Orpiment、雄黄、King's Yellow
現在は全く使用されていない。古代〜中世では重要な黄色の色材だったため、各種文献によく登場する。とくにアジアで産出されて、中国などで多く使われたらしい。毒性があり、天然の顔料も量が限られているため、他の顔料にとってかわっている。
ヨーロッパでは中世の写本、それも比較的古い時代の写本に多く使われていたようだが、油絵の時代には、他の顔料の登場などによって、しだいに使われなくなったらしい。色は明るいレモンイエローで、被覆力があるのが特徴である。
Cadmium Yellow
組成:硫化カドミウム
19世紀前半に油絵具として商品化されるようになった。市販のチューブ絵具にはカドミウムイエローライトからディープまで店頭に並んでいる。硫化カドミウムは製造過程の条件で、色の濃淡の幅が出るようだが、ライトなどの明るい色のものは、それに加えて白などの顔料を混入して作っているようだ。こういうときに使われる白は亜鉛華であることが多いので、どうせならできるだけオリジナルの顔料のみのものを得たいところである。硫化カドミウムはセレン化することによって、カドミウムオレンジのように赤味をつけていくことができる。
硫黄系の顔料であるために鉛白との混色制限があるが、現在の製造方法では遊離硫黄がほとんど発生しないため、事実上混色の制限は気にしなくてよい。毒性が強く、とくに顔料の状態で飛散すると危険なので、特別にこだわりがなければ、これを練るのは薦めない。
英名はAureolin。別名、コバルト黄(Cobalt Yellow)。組成は亜硝酸コバルト・カリ。1860年頃に登場。ウィンザー&ニュートン社が水彩絵具として販売し、最初は水彩絵具の顔料として使用されていたようだが、若干水に溶解する性質があり、現在は油絵具のみに使用されることが多い。耐光性などは悪くないが、耐アルカリ性に劣るので、アクリル絵具やフレスコ技法には向かない。無機顔料なのに透明色であることで知られる。白などの明るい下地の上にグレースして、黄金色を表現する。
近年登場した人工顔料であるが、種類や色がいくつかあり、チューブ絵具としてレモンイエロー、パーマネントイエローなどの顔料のひとつとして混入されている。
Copyright(C)1999-2003 Norihiro Matsukawa, All Rights Reserved. - 西洋絵画の画材と技法