一斗缶で炭作りしてみる。
枯れたナナカマドを、染色などする際の燃料としてとっておいたのだが、火の着きが悪くていまいち活用しきれていなかった。ナナカマドの由来は窯で七度火にくべても燃え残るとか、七度火にかけるとよい炭になるとか、なければならないという説もあるそうだ。実際には、着火しずらいというだけで、盛んに燃えている火に入れれば、ふつうに燃えてましたけどね。

ということで、これを炭にしてはどうかなと。
炭づくり
備長炭の高級品としてナナカマドが使われるという話がWikipediaに書かれておりました。

炭の作り方を調べたのだけれど、いろんな作り方があるものですなぁ。最も単純な話では、木を燃やすと、まず黒っぽいコゲ(炭)になり、さらに燃えてゆくと白い灰になるから、炭の段階で消せば、炭が得らるか。チェンニーニやウィトルウィウスの書にあるヴァインブラックの作り方は、葡萄の蔓を燃やして途中で水をかけて消すという方法である。あるいは、空気を遮断して、酸素と結びつかないようにして、熱を加えればしっかりとした炭ができる。チェンニーニの木炭の作り方では、密閉した素焼きの器に枝を入れて、パンを焼いた後の釜にいれておくというものだった。

googleで検索しまくったところでは、ドラム缶、あるいは一斗缶を活用されている例が多い。
ドラム缶は大がかりだけれど、一斗缶あたりでやってみようかと。
ちょうど、かりんとうが入っていた一斗缶もあったし。

一斗缶に材料を入れたところ。
炭づくり
ナナカマドの他にも、ツバキなど、余っていた木材を詰め込んだ。

一斗缶を使う場合にも、これまた様々な方法が見つかったのだけど、とりあえず単純に、缶に素材を入れて、フタをし、火にかけるという方法でいきましょう。

前回、木炭を作った際に、けっこう臭いがきつかったので、それを緩和させられないかと思い、サツマイモも入れておいた。
炭づくり
イモの臭いが漂うのは、むしろいい匂いなので、近所迷惑にならないかもしれない的な発想である。結果的に、なぜか悪臭も出なかったし、イモの匂いもしなかった。イモも炭にはなるのだが、水分が多いので、他の素材の邪魔になりそうだから、イモの炭を作りたいという欲求でもなければ入れない方がいいかも。

で、さっそく火にかける。
炭づくり
一斗缶の横にあるアルミの包みは、焼きいも目的のサツマイモ。

缶のフタから漏れる蒸気やら煙やらを観察しながら、炭ができているかどうか見極めつつ、推移を見守る。

夜になってしまった。
炭づくり

焼きいもを食してみる。
炭づくり

4時間近く加熱して、いい加減、そろそろいいだろうと思って、火を止める。

翌日になって、中を確認してみたが・・・、
炭づくり
表面が黒くなっているだけで、中は生のままであって、非常にガッカリ。

と思ったが、缶の底の方の素材は、綺麗に炭になっていた。
炭づくり
ポキっと折ってみても、芯まですっかり炭である。

一部のサツマイモは、焼成中に缶の底に落ちたのか、綺麗な炭になっていたものもあった。
炭づくり

■総括
炭を作るまでに、すごい燃料を消費するという点に驚きであった。溜め込んでいた廃材を全部使い果たしてしまった。
一斗缶という横に長い缶を使い、さらに炉の構造や缶の設置方法など、全体的に、熱を効率的に利用できなかった気がする。
あるいは下から熱するのではなくて、燃えた木材を一斗缶に入れて、フタをして蒸し焼き状態と作るという方がよかったかもしれない。
缶の隙間から、妙な液体が流れ出てきたのだが、木酢液とかタールとかいろいろ出てくるみたいな話を聞いたこともあるような。今はなんだかわからない。

| 絵画材料 | 12:08 AM | comments (1) | trackback (0) |
ランプブラック(油煙)を作る
チェンニーニによると「・・・亜麻仁油の入ったランプを用意し、ランプを油で満たし、火をつける。こうして燃えているランプを、よく拭った鍋の下におく。炎は、鍋の底から指2、3本のところにくるようにする。炎から出る煙が鍋の底にあたり、固まりとなってくっつく。少しそのままにしておいてから、鍋をとり、この顔料、すなわち煤を、紙の上、あるいは絵具壺に、何かで払い落とす。粒子のごく細かい顔料なので、練ったり挽いたりする必要はない。このように、何度か、ランプを例の油で満たしては、繰り返し、鍋の下におく。お前が必要とするだけの分量をこうしてつくる」(岩波書店)

亜麻仁油は自室の棚にいくらでもあるので、まずはランプが必要である。アルコールランプがあるので、これに植物油を入れてもいけそうな気がするが、アルコールと植物油では、揮発性も、発火温度も違うので、そのまま使えるようには思えない(※実際後日試みてみたが、効率よく燃焼しなかった)。今回は、試しにやってみる程度の話なので、適当な容器をランプ替わりに使ってみることにした。

用意したのは、百均で買った磁器の器と、針金、極太凧糸(純綿)。
ランプブラック

芯が真っ直ぐ立つよう、針金で固定した。
ランプブラック

それを器にセットし、画材用のふつうのリンシードオイルを入れて、火を着ける。
ランプブラック

炎が起ち上がり、炎の先から黒い煤がドバドバ出てくる。
これなら、煤をいっぱい集められそうな予感がする。

しかし、臭い。
古くなったリンシードオイルを使ったせいか、酸化した亜麻仁油のキツイ臭いが部屋に充満し、とても耐えられるような状態ではなかったから、すぐに消化した。

場所を屋外に移し、その後、いろいろ試しているうちに、実は単に綿の芯をオイルにぽちゃっと付けて、少しだけ出しておく、というのが、一番よさそうであることに気が付く。

効率よく煤を得るために3本の芯を入れた。
ランプブラック

着火すると↓このような感じである。
ランプブラック

この方法だと、オイルを切らして、芯を駄目にしてしまった場合も、適当な長さに切った綿糸を入れるだけで、簡単に交換できる。
「ランプの原形は粘土を焼いた皿に植物油などを注ぎ一本の灯心を載せて火を灯すものだった」(Wikipedia)ということなので、非常に原始的な方法と言える。
ちなみに、アルコールやテレピン、灯油などは発火温度が低いから、この方法でやると大変危険なので、ご注意を。

火の上に、磁器の皿をセットして、煤を集める。
ランプブラック

なお、古くなったリンシードオイルはあまりにも臭いということで、食用の低温圧搾亜麻仁油に代えてみた。これはほとんど臭わない。ほぼ無臭である。

数分で↓こんな感じに。
ランプブラック

3本の芯を入れているので、油がどんどん減ってゆく。まめに給油しないといけないが、たっぷり入れすぎて芯が埋まってしまうと、火が消える。あるいは火が非常に弱くなってしまうのでご注意。

1時間以上かかって↓このくらい集めたが、風が強くなってきたので、本日はここで終了。
ランプブラック

それにしても、ランプっていうのは、大量の煤が出るものなんですなぁ。システィーナ礼拝堂の天井画も、主に蝋燭の煤であれほど暗くなっていたというのも納得。中世のイコン画も、煤で汚れて、砂で擦って落としたりしたとかいう話を読んだことがありましたな。書道用の墨は、炭じゃなくて、煤(ランプブラック)を膠で固めたものだそうである。実は、墨を作るぐらい集めたかったのだけど、この方法だと時間がかかりそう。

備考:日常生活でランプを使うということがなかったもので、オイルランプに関しては多少誤解があるかもしれない点を踏まえて読んで頂ければと思います。

| 絵画材料 | 09:39 PM | comments (2) | trackback (0) |
鳥の骨を焼いて、ボーンブラック(骨炭)を作る。
用意したのは、スーパーで買った若鶏肉の骨(食べ残り)。
変な味付けすると不純物となる可能性を考慮し、水炊きにして食した残りである。

ボーンブラック

しかし、改めて骨というものを観察すると、軟骨やら骨髄やらいろいろと一定の構成じゃないので、結果の予測が難しそうな気がした。綺麗に洗ったつもりでも、なんかいろいろな有機物が付いている。そして、ちょっと置いているだけで、すぐに腐敗して腐臭を放つ。食卓の下に鶏骨を見付けたら、すぐさま火にくべよ、とチェンニーニも書いていたが。。。むかし理科の先生が、豚頭骨の標本を作るために、豚の頭を花壇に埋めたことがあってですな、掘り返すときに見てたら、まだ腐りかけの状態で、ものすごい量の虫がうじゃうじゃと出てきて、それはもうグロい光景だった。それと比べると、象牙だったら素材としてはずっと扱いやすいのかもしれない。中身も均質で骨みたいな複雑さはないかもしれない。まぁ、象を狩ったことはないので、どんなもんかは知りませんが。

チェンニーニの書では、黒を作る箇所には骨を使った顔料は書かれてないみたいである。練習用板に使用する骨粉の作り方については書かれているけれども、これはたぶんメタルポイントのひっかりになるための下地用で、「灰よりも白くなったら」ということだから、白でありますかな。ウィトルウィウスとテオフィルスもさらりとチェックしてみたが、葡萄の蔓はかならず触れられているのに、動物の骨の黒がない。なお、見落としてたら教えてください。

ともかくまずは焼いてみることに。
ボーンブラック
今回はアルミホイルで包んでコンロで加熱という、簡易的な炭作りの手段を用いた。
アルミ箔で2重に包み、上に小さな穴を開けている。ただし、アルミ箔の隙間からうっすらガスが漏れているので、べつに穴は必要なかったかもしれない。やってみて気が付いた点としては、アルミ箔はコンロの火で長時間熱するには耐熱性がいまいちで、途中ボロボロと崩れてくるってところですかね(これは後々まで悩まされたので、しっかり焼こうというときはアルミ箔には頼れないと言える)。

一時間以上火にかけて、煙の量も減ってきたので、一旦終了。
冷めたのちに、恐る恐る中を確認してみた。
ボーンブラック
少し茶色くて、まだしっかり炭化しきっていない様子である。でも、そんなに悪い状況には思えない。

骨髄の部分は消えて無くなっている。
ボーンブラック

真っ黒くなるまで再び火にかけよう、というところで次回につづく。

| 絵画材料 | 01:14 AM | comments (0) | trackback (0) |
東プレのキーボードRealforce108UHを買ってみた
メインで使用していたキーボードが壊れたので、この機会にと、いつかは買おうと思っていた東プレのキーボードを購入してみた。
Amazonにて¥16,665也。

東プレ Realforce108UH 静電容量無接点方式統一荷重108USBキーボード(白) SA0100

私はよく人様から、パソコンとかにお金いっぱい使ってるんだろ、キモッ!って言われたりするのだが、実はパソコン自体はすごく安いものを使っている。自作マシンなんで正確な値段はいまいちわからんけど、世間様がご利用なされているパソコンの半額ぐらいかと思われる。最近のパソコンは処理速度的には標準的なものであれば通常業務には充分過ぎるほど充分なのであり、それよりも手が触れたり、目で見たりする部分、モニタとかキーボード、マウス等いわゆるユーザーインターフェースというものにこそ投資すべきではなかろうか。特に目が疲れるというのは非常にイカン。メインで使うモニタはやはり日立かNECのIPSパネル搭載品でなければ、なんて感じで。で、次にキーボードも大切っすなぁ。腱鞘炎になったりしたら大変ですから。

東プレのキーボードはキーを押すのに必要な力が30g、45g、55gの3つあって、指の位置に従って変えられているのだが(小指で押すキーは軽いとか)、本製品は全キーが45gで統一されているそうな。手持ちのキーボードをいろいろ調べてみたところ、60g近いものが多く、ネットで調べると70gぐらいのものもあるようなので、45gでも充分軽い部類である。でも、108UDKというALL30gの製品もあって、そっちも気になったのだが、ブラックの本体にブラックの刻印だったので、キーがちょっと見づらそうと思って敬遠。ほとんどのキーはブラインドタッチできるが、記号なんか打つときのキーまではさすがに手が覚えているわけではないし。

で、さっそく使っているのだけど、あまりにも素晴らしくて、次元が違う世界。
これほど買ってよかったと実感したアイテムも久々である。

よく動画なんか見ると、東プレのキーボード並べて楽しんでる人が多くて、なんじゃそれ、キモいぞって思ってたが、これは納得である。
私もALL30gとかテンキーレスとか、ブラックモデルとか買って使い分けたい。

| 家電・パソコン | 12:57 AM | comments (0) | trackback (0) |
葡萄の残渣を焼いてヴァインブラックを作る試み。
ヴァインブラックの素材は「葡萄の蔓」(または枝)と書かれていることが多い。葡萄は栽培したことがないので、実体験としてはあまり知らないのだけど、ネットで画像などを見る限りでは、葡萄の蔓はなかなか凄い。葡萄を栽培してたら、蔓とかいっぱい出てきそうである。ウィトルウィウスの書にもヴァインブラックが出てくるけど、古代地中海世界でも、その後のヨーロッパでもワインがずいぶん飲まれていたようだから、葡萄の蔓は捨てるほどあったのだろう。顔料として適していたのは確かであろうけども、たくさん在ったというのも、ヴァインブラックが使われた理由かもしれない。そう考えると、個人的に葡萄とほとんど接点のない自分にヴァインブラックを作る理由はあるのかと自問せざるをえない面もある。しかし、身近に葡萄の蔓はないけれど、素材として「絞りかす」などと書かれている書物もありまして、考えてみるとワインを作れば絞りかすも大量に残ったであろうし、これも使われたことでしょう。クヌート・ニコラウスの本だと「ワインブラック」と書かれていましたが。

絞りかすでよいのなら、食べかすでもいいかもしれぬ、というわけでスーパーで葡萄を買ってきた。
ヴァインブラック
アメリカ産オータムローヤルというものである。どの種類がいいかとか迷いそうなところであったが、店頭にこれしかなかったもので、他に選択肢がなかった。桃があったら、ピーチブラックに路線変更したところであろうが、今はもう無いようだ(経験者の方の話によると桃核炭はたいへん固いそうで)。

まずは、買ってきた葡萄を完食する。
ヴァインブラック

量が足りないような気がしたので、さらにもうひとパック買って食べたが、この時点で何か非常に間違っているような気がしないでもない。

ここで一例として、ヴァインブラック製法のソースを挙げてみると、ウィトルウィウスの建築書では、まず、油煙(ランプブラック)と思われる顔料の製法が書かれ、その後、その顔料が間に合わなかった際の応急の手段として、炭系の黒の作り方が述べられている。「・・・葡萄の枝または脂気の多い削り屑が燃やされ、それが炭になった時火が消され・・・」(『ウィトルーウィウス 建築書』東海大学出版会)という具合である。ウィトルウィウス、テオフィルス、チェンニーニに、さらりと目を通したが、黒系の作り方はだいたいみんな似たようなものである。

今回は、以前、デッサン用木炭を作ったときの方法でやってみたいと思う。すなわち、半密閉の容器内で蒸し焼きにする方法である。

蒸し焼き用の容器として、100円均一でスチールの小物入れを購入。
ヴァインブラック
葡萄の食べかすを押し込み、フタにはガス抜き用の小さな穴を開けておいた。

カセットコンロで蒸し焼き開始。
ヴァインブラック

この容器、スライド式のフタがついていのだけど、隙間からガスが抜けていゆく。
下手すると酸素が供給されて灰ができてしまうかもしれぬと、ちょっと心配。

量が少ないからか、30分程度で煙が出なくなったので、火を止めた。
あまり続けると灰になるので、頃合いを見て止めるのだが、その辺のタイミングの判定がまだまだよくわからない。

う~ん、微妙な炭ですなぁ。
ヴァインブラック

やはり蔓の方がいいか。
蔓、写真で見る限りでは、炭を作るのに向いてそうな予感がする。蔓そのものが売っているところはあまり見ないが、葡萄の蔓で作った工芸品はいっぱい売っているので、それを使うという手もある。しかし、そういうのは手作り品が多く、作者に悪いような気もする。あるいは葡萄に限定せずに、何らかの蔓でよいなら、庭にないこともない。蔓植物なら、一般的な木材よりも軟らかくて顔料にしやすいという可能性も考えられるが、その辺は今後の課題である。

しかし、失敗かと思われた食べかすの炭であるが、乳鉢でゴリゴリとやってみると、なんかいい感じの黒であるような気がしてきた。
ヴァインブラック

これがどんな色になるかであるが、実は既にボーンブラック作りも進んでいるので、そちらと一緒に比較しつつ試したい。

| 絵画材料 | 01:34 AM | comments (0) | trackback (0) |

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