ウィーン美術史美術館 [コメントする]

ウィーン美術史美術館


管理人 さんのコメント
 (2001/05/13 20:01:49 -
E-Mail Web)

ウィーン美術史博物館に関するスレッドです。

・美術館/博物館のスレッドは、基本的に該当美術館の常設展示、作品調査、保存・修復、出版物、論文、講演、ワークショップ、その他の諸活動に関する話題を扱うこととします。
・特別画展示に関しては、それが巡回展の場合、その美術館とはさほど関係ない場合がありますので、その点にご注意を。
・模写の思い出、ワークショップや講演に参加したときのレポート等を、気軽に投稿していただければと思います。
・あるいは役に立ちそうな情報(お得なチケットや、非展示物の閲覧方法、付属図書館の利用法等)もよいかと思います。

Kunsthistorisches Museum Wien


Ken'one さんのコメント
 (2004/10/17 10:56:18 -
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これを書く前に改めて調べてみたら、東博以外のスレッドはどれも閑散としていて、ここだけじゃないと知り、ほっとしました。それで、この美術館に関しては僕もすこしは書けるかな、と思っています。というのも、僕はウィーンに13年住んでいる絵描きでして、この美術館とはそれなりの関係をもっています。とは言ってもそんなにしょっちゅうは行ってません。年に一二回程度でしょうか。思えばもったいないことです。1999年以前の、政府が中道左派の社民党と右派の国民党の連立だった頃までは、Jahres karteといって、一年間有効の国内すべての国立美術博物館の入場券があって、毎年の正月にはこれを買う のを習わしにしていました。月に一二度行っていた時期もあり、その頃は贅沢なもので、見たいと思った絵だけを三四十分、絵の前の小椅子に座って、のんびりと眺めて、それだけで家に帰ったりしたものでした。
ここのところ、目玉商品のフェルメールが長いこと日本に行ってますし、ベラスケスの「青衣のマルゲリータ」もレスタウロに入ってしまい、ちょっと寂しすぎます。とはいえ目玉商品のまだまだ沢山あるところですから、これを機にひさしぶりに行ってこようかな、と思っています。ちなみに、今住んでいるアパートから美術館まで歩いて7分程度です。
好きな絵は数え上げるのもめんどくさいほどありますが、その中から一枚だけ選べと言われたら、僕は躊躇なくラファエロのマドンナを挙げるでしょう。どれだけ見ても見飽きません。いつも名残惜しい思いで絵の前を離れます。
何故この絵はこんなに良いのか、と言う事については色々書かれたり言われたりしていますが、そういったものを読んだり自分で考えたりしてもどれもなにかしらしっくり来ないものです。そういう時一番良いのは、できる限りなにも考えないようにして、なるたけ長い時間絵を眺めることでしょう。そうすればそのうちいつか答えのような物が心の中に現れて来る事があります。。
この絵の場合は随分時間がかかりました。ついこのあいだ、ふと思ったのです、この絵には「絶対的幸福」が描かれているのだと。人間がこの世では決して得る事の出来ないそれの光が、絵から見ている我々に向かって差している、そんな風に思いました。そう思うと、忘れていた長い間の謎が漸く解けた、という微かな、しかし確かな喜びを感じたのでした。絵を見るしあわせってこういう事ですよね。 ではまた。


管理人 さんのコメント
 (2004/10/18 05:09:58)

Ken'oneさん、さっそく書き込みありがとうございます。

私は以前、ウィーンに5ヶ月ほど滞在していたことがあり、ウィーン美術史美術館はその間、繰り返し何度も訪れたので、わりと思い入れが深い美術館です。初めて訪れた大きな美術館でもあるので、自分の原点のような気もします。美術史美術館の中で最も好きな絵を一枚挙げるとすれば、私の場合は、ティツィアーノ作の「ヴィオランテ」(板に描かれた小さな娼婦の絵)で、一般的な知名度はさほど高くありませんが、この絵を好きだという人は多いと思います。私は肖像画を描くことが多いので、やはり肖像画を思い出します。同ティツィアーノ作の「ザクセン選皇候ヨハン・フリードリヒ像」は先のヴィオランテとは違って、華やかさの一切無い簡素な画面ですが、構図などの面でかなり印象的で、常に参考にしています。

では、よかったらまた続きの話をお願い致します。


Ken'one さんのコメント
 (2004/10/21 09:00:18 -
E-Mail)

管理人さん、早々とご返事いただき有り難うございます。続き  
の話を書く前にほかのスレッドを読んだり、書き込んでみたりしてましたし、なによりも管理人さんがお好きだと書かれている二枚の絵がどれだか分からなくて、それが気になって書く前に美術館に見に行こうと思っていましたが、なかなか行けず、今日、絵が一枚仕上がったのを期に、ようやく午前中にいってきました。「ヴィオランテと言う名前、どっかで聞いた事あるなあ....そういえば、ゴジラ対ビオンラテなんて映画があったっけ.....」などと、馬鹿な事を考えながら美術館に向かったのでした。
その「ヴィオランテ」は美術館の南欧セクションの入ってすぐ左手の壁面にかかっていました。「あっ、これかー」というのが最初の印象。しかし、あまりの美しさに「ゴジラ対ビオランテ」を連想していた自分を深く恥じてしまいました。僕がまず目を奪われたのは金髪の描写です。手数の少ない仕事に見えますが、その精緻な描写ゆえにここに描かれた金髪は、現実ばなれした軽やかさとリアリティーの両方を感じさせてくれます。こんな金髪を是非描いてみたい、と強く思わせるけど周りを見回してみても、今までの事を思い出してみてもこんなに軽やかで美しい金髪はお目にかかった事はありません。
同じような金髪で描かれたティツィアーノの女性像がもう一枚この絵の右側三枚目にありましたが、今度は顔の描写の気の入れ方が全然違うな、と思いました。この女の人とティツィアーノの間には当然何かあったに違いない、と思わせる表情をこの「ヴィオランテ」はしていて、特に、赤みを帯びた目元とかわいらしい唇があからさまにそれを感じさせます。管理人さんのおっしゃるように、確かにこの絵を好きだという人は多い事でしょう。だって、こんなかわいい娘にこんな表情でじっと見つめられるのは男なら誰しも決して悪い気はしませんよね。僕が絵の前のソファにすわってしばらく眺めている間も、ガイドさんに引率されたいろんな国の観光客の人たちが、この絵の前で説明を受けていました。
さて、もう一つの「ザクセン選帝候ヨハン-フリードリヒ」は、残念ながらありませんでした。レスタウロに入っているのかもしれません。帰りしなにミューシアムショップに寄って日本語のガイドブックで調べてみると、こちらも「あーっこれかー」と言う感じでした。地味ではあるけど一度見たら忘れられない絵だと思います。ガイドブックのはなしだと、かなり複雑な事情のもとに描かれたようで、この候の心なしか不安定な表情にそこらへんが読み取れるのかもしれません。この絵がいつ出て来るかわかりませんが、出てきた時には是非じっくりと見てみたいとおもっています。  ではまた。


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