2012,03,27, Tuesday
全曲上演に四日を要し、CDは13~14枚組という、ワーグナー作「ニーベルングの指環」だけれども、これのハンス・クナッパーツブッシュ指揮による1950年代の録音を車載CDに入れて聴いておったんですが、ようやく全曲聴き終えましたぞ、というところである。というか、既に3回くらい繰り返し聴いるのだけれど、ワーグナーはやはりクナッパーツブッシュに限るなぁと。クナッパーツブッシュ以外でワーグナーを聴くというのは、個人的にはけっこう苦痛だったりする。盛り上がってきたときに大音量になったり、急激にテンポが上がってきたりすると、かえって小者臭がしてくるものであるが、クナッパーツブッシュは、音量を上げるというよりは、何か音そのものに精神的な迫力が加わって盛り上がってくるという感じであり、また、盛り上がりの場面でテンポを上げるという安っぽいことはなく、むしろ逆に遅くなったりするのだが、その方が断然迫力が増すと思う。また、非常に長い曲であり、有名な部分以外が退屈に感じられてしまったりするものであるが、クナッパーツブッシュの演奏では、どの部分も味わい深いので、聴くのが苦痛ということがない。
で、指環全曲のうちではワルキューレがやはり好きなのだけれども、「神々の黄昏」も素晴らしいっすなぁ。「神々の黄昏」はショルティのCDや、数種類のDVDを観たりはしていたけれども、正直あんまり好きではなかったんだが、クナッパーツブッシュ指揮はまるで別物であり、4枚あるCDのどの部分を聴いても、聴き所ばかり素晴らしすぎるといえる。 参考動画:1951年のバイロイト |
2012,03,25, Sunday
クレサン竹本氏より麻生地キャンバス No.014を頂きました。
![]() 絹目・生地 亜麻100%、クレサンの麻生地キャンバスの中では一番価格の高いものです。 http://www.claessens.ec-site.jp/71_381.html 大作の野望を抱きつつ、けっこう慌ただしくいろんなことがあって進行が遅いのですが、かつてない勢いで麻生地を消費しつつあるので、たいへん助かりました。また、生地に余裕ができたので、昔風に、布よりも大きな木枠に仮張りして膠塗り、地塗り、制作をやってみるという試みもやってみたいとも思います。 ちなみに、パネルに麻を貼って制作しているんですが、大きな画面に地塗りすると、効率を考えるようになるので、なかなか勉強になります。いろいろ試して、今のところは壁のクロスを貼るためのヘラを使って地塗りしてます。なんとなく動画にしてみました↓ http://www.nicovideo.jp/watch/sm17353739 単に地塗りしているだけの動画なので、コミュニティ限定再生にしました。 |
2012,03,19, Monday
真田幸光(著)『世界の富の99%はハプスブルク家と英国王室が握っている』宝島社 (2012/3/10)
トンデモ本っぽいタイトルと思いつつ思わず買って読んでしまったのだけど、実際読んでみると、なるほどと思われる部分が多々あって勉強になった。 英国王室はともかく、ハプスブルク家はどうなのだろうかと、多少気になって、読後にネット検索するなどして第一次大戦以後の経緯をお復習いしてみたが、ハプスブルク家がどうこうはともかく、大航海時代以降のシステムという点では確かにこの本の言う通りなのかもしれない。 |
2012,03,16, Friday
動物の骨や皮、腱などから取れる膠という接着剤があって、顔料を定着させる媒材としても活用されているけれども、獣から捕れる接着剤的なものとしては、原初的なものを考えると獣脂の方が先に使われたかも。皮と肉の間に分厚い脂の層があるし、その他様々な部位に脂があるけれども、それは特に加熱せずに切り取って得られるので、その脂を使って赤い土や炭などの顔料を塗るという行為が行なわれる方が、膠より先だったんじゃなかろうか。で、もし石灰岩の壁に塗ったら、長い時間の間に石灰岩から石灰を含む水が染み出して新しい石灰の層を形成するなどして、フレスコ画的なものになるかもしれない。
しかし獣脂はともかく、肉を煮ているうちに出てくるゼラチンを使ったらどんなもんかなと思って試してみることにした。 なお、その模様は動画でアップロードしております。 http://www.nicovideo.jp/watch/sm17263261 まず、骨付きの鶏肉をグリル鍋で煮る。皮も付いててコラーゲンの多そうな肉でした。 ![]() 残った骨を鍋に戻してさらに低出力で煮続ける。 ![]() 膠、というか、ゼラチンは、獣を煮るとガンガン出てきて、器に残る。 ![]() ただし、だいぶ脂が混ざっていて、触るとベタベタするが。 で、ゼリーを少し温めて再び溶かしたものを使って、顔料を紙に塗ってみた。 ![]() |
2012,03,15, Thursday
植物油の抽出源はたいてい植物の種子であるけれども、オリーブオイルは果実から油を採れるということである(搾油方法は『オリーブの絵本』(農文協)に紹介されている)。
果実を潰して放置するだけで油が浮いてくるということであるから、搾油方法としては他の植物と比べて格段に楽である。個人的に、原始的な方法での搾油をいくらか試してみた経験から思うことは、オリーブから油を採れる地方なら、いっぱい油を使うことができたんじゃなかろうか。二宮尊徳の菜種油伝説はもうちょっと楽な感じになったんじゃなかろうか、などと思ったりするわけである。植物油は、食用だけでなく、燃料や潤滑油など様々な用途に貴重であったろうから、古代ローマの発展にけっこう大きな寄与があったんじゃないかなと。 ところで、アボガドも果実からオイルが採れるそうなので、試しにオリーブと似た方法で油が得られるかやってみることにした。 用意したアボガド ![]() アボガドの果実を潰し、ビニール袋に入れる。 ![]() これは『オリーブの絵本』で見た方法である。 数時間後、黒くなっただけで、油が分離する気配はない。 ![]() 加熱あるいは、遠心分離とかしなくちゃいけないのだろうか。 どっちにしろ、乾性油ではないので、どうでもいいことではあるが。。。 |