油彩技法 (1) [コメントする]

油彩技法


管理人 さんのコメント
 (2002/07/04 10:18:56)

油彩の技法や材料に関するスレッドです。

「画材&技法全般」スレッドにも、油彩の話題がたくさんあるので、新しい訪問者の方はそちらもご覧下さい。


佐藤功 さんのコメント
 (2002/10/15 04:41:18)

こんばんは、みなさんは、人の肌をどのような色を使用し、どのような手法で表現していますか?参考にまでお聞かせいただけませんか。よろしくお願いします。

ちなみに自分は、人の肌を次の色で描くことが多いです(肌の色は難しくて四苦八苦しながら描いています。。。)

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明(血色)部分:ブラウンピンク(ホルべイン)、クリムソンレーキ、レモンイエロー、カドミウムオレンジ、オ−レオリン(マツダスーパー)、ミネラルバイオレット、クイックドライングホワイト(ホルべイン)

中間トーン部分:ローズグレー、ロウシェンナ

影部分:オリーブグリーン(ミノー)、アイボリーブラック、セルリアンブルー
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はじめに、レモンイエロー、クリムソンレーキ等を全体に塗り、それから「塗り、グレーズ、ハッチング(ホワイト)」をくり返して、明部分と中間トーン部分の色を表現します。その後、アイボリーブラックのドライブラシ、オリーブグリーン、セルリアンブルーのグレーズなどで影部分の色を表現しています。

※実際の製作例のコーナーも参考にさせていただきました。続きを楽しみにしています。


管理人 さんのコメント
 (2002/10/16 20:55:23)

佐藤さん、こんにちは。
私の場合は、シルバーホワイトとオーカー、バーントシェンナで厚めの下地を作って、バーミリオンとオーカーのグレースまたは半グレースを重ねていくことが多いです。あとは、アンバーを少し使うくらいですね。
油絵の場合、完成したあとに、時間の経過とも絵が暗くなる傾向があるので、下地の肌色は完成予想よりずっと明るい色にした方がいいと思います。
アングルは当然として、レンブラントも現在見る色よりはずっと明るく描いていたみたいですね。完成したばかりのときに、レンブラントと同じ色だと、あとからずっと暗い画面になるかもしれません。私の場合は、下地の肌色を作るときに、チタニウムホワイトと鉛白の混合で描くようにして、明るさを保とうと考えています。結果はまだわかりませんが。
ところで、最初にクリムソンレーキを使うと、上の色が染まったような感じなったりすることはないですか?


人の肌について

神崎 さんのコメント
 (2002/10/18 01:47:51)

こんにちは
私が人物を描くときの色と手法を勝手に書かせてもらいますね。
最初に黒と白のジェッソで大まかに描き込みながら下地を作ります。
そこからシルバーホワイトとピーチブラックで固めの絵の具で描き込んでいきます。(部分的にテルベルトを塗っておきます)
後は、オーカーとヴァーミリオンでグレージングしつつ、シルバーホワイトもしくはチタニウムホワイトののハッチングで描き込んでいきます。
仕上げに向かってテルベルトとコバルトバイオレット、場合によってはマンガニーズブルーを使ってグレーズします。
(マンガニーズブルーは安定していますが渋い色なので重たい印象を与えてしまうかもしれませんね)


佐藤功 さんのコメント
 (2002/10/18 04:56:52)

管理人さん、神崎さん、こんばんは。コメントありがとうございます。

確かに数年前に描いた油絵はかなり色が暗くなっています。これはやはり乾性油が黄変したのが主な原因でしょうか?絵を描くときは保存のことを考えるのも大事なことなんですね(年月がたつと切実に感じます。。)。
肌色の作り方ですが、私も基本的に明るい色、鮮やかな色を下地にして肌の色を出していきます。その方が完成した時の色合いが綺麗で輝いているように感じるのです。しかし、影部分を最後に描いていくので途中で形や立体感がわからなくなってしまうのが苦労するところです。その点は神崎さんの描き方だと白黒で最初から描く(グリザイユでしたっけ?)ので形をとりやすいですね。

クリムソンレーキのことですがあまり広範囲に下地として塗ると、管理人さんのご指摘通り、完成の際、画面全体がレーキ色ににじむ感じがするので、血色のところあたりに部分的に下地として塗るようにしています。するとクリムソンレーキのにじみが肌の質感にマッチして良い感じです。


黒色について

ito さんのコメント
 (2003/04/30 13:35:08 -
E-Mail)

今まで、黒という色をうまく使うことができず、   
何年も、パレットからはずしていました。
しかし、最近になって、急に気になって、
使ってみたのですが、うまくいきません。
なんか、色に深み画無いと言うか......
かといって、昔の絵画は、アイボリーブラック
なんか、今とちがって、褐色なので、あまり、
参考にならな
かつた。(昔,クスカベが、限定で、
だした、象牙で、つくったアイボリーブラック
は、全然違っていたので。)
そこで、市販の絵の具で、どのように、
黒を、使われるのか、おしえてください。


勝手な黒色の使用法

神崎 さんのコメント
 (2003/05/05 22:46:21)

黒色は乾燥するとパサパサしてしまって軽くなる傾向がありますから「深み」とか「重さ」をもった黒を得るのは手間がかかったりしますね。
ルネサンス絵画の黒色部分はもの凄い厚いグレーズ層になっていますし…「黒く見せる」ってのは困難ですね。
僕は「手っ取り早く黒色に近づける色」として油絵の具の黒を使用します。
または逆にパサッとした色面が欲しいときに黒を使用することもありますね〜〜〜〜〜。(独特のツヤの褪きかたが魅力だと思いますよ)


神崎さんコメントありがとうございます。

ito さんのコメント
 (2003/05/06 19:31:22)

ありがとうございます。参考にさせていただきます。


油彩を始めたいのですが…

トワ さんのコメント
 (2003/07/19 11:48:09)

はじめまして。
ビギナーズ掲示板がなくなっているようなので
こちらにおじゃまさせていただきます。
非常に基本的なことで
こちらの掲示板にかくのも気がひけるのですが…。
デザイン、イラストをやっているので
油彩を除いてはほとんどの画材を使たことがあるのですが、油彩をはじめようとおもってます。
技法書、油彩の基本の本をよんだりしますが
『キャンバス』に描くのが基本的とのことですが
油彩は紙に描くことに向かない画材なんでしょうか?
画家の作品には、紙をつかっているのもあるようですが、紙といってもどんな紙がいいのか…。

というより、どうやって油彩を勉強すべきか
アドバイスがいただければ嬉しいです。
近くに教室はありません。

基本的なことで、申し訳ありません。
よろしくお願いします。


油の混ぜ方

安藤 さんのコメント
 (2003/12/04 07:54:20 -
E-Mail)

こんにちわ。HPを拝見させてもらっているものです。実は今リンシードオイルを使って絵を描いているのですが、次の段階、もう少し厚い油で絵の具をとき塗ろうと思っているのですが、スタンダードオイル、サンシックオイルなどを上から塗って大丈夫でしょうか?

それから乾燥油でじぶんが厚すぎると思う油に
リンシードオイルなど自分の調合で混ぜてしまって大丈夫でしょうか?
(知っている人が
色々混ぜて使っていたのを覚えてます)

アドバイスお願いします。

ありがとうございます。


黒の描き方について

ホンダ さんのコメント
 (2005/03/14 17:37:42 -
E-Mail)

こんにちは。初めてメールいたします。

黒の油絵具を、重量感のある発色のよい状態でキャンバスにのせるには、どうしたらいいのでしょうか?油は何を使用したらよいのでしょう?
以前噂で、黒は、他の絵具と混ぜる油の割合も違い、油も海外のメーカーのものを使うとよいと聞きました。

グリザイユ技法の他に、なにか名案がございましたら、ご助言よろしくお願いいたします。
是非、それを参考にいい黒を描いてみたい!と思っております。


ブラックトーンで黒を体感するのはいかが?

Fuji−ken さんのコメント
 (2005/03/28 13:06:30)

■ホンダさんへ
 こんにちは。黒の描き方についてですが、自ら黒の世界を体感するのはいかがでしょうか。ブラックトーン中心に描き進めることで、黒のコントロール方法が分かってくると思います。
 僕は色を用いたデッサンをしています。レッドトーン、イエロートーン、グリーントーンなど、一つの系統の色を中心にデッサンを行うことで、色を表現出来る幅が広がります(もちろん、それだけではありません)。
 ゴッホの「ひまわり」は、黄色で様々な表情を出していることや、それでいてヴァルール(色価:平たく言うと、色(階調)があるべき場所にきちんと収まって見えること)がしっかりしていることが良い所であると、僕は思います。
 黒というのも、様々な顔を持つものです。しかし、自分で試してみてこそ分かることもあります。


 ちなみに、アイボリーブラックは下の層で使いすぎると亀裂します。僕は、オキサイドブラック(マルスブラック)という酸化鉄系の絵具を使ってます。他の黒よりも乾燥時間が早く、白と混ぜると無彩色に近いグレーが誕生します。


油絵を始めるにあたって。

Fuji−ken さんのコメント
 (2005/03/28 13:41:17)

■トワさんへ
 こんにちは。油絵を始めたいとのことですね。
 まず、キャンバスを選ぶ理由についてです。これは、油絵具の食いつきがよく、固まって頑丈になるからです。あと、歴史的見地から見ても耐久性があるのです。
 紙の使用は、必ずしもNOとは言えません。ボール紙にキャンバス布を貼り合わせた「キャンバスボード」もありますし。これは比較的安価です。
 
 他のことについては、検索すれば出てきますので描きませんが、どうしてもという場合にはご一報を。


画用液の調合について。

Fuji−ken さんのコメント
 (2005/03/28 14:10:00)

■安藤さんへ
 こんにちは。もしかして、リンシードオイルだけで描いてます?もしそうなら、流動性を高めるために揮発性油を加えることもできます。
 オイルを調合することは、各画用液の特性を知った上で行うと良いです。「濃い!?」と思ったら、揮発性油で薄められます。
 乾性油には皮膜形成能力があるので、厚いなら厚いなりに頑丈になります。
 疑問に思ったら試すのが一番です。


Fuji-kenさんありがとうございます!

ホンダ さんのコメント
 (2005/04/08 16:31:37)

なにごとも、やってみなければ分からないということですね。時間をかけて、物怖じせずに黒を使って見ようと思います。ありがとうございます!


どういたしまして。

Fuji−ken さんのコメント
 (2005/04/08 23:18:32)

■ホンダさんへ
 どういたしまして。「やってみなければ分からない」これは良いとこ突いてます。試行錯誤のなかで、「あなたの黒」を獲得してください。
 健闘を祈ります。


健太郎 さんのコメント
 (2005/09/20 08:44:26)

初めて書き込みます。健太郎といいます。

僕は最近、ノーマン・ロックウェルの技法や工程に興味を持つようになりました。でも、どのようにしたら油絵ではなくアクリルであのような画風の絵が短時間で描けるのかわからず試行錯誤しています(ちなみに描きたいのは人物ではなく、静物のモチーフ構成のようなものです)。
絵によっても違うのでしょうが、
例えば
http://www.allposters.com/-sp/_i139469_.htm
のような絵はロックウェルはやはり
このホームページにある「油絵技法・制作例 - 静物画」のような工程で描かれている物なのでしょうか?

是非皆さんのご助言をいただきたく思っています。よろしくお願いします。


RE:ノーマン・ロックウェルの技法

管理人 さんのコメント
 (2005/09/20 14:16:36)

RE:健太郎さん

> このホームページにある「油絵技法・制作例 - 静物画」のような工程で描かれている物なのでしょうか?

これは私の技法です。この方法でノーマン・ロックウェルのようには描けないと思います。

ノーマン・ロックウェルのことはよく知りませんが、まず下絵となるデッサンをしっかりやって、やや大まかに固有色をのせ、その上にディティールを描き込めば実現できそうな気がします。
短時間で描くには最短の手順で描けば良いのですが、しかし、単に細部を描き込むにしても、全体との釣り合いや、陰影のバランスとか、そういうものの基礎が出来てないと短時間で描くのは無理でしょうから、技法より前にデッサンの練習等をたくさんやった方がいいと思います。むしろ、それが出来れば自ずと解決するような気もします。
質問の内容から初心者の方と思ったので、このような返事にさせていただきましたが、参考になれば幸いです。初心者用掲示板も用意していますので、うまく使い分けてもらえればと思います。


健太郎 さんのコメント
 (2005/09/20 15:26:07)

デッサンの方は大丈夫だと思います。
さすがにロックウェル並とは言えませんが、一応2年間予備校の方でやっていましたのでそれなりには描けているとは思います。
でも、実は僕はデザイン専攻のため油の技術に関しては全くの素人でして…。油特有の技法などが使われていたらと思って描きこませていただいた次第です。


健太郎様

古吉 弘 さんのコメント
 (2005/10/27 16:07:26)

ヘボ絵描き古吉 弘と申します。ノーマン・ロックウェルの油絵いいですよねー。
イラストということでファインアートからは低く見られがちですが、生で見ると
すごくきっちりかかれていて、世間一般で考える商業イラストというイメージではない本格的な作品なので驚きました。私の考えでは伝統的西洋油彩画(印象派のいい所も取り入れた)の集大成(技術として)といえる画家で、19世紀のアカデミーの巨匠と同じように尊敬しています。
さて技法については少し詳しく書かれた本はあります。

NORMAN ROCKWELL ILLUSTRATOR (Arthur L.Guptill著)
BALLANTINE BOOKS・NEW YORK


残念ながら英語なので私もちゃんと読んでないのですが、比較的平易な文章ではあると思います。
この本はずいぶん昔のもの(私のは1976年版)なので今入手出来るかどうか分かりませんが、ロックウェルの画集の定番の一つとして長い期間売られていましたから、古書などでも安く見つかる可能性はあると思います。
写真撮影・下書のトレースから製作過程・パレット・メディウム等々本人の言葉も入れて説明してありますが、製作過程を順に撮影した写真といったものはありません。
内容をここに書き込むのが親切というものですが、大変な作業になるので申し訳ないですが本を探して下さい。


こーひい さんのコメント
 (2005/10/28 19:37:28)

確かにイラストだから低く見るというのは違いますね。ヒロヤマガタもラッセンもすごい技術で勉強になります。また、単なるテクニックだけならあんなに万人には受けないですね。


油性面のハジキについて

ロゼ さんのコメント
 (2006/09/24 13:56:55)

はじめましてこんにちは、おじゃまします。
力及ばず、皆さんのお力をお借りしたくあがります。

リンシード系の油を使いまくるとそのうち絵の具がはじかれますよね?
これを回避する方法についてお伺いしたいのです。

一つは、「はじめは揮発性を多くして仕上げにつれて乾性油を増やしてゆく」という方法、は知っております。

このテクニックではなくて、完全に絵の具がはじかれる状態になってから普通に
置ける方法、又は科学的観点から見た洞察をお願いしたい次第です。
特にサンシックドリンシードオイルを現液で使った後のはじき具合(画面環境)を想定してくれると◎


RE:油性面のハジキについて

管理人 さんのコメント
 (2006/10/01 23:51:51)

絵具がはじかれてしまう場合は、テレピンまたはペトロールにダンマルワニスを少量加えたものを薄く塗り、少し待ってから描くと弾かなくなります。この用途では、ダンマルワニスはごく少量で充分で、多過ぎるのは良くありません。。

ところで、複数のスレッドに同じ質問を書き込むのは禁止しております。書込みの前に、掲示板利用上の注意をよく読んでいただければと思います。


油性面のはじきについて

ららら さんのコメント
 (2006/10/05 22:48:03)

わたしもリンシード系のオイルを重ねまくって描いています。
弾きを解消するためのよく知られている方法は、ダンマルワニスを今使っている油に少々混ぜることです。(このサイトの「ダンマルワニスの樹脂ワニスの作り方」にも書かれています。)
私の場合、これで解消できます。


非吸収性キャンバスの地塗りについて

kotomo さんのコメント
 (2007/05/24 01:46:08)

初めまして。美術短大で油絵を専攻しました。卒業してから描かなくなったのですが、また再び描き始めました。いまだ自分の描き方を模索しています。ここでの掲示板はとても参考になります。
市販のやや上質の亜麻100%の非吸収性地のキャンバスに、まず地塗りを施してから、中間色の下色を施しています。布めを細かくし堅牢にするためにファンデーションホワイトにリンシードとテレピンの調合油で練ってやや柔らかくして刷毛で塗り、乾かし。その上に有色下地を薄く、絵の具をテレピンとダンマルワニスの調合液で薄く解いた色で、下の白がやや透けて見えるようにして施しています。その後の下描きの中間トーンとして、または白い塗り残しを防ぐためです。下描きは明暗のデッサンとして有色下地で使ったテレピンとダンマルワニスの調合液を使い、描く出しから、テレピンとリンシードとダンマルワニスの混合液をリンシードの濃度を高めながら使います。
ところで、最初の地塗りでのリンシードとテレピンを岡鹿之助の文献を参考にして2:1にして施しています。その上に有色下地をテレピン3:ダンマルワニス1で塗っていますが、下の層に対して食い付きが悪いでしょうか?この地塗りと下塗りの組み合わせには無理があるのでしょうか?
学生の頃は白いキャンバスにおつゆ描きから入りました。地塗りを施すときはキャンゾールを使ってました。その上に構図を描いたら、部分的に色を薄くいれ、リンシードなど使って描きだしていましたので、リンシードは上層にいく程濃くなり絵の具の固着としては破綻はなかったと思います。学生の頃は、そのようだったのですが、今は自分の作品作りとして、(印象派以前の時代、例えばフェルメールと)印象派の時代にあったようなアカデミックな伝統的古典的技法もとりいれて応用しながら(印象派の明るい色彩などよいところも意識して)自分なりに描いていきたいと思いながら模索してます。よいお知恵をお聞き出来ればと思います。


RE:非吸収性キャンバスの地塗りについて

管理人 さんのコメント
 (2007/05/28 03:37:32)

油脂分の少ない上へ油脂分の多い層を重ねてゆくという方法は油彩技法の基本ですが、実際に制作をしていくと、必ずしもその通りに進められるわけではないです。

ある程度、油絵具に慣れ親しんで、なおかつ「ファット・オーバー・リーン」という理屈を頭の中で忘れていなければ、原則に反する手順であったとしても、無意識のうちに、そのことをわきまえて手を動かすので、極端にひどいことにならないだろうと思います。かなり自由にやってもいけるんじゃないかと個人的には思っています。

その上で、私がやるとしたらですが、有色下地のところで、ダンマルワニスの量をその半分にして、僅かに油を加えてやります。最終的にその有色下地というのも、表面に露出している部分もあると思われるので。

しかし、細かい処方が書かれていたとしても、ちょっとした塗り方の違いや、乾燥期間の間の置き方などで、結果は変わってきますから、返答するのは難しい問題かと思います。

それにしても、今でも岡鹿之助を読んで勉強する人が居るんですね。


回答ありがとうございました。

kotomo さんのコメント
 (2007/05/28 22:45:51)

管理人さんへ
回答ありがとうございました。
下の地塗り層には油が入ってる上に有色下地を施すということで気になりました。
上の方にも油を少し入れ、有色下地にもリンシードを施し色を定着するということですね。
テレピン3〜6、ダンマルワニス1、リンシード1でやってみます。
最近になって知ることがあり、岡鹿之助は古書を買って読みました。
「500年の伝統を持つ西欧の油絵から学び取らなければならぬ技術の面が殆ど未開拓のままで残されている。」ということなど多くの造形の言葉に感動しました。
材料・メチエについても難しいですが油絵の土台、基礎として勉強していきたいと思います。
このサイトで多くのことを学ばせて貰ってます。
ここでラングレ「油彩画の技術」に興味を持ち、古書を買って読みました。
グリザイユで模写をしたことがありますが、褐色のカマイユも自分流に応用して取り入れるのもひとつの方法だと思いました。技法についても、そして材料について多くのことをこの本で教わりました。まるで魔法の呪文書を手にいれたような面白さにはまりました。(難解な呪文ですが)


短時間で油彩を描く

たまBee さんのコメント
 (2010/02/05 20:04:53)

はじめまして今年美大受験の学生です。
偶然この掲示板を見つけて書き込みました。いまさらもうほとんど試験まで試行錯誤の時間はないのですが6時間で油彩を描くのに便利な道具やメディウム類など短時間油彩で役に立つものがあったら教えていただきたいです(>w<) ご指導よろしくおねがいします!


RE:短時間で油彩を描く

管理人 さんのコメント
 (2010/02/10 10:55:21)

思いついたことを羅列してみます。乱文ご容赦ください。

道具類に関してですが、月並みですが、筆のサイズを大きめのものから幅広く揃え、特に数を多く揃えておけば、作業効率に大きく貢献するかと思います。
腰のある丸筆の太いもの、同じく腰のある刷毛、ペインティングナイフも大小を多目に揃えるといいかと思います。逆に絵具の方は無理に色数を増やさない方がいいかもしれません。

メディウムですが、油絵具で6時間という時間内で結果が出るようなものと言えば、アルキド樹脂が入っているものでしょうね。アルキド樹脂が含まれる速乾性絵具を使ってもいいですが、私が経験した限りではやはり通常の専門家用油絵具の方が、顔料の選択などに気合いが入っているような気がします。普段使用している油絵具に対して、描画用の画用液を加えて使った方がいいでしょう。画用液の成分表示を見れば、アルキド樹脂が含まれるものが判別できると思います。アルキド樹脂は独特の粘りがあるので、それが嫌な場合は、その他の合成樹脂が含まれる速乾性画用液もあります。
しかし、アルキド樹脂を多量に使用すれば、それは油絵具というよりは、アルキド絵具というようなものになってしまうような気もしますし、油彩の基礎を学んでいる貴重な時期に、速乾性の油絵具ばかり使用してしまっては、後悔するかもしれません。

油絵具の性質をうまく活用すれば、アルキド樹脂などを使わなくても、短時間で制作は可能です。現代の油絵具では、主にホワイトが乾燥速度を遅らせているような気もします。主なホワイトは乾燥の遅い顔料にポピーオイルという組み合わせですから。通常の油絵具のホワイトではなくて、リンシードオイルとシルバーホワイトの組み合わせである「ファンデーションホワイト」を使用すると、それよりはだいぶマシになるでしょう(ちなみに受験以外でもファンデーションホワイトはもっと活用されていいと思います)。
その他の絵具もサフラワー、ポピーで練ったものを避け、リンシードオイルで練ったものを選ぶとよいでしょう。また、絵具は顔料によって乾燥速度が違います。例えば、マンガンを含む顔料、ローアンバーやバーントアンバー等は極めて乾燥が早いです。黒の代わりにアンバーとウルトラマリンを混ぜたものを使えば、断然早いでしょう。黒は極端に乾燥が遅いものが大半ですから、試験には向きません(後で黒の使い方を学ぶのに苦労しますけど)。

しかし実のところ、市販の絵具に使われているリンシードオイルはそんなに乾燥が早いというわけではありません。溶き油としては、非常に乾燥の速い「サンシックンドリンシードオイル」を加えると劇的に速くなります。紙などに絵具の油を吸い込ませて、サンシックンドオイルを加えると随分違うと思います。紙パレットを使用していれば、紙の裏側や台紙の厚紙に絵具を置くと吸ってくれると思うので、受験中でも不審な行動に思われないかと思います。

テレピンは揮発によって乾燥するので、テレピンを多量に使ったものは乾燥が速いです。その場合、厚塗りができませんが、テレピンの代わりに「ダンマルワニス」を使うといいかもしません。ダンマルなど、テレピンで溶かした樹脂が入ったニスは、テレピンが揮発した時点で、粘りが出て、骨組み的役割を果たすでしょう。市販のダンマルワニスは薄目なので、厚塗り用に自分で樹脂を溶かして濃いニスを作っておくのもいいかもしれません(テレピンは固着力が無いし、ダンマル樹脂はそれ単体では脆いので、飽くまで受験用ですが)。

油絵具は、厚く塗りますと、その厚さによってねずみ算的に乾燥が遅くなりますので、厚塗りと薄塗りを適材適所で組み合わせるといいでしょう。また、指で触れるほどに乾燥していなくても、ある段階から、絵具を重ねられるようになります。薄塗りの場合は当然として、相当厚塗りしている場合でも、ちょっとした粘り気で、上にさらに絵具を置けるようになったりします。

6時間と言っても集中して作業するとかなりの仕事ができます。受験に限らず、特別な速乾性メディウムを使わなくても短時間で精巧な油彩画を仕上げる人はけっこういまして、その場合、未乾燥の絵具の上に重ね描きして自然な色の移行を作ることが重要なので、逆に乾燥が遅いことが短時間で制作するメリットとも考えられます。非常に大事な技術ですので、その意味ではメディウムの方には過度に神経を注がず、素直に描いた方が後のためによろしいとも言えます。

では、ご健闘を祈ります。


油彩技法 (1)」へ続く。


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