連休中に東京に行ってきました。
先週の連休中に東京に行ってきました。画材にまつわる場所を訪れてきましたので、まとめてご報告したいと思います。

まず初日は鳥越一穂氏(http://torilogy.net/)の紹介により、春蔵絵具さん(埼玉)を訪問させて頂きました。
春蔵絵具さんについての詳細は以下を参照ください。
HARUZO絵具 -日本で一番古く一番新しい油絵具-
http://www.haruzo-enogu.com/


春蔵絵具さんはNatural Pigments社の顔料を使った油絵具『ヴィーナス』を製造・販売していますが、私は昨年、ヴィーナスホワイトとグレープブラックを購入して愛用しております。
油絵具ヴィーナス
まだ一部の色しか購入しておりませんが、とくにグレープブラックは気に入っております。今回、製造に関する工夫などのお話を伺うことができました。

翌日はこれもまた鳥越さんの紹介で、アトリエラポルト(東京) http://laporte.suppa.jp/を訪れました。
アトリエラポルト
写真からわかるとおり、カーテンで仕切れられており、それぞれモチーフと照明があるという、素晴らしい環境です。これもまた大変勉強になりました。また、材料や道具類なども洗練されております。私もできることならこのような環境で絵画を勉強したかったです。

最後に、鳥越さんと収録したラピスラズリの動画を通じて最近交流ができ、ブログにコメントもくださっている吉川聡氏の作業場(神奈川県)を見学させてもらうことができました。神奈川ということもあって、滞在時間が限られていたのですが、ラピスラズリ抽出に関する様々な道具類を見て、そしてその他の顔料について貴重なお話を聞くことができました。
特に驚いたのはウェルドです。
ウェルド
植物染料の黄色と言えば、日本ではキハダやカリヤスなどがメジャーなところだと思いますが、西洋絵画ではウェルドです。サフランの方が有名ですがあれは少ししか採れないので、やはり主力はウェルドだと思います。が、本で読むだけで実物の顔料を見たことはありませんでした。種を入手してまいてみたことが何度かあるのですが、いずれも発芽に失敗して断念しました。そもそも絵画材料に興味がある方々もウェルドの存在自体知らないことが多いのですが、まさかウェルドについてお話を聞けるとは思っていませんでした。また、同じ染料系であるコチニール顔料もあり、これは実は私も某所から購入して使っていたのですが、それはレンブラントなどバロック期の赤を求めて使っていた的なところなのですが、そちらの製法についても貴重なヒントを多数頂きました。1時間半くらいしかお話できなかったのですが、私としてはかなり重大な情報でした。もっといろいろ聞きたかった、とも思うのですが、しかし、今回頂いたヒントでまずは自分で試行錯誤してみたいと思います。せっかくの機会なので、ウェルドの発芽はもういちど挑戦してみたいと考えています。その他、ウォード、サフラン、キハダなど染料になる植物を植えまくっているのですが、今後はまとまった数になるように工夫してみたいと思います。

というわけで、大変楽しい旅でした。訪問先の皆様、その節はありがとうございました。

| 絵画材料 | 12:34 AM | comments (2) | trackback (0) |
動画:フレスコ技法の材料 4~6
鳥越一穂氏とフレスコ技法について語る動画、その第4~6回が公開されておりますので、本ブログでもご紹介したいと思います。

[Medici] フレスコ画 概説 #4 漆喰の自製

なんと、石灰岩(炭酸カルシウム)を焼いて生石灰(酸化カルシウム)に、そしてそれを水に浸けて消石灰(水酸化カルシウム)にするという実験を行なっています。石灰岩から漆喰塗料を作っているということです。漆喰の仕組みの理解への一助となればと思います。

[Medici] フレスコ画 概説 #5 華麗なる激情

システィーナ礼拝堂天井画制作の紆余曲折を描いたハリウッド映画『華麗なる激情』をご紹介すると共に、フレスコ技法をお復習いします。この映画、チャールトンヘストン主演によるハリウッドスペクタクル映画のひとつであるにもかかわらず、ほとんど知られていないようですが、個人的にはけっこう気に入っている映画です。ミケランジェロとユリウス2世が喧嘩しながらも、天井画を完成させてゆくところが感動的ですが、漆喰を塗ったり、下絵を転写したり、顔料を溶いたりと言ったシーンもちゃんと出てきます。この映画に関しては、できれば次の動画で紹介するヴァザーリ(著)芸術家列伝のミケランジェロの項を読んでから観ることをお薦めします。

[Medici] フレスコ画 概説 #6 参考文献

参考文献の紹介です。特にヴァザーリの列伝のミケランジェロは是非とも読んでおきたいところです。内容の正確性等はともかくとして、とても面白いのでこれを読まないというのは、ちょっとした損失です。また、ヴァザーリと言えば、ほとんど列伝についてしか知られていませんが、どのような活動をしていたかについても読んでおきたいところです。その他の文献については、後日機会があれば触れたいと思います。

| 絵画材料 | 09:28 PM | comments (0) | trackback (0) |
動画:フレスコ技法の材料 1~3
フレスコ技法の材料、特に漆喰についていろいろと語った動画を公開しました。私も鳥越さんも油絵しか描かないので、フレスコについて語っていいものかどうかは疑問ですが、何かご指摘等あれば是非コメント欄へ。鳥越さんはともかく私の方は一時期フレスコ技法、特に漆喰と格闘していたことがありました。それはウィトルウィウスなどの昔の技術書を理解したかったから、というのと、ポンペイの壁画の色彩や特に艶やかな表面に関心があったらからですが(ポンペイの方は発掘後の処理で鑞が塗られてしまったせいとも聞くので、表面処理上の参考にはならなかったのですけれども)、その時期に蓄えた知識で話をしております。

第1回目はフレスコ画とは何かという点を大ざっぱに。前置きみたいなもので、特にこれと言って重要な点はありません。

動画では触れられていませんが、入門書としては宮下孝晴(著)『フレスコ画のルネサンス 壁画に読むフィレンツェの美』がよろしいかと思います。

第2回目はフレスコ技法の仕組み、言い換えれば漆喰の仕組みについて述べています。石灰岩、生石灰、消石灰などについて述べておりますが、これも一般的な説明に終始しており目新しいものはありません。


第3回目は引続き漆喰に仕組みについて語っております。

動画では触れていませんが、参考書として、大野彩(著)『フレスコ画への招待』がよろしいかと思います。

ここまでは前説のようなものであり、次回以降、ご家庭で漆喰、言い換えれば消石灰を作る方法を紹介する予定です。もちろん、買ってきた方がはるかに安くて均質な消石灰が手に入りますが、まぁ、物事の理解の手助けになるかな、という目的の為にということで。

| 絵画材料 | 08:00 PM | comments (0) | trackback (0) |
クレサンロールキャンバス No .13 入手しました。


極細目亜麻、油彩用地塗りです。


| 絵画材料 | 11:12 PM | comments (0) | trackback (0) |
天然ウルトラマリンの抽出実演動画 後編
前回、ラピスラズリ岩石を砕き、樹脂などでパテを作るところまで進みましたが、いよいよ抽出の場面です。

[Medici] 実践・天然ウルトラマリンの抽出 #2


チェンニーニの方法では、器と灰汁を換えつつ、くり返し抽出してゆくのですが、初めの方は濃い青が採れ、徐々に薄くなってゆき、最後の方にはアッシュブルーといったような灰色がかった青になります。しかし、実際やってみると、2番目の方が濃かったりします。

抽出後は丁寧に洗浄して完成となるのですが、そちらも収録して公開済です。

[Medici] 実践・天然ウルトラマリンの抽出 #3 天然ウルトラマリン顔料の完成~比較


抽出の段階によって、様々な色味、粒径のウルトラマリンが得られますが、どれがベストなのかというと、展色剤に何を使うかによっても変わってきそうな気がします。油絵具にするのか、テンペラで使うか、写本のようにゴムで使うか。また、この方法で抽出した後に、水簸などで粒径を分けることによっても、違うグレードの顔料ができるかと思いますが、その辺も動画で語っております。

| 絵画材料 | 11:04 PM | comments (9) | trackback (0) |

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