『西洋絵画の画材と技法』 - [リンク集&参考文献]

購入方法

絵画材料の入手方法

つい最近までは専門的な絵画材料の入手は極めて困難で、入門書を読んでも材料を探し出すまでに大変な苦労をしたものである。いくら親切な記述の技法書を読んでも、肝心の材料が入手できずに多大な苦労を強いられることが多く、絵画技術習得の大部分が材料と道具の入手と言ってよいほどであった。ただし、私の世代では既に国内の画材メーカーが樹脂など様々な素材を提供するようになっていたので、さらに上の世代より遙かにマシではあったのだが。今は、ネット上の画材店で、材料名を検索すると大部分のものが入手可能であり、その点では大いに恵まれた環境と言える。海外に出かけなければ、到底手に入らないものもあったが、これも海外のサイトから直接購入できるようになった。ネットではなく実店舗で購入したいという場合は、都心の大きな画材店(世界堂本店)等にゆけば、大方の材料が並んでいる。地方のあまり大きくない画材店でも、カタログを元に注文すれば取り寄せてもらえるとは思う。カタログも揃ってないこともあるが、これはネットの画材店や、あるいはメーカーに直接問い合せれば送付してくれるであろう。

画材店以外で購入する材料も非常に多い。例えば、薬局(あるいは薬店)である。アルコールニスの溶剤となるエタノール、カゼインを水溶化させるための炭酸アンモニウム、あるいは水やガーゼなど、薬局には絵画技法に役立つものが揃っている。専門的な薬品は、取り寄せとなるが、ディスカウント系の大型店などでは、マイナーな注文に対応できないことが多い。あまり大きくない薬店で常日頃から買物をし、顔なじみになっておけば、多少面倒な注文にも応えてくる違いない。

ホームセンター、スーパーマーケット、100均ショップ等も、材料や道具を取り揃えるのに重要。本サイトでは、特に理科実験器具など頻繁に利用するが、これも例えば「楽天」等で検索すればすぐに見つかる。Yahoo!オークションでは、絵画のモチーフになりそうな骨董品から、顔料の原料になる鉱石、わけのわからないものまで揃っていて、制作活動上、大いに役に立つ。

あると便利な道具類

ビーカー、温度計、ガラス棒、その他、理科実験用の機材は大変便利である。これらはホームセンターで購入することができるが、品揃えが網羅的でない場合が多い。ネットショップだと、ほとんど望みのものが手に入る。200cc、500cc、1リットルのビーカーを各々2〜3点ほど、

材料の重さを量るための計量器は、デジタル式のクッキングスケールが大変便利である。ボタンひとつでメモリを0にセットすることができるので、容器を置いて0にセット、材料を処方に従って入れ、再び0にして次の素材を入れるといったことができる。本サイトの処方で、通常なら液体はリットルやccなど体積によって表わすところをグラムに置き換えている場合があるが、デジタルスケールと組み合わせるとテンポのよい仕事ができるためである。デジタル式のクッキング用温度計も大変便利である。天ぷら用の250℃まで計れるものがよい。また、温度計付きのタイマー等もある。いずれも、スーパーやホームセンターで購入できるが、品揃えの点から、Amazon.co.jpのホーム&キッチンカテゴリーがお勧め。

本サイトの指示に従って作業していると、まるで料理でもしているような気分になってくると思うが、絵画技術は料理に似ている、というのはよく言われる話である。計量スプーン、耐熱ガラスのクッキングメジャー、

書籍の入手方法

本サイトも多数の文献を紹介しているが、これもつい最近までは手に入れるの多大な苦労を伴った。特に絶版の本を探すとなると、何十件も古書店を歩かねばならなかったし、洋書の場合は海外へ出向くか、高い手数料を払って取り寄せねなければならなかった。今は洋書も和書もAmazon.co.jpでほとんどを購入することができる。また、古書店や一般の人が古書を出品しており、販売を終了した本も入手できることがある。

Amazonはサブタイトルの表記がいい加減で、特にシリーズものの本を購入するときに、どの巻なのか判別できないことが多い。特に改訂版が出ている本の場合、改訂版なのかそれ以前のものかも区別がつかない。それに比べると、bk1はその点がしっかりしているので、間違った本を買ってしまう危険が小さい。またサブタイトルも検索キーワードとなるので本を見つけやすい。

古書は日本の古本屋スーパー源氏等の古書検索サイトを利用すると、参加している店の在庫を一度に検索できる。取引は個々の古書店と行うことになる。

洋書古書はabebooks.comAlibrisBiblio.comなどの古書検索サイトを利用。それぞれ参加している書店の在庫を調べ、購入することができる。新品の書籍も扱っているが、絶版の洋書を古書で探すのに威力を発揮する。高すぎて手の出ないハードカバーも安く買えることがある。別途送料(10ドル前後)かかり、支払いはクレジットカードが基本だが、他の方法もある。

上記の方法で見つからない場合は、googleで検索してみるのも良い。どの古書店も在庫のリストをホームページに載せているので、googleで図書名を検索するとヒットすることがある。「書名 + 古本」とか「書名 + 古書」というキーワードで検索するとより絞り込める。洋書をgoogleで検索する場合は、単語間のスペースをハイフンに置き換えると、単語の並びの通りの文字列を検索することができる。例えば、Materials and Techniques of Medieval Paintingという書名の場合、Materials-and-Techniques-of-Medieval-Paintingで検索。なお、洋書なら検索サイトで内容の一部を参照できるようになってきたほか、図書館との連携も進んでいる。

洋書、和書を問わず、美術館や大学、修復工房や各種研究機関の書籍はそれぞれのホームページで注文できることがある。また、それらの本を制作している出版社のページで注文できることもある。ただし対応が遅いこともあるので、Amazon等の大手で買えるものはそっちの方がよいだろう。

Yahoo!オークションにも古書の出品は多い。特に美術雑誌のバックナンバーが揃っている。図録もかなりの確率で見つかる。登録したキーワードに該当する商品が出品されるとメールで通知する機能があるので、捜索中の書名などを一通り登録しておくとよい。

ほとんどの図書館はインターネットで蔵書を検索できる。全国の図書館を検索したい場合は、NACSIS Webcatを使うと、全国の大学図書館と加盟している公立・民営図書館の蔵書を検索できる。らしいのだが、100%検索できるわけではないようだ。美大芸大の図書館Webサイトは別個に検索してみると良い。技法書、特に洋書の技法書は東京芸術大学の図書館が充実している。

国立国会図書館なら国内で出版された書籍や雑誌などのほとんどのものを見つけることができる。和書は概ね国会図書館で解決する。国会図書館は閉架式の図書館で、請求票に書名や記号を書いてカウンターに提出する方式。最近では、ネットから資料の複写請求を行なうことができるようになった。


[TOPページ]

最終更新日 2004年7月13日

Copyright(C)1999-2004 Norihiro Matsukawa, All Rights Reserved. - 西洋絵画の画材と技法