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画材&技法 全般 (16)」からの続き。


画材&技法 全般 (17)


油の加熱。追記

山崎 さんのコメント
 (2006/07/12 15:47:20)

万が一、油脂の加熱中に発火しても「水」をかけてはいけません。必ず「油脂火災」に対応できる消火器を使用しなければなりません。詳しくは消火器販売業者、消防関係に問い合わせてください。


色のくすみ

メーラー さんのコメント
 (2006/07/26 15:57:42)

混合技法で板にかいてますけど、白でテンペラ掛けした上に彩色していくと、暗色や赤系の色がくすんでしまいます。絵の具の溶き油が多すぎるのか、ラズーア(インプリマトゥーラ?)がうまく下地に合っていないのか分かりませんが、困っています。誰か教えてくれませんか


くすみ?

山崎 さんのコメント
 (2006/07/29 09:56:44)

白の上に着色すれば「くすみ」は発生しないはずです。白地の塗装でも、その下にある塗装面の明度が低ければ、上層に重ねる色に影響します.だから事前に作業状況を試験しなければなりません。いきなり「本番」はダメです。習作以前に、色彩効果をテストするのは制作のイロハですが、日本では美大でも教えてくれません。だから日本的絵画制作方法に見切りをつけた人間は留学するんです。国民の血税で運営されている芸術系の大学は絵画制作の実際的作業手順くらい一般人に公開する義務があると思うのですが、全く頼りになりません。色彩効果の試験をやらずに制作していることが根本的な原因ではないでしょうか。これは日本人だけがやらない、しかし欧米では常識でしかない、という深刻な問題です。絵画制作以前の下準備として、デッサン以外に色彩効果のテストピースを制作しておく、ということです。簡単な作業です。でも、知らなければやりませんよね。


くすみ?

修復屋 さんのコメント
 (2006/07/29 19:46:05)

「くすみ」ってなんですかね?色の発色が十分じゃないという意味ですかねぇ。それとも色が濁っているんですしょうか。文面から判断し難いですが、山崎さんのおっしゃる通り、「濁り」なら下地が十分に光度を保った白地なら起こらないと思いますが、発色が足りないとお感じのようなら、溶き油などに起因した「つや」の問題もあると思うんですが。暗色と暖色系に特にそのようなことをお感じになっている様ですが、深みのある暗色を得ようと思ったら、入射光を上手く調整してやらないと本来の色が出難いですよね。暗い部分に細かなクラデーションを作ってやろうと思ったら、ある程度つやを維持してやらないと、表面反射ばかり起こってグレーがかった同じような色になりやすいと思うのですが。暖色系も同様のことが言えると思います。暖かい色は光の波長が長いですし、やはりこれも表面反射を抑えることを考えないと発色のある艶やかな色にはなりにくいですよね。
 しかしそもそもこれは、作業の中でテンペラ絵具に関して感じているのか、それとも油彩による透層部分に感じているのか。油彩部分に関しては上のような理屈になると思いますが、テンペラはその性質上、どうしてもつやの引いたパステル調の色合いになる思います。
 中間ワニスを引いてやることは、つやに関しては解決策になると思うんですが、濁りはもう色の掛け合わせの問題なので、下地は最大限明るい方がいいでしょうし、補色の関係にもならない方がいいでしょうね。


くすみ?続き

山崎 さんのコメント
 (2006/07/30 14:36:06)

『修復屋』様の見解の通りではないかと、小生も考えます。油彩は「濡れ色」をキープしてこそ、その本領を発揮しますから。それには使用する展色材、つまり「油脂」と「樹脂」それに「溶剤」、各々の長所と欠点、物性の違いを理解しておかなければなりません。事前に彩色効果見本を作成しておくことが不可欠である理由もここにあるかと思います。テンペラの効果と油彩のそれとでは全く異なります。安易に混合技法を使うと、油彩かテンペラ、どちらつかずの陳腐な絵になってしまう恐れもあるわけです。


アーティスティのフレークホワイト

オーテカ さんのコメント
 (2006/08/02 12:07:14)

マイメリピューロの各色やアーティスティのフレークホワイトをよく使っているのですが、アーティスティのフレークホワイトのジンクとシルバーの比率についてご存じの方はいませんか?ジンクの割合が高いのならば手練りのシルバーホワイトと混ぜて使おうかとも思っています。よろしくお願いします。


アーティスティ絵の具

山崎 さんのコメント
 (2006/08/02 12:26:58)

オーテカ様。「白さ」をジンク顔料に頼るより、シルバー顔料の展色材料として脱水ひまし油を試みてはいかがでしょう?実験としての実例が少なくて申しわけないのですが、日本の某画材メーカーによる経年変化の比較を見た限りでは、脱水ひまし油が最も黄変が少ないという結果が得られています。実制作でどうなるかは未知数ですが、小生の場合、今のところ不具合はありません。ただ、製品がなく手練の必要があるものの、すでにシルバー白を手練されているようですので、なんら問題はないと存じます。


フレークホワイト

オーテカ さんのコメント
 (2006/08/05 07:36:33)

お返事、ありがとうございます。脱水ひまし油ですか?世界堂とかよく行きますが、置いてあるのを見たことがないですね。まあ、技法書や昔の雑誌とか読みあさってちょこっと調べてみます。

個人的には、白さ云々よりも、ジンクがどの程度、入っているのかどうかが最も気になるところなのですが。堅牢性が最も優れたシルバーと確実に割れるといわれているジンクが混合されているフレークホワイトはちょっと使うのをためらってしまうのです。ただ、マイメリ絵の具は伸びがよく、練り具合が非常に気に入っているので、ジンクの比率が低ければフレークも普通に使おうかと思っているところです。


古びかせる方法について

N.S さんのコメント
 (2006/10/24 21:03:42 -
E-Mail)

こんにちは。初めてここに書きこきました。質問で、油絵を古びかせるには、どうしたらいいでしょうか?


修復屋 さんのコメント
 (2006/10/29 19:28:02)

 なかなか面白いテーマだと思います。世の中にはこればっかりを真剣にやっている人もいるくらい、実に奥の深い分野です。私も職業柄、そういった人達の存在を目にすることが多いですが、作業内容はかなり「極秘」で私もよくは知りません。

 しかし大まかに作業内容を分類すると、「物理的損傷」と「外観的損傷」を作る2つが主な内容のようです。

 物理的損傷とは、主に「ひび割れ」などの形成を指し、そこに画布や下地層に対して行う作業などが含まれてきます。
 「外観的損傷」とは、主にワニスに対して行う作業で、黄化を進めたり、ワニス層の細かなひび割れを再現したりする内容です。
 これらの中間に、例えば板絵に木喰い虫がついてできた「穴」を、散弾銃などで模倣したり、実際に養殖した虫の巣の中に絵を数年間寝させたりといった作業が存在します。

 ただ「油絵を古びかせる」といったことがどこまで上記の内容とかぶってくるのか分かりませんが、個人が考える「古い」を再現するしかありません。

 例としては、古い絵画には「ひび割れ」が付き物なので、それをどうやって再現するか考えてみます。キャンバスだとこの作業は簡単ですが、絵具が柔らかいうちはあまり“上手く”割れません。そこで絵具層だけでなく、通常は下地層から特別な物を作ります。要は、割れやすい物を作れば言い訳です。それらは、通常はやってはいけないとされているような物ばかりです。例えば、キャンバスの下地として石膏と膠だけで下地を作るとか、膠は十分“煮込む”とか、“脱脂の上に油”の逆を行うとかです。細かくこの時点で割っておいて、描いた後で強く張り直したりすると、割れが持つ「湾曲」が上手く再現できたりもしますし、石膏地の代わりに軽石の粉末とカゼインを使う人もいます。通常、多孔質で硬い下地が良いようです。とにかく実験すりしかありません。
 その後で絵を実際に描きますが、乾性油を早く乾燥させつつ、硬い層を作る必要があります。私はよく知りませんが、オーブンなどに入れたりして乾燥させているようです。ただあまり高温だと、発砲してしましますし、絵具を乾燥させるためというよりも、「絵画全体」から水分を抜いて、乾燥させるためにという感じです。
 この後でニスがけをするわけですが、予めビチューム入りの「暗いワニス」を塗るなんていうのは結構誰でもやりますし、私の知り合いなんかは、日焼けサロンに一緒に絵も持って行ってました。「クラッキングヴァーニッシュ」何て言うのも幾つかの会社から市販されていますし、使ってみても面白いかもしれません。主成分についてはよく分かりませんが、だいたい2液式になっていて「最初が油性」で「後が水性」といったパターンが多く、“脱脂に油”の原則の逆を利用しているようです。極端に体積変化が大きな層が滑りやすい油性地の上に乗っているような状態なのだと想像します。ただ、あまり「リアル」ではないです。この辺のリアルなワニスのひび割れが作れるようになれれば、これだけで仕事になるかもしれません。とにかく伸縮性があるものはだめで、卵白やエマルジョンタイプのワニスを上手く使って独自に調合しているようです。こういった物は紫外線調査に対しても古いワニス同様の蛍光反応を示して、修復師を悩ませます。

 いろいろ無駄な事も書きましたが、実際にはこれだけで本が一冊書けます。2年程前にシエナで贋作ばかりを集めた展示会があったのですが、中にはかなりの秀作もあり、実際の調査が入るまで長い間人々を騙し続けてきた物もありました。特にボッティチェッリの贋作は、偽物と分かっていても欲しくなるような素晴らしい物でした。ただこれらは結局は偽物と判定された物ばかりで、世の中には今現在も人々を騙し続けている絵画が多くあります(そもそもボッティチェッリにしなければ、調査すらされなかったわけですし、、)。あまり深入りすると、とても一人ではできないようなこともあるので(特に材料の調達と各作業段階での熟練度)、ほどほどにやるのが良いと思います。

*私は贋作造り自体に興味があるわけではなく、絵画とマーケティングの関係や、作業内容(制作内容)が絵画に与える影響に興味があるだけです。


ありがとうございます。

N.S さんのコメント
 (2006/10/31 16:46:16 -
E-Mail)

修復屋さん、丁寧なご返答ありがとうございます。とても参考になりました。


ラファエロのアテネの学堂について・・・

柳 さんのコメント
 (2006/11/22 16:43:48 -
E-Mail)

ヴァチカンにある、署名の間のラファエロの「アテネの学堂」の修復記録などがありましたら、教えていただきたいのですが、どなたかご存知の方はいますか?


修復屋 さんのコメント
 (2006/11/24 11:52:29)

 「La Scuola di Atene di Rafaello, Restauri Recenti dei Musei Vaticani vol.1」でヴァチカン美術館から出ているようです。私は読んでないので内容は分かりません。言語は英語のようです。

http://mv.vatican.va/3_EN/pages/z-Info/Pubblicazioni/Pubblicazione_D102.html


ありがとうございます。

柳 さんのコメント
 (2006/11/30 19:55:36 -
E-Mail)

教えて下さり、どうもありがとうございます!
大変助かります。さっそくホームページを見てみたいと思います。


グレーズ【glaze】技法について

柳 さんのコメント
 (2006/12/03 22:10:07)

グレーズ技法についての文献を探しています。
また、レーキ顔料についての文献も同時に探しています。
出来れば日本語文献が良いと思うのですが、英語文献でもかまいません。
教えて下さいませんでしょうか。何度も投稿を申し訳ありません。
どうぞよろしくお願いいたします。


続・グレーズ【glaze】技法について

柳 さんのコメント
 (2006/12/03 22:19:46)

マックス・デルナーの絵画技術体系を読むと、グレーズは「透層(ラズール Lazur)」と表記されており、フランス語ではグラッシ(glacis)、英語ではグレーズ(glaze)というとありました。私はグレーズ技法、プリマ画法など、主に古典技法について興味があり、調べているのですが、詳しく書かれた文献を知りません。お願いしてばかりで大変申し訳ないのですが、差支えが無いようでしたら教えて下さい。


アカデミズムの技法

オーテカ さんのコメント
 (2006/12/07 15:57:28 -
E-Mail)

こんにちは、オーテカです。
最近、アカデミズム絵画の技法に興味があります。例えば、ブーグローやエドワード・ジョン・ポインターといった画家達です。
彼らの技法についての技法書などをご存じの方はいらっしゃらないでしょうか?(洋書でも構いませんが、なるべく、イラストや写真が掲載されているものがいいです。)
もちろん、直接、技法についてレスしていただけるならば、とても助かります。よろしくお願いします。
なお、メールアドレスは◎を@に直して送信してください。


RE:アカデミズムの技法

管理人 さんのコメント
 (2006/12/20 06:50:47)

こんにちは。

英国のアカデミーでもいいのですよね?私はあんまり知らないのですが、レスが付かないので、あえて回答すると、テートギャラリーの以下の本はどうでしょうか。

Pre-Raphaelite Painting Techniques: 1848 - 56,Tate Gallery Pubn (2004/09)

ラファエル前派はアカデミーとは正反対の立場でしたが、短期間で解体し、むしろアカデミーと関わりが深い人物もいるので、参考になる情報があるかもしれません。いや、ないかもしれませんが、私もしばらく前に注文しましたが、まだ届いてないので、実際役に立つかどうかはわかりませんけど。。。


古典末期の技法(主に彩色の手順)

オーテカ さんのコメント
 (2006/12/23 16:05:01)

理人さん、レスありがとうございます。
 古典末期のかなりきちっと描けて、なおかつ速描きの画家の描き方に興味があったのですが、確かに管理人さんが紹介してくれた本も十分役に立ちそうなので、参考にしてみます。
 人によってはヴェネチア派以降はずっと、古典画はグリザイユ、カマイユのモデリングのあとに固有色の彩色で描いてるとおっしゃる方もいますが、青木敏郎さんのように異論を唱える人もいて、実際のところどうなのかなぁと思ってます。
 ブーグローの作品を見てるとグリザイユに彩色のやり方で本当にあれだけ、正確な色が出るのか、疑問です、しかもすごい速描き!(アングルはグリザイユで描いていたと聞きますし、画集で単彩画も見たことがあるので納得できるのですが)。
 別の方は結局のところ、絵を壊して調べてみないと詳しいことは分からないから、古典画の技法について分かってない部分も多いと言う方もいますが、誰か、専門家の方の意見を聞いてみたいと思ったりもします。


脱字

オーテカ さんのコメント
 (2006/12/23 16:10:28)

すいません、「理人さん」じゃなくて「管理人さん」です。なんか知らない人の名前みたいになっちゃいました。


画材の質問ではないですが・・。

クチュリエ さんのコメント
 (2006/12/26 11:11:42)

はじめまして。
ちょくちょく拝見させていただいてます。
私は、人物画を描くのですが、照明装置のことで困っています。
自然光が、一番かと思いますが、アトリエは普通のアパートの一室なので、理想的な状態になりません。
人口的に光を作りたいのですが、光量がたらない感じです。
蛍光灯は、明るいものだと光源が3つとかになってしまい、影が複数になってしまいます。
カメラマンが使うようなものならいいのでしょうが、どこで売っているのかさっぱりわかりません。
どなたか、ご存じないでしょうか?


ブグローの技法

クチュリエ さんのコメント
 (2006/12/26 11:29:22)

ブグロー研究の米永先生のサイトで以前、技法について少し語られていました。
たしか、カマイユをしていたとか・・。
ですが、ブグローも制作年代によってかなり描き方を変えているような気がします。
ここからは、僕の肉眼で作品を見た時の感想ですが、
若い頃の作品は、グリザイユをしているようでグレイが透けているようなものがあります。1880年代頃の作品は、カマイユ。晩年の作品は、印象派を思わせるような筆のタッチに下地が透ける程の薄塗りでした(遠目では、かなりリアルです)。
絵によって描き方を変えているだけかもしれませんが・・。
未完成の絶筆「蝉と蟻」が見ることができれば、その辺も分かるのでしょうが・・・。


RE:古典末期の技法(主に彩色の手順)

管理人 さんのコメント
 (2006/12/27 14:08:19)

> ヴェネチア派以降はずっと、古典画はグリザイユ、カマイユのモデリングのあとに固有色の彩・・・

これはオーテカさん自身の意見ではなくて、誰かが言ったんだと思いますが、このように決めつけてしまうのは、よくないと思います。画家それぞれでかなり違う描き方をしていたと思います。カマイユどころか、下図さえろくに描かずにダイレクトに描き始めたと思われる画家も居ます。また、同一の画家でも、常に同じ手順ばかりで描くわけではなく、制作法の変遷やあるいは作品の重要度によって、手順は違ってきます。最近は、サンプル採取された絵具層の断層写真が本などで見れますが、かつて非常に複雑だと思われていた技法も、シンプルなものである場合が多いです。と言っても、サンプル採取される部分はあまり重要でない箇所が多いのですけど。

私はまだブグローの実物を見たことがなく、アングルには関心が薄いので、彼らの技法とは関係なしに、実際に制作する際のアドバイスとして書かせてもらうとします。一般的に古典技法と言われている方法で制作して、色がうまく出せないということに関しては、おそらく、グレーズ技法のみで固有色を塗ろうとするから上手くゆかないのではないでしょうか。あるいは、パレット上での混色をしないで、グレースで色を重ねて混色するという方法をやっているかもしれませんが、全てをこれでやろうとしても難しいです。また、色の三原色を意識してグレースで混色しようとすると、古典画とはかけ離れたものになると思います(むしろラファエル前派みたいになります)。色にもよりますが、固有色はしっかり塗り、その上にグレースをぬって調整するぐらいでいいかと思います。あるいは塗るというよりは改めて描くというほうがいいでしょう。油絵具の混色は慣れないとすぐ印象派風の色になってしまいますが、昔の絵画は顔料が限られていたので、混色や、グレースの塗り重ねには定番というものがあり、そういうのを学ぶと良いと思います。少なくとも小学校で習うような混色法は忘れた方がいいと思います。

なお、私としては、画面全体を完全に白と黒のみのグリザイユで描いて、そこに色を置くという(書籍や講習会などでよく紹介されている)古典技法の再現模写には疑問があります。仮にグリザイユをやるとしても、肉体の部分や、主役級の人物の衣類のヒダ、その他、特に立体感を出したい場所に部分的に行なうだけで、その他のモチーフや衣類や背景等には必要ないと思います。濃い色のモチーフなどは、カマイユ、グリザイユの工程では、空き地として残しておき、せいぜい僅かな地色を付けておくぐらいでいいと思います。カマイユ、グリザイユというのは画家によって、程度がものすごく変わると思います。実際の古典画で、全ての作品がそういうのをやっているとか、誰もやってないかというのではなくて、変奏曲みたいにいろいろヴァリエーションあり、ときに下図や彩色層との差も曖昧になるというが私の意見です(たまに美術館などで展示されている未完成作品を見るとそう思うわけですが)。また、カマイユもグリザイユも、その後に行なう仕事を効率よく行なえるようにやるべきだと思います。色彩と形体の分離の理屈はわかるものの、完成作品をモノクロ写真に撮ったようにしっかりグリザイユで描いてしまうのは私としてはかえって非効率的な気がします。上でやる仕事を予想し、それに合わせたグリザイユやカマイユを作るべきで、色彩層でやった方がいいものは、そっちに任せた方がいいと思うんですが。さらに、作品の制作期間や大きさ、テーマやモチーフ等に合わせて、あるいは1つの作品中でも、画面上の各所で臨機応変に、その場に合わせた描き方をするのがいいと思います。当然のことながら、不要と思えば全くやらないというのも、ごく普通の選択肢の一つです。手順が短くなるのは、悪いことではないと思います。むしろ、最短の手順で最大の効果をあげられるような工夫は大切だと思います。例えば、画面上に空が多かった場合、地塗りかカマイユをグレーで行なえば、空の部分を青で描き、光の当たっている雲の部分を白で描けば、下地のグレーは雲の影の部分として活用できます。グレースで微調整し、実際は少ししか手を入れていないのに、すごく手の込んだ手順のように見えたら最高です。古典技法というと複雑な手順と思っている人も多いかと思いますが、カマイユもグリザイユもなしに、固有色の1層を塗っただけでも立派な古典技法で手順上何も間違っていません。

ところで、一般的には「アカデミー = 古典技法」というふうに言われていますが、個人的にはちょっと違和感があります。アカデミーは、それ以前に中心的存在だった職人組織に比べると、デッサンや様式、作品のテーマなどには関心が高いものの、絵具の使い方や仕上げへの関心はだいぶ小さくなっているのではないかと思います。画集を見ていると非常に綺麗ですが、実物を前にすると、バロックまでのフランドルの職人の作品との差は非常に大きいと感じます。ましてや、印象派と同時代のアカデミーは、ヴェネチア派以降云々という古典技法とは別個のものではないかと思います。そういうと、アカデミー絵画のファンに怒られそうですが、べつに悪い意味で言っているわけではありません。ただ、長文を書いてしまいましたが、古典末期の技法という質問の答えになってないかもしれません。


照明装置について。

管理人 さんのコメント
 (2006/12/27 15:50:05)

RE:クチュリエさん

ヨドバシカメラに行ってみるといいじゃないでしょうか。
自然な光にするには、直接光を当てるのではなくて、白い壁か、なければ白いレフ板に反射させるといいと思います。照明に費やすよりも大きなレフ板や、レフ板を固定するスタンドの方がいいかもしれません。複数の照明を使っても自然な影がでると思います。採光のいい部屋でも、自然光というのは、さまざまな角度から反射してくる光があってこそで、一箇所から照らすとやはり人工照明っぽくなると思います。特に普通のアパートの部屋だと、照明が近くなるので、わざとらしい影でできてしまいます(モデルが照明の熱に耐えられないかもしれませんし)。メインの照明とは別の方向からもレフ板を使った柔らかい光を当てるといいと思います。またはモデルの近くに白いシーツを広げるだけでもだいぶ違うと思います。
直接照明を当てる場合は、モチーフと照明の間にトレース紙などがあると、強い影が出ずに済みます。ただ、照明に紙をくっつけると、燃えるかもしれませんので、長時間やる場合は気を付けてください。蛍光灯を使用する場合は、昼光色がいいと思います。あと、部屋自体の照明は、天井直付けのシーリングライトにして、いちばん明るいのにすれば、これでだいぶいけると思うんですが。


画材&技法 全般 (18)」へ続く。


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