜き出しつつ、その中でも抑揚をつけて、読者を飽きさせないところがある。それと比較すると『ロマネスクの教会堂』の方は、専門家が書かねばならぬと思ったことを全部書いてしまい、しかも教科書的に平均的に書いてしまったような印象を受ける。専門用語が出てくるのは仕方ないにしても、ちょっと一般の読者のレベルを考慮してないようなところもあった気がする。文章の大半がカタカナの専門用語で埋め尽くされているのだが、用語の説明が後から出てきたりすることがあったりなど、そういう不親切さが見られた。

と言っても、ちょっと前の美術の本は、みんなこんな感じで読解に苦労したものだが、内容が難解なのではなくて、文章が難解なだけな気がするのが多くて、大いに不満だったのだけど、ここ十数年のあいだに出た本は非常に読みやすいものが多くて(べつに美術に限ったことではなくて、工学系の技術書でもそうなんだけど)、密かにそれらを美術史2.0と呼んでいるのだが、本書は惜しくも2.0に届かず、1.75ぐらいかな。って、私もこんな偉そうに批評する分際でもないのだが、1.75でも過去を示す1.0より遙かに良いという意味でして、読んでみて非常に良かったです。


| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::美術 | 10:25 PM | comments (0) | trackback (0) |
コミック版『ニーベルングの指環』比較
先日の池田理代子版の『ニーベルンクの指輪』にひき続き、さらに以下の2点のコミック版『指環』を読んでみた。

里中満智子『ニーベルングの指環』(上・下巻)
あずみ椋『ニーベルングの指環』(上・下巻)

先日読んだ池田理代子(宮本えりか画)版の『指環』は、中古市場への出回り具合から、いちばん市場にゆきわたっているように見えるし、作者の知名度もダントツでナンバー1だが、しかし、あの作品はオリジナルを大きく改変していて、それがあまり上手くいっているようには思えなかったので、ちょっとこのブログ的にはお薦め品とは言えない。とくに『指環』入門書として最初に読むのはやめた方がよい。

それと比較すると、今回読んだ2点は、物語の骨子がワーグナーのオリジナルにかなり忠実に進むのだが、それでいて、こっちの2点の方が断然面白い(オリジナルの脚本があまり良いとは言えない出来にもかかわらずである)。ベースの物語に忠実であるが故に、どちらも内容はほとんど同じで、この2つの甲乙を付けるのは難しい。若干の違いがある部分でも、どっちにも長短あるなあ、という感じで。どちらかというと、あずみ版の方が物語を細部まで描いているような気はするけど、あずみ版は絵柄や構図があまりにも漫画的なので、原作よりも漫画家の作り出したイメージの方が印象に残りそう。逆に里中版はグラフィック的な個性を一歩引かせて、原作に花を持たせているような感じがする。また、年齢や性別を問わずに受けられやすい画風であるとも思う。よって、独断と偏見で個人的に優劣を付けると以下のような感じになるかも。

里中版>>あずみ版>>(超えられない壁)>>池田版

と言っても、一般的には 里中版≒あずみ版 で良いかと思うけど(なんと言ってもあずみ版には功芳先生の解説がついてるしw)。いずれにせよ、本ブログが公式に推薦するのは里中満智子版『ニーベルングの指環』ということで。。。


| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::マンガ・アニメ | 06:39 PM | comments (0) | trackback (0) |

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