『B.C.1177 古代グローバル文明の崩壊』他
エリック・H.クライン(著)『B.C.1177 古代グローバル文明の崩壊』読了
ミケーネ文明が何らかの理由で崩壊し、400年の暗黒時代を経て、そこから皆が知っているアテネやスパルタ等のポリスが登場する古代ギリシアが出現するわけれだけれども、本書はミケーネ文明の崩壊の原因に迫る、というものである。崩壊原因についての論は、あまりにも風呂敷を広げ過ぎた為か、ちょっと肩すかし的な読後感となってしまったけれど、しかし本書の魅力はそこではなくて、崩壊前の古代文明ネットワークの描写であろうと思う。今までは古代ギリシア史という視点でしかこの暗黒時代を見ていなかったのだけれども、ミケーネ文明だけではなくて、小アジアからシリア、エジプトはてはメソポタミアまで広範な文明崩壊や衰退が起こっていたということと、そして崩壊の直前までは、それらの文明が公益などを通して非常に活発な文明間のネットワークがあった、というのが熱烈に語られていて、そこがもうなんというか視野が広がった気がして勉強になりました。

手嶋兼輔(著)『ギリシア文明とはなにか』読了
こちらも上記と同じく、メソポタミア地方からエジプトなど含めた広い視点から、古代ギリシアを俯瞰できるというような本といえるでしょう。古代ギリシアについて語るとき、その後のヨーロッパ世界、引いては世界の文化の規範ともなる古典としての尊敬の念から、数ある古代文明の中でも頭一つ抜けた存在と無条件に考えて、読んだり語ったりなどしてしまいがちなわけですが、ちょっとその頭の硬さをほぐしてくれるというのか、なんというか、ある程度古代ギリシア関連の本を読んだら途中で一度読んでおくべきなかろうかと思われる一冊です。

太田静六(著)『世界帝国ローマの遺構』読了
半分以上が写真であり、本文の量はそれほどでもないが、しかし非常にわかりやすい。頭の中にスルッと入ってくる。文章量から言ってもそれほど詳細な解説ではないのだけれども、要所をうまくついてくるというか、肝心なところがスルッと自然に頭に入ってくるという、素晴らしい文章である。ただ、前半の素晴らしいまとまりに比べると、後半が少々寄せ集め的になってしまっているような気はしないでもない。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 11:01 PM | comments (0) | trackback (0) |
最近読んだ本、クリスチーン・ポールソン(著)『ウィリアム・モリス アーツ・アンド・クラフツ運動創始者の全記録』他
最近いろいろ自分ぜんぜん駄目だなぁと反省しながら生きている感じで、あまりに反省し過ぎてもういいやってなってきたところなのですが、古代史について読むと一時何もかも忘れるのでやっぱいいですな。古代史、あまりにも時間が隔たっているというのがいいのかも。

中央公論社 世界の歴史4 オリエント世界の発展
目下、古代ギリシア史に浸って生きているのですが、西アジアの歴史も分らないと理解できない部分も多いので、そちらもちょくちょく読んでいるので、その一冊なのですが、本書はなんというか一部ちょっと固有名詞の羅列みたいになっているところがあって、説明不足というか、これだけでは意味がわからないというところがあって、少々不満でした。この時代に詳しい人が読んだらわかるのでしょうけれども、知っている人が読むタイプの本でもないような。

河出書房新社 世界の歴史2 オリエント
上記に比べるとこちらの方がわかりやすかったとうか、歴史の流れを説明している感があります。読んでいると、ヘロドトスを読みたくなってきたら、旧約聖書を読みたくなってきたりするので、古代史の魅力に溢れて文章なのだろうと思います。いや、これはけっこう読んでて楽しかったです。こちらを読んでから中央公論の方を読むといいんじゃないでしょうかね。

さて、その他にもやはり美術についても読まねば、ということで以下を。

クリスチーン・ポールソン(著)『ウィリアム・モリス アーツ・アンド・クラフツ運動創始者の全記録』美術出版社(1992/10)
モリスについての本は数多読んだけれども、この本が一番よくまとまっているのではないでしょうか。モリスの仕事内容も順を追ってわかりやすくまとめているし、人生とか人間関係とかも含めて最後の方はちょっと感動してしまったくらいであります。そして大判の本なので、図版が大きくて迫力があるということもあって、これはとてもお薦めの一冊と言えましょう。BBSアートガイドというシリーズになっていて、すでに品切れであるためあまり目立たない存在となっているかもしれませんが、モリスについて何か買ってみたいなら、これがよろしいかと。品切れだけれども、古書は多く出回ってます。

スティーヴン・アダムス(著)『アーツアンドクラフツ ウィリアム・モリス以後の工芸美術』美術出版社(1989/11)
続いてこちらも読んでみました。アーツアンドクラフツ運動と言えば、モリスという印象ですが、モリス、あるいはラスキンに影響されて工芸ギルド風の会社が続々と設立されたのですが、そのようなさまざまの活動についての本ですが、モリスを読んだなら是非こちらも合せて読まねばならぬでしょう。

多摩美術大学ポスター共同研究会(編集)『構成的ポスターの研究 バウハウスからスイス派の巨匠へ』中央公論美術出版(2001/11)
図書館で見つけて気に入ってしまって7千円も出して買ってしまったけれども、自分の経済状況の中で買ってよかったのかどうかと思ったりもするけれども、まぁ、これはなかなか充実した本でありますな。グラフィックデザインだけでなくて、現代美術、特に抽象絵画の教科書としても、数多ある美術系の本よりずっとこちらの方がいいんじゃないだろうとも思いました。私はファインアート出身ですが、デザイン系がこのように理論的に歴史を学んでいるのだとしたら、けっこう羨ましいかもしれません。実際どうだかはわかりませんが。いずれにしても値段の価値はある力作であると思いますが、現在品切れで中古しかありません。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 02:20 AM | comments (0) | trackback (0) |
最近読んだ本:太田静六(著)『ギリシア神殿とペルシア宮殿』他
自室のエアコンは気が付けば買ってからだいぶ年数が経って、そろそろ寿命なのかさっぱり冷えないので、暑い日は図書館をうろうろしているのだが、いっきに本を買いすぎて、あと一気に一年分の税金も払ってしまって、これ以上買ってはならぬということもあって、できるだけ図書館を活用しよう、と思って出かけているのだけれども、どちらかというと大崎市図書館の方が涼しい。大崎市に税金払ってないし、大崎市に務めているわけでもないので、ちょっと利用に気が引けるが、主戦場は宮城県図書館である。立派な建物であるが、空調は大変そうでありますな。というわけで最近読んだ本ですが、

太田静六(著)『ギリシア神殿とペルシア宮殿』1994
蔵書を検索して書庫から出してもらったのですが、軽い気持ちで借りてきたかけですが、半分ほど読んだところで、あまりにも感銘を受けすぎて結局注文してしまいました。品切れなので中古ですが、3500円くらいで大変良い状態のものが手に入った。読み終えて振り返ってみると、ドリス式神殿の啓蒙書なのではないか、と思うくらいにドリス式オーダーの魅力に溢れている一冊であったかな、という印象です。写真は全て著者が主に60年代頃に撮ったものらしいのだけれども、とてもいい感じの写真です。そして本文がそれに劣らずとても良い。個人的にギリシャ建築とか西洋建築全般の本をちょくちょく読んでいるのだけれども、言わんとしていることが理解できないことも多くて、気合い入れて読めばいいのだけど、全部気合い入れて読んでたら疲れるのだが、しかしこの本は自然に読んでだけでだいたい理解できる位の難易度で書かれていて、するっと頭に入ってくる。実際には小難しい本と同じ事を語っているのだから、文章が上手いのでしょう。あるいは説明をサボっていない、ということでしょうか。さらに全体の構成というか、紹介する神殿の順番とかその辺も実はよく考えてられているのではないかとも思います。

桜井万里子(著),本村凌二(著)『世界の歴史 (5) ギリシアとローマ』1997
古代ギリシア史の本に夢中になっているところなので、何を読んでも面白いというか、まぁ、同じような内容ではあるけど復習になっていいし、毎回何かしら発見があるというか、とりあえず、前半のギリシャ史は面白かった。ローマの方は領域的にも時間的にも遥かに大きいので紙数的に無理があるような気がしつつ読んでいたけれども、それなりに過去に読んでいたので、何を言っているのかわかるけれども、いきなりこれを読んだらなんのことやらと思う部分はありました。個人的は楽しく読んでましたが、これを高校生が読んだならと想定すると、ローマ史の啓蒙書とはならないようなところはあります。

アレクサンドル・ファルヌー(著)『ホメロス:史上最高の文学者』知の再発見双書
こちらも図書館から借りて読んだんですが、知の再発見双書は図版が多くて分りやすいけれども、その分本文が少なめになので、さらっと読めて借りて読んでも良さそうなボリュームである。

バウハウス叢書別冊1『バウハウスとその周辺〈1〉美術・デザイン・政治・教育』1996
教育関連の図書では、バウハウスについての本は大概何を読んでも面白いと思うので、ついつい買っては読んでしまう。私個人の価値観としては、表現主義的なものよりも、構成主義とか、合理的な、あるいは生産的な考え方に共鳴するところがあり、初期バウハウスが表現主義的傾向から、デ・ステイルなどの影響を受けて急激に転向するあたりはなんとなく気持ちがいい。しかもめまぐるしく急激に物事が進んでゆくのであるが、そこは1910~1920年あたりに急激に抽象主義絵画が進展してピークに至るところで美術史的にも面白い。

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色彩文化研究会(著)『配色の教科書』
法人の清算が済んでしばし経ってとりあえず一安心して読書に勤しんでいたのだけれども、税務署からなにやら問い合わせの通知が来ていて、忘れた頃にまだまだいろいろあるものだなと思って、思い出すといろいろ心配になってきて困る。税制が複雑過ぎて、もはや税制を理解するだけでも本来の仕事への圧迫がすごい感じなのだが、今回の増税はそれはもう面倒そうな様相を呈しており、やはり廃業して正解だったというか、これはもう日本の足を引っ張っていると思えてならない。いずれにしても二度と起業したくないという気分なのは確かである。だがそれはともかくとして、この夏のテーマは歴の色彩論と古代ギリシャについて勉強してみたいと考えているのだけども、自腹で本を買う予算もそろそろ控えねばならぬ的なところもあるので、図書館にちょくちょく行っているのだけれども、梅雨明けしたらあまりにも厚すぎて自室に居られないようなところもあって、図書館に出かけているという面もあるのだけれども、図書館も空調の予算がないようで涼しくはない。ああ、暑いなぁという程度なのでぜんぜんマシであるけれども。国会図書館を利用していたときの癖なのか、時間を有効活用しようとして、できるだけ多く閲覧しなければという感じ行動していると具合悪くなってくるのである。図書館はスポーツ、という格言の元に育ってきたのだが、日本の気候も変わってきたので、落ち着いて行動せねば。図書館で頑張っているのは専ら古代ギリシャ系なのだけれども、このような古典系は児童向け図書でも時たまなかなかの本があるので、そういうのも探していたりするのだけれども、そもそも子ども向けなのかどうかわからないような図解とか図説みたいなタイトルの図書とか子ども図書室に所蔵されていて、しかも書庫にあって、リクエストして出してもらわなければならないんだけれども平日に自分のような者が子どもがたくさん居るところで図書を探しているのは不審者感があって正直情けない気分になってきて、しかも暑くてしんどい。だが、ギリシャ建築に関する絵本というか、図説系の本はすごかった。ヨーロッパ建築史の本を一所懸命読んでなんとなく理解したかしてない不安な感じのところが見事にイラスト科されていて、イラストレーターがすごいのか、学者が面倒臭いだけなのかわからないが、明快すぎて感動した。買いたいけれども、落ち着いて冷静になってから買うかどうか決めよう。子ども向け図書は侮れないのだが、あまり子ども図書室に居ると失業者だと思われそうで情けないので、仙台市図書館と大崎市図書館など交互に通いようにしなければならない。失業者なのは事実かもしれないが、それはさておき、色彩学系ではイッテンとアルバースを買ってしまったので、こちらは自宅で読んでいるのだけれども、同時に広い読みしていたらどっちがどっちだか分らなくなってきたの気を付けたい。ゲーテの色彩論も読み出したけれども全編を真剣に読んでいる余裕はないので、解説など参照しつつ重要な部分だけを読んでいこうと思う。色彩文化研究会(著)『配色の教科書』というのを半分ほど読んだのだけれども、これは素晴らしい。色彩学を、色彩学の歴史で語っている。オタクは歴史から語り出すというが、流石に面白い。画家の方々など、色彩論などの理論書にはいまいち関心がない方もいらっしゃることかと思いますが、これを見たら絶対面白いと思うことでしょう。しかしそうするとゲーテも読まねばならなくなってきてキリがないことでしょうが。しかし色彩検定とかカラーコーディネート的な本を読むよりずっといいなぁと思うのだけれども、自分以外はそうでないかもしれない。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 01:00 AM | comments (0) | trackback (0) |
バルバラ・グラツィオージ著『オリュンポスの神々の歴史』読了
最近、自分の中で古代ギリシャがブームであり、いろいろ買っては読んでいたりするのですが、以前はどちらかというと、ローマ文化の方に共感していたところがあり、古代ローマと比べるとちょっと軽く見ていたようなところもあったのだけれども、令和にもなってようやくギリシャに開眼した自分の未熟さよ。ミケーネ時代も面白いし、その後の暗黒時代、アルカイック期、クラシック期、その後の迷走とアレキサンダー大王からその死後もみんなそれぞれ、どこについて読んでも面白いので、お金がいくらあっても足りない感じであるけど、この夏はもっとしっかり古典を読んでおこうとも思っており、古典古代の古典も買わねばと思っているので、貧乏になってしまいそうです。世界美術大全集や人類の美術のギリシャ関連も買っておきたいところなのですが、いっそのこと全巻揃いで買った方が早いような気もして、調べてみましたが中古でも送料を考えると6~7万くらいはかかりそうです。まぁ、安いものを1冊ずつ買いながら読むのがきっと一番なんだと思いますね、全部買うとそれで安心して全く手を付けないということも考えられるし。そして、実は色彩学に関する本も古典に目を通しておきたくて注文しているのですが、まぁ、この夏の勉強に、ということで、5万円と決めて買っていこうと思っております。

そして、とりあえず最近読んだもので面白かったのは、バルバラ・グラツィオージ著『オリュンポスの神々の歴史』、ミケーネ時代から暗黒時代を経てアルカイック期に神殿が建ち始め、人間的な人格を持った神々が現れ、古典期に入り、そして哲学者の批判にさらされつつもヘレニズムで伝搬し、という感じでギリシャ神話の神々がどう解釈されていたかを論じているわけだけれども、だいたいルネサンス期までを扱っており、特にルネサンス期に絵画に表現される件はちょっと新鮮なものがあったというか、ものの見方が深くなったというか、たいへん勉強になりました。とうか勉強不足であったと反省したというか。しかし、バロック以降に関しては駆け足で触れるだけで、事実上ルネサンス止まりだったのが最後ちょっと物足りなかった。特に最近私の関心のルーベンスはギリシャ神話の寓意だらけなので、もっとバロックについて読みたかった。が、ともかくギリシャ神話題材の絵を鑑賞するというか解説する際は、神々の細かいことより、このような大局的な流れについて読んでおかねばならぬというか、その説明から始まらねば話にならるのでは、というふうに思うくらいお勧め本です。

伊藤貞夫(著)『古代ギリシアの歴史 ポリスの興隆と衰退』、古代ギリシャ通史の本を読みたい。1冊じゃなくなくて、いろいろと読んで、繰り返しみたいな感じで学習したいと思いつつ、買って読んでいるんですが、こちらはいい感じでした。心なしか、ミケーネ時代あたりの方にむしろ気合を感じて、古典期意向が駆け足な印象が無きにしも非ずといった印象を感じましたが、でもじつはミケーネ時代から暗黒時代、そしてアルカイック期あたりに非常に重要な転換があったような的なところを感じなくもないので、私はこの本は読んでてとても面白かったのです。しかしこれで満足せず、古代ギリシャの歴史の本なら、いくらでも見つけられそうなので、まだまだ読んでみたいところです。

周藤芳幸(箸)『図説 ギリシア エーゲ海文明の歴史を訪ねて (ふくろうの本)』、文字中心の本をいくつか読んで、そしてできれば写真がいっぱい載ったやつをそろそろ読んでみたいという気がして、ふくろうの本の図説シリーズから1冊を選んでみました。基本的には文字で書かれた本が好きで、なんというか集中して読める感じがよくて、図とか豊富にあって、さらにレイアウトが複雑になっているといったんそこにも目を移さなくてはならない的なところが苦手なのですが、文字本を読んでから、図説シリーズを読む、というのはとてもいいことかな、というふうに思います。既に多少の知識は得ているので、比較的短い文章でも理解が進みますし。というわけで、こちらもたいへん楽しく読みました。

そして先ほども書きましたが、プラトンとかプルタルコスとか古典も読まねばと思って、ちょくちょく買ってはいるのですが、読みやすい翻訳で読みたいとかいろいろ考えて、そして迷いつつ注文しているのですが、しかし注文するというだけでも、けっこうたいへんな作業ですな、古典って言ってもかなり多いし。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 12:49 AM | comments (0) | trackback (0) |

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