支持体と地塗り (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) [コメントする]

支持体と地塗り (3)」からの続き。


支持体と地塗り (4)


ito- さんのコメント
 (2002/09/17 21:29:49)

miyabyoさんよくわかりました。
貴重なアドバイスありがとうございました。


カズ・アルティの使用説明書

miyabyo さんのコメント
 (2002/09/19 22:26:51 -
E-Mail)

 かって、某画材店からルフランのカズ・アルティ(日本の商品名はカッセ・アルティ)の使用法がわからないと相談を受けて、説明書を試訳したことがありましたが、日本語の説明書がないという状況は現在も同じらしく、以前しばらく使用したことのある者にとって残念に思います。
 カゼインは板画にこそ最適で、北方の昔日の画家たちもよく利用された接合剤です。乾燥すれば耐水性なので、日本の風土にも適しているのではないかと思うのです。
 これから自家製の支持体を考えておられる方も、支持体のヴァリエーションを増やしたい方も、手始めにこれを試用してみてはいかがでしょうか?
 私はセヌリエの方は使ったことがないので、比較はできませんが、市販品としては非常に使いやすく感じました(水以外何もいりませんし)。

 原文もない今となっては、手直しもできないので、昔のままここに載せておきます。自由にご活用ください。


ルフラン社カズ・アルティ(Case - arti)の使用について
(パッケージ説明書の訳および【解説】:Miyabyo)


          支持体のプレパレ用製品

一般的解説:カズ・アルティは、古来の画家たちが絵画に使った《チーズ》を強化させたカゼインがベースの製品で、乾燥粉末の白(炭酸カルシウム)からなり、水を用意するだけの、いたって簡単な方法である。薄紙、カルトン、画布、木材、石材、セメント、等に対して完璧に接着する。たいへん耐久力のある艶消し白顔料で、すべての地に対してしなやかさを保つ。この地は、クレヨン、インキ、水彩、デトランプ、油彩、その他あらゆる種類のものを受け付ける。この塗料は吸湿性であるから、石灰(フレスコ画の類)に施す色材に添加できるかも知れない。
カッセ・アルティは非常にきめが細かいために、塗布後刷毛目が残ることがない。その多様な性質により、装飾や絵画のあらゆる要求に答えうる。

【解説】カズ・アルティは引きが強いので、刷毛は毛足が短く、多少硬くて腰のあるものがよい。粘りが強いことで、地塗りで気泡が出ることはまずないのでありがたい。750gで50号大を2度塗りして2枚程度作れるでしょう。なるべく層を薄く施すこと。カゼインは、金属を嫌うので、すべての工程において避けること。


画布の下地塗り:カズ・アルティで塗った画布は、圧迫によるひび割れを除けば耐えうるだけのしなやかさを十分に保つ。画布を巻いてもかまわない。普通1層だけで十分だが、塗ったものをもっと柔軟に保ちたいならば、2層にすることを勧める。初層は薄目に、2層目はそれより濃い目に。

有色カッセ・アルティ:フレスコ画用として、カズ・アルティの分量の10%までの顔料を添加できる。少量の水で顔料を良く溶いてから、プレパレ用に溶いたカズ・アルティ(1:1.25)に混入する。非常に輝かしく、しかも軽くてサテンのような艶消しの色合いが得られる。


                 使用法:

地塗り(プレパレ)用: 地塗り、もしくは糊付け。

カズ・アルティ1圈,紡个靴董/紕院ィ横記

※地塗りを終えて乾いたら、ルツーセを塗布すること。もしくは、同社のNo.505エルベクリルを少量の水に溶いて塗る。

【解説】ルツーセ等を塗布する理由は、それによって上にくる絵画層との間に絶縁層を作り、いかなる顔料も使用できる下地となる。また、本来の吸質地をこれによって調整する役割もある。


絵画用: 顔料にカズ・アルティを混ぜて使用。

カズ・アルティ1圓紡个靴匿紕鵜

その調合:粉末の上から水を少しずつ注ぐ。絵具状又はペースト状になるまでヘラで
良く練る。1時間そのままにしておいてから使用のこと。

【解説】ルフラン社のカズ・アルティは、通常の下地処方よりかなり粘りけがあるが、それで正常である。

【補足】通常の自家製作の注意点:カゼインにアルカリ溶液を混ぜて糊にするため、確実に行うにはペーストを湯煎にして80〜85℃に保ちながら練ること。こうすれば、顔料に有害な酵素も破壊される。温度は77℃以下に、また88℃以上にならないように注意のこと。20分熱したら、氷水にその容器ごと浸して急激に室温まで下げること。もしもそのままゆっくり冷やすと化学的加水分解(腐敗)に似た状態になり、硫黄臭のある灰色の水っぽいペーストになる(私の実験ノートより)。


カゼアルティの続き

bonapa さんのコメント
 (2002/09/20 22:24:28)

miyabyo さんこんにちは。
本当に日本では見かけないですね。Case Arti。
ご自身で色々な研究されていらっしゃるようですね、大変興味深いです。
カゼアルティについての私の手元にある資料は少し違う解説の記述があったので情報としては混乱するかもしれませんが、それはもしかしたら、年代によって製品が変化しているということも考えられるので、とりあえず現在日本で売っているのかどうか知りませんがほそくとして追加しておきます。


1971年版(Marc HAVEL氏監修)の解説書には:
カゼインをベースとしたこの製品は下地作成が単純な方法でしかも安くで吸収性のある水性の仕事も油性での仕事にも利用できる下地が作れます。
製品の充分な多応力のある柔軟性によって、
堅い基底材、または教育用画材に適しています。

堅い基底材または教育画材料以外の下地については、アクリル製の下地をお勧めします。(このアクリル製の下地はルフラン&ブルジョワ社から2種併用する物があります)

注:木を基底材として選んだ場合、多孔性のカゼアルティを下塗りとして使用して、その上にFlash(Flashはルフラン&ブルジョワ社製のヴィニール絵の具の名称)を上塗りした時、亀裂または陶器の表面に見られるような細かいひび割れが起こります、時にはそれは表現技法とされることもありますが、そのような場合には仕上げニスを塗るか、制作の事前にやや薄めたエルベクリル(Elbecrylはルフラン&ブルジョワ社のヴァニスのカテゴリーにある製品アクリルエマルジョンで水で希釈して使用する。特にヴィニール絵の具に対して作られた製品)を塗っておくと良い。


と以上についてはオリジナルテキストからのもの
なのですが、私はこの製品はヴィニール絵の具を前提としつつ、多様できる教育画材用として安く作ったものという印象で何に対しても使うことはできるけれども薦めない。という表現を感じたので補足で書き込みしました。

まぁ日本でそもそもヴィニール絵の具使っている人がいないだろうってことで、心配は無いでしょうけど、亀裂やひびわれもありよ。と断り書きは一応お知らせしておきます。




bonapaさんへ

miyabyo さんのコメント
 (2002/09/22 05:00:10 -
E-Mail)

bonapaさんへ はじめまして。レスありがとうございました。

 引用なさっているのは、“Notes techniques sur la peinture à l’huile”からですね?ちなみに、これは『油彩画の技法』と邦題をつけてサクラクレパスヌーベルセンターが1981年に発行しています。かって、1100円で画材ルートに置いてありました。私が試訳したのは製品のパッケージに直刷りされた説明書きでした。

 たまたま「ビギナーズ掲示板」でルフランの製品カタログ日本語版が入手できないことを知り、
bonapaさんがスキャンされているのを見て、ふっとカズ・アルティの事を思い出したわけでした(載っていませんでしたが)。とりあえずここに掲示しておけば誰かの役に立つかもしれないという気持ちと、支持体のレスが、結合材としてほとんど膠であることも物足りなく思ったのでした。私の支持体に使う結合材の使用頻度は、膠5:カゼイン1と、たしかに圧倒的に「膠」なのですが。
 代理店のマルマンに尋ねますと、営業アイテムにはあるが在庫はないとのことだったので、ここに載せる必要もなかったと、今は思っています。
 
 カゼインを始めた当初、カゼ・アルティと自家製とを交互にやっておりました。この既製品を止めたのは、やはり中身が把握できないこと(まったく失敗するということがなかったので、かえって気持ちが悪かった、それに、カゼインでありながら、画布に使えてしかも巻けるというのがなんとも奇妙でもあり)、かたや既製品に頼らずとも自家製で十分だと判断したこと、によります。20年数年前のカズ・アルティも自家製のものと同様一切亀裂もなく良好でもあり、私の基準からいえば、現時点では合格の製品の枠に入れてあります(もとより、ヴィニル絵具は使用したこともありません。


 《私はこの製品はヴィニール絵の具を前提としつつ、多様できる教育画材用として安く作ったものという印象で何に対しても使うことはできるけれども薦めない。という表現を感じた》


 一般論のカゼインとしては、扱い方さえ心得ておれば、非常に安定した接合材として昔から選ばれてきたことから、解説にある「これは堅い基底材への地塗り、あるいは研究材料に適している」「カッセ・アルティは多孔性なので板の上にフラッシュ絵具を重ねる時、絵具に裂け目やひび割れを生じさせる位、かさかさにしてしまう」(引用は邦訳に拠る)というのは、このカズ・アルティに固有の問題ではなく、カゼイン地そのものの特性だと理解しています。またフラッシュ絵具は多孔質に弱い絵具であることを述べていると理解します。
 通常のカゼインは、軟らかい支持体にはけっして向きません。また、カゼイン下地が乾燥した段階で、かならずルツーセなどを薄めて、吸収地を自分の好みの地に変える作業をします。
したがって、解説に対して私は特に違和感はないのです。問題は、軟らかい支持体にも研究用としては耐えうる、というその材料は何なのかでしょうね。
 
 bonapaさん、でも、やはりあなたの感じ取った臭いの多くは、正しいだろうと思いますよ。

●Havel, Marc, “La technique du tableau”, Dessain et Tolra, Paris 1974. 
この本は、彼がメジューム・フラマンやヴェネチャン・メジュームを開発にいたるベースを知るうえで、また、『ド・マイエルン手稿』を技術者の彼がどう読んだのかという点で、興味深いものでした。すでにお読みかもしれませんが。
 
また機会があれば!



支持体:自作のための製品色々

bonapa さんのコメント
 (2002/09/23 14:51:17)

moyobiyoさん、
お返事どうもありがとうです。

>私が試訳したのは製品のパッケージに直刷りされた説明書きでした。

そのようですね。ご自身で使用されると実感として、製品の感触とか塗った後のニュアンスとかわかりますよね。

ルフラン社の歴史の紹介の中で、ヴィニール絵の具を製造した経緯にパリ万博の際に比較的コストを安く、しかも早く使える画材でラウル・デュフィが壁画を制作するのに開発した。というようなことが書いてありました。

話題になった、カゼアルティに似たような製品が色々と市販されていて、その製品を使って自分で下塗りをしてみましょう。という記事があったので自分で比較的に簡単に試せるものだったので参考に掲載しておきます。

以下Platique des Art No.35の記事から抜粋です。

油彩画の為の油を含んだ下地:

この油を含んだ油彩画用の下地材は酸化によって乾燥し、吸収性が大変高く上に重ね塗ってゆく絵の具の乾燥を加速させます。この下地材はつなぎとしてリンシードオイル、速乾性の顔料の役割として、ブラン・ド・ムードン、ブラン・デスパニュ、ブラン・ド・パリなどで構成されています。溶きのばす時にはテレピンを使用します。最も良く知られている既成の製品は鉛白とリンシードを混ぜてポットに入って売られていて、それは買ってすぐに使えるようになっています。(これはセヌリエ社の製品のCERUSE Broyee a l’Huile という製品)この素材は使い方が簡単で綺麗に塗ることができるし、油絵が手早く制作できます。塗るときにはパレットナイフ又はスパチュラを使います、もしあれば下地塗り用サーベルの方がより便利ですというのは、より薄く塗ることができ布目の間にきっちりと素材を封じ込めることができるからです。
この既成の製品の代わりに、次のもので油を含んだ下地を作ることができます。20グラムのブラン・ド・ムードン、2滴のシッカチフクルトレ、14グラムのリンシード80グラムの鉛白。
膠の準備をします(1リットルの水に100グラムのうさぎ膠)、膠を湯煎している間に300グラムのブラン・ムードンを加えます。加える時には何回かに分けてよくかき混ぜながら加えてゆきます。ダマにならないように注意します。
完全に混ざり合って溶けるとクリーム状になります、火からおろして、暖かいうちに塗ります。豚毛のハケかあれば下塗り用サーベルを使います。(このサーベルとはかつて分業制だった頃、下塗りやさんはこのパレットナイフの長い80センチほどの物を大きな布地に塗るときに使用していました、現在でもメーカーでは使用されています)サーベルをつかってまず、中央部分に素材をのせ少しづつ全体へひろげてゆきます。布目の間にきちんと行き渡るように注意深く塗り、1週間乾燥をさせてから油絵の具での制作をはじめます。完全に乾いたかどうかを確認するには触った時に冷たさを感じなかったら、乾燥しているということです。注意:この下塗り材は乾燥と供に収縮しプラスティックのような固い感じになります。
(ここにでてくるブラン・ムードン(ルフラン社製品名セヌリエ社も同名)、ブラン・デエスパニュなどについてはそのまま製品名で店頭で注文すると出してくれます。)


油を加えない下塗りについて:
全ての技法の為に

油を含まない下地材としては合成の物を含み全ての絵画技法の為のものがあります。 これらの素材は「蒸発」によって乾燥をします。画材メーカーからは色々と選択肢があたえられていて、次のような呼称で分けられています。ジェッソ(フランスではルフラン社製)、アンデュイ・ユニヴェ−セル(白、またはカラー、ルフラン&ブルジョワ社製瓶入りクリームペースト状)、アプレ・アクリリック、カゼアルバ(セヌリエ社製紙袋入り粉末)、カゼアルティ(ルフラン社製)、ブラン・ド・バーズ(チューブ入りUnder Painting White ターレンス社製)、リアン・アクリリックなど、ほとんどの製品が開けたらすぐに使用可能なタイプに作られています。その中でもジェッソは特によく知られています。特に堅い素材のもの、例えば木のような物に使用するのが好ましいでしょう。
今日、油を加えない下地には樹脂素材をベースにした物もあります。
カゼアルティ、カゼアルバ、これらはカゼイン粉をベースとしています。これはかつての絵画の処方箋を再現するものとして全ての支持体に使用できます。ガラスや金属に対しても使えます。こちらは1キロの粉に対して1250グラムの水で溶かします。(粉末の物はセヌリエ社製、ルフラン社製のは瓶からだしたらそのまま使用可、好みによって水で薄めることも可)ジェッソの様な吸収性のある下地ができますが、ジェッソよりもやや流動的な質感のペーストです。 この粉を使ったやりかたについては混ぜてから実際に使用するまで1時間おいてなじませます。この粒子はかなり大きめなので、下準備の時に絹または薄地の紗(モスリン)なので濾して使うとより細かい粒子のテクスチュアになります。  一般的な方法として、アクリルベースのものについては水で薄めて調整できるので、使い方が比較的自由です。基底を作っているときに、ふち部分を塗り忘れないように気をつけてください。また、絵の具で描き始める前にきちんと乾燥させるという工程を飛ばしたりしないように。
アンデュイ・ユニヴェ−セルの白はアクリルベースのものですがより柔軟性があってジェッソよりもより輝くような白です。通常のアクリル絵の具の白と色という点ではおなじですが、アクリル絵の具のほうが乾燥後この下地材よりも柔軟性に欠けます。


下地を塗るということが歴史的にヨーロッパなどでは家庭内にそれが必要な仕事があるから製品についても絵画用を含み多種の製品があり、選択肢が豊富なのだと思います。
サンルームの桟の塗り替え、戸棚やとびらの塗り替えなど、綺麗に塗り上げるのを家庭で上手にやる人多いです。


>Havel, Marc, “La technique du tableau”, Dessain et Tolra, Paris 1974. 
この本は、彼がメジューム・フラマンやヴェネチャン・メジュームを開発にいたるベースを知るうえで、また、『ド・マイエルン手稿』を技術者の彼がどう読んだのかという点で、興味深いものでした。すでにお読みかもしれませんが。

これ読んでないですよ。
興味はありますからいつか読んでみることにします。
Havel Marc氏の後にルフラン社の製品開発に携わったClaude Yvelという人が「グラシ」について書いていた記事とかは読んだことがありますが。


色々な書物に語られていることを読んでみるのは楽しいですよね、それがはるか昔の画家がやったこととつながっているのかなぁ、と想像するのは楽しいことです。 
言葉で理解できても実物はどうだったのか、現地で一つ一つ実感できるのもまた楽しみです。


日本にない習慣

miyabyo さんのコメント
 (2002/09/26 00:42:55 -
E-Mail)

bonapaさん ありがとうございます。

 こういった記事って、日本にいてはとても触れる機会がないですよね。

《下地を塗るということが歴史的にヨーロッパなどでは家庭内にそれが必要な仕事があるから製品についても絵画用を含み多種の製品があり、選択肢が豊富なのだと思います。》

 10年くらい前でしょうか、フランスのペンキ用の刷毛が手頃な値段で画材屋に並べられたことがありました。豚毛の毛先がちゃんと二つに割れていて(単に先細りしたり、穂先が切断されているものは二流品)、なぜこんなに良いものがペンキ用なのだろうと驚きました。一般家庭で「塗る」という習慣の裾野が広いことを思ったものでした。

 そういえば、1755年に書かれた
Watin, Le Sieur,“L’ art du peintre, doreur, vernisseur”, Paris.(復刻版1975)
 『画家・鍍金師・ワニス塗り工の技術』

 というのがあって、絵画のほうでは、ワニスの処方が載っているために、技法書扱いしているわけですが、同じフランス人のジャック・マロジェは、このワーチンの書は「芸術家のため、というより、塗装職人には興味ある内容であって、しかも絵画技法としてはたいして重要でもない時代のものだ」と酷評しています。つまり、あの書は今で言えば一般向けの「ペンキ塗りの手引き」のようなもので、特別視するまでもない、といっているのでしょうね。

 日本では、支持体や下地を画家みずから、自分の好みにあわせて自製することの是非が云々されたり、あるいは、ある種特殊な画家たちとおもわれる傾向もありますが、ヨーロッパでは日常の技能としてあるということでしょうね。


膠とジェルメディウム

yabuno さんのコメント
 (2002/10/29 05:19:33 -
E-Mail)

今日は、初めまして。

私は、古典技法については、疎いのですが、地塗り済みのキャンバスを使って、下地をキャンバスの目が消えるくらいに平滑に処理した上に、絵を描いていました。下地に使っている絵の具は、クサカベの缶入りのファンデーションホワイトをはじめに塗り、次にシルバー、一番上が、チタニウムという具合で、この3層の厚さが、乾くと0.3?程度になります。
今までは、ここでも、何度か警告されているとおり、クラックの問題で随分頭を悩ませていました。

クラックを調べる内、それが、布を張ったときのテンションの方向に走っていることが分かりました。一度張った箇所を、もう一度やり直したところなどは顕著でした。そこで、余りテンションをかけずにキャンバスを張るために、木枠にベニヤを貼り、パネル化して、先の地塗りを施しました。しかし、それでも、クラックがひどく発生することがあるのです。
パネル化しようがしまいが、キャンバスの裏側から触ると薄くなっているところには、必ずと言っていいほど、クラックが発生します。そこは、指で触ると分かるくらいにふくらんでいるのです。

で、今度は、パネルに麻布を貼って見ようかと思っているのですが、このページを見ると、板と布の接着剤は、例外なく膠になっていますね。

確か、生の布と油絵の具のバインダーに、アクリルのクリアが膠の替わりに使えると、クルト・ヴェルデの技法書に載っていた気がして、それなら、接着剤にも使えないだろうかと考えました。

そこで、質問です。
接着剤にジェルメディウムを使うことには何か問題があるのでしょうか?

今、想定できる問題は、消泡剤を入れてないので、気泡が沢山出来ることと、生のジェルメディウムは、接着力が強すぎて、一度貼ったら剥がせなくなるということくらいです。
取り敢えず、今は、メディウム:水を、3:1、1:1,1:3,の割合で、板に貼ってみて、接着力を確認中です。

自力での解決を試みては来たものの、ネットで調べる内、ここにたどり着きました。
どなたか、御返事いただけないでしょうか?宜しくお願い致します。




RE:膠とジェルメディウム

管理人 さんのコメント
 (2002/10/30 03:22:01)

こんにちは。
ジェルメディウムについてあまり詳しいことは存じません。
でも、それよりも、市販の安いキャンバスを使ったからと言って、いきなりそんなにクラックが起こるのは変だと思います。
まず、その辺を解決した方がいいんじゃないでしょうか。
下塗りや描き方に問題があるとしたら、それを解決しないと、結局何をやってもクラックの可能性があるのではないかと思います。

> クサカベの缶入りのファンデーションホワイトをはじめに塗り、次にシルバー、
> 一番上が、チタニウムという具合で、この3層の厚さが、乾くと0.3?程度になります。

市販のファンデーションホワイトで、キャンバスの目を埋めたらそれで十分ではないでしょうか?
普通、ファンデーションホワイトは、シルバーとチタンの混合ですし(クサカベはもしかしたら、シルバーだけかもしれませんが)。
あと、厚く塗れば、割れは起こります。出来るだけ薄く塗る方がいいです。

他の一般的な原因は、画材メーカーのパンフレットにも載っているので、ここでは触れませんが、もう一度確認してみた方がいいと思います。


紙に油彩で描くには・・・

asahi さんのコメント
 (2002/11/19 19:54:08)

はじめまして。
画材や技法に詳しい方がたくさんいらっしゃるようなので、質問させていただきます。
今、紙に油彩で描くことを考えています。
たまに「紙に油彩」という作品を見かけますが、
紙の種類や、そのための下地の準備がよくわかりません。
紙はかためで厚手のものがいいとは思うのですが、詳しい紙の種類や入手先など教えていただけたらうれしいです。
また、紙をパネルに張る際の方法や、そのときの膠水、下地を作る際の顔料と膠、油などの調合の配分は
麻布の場合とそっくり同じで大丈夫なのでしょうか?
実際に紙に描いたことのある方がいらっしゃいましたら、その効果や欠点なども聞いてみたいです。


一番簡単確実な方法。

monga さんのコメント
 (2002/11/22 08:07:51)

学生時代に旅行中なんかは、スケッチブックに油で描き込みするとかさばらないし、うす塗りしておけば直ぐ閉じても問題ないのでやっていました。キャンバスに描くような感じでなく画溶液は使わず描いていましたが、なかなかかすれ具合が面白くて新鮮な感じがしました。

問題は何ヶ月かすると描いた絵具の回りに油のにじみが広がって絵具の艶も引いてしまう事。それと油絵具が乾燥するのは酸化重合なので紙の劣化があるということです。

膠は試した事ないのですが、アクリルのジェッソは簡単で一番確実な方法です。水彩紙のボードを使う手もありますが普通の水彩紙でも十分です。前にも書いたのですが、この前「ゴッホ展」見に行って彼も紙に油を描いていましたが、下地処理の事には触れられていなかったので、どうしていたのか。

パネル張されるのなら、通常の水張りをしてからジェッソを薄く塗れば良いと思います。最初にジエッソを塗ってしまうと紙が硬化して水張りにならないと思います。


紙に油絵2,3度の経験ですが

miyabyo さんのコメント
 (2002/11/22 10:00:51 -
E-Mail)

昔日は、パネルに張って使用したようですが、詳しくは以下の論文をお読みください。丸善に頼めばコピーで入手できます。

Lyman, John, “Paper as a Ground for Oil Painting”,Technical Studies in the Field of the Fine Art, vol. 1, No. 4, pp. 207-211., 1933.

この論文は読んでいません。たまたまこの論文の前の、

Stout, George L.,“A Study of the Method in a Flemish Painting”, pp. 181-206. が読みたくて入手したら、上載の論文の最初の頁がコピーされていたのです。

私は3回ほどやってみましたが、和紙を膠でパネル張りする前に、数層薄めの荒白亜あるいはゲッソグロッソ(荒石膏)を引いた方がよいようです(紙は被覆力があまりないのでシナベニアの色がやや影響して画面を暗くしますから)。

目止めとして和紙(西洋では麻の裁ち屑で作られた紙)の上に数層膠を引きます。

ただ、ロートレックがカルトンに描いた絵は、やはり紙が油を吸って、暗化したり、絵具がチョーク化を起こしてしているようです。


karu

karu さんのコメント
 (2002/11/23 02:47:33)

久々に経験したことのある話題なのでお邪魔します。
紙に油ですが、やはり下処理しないとやがて酸化してボロボロになってしまいます。ジェッソも手軽でいいのですがニカワ液がお薦めです。手製は手間がかかるので日本画用のニカワ液(ドーサ液)を塗れば良いと思います。薄い紙だと丸まったりしない様にパネルに固定したり水張りしたりする必要がありますが、厚紙(4mm程度)を使うのが反りにくく簡単です。大きめ(全紙大)の厚紙にニカワ液を両面(片面だと反るので)に塗り、乾かしておきます。できれば一度に何枚か作っておき、カッターなどで必要な大きさにカットして使えば何度も作業しなくて済みます。要するに油が浸み込まない様に絶縁層をつくってやれば他の方法でも問題ないと思います。初めは板に紙を張って白亜地を施したりしていたのですが、反りが激しいので厚紙(安価なボール紙)にしました。ボナールやヴュイヤールなども同じような物で描いています。(「厚紙に油彩」などと表記してある)厚紙の地の色(段ボールと同じ黄土色)が中間色として生かされています。ニカワを薦めるのは透明なので紙の色が選べるからです。いちいち色を作る手間も省けます。白い方がいいならジェッソで十分かもしれません。私は主に習作、エスキース用に使ってます。


支持体と地塗り (5)」へ続く。


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