灰というものについて。
最近、染色、ガラス制作、釉薬などいろいろ試しているうちに、灰というものにいたく感心するようになった。木材その他をしっかりと燃やすと、最後に灰が残るから、これは常日的に頻繁に目にしているものであるが、この灰というのはなかなか有用な物質で、昔はこれを広い用途に活用していたそうである。灰は、水に入れて灰汁を作ることができるが、これはなかなか強いアルカリ性の液体となって、いろんな用途に使える。灰には多くの金属物質が残っていて、釉薬として使用すると様々の色になったりする。古代世界のガラス製造は砂にソーダを混ぜることで燃焼温度を下げていたが、地中海世界がイスラム圏になってからのヨーロッパでは、ソーダが入手できなくなった為に、代わりに灰を用いるようになった等々、挙げるとキリがない。
参考:灰 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%B0

釉薬においては、そもそも原始的なものでは、窯の中で燃やした薪の灰をかぶって、自然と釉薬になったりしたという話があるほど重要である。

しかし、現在使用中の窯は灯油式なので、薪の灰はかぶらない。
そこで、釉薬をかけるように、灰をたっぷりかけて焼いてみることにする。
べつに珍しいものではなく、灰釉と言って、普通に陶芸品店で売っているが。
灰釉
ちなみに、この前やってみた灰釉は、袋に「陶磁器用灰釉」と書かれていたが、今回使用するものは「水簸天然木灰」とある。何が違うか調べたかったが、メーカー名で検索しても、公式サイトみたいなものは見つからなかった。

まずは、灰を水で溶く。
灰釉

そこに、素焼きの陶器を浸す。
灰釉

薄すぎであろうかと思うが、ちょっと灰が被ったくらいな感じにならないものかと、試行錯誤中な為である。
灰釉

↓焼きがあり。
灰釉
素焼きをそのまま本焼きしたものと色が全く変わらない。よく見ると、ところどころ深緑のガラス状物質が見えるが、むしろ何かの汚れかと思われそうである。

まぁ、釉薬としては、灰は粘土と混ぜて使うのが筋であろうということで、長石を混ぜてみることに。
灰釉

というわけで、こんな感じでかけてみた。
灰釉

焼き上がりは↓このような感じである。
灰釉
なかなか悪くないかも。

ひっくり返したところ。
灰釉

| 釉薬・ガラス工芸 | 03:10 PM | comments (0) | trackback (0) |

↑上に戻る↑  : 
累計
本日、昨日 集計結果
  
■NEW ENTRIES■
■RECENT COMMENTS■
■RECENT TRACKBACK■
  • 昔のキャンバスの木枠は意外とシンプルだったのか?
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■PROFILE■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■
■LOGIN■
現在のモード: ゲストモード
USER ID:
PASSWORD: