「画材&技法 全般 (18)」からの続き。
ブロックス絵具
高橋 さんのコメント
(2010/02/03 17:16:29 - Web)
読者さまならびに投稿者様
毎度、俵屋工房をご利用くださいましてありがとうございます。
顔料と乾性油だけによる絵具の用法について、簡単ではありますが、
下記のページに書き込んでみましたので、ご関心のある方は、ぜひご覧下さい。
http://www.tawarayakobo.com/shop/free_9_3.html
「手練りが上手に出来ない」「ちょっと面倒」という方は、この方法で、
処方的には手練りと一緒、練り具合は、自由自在の手練り風が簡単に作ることができます。
(資)俵屋工房 高橋
木材と支持体のトラブルについて
tak さんのコメント
(2010/06/11 17:36:42)
はじめて書き込みさせていただきます。
にかわと二水石膏の下地を作っています。
合板のアクによって下地が侵されたり、亀裂が入った経験のある方はいらっしゃいますか?この春に作った石膏地に亀裂が入ってしまいました。
行程はおおまかですが
木製パネルを作る(ラワン合板)
2回の前にかわの後亜麻布をにかわで張る
にかわを引く
二水石膏とにかわによる下地(6〜7層ほど)
といった具合です(にかわ作業は3日ほど置きにしました)。
ほぼ同じ方法で作った3年前のパネルは亀裂、剥落などは今のところありません。
症状は
乾いた石膏下地に黄色い色が浮いてくる(においをかぐと石膏やにかわのにおいではなく、木のようなにおい。なめるとにがい)
何日か後に亀裂ができる、黄色いの部分だけ浮いてくる(スクレイパーではがしてみるとその部分だけが極端にはがれやすい)
といった具合です。
木材のアクではないかと思っているのでシーリングや障子紙による合板の目止めなどで対処する予定ですが、技法書などでも木材のアクで石膏地が浮いていくるというのは目にしたことがありませんので、もし同じような経験がおありの方やアドバイスなどをお聞きできたらと思って書き込ませていただきました。
管理人 さんのコメント
(2010/06/13 00:49:12)
アクというのかどうかわかりませんが、ラワン材はすごく簡単に色が染み出してきますね。
亀裂や剥離の原因となるかどうかはわかりませんが、まずは、パネルを作るときの材料を吟味した方がよいかと思います。伐採したばかり木材には非常に多くの樹脂やら何やらが存在して、しっかりと製品化されてないものであれば、いろいろな物が出てくることはあるかと思います。
テンペラ画をやっている人に聞く分には、共芯のシナ合板など使用すると、布も貼らなくても充分と言われたりします。私はまぁ、だいたい貼りますけど。
ラワン合板を使用しているなら、共芯が見付からなくても、普通のシナ合板に替えるだけで、ずいぶん違うかと思います。
また、その色は、もしかしたら、カビかもしれません。日本で膠の地塗りを行なうと、非常によく起こることです。防腐剤を全く使用していない場合は、膠に適量加えるといいかと思います。また、保管場所が高温多湿にならないように気をつけるといいかと思います。
アクリル絵の具に対しての支持体
daizu さんのコメント
(2010/10/11 12:51:52)
アクリル絵の具をを用いて制作する際に必要な下地処理を教えていただきたいです。
少し専門的な質問となりますが、もしおわかりになる方がいらっしゃいましたら
是非教えていただきたいです。
私は絵を描いている者なのですが、その絵の支持体についての質問です。
今は、アクリル絵の具(ターナー/GOLDEN)のみで制作しております。
特に厚塗りするわけでもありませんが、水彩風の淡い水分が多めの作風でもありません。
支持体は
・木パネル(シナベニヤ)にサイジング(前膠)し
↓
・麻布を膠水で貼付け更にサイジング
↓
・その上に膠水/水/白亜(炭酸カルシウム)/白顔料を混ぜた下地を何層か塗り
・乾燥後、紙やすりで研磨
という学生時代に学んだ古典的な支持体を用いております。
ただ、これは油彩を描いていた時分から用いていたもので、
今現在使用しているアクリル絵の具を用いた絵画で
ここまで手間のかかる支持体が必要なのかどうかが疑問です。
しかもこの支持体ですと、大作(100号程度)になるとパネルが
反ってゆがんでしまったりする場合がありました。
(おそらくパネルに貼った麻布による引っ張り)
もし有効かつ今よりも容易な支持体の作り方がありましたら
是非!教えていただきたいです!
今のところ、
・木パネルにキャンパスの裏面をタックスで貼ってそこに市販のアクリルジェッソを塗る…
ぐらいしか考えられないです…
RE:アクリル絵の具に対しての支持体
管理人 さんのコメント
(2010/10/12 23:01:34)
こんにちは。
古典的な支持体作りを行なわれているそうなので、現在の支持体及び地塗り作りの工程で、それぞれがどんな役割を果たしているか、既に学ばれたかと思います。その工程の中で、何がご自身に必要か不要かを再考してみてもよろしいかと思います。利用状況に合わせてカスタマイズしてこその、自作パネルだと思います。
例えば、麻布は綿布より酸性に強いので、油絵具には麻布の方がいいと言われていますが、アクリル画の場合、とくにパネルに貼る場合は綿の薄いものの方がよいという考え方もあるかもしれません。
支持体から目止め、地塗り、絵画層はそれぞれ違った素材で成っているので、気温や湿度によって違う動きをするものが組み合わさっているものですから、それが例えば古い油彩画の細かなひび割れとなって現われるということにもなりますし、お書きになられている反りの問題にもなったりするのかと思われます。例えば、地塗りをアクリルジェッソの地塗りにしたら、少なくとも、その上のアクリル絵具の層との矛盾はなくなるという考え方もできます。飽くまで考え方の一例ですが。
逆にいうと、それぞれ素材・工程の役割や、長所、短所を理解するに従って、どのような支持体が自分に適しているのか自然と解答が出てくる、というのがある意味、理想的とも言えます。その為には板の材質や、布の種類、地塗りの種類など、いろいろ換えてみるのもよいかと思います。過去の巨匠の例でも、大きさとか、予算とか、どのように輸送するか、顧客からの指示、等々の様々な状況に合わせて、支持体に限らず材料や工程が変わってきたりもします。古典的な方法を学ぶというのは、究極的にはそのような判断力を養うことに意義があるといえなくもありません。そのうえで、場合によっては、市販のアクリル用キャンバスをそのまま使うのが一番近道という判断も当然あり得ます。
アクリル絵具は、油性面など一部を除けば、さまざまな支持面に描けるので、「制作する際に必要な下地処理」というのは非常に幅広くて一概に答え難いものがあります。あるいは、個々人の自由であるとも言えます。表面が平滑な場合のプライマー、あるいは多孔質過ぎる場合はアクリルジェッソを塗るなど、カタログやパンフレットに掲載されていると思いますので、参考にされるとよいと思います。
日中と夜の絵の見え方の違いについて つれづれ
kayomu さんのコメント
(2010/11/20 17:49:37)
ビギナーズやフリートーク掲示板でお世話になっているkayomuです。
宜しくお願いいたします。
完成した絵を展示する場合だけでなく、描いている途中の段階においても、照明は重要なんだろうなあと感じる今日この頃です。
数ヶ月前、日当たりのあまりよくないマンションから、窓のたくさんあるマンションに引っ越しました。
前者は東からの光がわずかに部屋に差し込む家、後者は朝は東から、昼は南から、そして夕方柔らかく西日が差し込む家です。窓ガラスは曇り硝子なので、差し込む光は普通の硝子よりはマイルドです。
以前蛍光灯の灯りの元で描いていた絵を、明るくなった現在の家で日中見て見ると、なんとも深みのない色をしています。白日にさらされてボロが出たという感じです。
ただし、夜になると少しましになるように感じます。
一方、現在の家で主に日中に描いている絵は、夜になると色の鮮やかさが少し減退しているように感じます(が、暗い部屋+蛍光灯の元で描いていた絵ほど昼夜の差は感じません)。
蛍光灯などの人工光は光源が近く、差し込む角度も真上や斜め上からであるのに対し、自然光は光源が遠く、うまくいえませんが光が拡がって絵に当たるため、このような違いが起きるのでしょうか。
光の色の違いもあるかもしれません。
レンブラント(や、もしかしたらフェルメールも)アトリエは北向きの窓のある部屋だったと聞きます。一日中、安定した光が得られることが理由だったのでしょう。
もちろん、それはモチーフに当たる光があちこち変わるのを防ぐ、というのが第一目的だったのかもしれません。
ですが、描いている絵そのものに当たる光も、絵に与えている影響は少なくないのではないかと思います。
そうそう、ろうそくの灯りの明るさの中で絵を描いていた画家もいるのですよね(ゴヤだったかな。レンブラントもそういうこともあるのかもしれない。熊谷守一も一枚あった)。
その場合、描いている絵の方は全体があまりよく見えなくなっちゃいますね。
描き始めから最後までろうそくの灯りのみで描いていたということは、まあ少ない気もしますが(なんかしんどそうだし)。
モネは自身の睡蓮の絵を自然光の当たる部屋に展示してほしいと希望していたらしいですが、それは描いているときも自然光のもとで描いていて、その方がより絵が美しく見える、と感じていたからではないかな、と思います。
地中美術館の、自然光が差込白い磨かれていない大理石のタイルに乱反射する部屋で見たモネの絵は、絵具の中でも光が淡く、弱く乱反射しているようで、ため息がでるような美しさでした。
オランジュリーも行ったのですが、天気のせいかこちらはそこまでの印象は受けなかったな。
フェルメールファンの私としては、フェルメールの『デルフトの眺望』をマイルドな自然光のもとでも一度見てみたいです。
何か変わるかな。
直射日光だと絵が光っちゃってどうしようもないだろうな・・・。
思いつくままに書いてしまったので脈絡がないのですが、絵を描いている方々に、描くときの光について思っていることなどを続けて書いて頂けたら嬉しいです。
個人的な私の意見では、昼と夜に同じ絵を描き続けると見え方が違って混乱が生じると思います。昼も自然光を遮断している場合はもちろん別です。
管理人 さんのコメント
(2010/12/07 03:24:58)
同じ条件の光だけでチェックしていると、光源の条件が変わったときに、印象が変わって戸惑うことありますね。
特に自然光はふつうの住宅の場合は、壁の窓から入りますから横からの光になって、凹凸がくっきり浮かび上がる傾向があるかと思います。特に、絵を水平に置いて制作する場合と比べて、油絵のようにイーゼルに立てて描く場合、サイドライトはセッティングが難しくなるということもあるかもしれません。
修復家の黒江光彦(著)『蘇る名画 ルーカス・クラーナハ「アダム」と「エヴァ」』という、クラナハの「アダムとエヴァ」の修復作業を書きつづった本では、黒江先生のアトリエについても言及があり、北窓から入るサイドライトとありました。光を左の方から当てて作業し、一度も右から当てずに作業されたそうですが(右利きのため、左側から光がくるように設置して作業、絵はたぶん水平にして)、陳列したときに逆の方向のサイドライトだったため、「・・・少し違った、ヨソゆきの絵のようであった・・・」と印象が書かれてありました。
いずれにしても、最終的にどのような場所に絵が置かれるか、描いている人にはなかなかわからないことですから、制作中に違う条件の光源で確認するのは大事かもしれませんね。
寒冷紗について
シロ さんのコメント
(2011/02/16 02:07:43)
はじめまして。
初めてコメント書かせていただきます。
教えていただきたいことが・・・・
寒冷紗を使用して絵を描いているんですが、ホームセンター等に売られている寒冷紗は、ビニール製だったり、レーヨンだったりで、麻の寒冷紗を見つけられません。とりあえず今のところ、合成繊維のものを使用して絵を描いてますが、問題はないんですが、経年変化のことを考えるとやっぱり麻のもので描いてみたいのですが・・・
麻の寒冷紗はどこで入手できるものなのでしょうか。
ご存じでしたら是非教えてください!
RE:寒冷紗について
管理人 さんのコメント
(2011/02/16 22:27:22)
綿寒冷紗は検索すると出てきますね。
麻の寒冷紗は売っているかどうかは知りませんが、個人的に試したところでは、ホルベイン工業の板絵用麻布が、寒冷紗に近いように思えました。商品説明にも「蚊帳状」とあります。
http://www.amazon.co.jp/dp/B001VB4NC8
あるいは下記のような麻もいいかもしれません。
http://www.shikataurushi.com/products/list217.html
ターレンスのグレージングメディウム使い方について教えて下さい。
名無し3 さんのコメント
(2011/06/20 20:35:55)
以前この掲示板でも話題にあがった気がします。さかのぼって探してみましたがみあたりませんでした。
油彩をはじめて間もないのですが、このサイトなどで勉強しています。
グレージングメディウムを購入したのですが、いまいち使い方がわかりません。
グレージングメディウムは練り合わせ材として使うのですか?
それとも溶材として使うのでしょうか?
また溶材と練り合わせ材は同じものが良いのでしょうか?
最初の素描から使う方が良いのでしょうか?それとも二層目からでしょうか?
管理人 さんのコメント
(2011/06/25 16:05:31)
こちらにターレンス・グレイジングメディウムが紹介されています。
http://www.talens.co.jp/product/oil_assist/index.html
溶き油として油絵具に混ぜて使うものだとされています。
グレイシング用ですから、基本的には最初の素描で使用するものではありません。
油彩をはじめて間もないとのことですので、上記のURLだけではよくわからないかもしれません。
メーカーは異なりますけど、「クサカベ画用液」という基礎的な解説書みたいな冊子が画材店などで手に入ると思うので、まずそちらを通読されるとよいかと思います。
ブロックスの画用液
高橋 さんのコメント
(2011/08/05 14:30:49 - Web)
管理人様 ご無沙汰しております。
俵屋工房の高橋です。
突然ですが、ブロックスの画用液を発注します。
500mlと1000ml単位ですので、用材をたくさん使用される美術学校の研究室〜研究グループの方、作家の方からのご注文予約をお待ちしています。
輸入リストは下記ページをご参照の上、ページ上部の[問い合わせ]からメールをお願します。
*ご注文数により別途お見積りも致しますのでお問い合わせください。
*予約締切 2011/08/08
http://www.tawarayakobo.com/shop/newinformation.html
シロ様 先ほどご投稿を拝見しました。半年ほど経ってしまいましたが、綿の寒冷紗ならば取り扱っています。なかなか通販ページに手が回らなくてご迷惑をおかけしていますが、もしご利用でしたらご連絡ください。現物写真と価格などについてご案内させて頂きます。
寒冷紗は、当工房のオーダーメイドパネルには欠かせないものですので、極細(ガーゼ状)から粗目まで常備しています。
管理人 さんのコメント
(2011/08/14 15:53:08)
高橋様 ご無沙汰しております。
寒冷紗、俵屋工房さんでも扱っていらっしゃったのですね。
私は、先の投稿でも紹介した鹿田喜造漆店さんより綿寒冷紗をいく種類か購入してみました。
http://www.shikataurushi.com/products/list217.html
紙の方もそのうち試したいところです。
厚塗りによる皺について
ゆり さんのコメント
(2013/04/29 01:06:49)
私は現在油絵の具で厚塗り(1cm程)して描いていますが、乾燥するまでに必ず皺が寄ってしまいます。
皺の原因は表面だけ乾燥して膜を作ってしまい、中が未乾燥のままとなっていることが原因のようです。
これまで使用していた画溶液を以下に書かせていただきました
ターレンスのスタンドオイル、クサカベのダンマル(1)、ホルベインのテレピン(3)、ホルベインのシッカチフ(注意書きの容量よりもかなり少量に抑えています)
※スタンドオイルの容量は適宜変更しています。私は絵の具に粘り気を持たせる必要があるため、基本的に大量に使用します。
これまで試した方法を以下に書かせていただきました。
•ベネチアテレピンを混合し乾燥を遅らせる
•厚塗り可能というターレンスのペインティングペーストを混合する
•シッカチフを更に少量にする
厚塗りと絵の具の粘り(スタンドオイル)を変えずに、解決する方法をお持ちでしたら教えていただけると幸いです。