最近読んだ本:ペヴスナー『モダンデザインの展開』他
昨年は法人の解散に関する諸々の作業に追われていましたが、解散決議後の官報掲載も無事過ぎて精算総会も済んで何もかも終了したところです。世の中何があるかわからないので、もしかしたら何かあるかもしれませんが、そこまで心配しても仕方あるまい。そして私は無職というかフリーというか一介の非常勤講師になり、厚生年金から国民年金変わってとりあえず国民年金は一年分一括で口座振替にしたのですが、やはり一気に口座からなくなると貧乏感な気分になるものです。さらに自動車税を払い、次ぎには国民健康保険料が来るかというところです。なお、住民税も当然払いましたが、こちらは年収の減少により、思いの外安くなっていて胸をなで下ろしたところです。こんなにも安い住民税になってしまった現状が寂しいとも言えますが。そして月1.2万ほど払っていた生命保険を解約しました。会社もないし独身なのに死亡保険は要らぬので、代わりに県民共済にしておきました。以上の如く余計なものがどんどん精算されていっておりますので、後は絵を描いて、そして顔料を作って、そして読書して、とくに洋書を面倒くさがらずに読んで過ごしたいと思います。

N・ペヴスナー(著)『モダンデザインの展開 モリスからグロピウスまで』
近現代デザインについて述べた本としては古典と言ってよいかと思いますが、その後の研究も進んでいるわけで批判もありますが、しかしやはりなかなか素晴らしい本です。前半は建築やデザインというだけでなく、絵画など広く現代美術史の根底に流れる相互の影響をダイナミックに描き出したような名著であり、建築に興味がなかったとしても是非とも読んでおくべき一冊でありましょう。昔々ペヴスナーの本とか訳が分らずちっとも面白くなくてちょっと読んだだけで放棄したものですが、あぁこんなに面白かったのだ。本当に、すごく面白い。が、とは言うものの本書の後半は、建築家と作例の羅列のようになってしまっており少々退屈したうえに唐突に終わってしまって読後感が微妙だったんですが、この当りに関しては別の本を探さねばというところです。

阿部祐太(著)『バウハウスとはなにか』
バウハウスについて書かれた本の中でもけっこう異色作ではないでしょうか。バウハウスという学校を語りつつ哲学について考察を深める、という感じでしょうか。これはもはや哲学書ではないか、と思ったくらいであり、もうバウハウス云々どころではないのではないか、くらいに思うところもありました。私の勉強が足りないだけで、このような研究がされ続けているのでしょうか。しかし単に話が飛躍するというのではなくて、それらについて基本から語ってくれるので様々な物事について勉強になり、あるいは復習になり、読んでいてとても面白かったです。

Pen〈2019年4/1号〉「創設100周年 いま再び注目される バウハウスを知っているか?」
こちらは雑誌と言うこともあって、あまり長い文章ではなさそうだったので電子書籍版を読みました。

野村啓介(著)『ナポレオン四代 二人のフランス皇帝と悲運の後継者たち』読了
有名なナポレオンとナポレオン3世の他、2世、4世までの流れが書かれており、私には大変勉強になりました。ナポレオン3世についての本も買ってあるので、そちらもおいおい読んでいきたいです。で、よく考えてみたんですが、ナポレオン1世の方は池田理代子(著)エロイカ全14巻を読んだだけの知識だけだったかもしれぬので、こちらもちゃんと専門書を読んで勉強したいところです。でも、エロイカ全14巻はとてもいい漫画だなと思います。ベルサイユのばらの続編的な作品ですが、ベルばらより私はこっちを推したいです。

森田義之(著)『メディチ家』
自分、西洋絵画を勉強しつつも、肝心のメディチをあんまりしらないというか、まだあんまり読んですらいなかったのであり、今からちゃんと読む、という決意しつつ、とりあえずこちらの本を読了。はじめに手を付けた本としてはこれはなかなか良い物を選んだのではないかと思います。そして、本書をベースに描かれたと思いわれるマンガ、樋口雅一(著)『マンガ メディチ家物語 フィレンツェ300年の奇跡』も買ってみたのですが、こちらにも目を通すとちょうど復習みたいな感じになって学習としてはとても効果的だったかと思います。マンガだけで読むのではちょっと理解に抜けが多くなりそうなので、両方目を通すのがよいかと思います。なお、メディチ家に関する本は、世に多数出ておりますので、他にもいくつか買ってしまったので、休まず読んでいきたいと思います。


| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 01:44 AM | comments (0) | trackback (0) |
黒色顔料のお話#1「炭」と「墨」
黒色顔料のお話#1「炭」と「墨」


久々の動画公開、黒についていろいろ知っているつもりになっていたけれども、いざ説明しようとしたら、分らないことだらけでした。が、知っていることはいろいろしゃべっているので、知らないことについては順次調べつつ、続編を収録してゆけたらと思います。本動画においては、黒顔料の素材であるところの炭と墨の作り方について話しておりますが、本ブログで過去に紹介した写真を流用して説明しているので、以前からの読者の方々におけましては既視感があるかもしれません。詳細も過去記事を閲覧ください。

さて、不明な点と言えば、カーボンブラックと呼ばれる黒顔料、ほとんどの黒顔料は炭素なので、広い意味ではカーボンですが、狭義のカーボンブラック、効率良く人工的に作られる炭素と思いますが、油絵具セットに含まれるような黒、あるいはセットでなくて、一般的な黒絵具はこれになりつつあるように思いますが、ちょっと黒が強すぎて使いづらいんじゃないかという気がしていまして、やはり骨炭とか植物炭が原料のものの方がおだやかて使いやすいというふうに思っているのですが、如何でしょうか。これは強い黒をもっと体質顔料盛って薄めれば使いやすくなるのだろうか、いや素材の違いでなんかあるんだろうか。ひとつ言えるのは、初心者が買う油絵具セットの黒は使い難く、これでは黒を使うな言われても仕方ないという面もあるやもしれません。それか、個人的には炭素以外の黒に関してあまり詳しくない。一応、次回において、グラファイトとか鉛尖筆とか、いろいろ出てはくるのですが、そこら辺の知識を増強できればなと思っております。

| 絵画材料 | 10:06 PM | comments (0) | trackback (0) |
連休中に読んだ本
連休初日になんか風邪引いたっぽくて、熱とかそんな酷い症状はないのだけれども、喉が痛くて鼻水が出まくって悪寒がしてくらいの比較的軽い症状だけれども、それが長引いて主に本を読んで休んでいたという感じだったのですが、まぁ連休に休んで何が悪いのかという感じではありますな。

宇井丑之助(著)『ジョン・ラスキンの人と思想』
今年はバウハウス創立100年ということで、デザイン関連の勉強を熱心にやっているのだけれども、その前史的なものとして、アーツアンドクラフツ運動やアールヌーボーについてもしっかり学びたい、みたいに思って遡っているうちにラスキンについて読んでいた。この本はAmazonでたまたま格安で買えたというだけの理由で読み始めのだけれども、ネット上で書評等が見受けられなかったので、どのような評価かはわからないけれども、ジョン・ラスキンの全体像を知るうえではなかなかよい本ではないでしょうか。ちなみに今年はジョン・ラスキンは生誕200周年でもあるのですな。

赤根和生(著)『ピート・モンドリアン その人と芸術ー』
バウハウスにもかなりの影響を与えたモンドリアンについてもよく読んでみようと思ったのですが、これもやはりAmazonで古本を安く買えたというだけで選んだのですが、これはとてもいい本ですよ、これを読んでモンドリアンを好きにならない人はいないでしょう。

それから塩野七生(著)ギリシア人の物語3冊
塩野七生(著)『ギリシア人の物語I 民主政のはじまり』
塩野七生(著)『ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊』
塩野七生(著)『ギリシア人の物語III 新しき力』
個人的には『ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊』が最も印象的でした。ここに古代ギリシアが詰まっているというか。ギリシア美術のクラシック期の話でもありますし、是非、ここはおさえておきたいというところもあります。民主制の<崩壊>っぷりを見るのはなかなか寂しいところもありますが。『ギリシア人の物語III 新しき力』はアレキサンダーの物語ですが、できれば、アレキサンダー死後についてもっと読みたかったところです。そしてアレキサンダー後の文化、というかヘレニズム期の文化人についても話を聞きたかった的なところがあり、その点ではギリシア人の物語IIの方が満足度が高いところだったのですが。それと、あとがきっぽいところを読んだら、著者のジャンルが知らぬ間に「歴史エッセイ」となっていたのですが、いろいろと歴史学者絡みであるのでしょうなぁと思ったりましたが、学者の書く本もけっこう苦言を呈したくなるような酷いのあるように思うのですが、それはともかく本作で最後とあったのでたいへん残念です。もっとも、まだ読みかけのが多々あるので、残念がる段階ではないのですが。というか、ローマ人の物語をもう1回読み直したい気がします。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 11:45 PM | comments (0) | trackback (0) |
最近聴いたCD
自家用車での通勤時間が長いのです。今年度は片道1時間が週2日、片道40分が2日となりました。というわけで、BOX CDを次々聴いていきたいと思っております。そして最近聴いたものについてコメントしておきたいと思います。

ワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』クナッパーツブッシュ&バイロイト(1952 モノラル)CD4枚組
最近、専らワーグナーばかり聴いてしまう的なところがあるのですが、ちょっと今気に入っているのはニュルンベルクのマイスタージンガー。ギルドの親方というのにも憧れるところがありますが、まぁ、ハンスザックスはもう16世紀ぐらいの人で中世ではありませんが。しかし喜劇でCD4枚組というのもなんかすごいものがありますが、ふつうのCDだとこの辺はいいやと思う箇所がやはりありますが、クナッパーツブッシュはなんというか、どこをとっても飽きるとかそんなことはなく、どの箇所でもしみじみと味わい深い音作りであり、いつまでも聴いていたいと思うところがあります。

シューリヒトの芸術(ブルックナー:交響曲第3番、第8番、第9番)CD3枚組
シューリヒトが演奏する第3番を聴きたいと思って購入しました。最近になって、ブルックナーは3番が非常によく出来ているのではないか、という気がしてきておるのです。8、9番も聴いてみましたが、こちらはブルックナーファンには定番中の天板である名録音だったので、特に改めて言及することはなさそうなので、とりあえず第3番について述べると、第1楽章が妙にテンポが速くて軽い感じがして、これどうなのかなと心配になりますがすぐに慣れます。むしろこれがシューリヒトなのでしょう。逆に第4楽章のコーダは溜めに溜めて壮大な感じになっており気に入ってます。なお、この3枚組のCDが定価7020円で販売されていたらしいのですが、当時はそれでも買う人がいたというのは、90年代というのはまだなにかと商売がしやすかった時代なのでしょう。今では非常に安く手に入る時代になったけれども、何やってもなかなか儲からないというのを考えると、少し羨ましい気もするのだけれども、やはり安価に山ほどCD買える今の方が楽しいという気もする。

ブラームス:交響曲全集、管弦楽曲集、協奏曲集 コリン・デイヴィス&バイエルン放送交響楽団(5CD)
こちらは交響曲全集の他に、協奏曲なども収録されていて、しかも価格がリーズナブルであり、BOX CDとしてお薦めかと思ったけれども、ヴァイオリンとチェロの為の協奏曲は含まれていなかった。ブラームスの協奏曲中でこれが一番好きなのだが。で、いろいろ検索してみたが、交響曲+協奏曲のBOXでこのダブルコンチェルトが含まれているものが数が非常に限られている模様。別にセット買わなくてもいいのだが、何かこう、人にお勧めでるものがあったらいいなぁというのはあります。

ブラームス:交響曲&協奏曲全集 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団&ベルナルト・ハイティンク
こちらはAmazonプライムでストリーミング視聴できるのすが、CDは買わず、そっちで聴いたんですが、ヴァイオリンとチェロの為の協奏曲も含まれており、曲目としては完璧と言えるでしょう。ロイヤル・コンセルトヘボウの演奏に私がどうこういうようなものではないのですが、交響曲などは昔よく聴いていたウィーンフィルとのCDの方が良かったなぁと思ったのですが、そのCDも手元にもうないので記憶が美化されているだけかもしれません。やはりしかしウィーンフィルと比べると滑らかすぎるような気がしないでもないです。時にちょっと粗野なところもあって欲しいというところで、個人的な好みでいうと、あまり納得がゆかず、プライムで聴くに留めて、mp3は買わなかったです。

モンテヴェルディ:ポッペアの戴冠 全曲 ガーディナー
非常に良い演奏で、各種レビューでも高評価ですが、個人的に思うのは、その昔実際に演奏されたときは、何かこうもっと自由なアレンジみたいなものがあったのではなかろうか、という気がしないでもないです。本当にこうだったのだろうか、という気がするんですが、私如き素人がどうこういうにはまだまだ知識が足りませんが、しかしそれはおいておくとして、これはこれで非常に美しいCDです。

| 音楽 | 11:55 PM | comments (0) | trackback (0) |
トーマス・ハウフェ(著)『近代から現代までのデザイン史入門 1750‐2000年』他
引き続きいろいろ読んでおります。まずは知識不足のところ、自分の弱点といえる部分を克服する感じで勉強したいと、何故か今頃になって奮起してしまって、しかしそうやって考えてみると、全方位弱点だらけではないかという気がしてきてなかなか終りが見えてこない。まぁ、終りはありませんな。

トーマス・ハウフェ(著)『近代から現代までのデザイン史入門 1750‐2000年』
デザイン史の本の中でも、なかなか出色の出来ではないでしょうか。とくに前半部分は個人的に完璧と思いました。翻訳が少々固くて、特に後半は何を言ってるのか分らないところもありましたが、それはともかくとして、人物の紹介や図像の選択などが良くて、教科書としてはなかなか素晴らしい本であります。けっこう網羅的な感じなので、この本の内容を解説してゆけば、デザインについて大いに語れそうな感じであります。

三井秀樹(著)『美の構成学 バウハウスからフラクタルまで』
構成学についての本ですが、前半はバウハウスについて、後半が構成の概要となっていますが、この流れはやはり正しいのでしょう。美大受験生などで、色彩構成、立体構成になかなか身が入らないというか、意味がわからないと感じている人はこれを読むと、きっとやる気が出てくるのではないでしょうか。比例のところでは、やはり黄金比を古代からの美の原理として絶対視しておりますが、そこはちょっと最近の本では否定されつつあるところです。

海野弘(著)『アール・デコの時代』
こちらは学術的な本というよりは情熱的な随筆集的な感じでしたが、今まで関心がなかったジャンルについてぐいぐいと興味を引き起こされるようなところがあって、ちょっとしたカルチャーショックな本でした。

中村るい(著)『ギリシャ美術史入門』
最近、古代彫刻に興味があって、いろいろと小難しい本を読んでいたところですが、ちょっとなかなか基礎的なところが不勉強で読むのが大変だったので、入門書を物色してたどり着いたのですが、これは素晴らしい。単にわかりやすいというだけでなくて、新しいという感じがします。アルカイック期からクラシック期の解説に重点がおかれおり、一般的知名度の高いヘレニズム期についはわりとあっさりしております。しかし読み終えてみるとそれが正解なんだなぁと思いました。以前からなんとなく疑問に思っていたことがバッサリと書かれてあって、気分的にモヤモヤしていたところがスッキリしたという気がして、たいへん気持ちが良かったです。

というわけで、今回の4冊はいずれもたいへんお薦めですので、まだの方は是非読んでみて欲しいところです。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 12:08 AM | comments (0) | trackback (0) |

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