モンタネッリ/ジェルヴァーゾ(著)『ルネサンスの歴史(下)反宗教改革期のイタリア』
以下の本を読みました。
モンタネッリ/ジェルヴァーゾ(著)『ルネサンスの歴史(上)黄金世紀のイタリア』
モンタネッリ/ジェルヴァーゾ(著)『ルネサンスの歴史(下)反宗教改革期のイタリア』
美術書的なルネサンスの本はいろいろと読みましたが、何かちょっと物足りないというか、きれい事ばかり書いてあって、どうも嘘っぽい感じがしていて、そこが個人的にいまひとつルネサンス芸術全般をそれほど好きになれない理由でもあった気がするのですが、こちらの本にはルネサンス美術を生み出す原動力となった物事のそれはそれは汚い部分がしっかりと描写されており、これがルネサンスなのだとようやく納得できた気がします。反吐が出るぐらいに滅茶苦茶な世界を2冊の本の中にバランス良くまとめられており、そして壮大な話でも必ず毒舌と皮肉が混ぜられており読んでいてとても楽しかったです。この時代に限ったことではないのですが、ほぼ汚物ですな。もしかしたらルネサンスを挟む中世後期とバロックと比較してもむしろ汚物度が高い時代かもしれません。この本を読んでようやくルネサンス芸術が好きになってきました。素晴らしいです。もうルネサンスに並ならぬ関心が高まってきて、また次々本を買ってしまいました。それと、宗教改革についての本がルターやカルヴァンなど宗教改革側の視点で描かれることが多いような気がして、美術的にはいわゆる対抗宗教改革というものも同じくらい、あるいはむしろそっちの方が影響力があったと思うのですが、対抗宗教改革側の話もしっかり書かれており、そのあたりも読めて大変よかったです。これはその後のバロック芸術を生み出すものです。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 01:43 AM | comments (0) | trackback (0) |
鉛白顔料動画#1


油彩画の白について語る動画を公開してきましたが、ついに鉛白顔料(シルバーホワイト)についての話を始めました。プリニウス、ウィトルウィウスなどをベースにしつつ、古代から中世にかけての製法などについて語っております。鉛と酢をつかう製法ですが、思わず「酢」の製法まで語ってしまいそうになりましたが、そこは自重しております。プリニウスの博物誌は、全体的には奇っ怪な動物の話とか古代という時代を考慮しても眉唾な記述が多いのですが、しかし鉱物と顔料製法に関してはかなり具体的で再現率が高いのです。が、それはともかくとて、ウィトルウィスの方がさらに簡明に書かれており、今回はこちらを引用しましたが、なぜかカロリングルネサンスの話まで出てきました。なお、続編では、スタック法鉛白について語りたいところですが、実際に続くかどうか、ちょっとわかりません。

| 絵画材料 | 01:27 AM | comments (0) | trackback (0) |
インマゼール指揮/シューベルト:交響曲集
本年度は通勤に片道1時間かかるので溜まっていたBoxCDセットなどを順次聴いていた、という話を前に書きましたが、ここ2、3ヶ月何かと落ち着きがなくてあんまり聴いておらなんでした、なんとなくいつも聴いているものを聴いていなければならないような時もあるものです。が、それはともかく、最近また車載CDにディスクを入れる余裕も出てきたので聴いておりますが、聴き終えたのは以下の二つ

クラウス・テンシュテット指揮/マーラー交響曲全集(スタジオ&ライブ)CD16枚組Boxセット
マーラーはそんなに好きな作曲家でもなくて、ふだんじっくり聴くということもあまりないのですが、最近気に入っているテンシュテットのマーラーは非常に評判がよろしいので、こちらの全集で聴いておかねば的なところもあったので買いましたが、力強くメリハリのある部分ではパンチが効いており、しみじみと歌い上げる部分は適度に味わい深くという感じで、全体を通してとてもよかったです。16枚というのはやはりけっこう数が多いのですが、どこをとってもなかなかいい感じでした。あまり長い期間をかけて聴いていたので、振り返ってみてコメントするのが難しくなってしまったところがありますが、第8番はかなりの迫力でした。第6番もよかったです。

インマゼール指揮/シューベルト:交響曲集
シューベルトの交響曲の中では「未完成」がダントツの知名度を誇っているといえるでしょう。数あるクラシックの楽曲の中でもベートーヴェンの運命と並んで定番の楽曲となっており、特にクラシックを聴き始める頃に必ず耳にするような曲となっています。それから、ある程度クラシック音楽を聴いていると出会うのがザ・グレイトであり、これは劇的なところがあまりないので初めて聴いたときは退屈するかもしれませんが、慣れてくるとなかなか活力のある曲であり、名曲と言えるでしょう。それに比べると、シューベルトの他の交響曲は一般的な知名度はだいぶ落ちるんじゃないでしょうか。しかし、5番は割とコンサートでの演奏機会もあるし、個人的には第4番「悲劇的」などはかなり好きな曲です。そいれ意外のものについてはあまり詳しくないので、全集を買ってじっくり聴いてみたいと思っていたところでした。
そして全曲通じて聴いてみたわけですが、全曲通して聴いてみると「未完成」が突出して異様な個性を発揮しているという事実でした。6番までの曲を聴いて、なかなかいいなぁと思いつつ、しかし、未完成に来ると、それが全部消し飛ぶ、というぐらいに不思議な曲です。あまりにも定番の曲なので、私としては正直聞き飽きてしまった感もあるほど当たり前のような曲に思ってましたが、こうやって通して聴いてみると、この曲はどこを取っても強烈なインパクトがあって普通じゃない、さすが名曲というのはこのような個性があるからなのだろうなと改めて思った次第です。もっとも、この録音自体は、ちょっと強弱の付け方が激しすぎて、車載オーディオで聴くのには難儀しましたが。
なお、6番以前は、古典派風の曲調というか、ふつうシューベルトはロマン派に分類されますが、6番以前はちょっとないくらい古典派風です。なので、ピリオド奏法によるインマゼールのこのCDはこのような曲に適していると思われます。このCDで聴くとどの曲も素晴らしい曲に聞こえるので、お薦めと言えるでしょう。未完成は曲には感動しましたが、このCDがいいかどうかはちょっと判断つきかねる。ザ・グレートの方は、曲の傾向的には現代楽器でベームみたいに演奏する方が魅力的な感じするので、やはりこのCDがいいかどうかもちょっとわからんかな、という感想ですが、とりあえず6番以前のCDを買うとしたらお薦めと言えるでしょう。

| 音楽 | 01:31 AM | comments (0) | trackback (0) |
ウェルドが発芽しました。
9月末あたりにウェルドの種を秋植えしてみたのですが、無事に発芽したので、これを越冬させて育てたいと思っています。
ウェルド

今まで何度種を撒いても発芽しなかったのですが、8時間水に浸けてから撒いたからか、あるいは春ではなくて秋に撒いたのが良かったのか、どちらかはわかりませんが、ようやく発芽してくれました。
お寄せ頂いた情報によりますと、秋撒きしたものを暖かいところで越冬させると良く育つそうです。しかし、経験上、厳しい冬を雪の下で過ごした芽も翌シーズンによく育つということもあるので、野ざらしにして越冬させるものと、室内で越冬させる組みに分けておくことにしました。

↓こちらが、室内用の鉢です。
ウェルド

とりあえずは、目標はウェルドの写真を撮影することと、種を収穫することです。

| 絵画材料 | 11:57 PM | comments (0) | trackback (0) |
ジョセフ・ペレス『ハプスブルク・スペイン 黒い伝説:帝国ななぜ憎まれるか』他読了
最近、スペイン史に関心があって、いろいろ読んでおりますが、最近読んだものは以下のとおり。

西川和子(著)『スペインレコンキスタ時代の王たち: 中世800年の国盗り物語』
イベリア大陸のキリスト教国家の変遷について読んでみたかったので、大変親切そうなこちらの本を読みました。アストゥリアス、レオン、カスティーリャ、ナバラ、アラゴン、バルセロナ等々の王国、伯領など、どんなふうに変わって、合わさってやがてレコンキスタを達成するのか、というのを何となく流れ的なものはわかったような気がしないでもないのですが、人名はさすがに記憶に留めるのは難しい。ほとんど同じ名前で、何世とかで区別されていても、それぞれの王国で同じ名前が登場するし、連合王国の場合はさらに複雑になるしで。まぁ、歴史が専門ではないので、別に覚えなくてもいいのだけれども。

西川和子(著)『スペインフェリペ二世の生涯:慎重王とヨーロッパ王家の王女たち』
カルロス1世の話は、けっこう読む機会があったように思いますが、フェリペ2世を扱った本というのはまだ読んでなかった気がしましたので。実はちょっと暗くて陰湿なイメージを持っておりましが、特にエル・エスコリアル宮殿というのが、現生に対して後ろ向きなふうに勝手に思ってましたが、本書を読んでだいぶイメージが変わった気がします。読んでみてよかったです。

ジョセフ・ペレス(著)『ハプスブルク・スペイン 黒い伝説:帝国ななぜ憎まれるか』
今回読んだ中でも、凄いと思ったのが本書です。日本で絵を描いている人にとってスペインはプラド美術館があったり、ピカソの出身地であったりして、むしろ良いイメージというか、憧れの地であるかと思うのですが、西洋人にとってはヨーロッパの中でも異質な存在であり、ときに非常にネガティブなイメージとなっていたりするのです。大航海時代の南米他での殺戮、異端審問所、長い間イタリアの大部分を支配していたこと、中世の長い間イスラムに支配されていたということと、イスラム教徒のみならずユダヤ教徒も多かったことなどから、ヨーロッパの大部分から見ると、異質なものとして見られていたというのはあるでしょう。そのような黒い噂を検証してゆく本です。結論から言えば、そのような噂は実はネーデルラント北部のプロテスタントによるプロパガンダによるところが大きく、過大に喧伝されてそれが史実のように語られてきたというものですが。特にネガティブなイメージを代表するのフェリペ2世であり、不思議なことに父親のカルロス1世の方は、なんだかんだで尊敬されてしまう存在なのですが、実際は、フェリペ2世はカルロス1世の方針を踏襲しているだけで、やっている事に違いはないのに、なぜそうなったのか。しかも、フェリペ2世に対しては制作に対してだけではなくて、個人の人格攻撃も凄まじいものがありました。オペラで有名なドン・カルロスの物語となるスキャンダルも、おそらく捏造なのでしょう。こちらはどの本でも史実はカルロス王子に問題があったとは普通書かれてありますが。しかし、この本はスペインの話かと思いきや、世界史規模の話になってゆきます。産業革命や近代科学の発展を享受したのは、ヨーロッパの北半分、主にプロテスタントであり、アングロサクソンあるいはゲルマン人の方であり、南側、イタリアやスペインは近代以降びっくりするぐらい急激に衰退します。アメリカ大陸でもプロテスタントでありアングロサクソン系のアメリカ合衆国の発展と比べると中南米のラテンアメリカは未だに貧困と混乱で、となると、プロテスタント諸国の自由主義ことが経済と科学の発展に相応しかったとなる。けれども、本当だろうか、と検証が進みます。その内容よりも、世界を分けると西洋文明とその他、という括りが真っ先に思い付くけれども、世界的にはラテンとプロテスタントというのでもけっこうきっちり別れているものだなと改めて思いました。この本の内容に付いてまだまだ書きたいことがあるくらいです。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 12:16 AM | comments (0) | trackback (0) |

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