まんがで読破シリーズ
名著の漫画化というのは、横山光輝やら里中満智子作品はじめ、いろいろ読んできたものだけど、最近ちょっと出版ブームみたいになってきていて、次から次へと出てきますなぁ。って、ところで、まんがで読破シリーズを読んでみた。

実際に読んでみると非常に良くデキ良くて、中にはえ?けっこう凄いんじゃないの?というものもある。
しかし先に苦言の方を書かせてもらうと、思想書、哲学書みたいなものに関しては、本の内容ではなくて、事実上伝記みたいになっていたりするのだが、例えばマキャベリの『君主論』のように単にそれだけを漫画化しても理解不可能な場合が多いので、それはそれで極めて正しい判断だと思うけれども、それを単に”マキャベリ作「君主論」”として販売するのはどうかな、と思わないでもない。漫画化をした責任者の名前が、背表紙に例えば、横山光輝とか里中満智子という名前が出ているならいいけど、カバーには出版社名が書かれているだけ。絵師の名前は本のどこにもない。
もう一例挙げると、『学問のすすめ』も、実際には福沢諭吉の伝記物語となっているのだが、”福沢諭吉作『学問のすすめ』”となっている。福沢諭吉は自伝があって、それが原作とも言えるし、内容自体は非常によくできているのだけど、やはりちょっと倫理的にどうかなのかなと思わずに居られない。特に作品解釈上で、自分と違う意見だったりすると、ちょっとムっとしないでもないわけである。あるいは、文学作品の方が、細部で荒筋が改編されていることなど考えると、もっと問題なのかもしれない。ネット上のレビューでは、その点に関する苦言が意外と少ない気がするのだけど、あんまし気にならないのだろうか。著作権の保護期間はとっくに過ぎているけれども、倫理上のルールとしてどうなんだろうかと。。。
それと、画風が繊細さに欠けるというか、人物の表情が感情表現過多という感じで、不自然な気がしないでもない。ものすごい大げさな表情をしていて、繊細な文学作品だと、世界観を壊してしまっているような。。。

というわけで、以上のことを先に断って、既読分の感想を。。。

『学問のすすめ』『君主論』『破壊』はけっこうお薦めな気がする。『レ・ミゼラブル』『病床・六尺』もなかなかである。太宰原作の『斜陽』『パンドラの匣・ヴィヨンの妻』は、もうちょっとだけ画風が繊細であればと思わないでもないけど、わりといいかと思う。漱石の『我輩は猫である』はあまりにも漫画過ぎるように思ったが、『明暗』はわりと漫画を感じさせなくはなっている気がする。しかし、別出版社の「マンガで読む名作」シリーズの『三四郎』の方が断然いいと思う。ちなみに、日本人ならふつう夏目漱石はだいたい読んでいるものだと思っていたが、とりあえず家族に尋ねてみたところ、誰も一冊も読んでなかったようだ。

『失われた時を求めて』と『ユリシーズ』は、生涯読むことがないだろうと思っていたので、内容にちょっとでも触れられてよかったような気もするが、長編を読んだ気にはならない。そりゃそうか。『失われた時を求めて』に関してはフランスコミック版がなかなか期待できそうな感じである。

『ドン・キホーテ』は後編も合わせての漫画化なのか。『グレート・ギャツビー』『阿Q正伝』『好色一代男』『夜間飛行』は、全部未読だけれども、良いのか悪いのか微妙なラインにありそうである。『論語』『般若心経』はさらに微妙である。『死に至る病』は、自分には評価が難しい。しかし、いずれも読んで損はないような気がする。『ファウスト』はどうだろう。あんまりお薦めではない。

けっこう酷いのが『資本論』で、もうちょっとどうにならないものかと思ったが、『続・資本論』でかなり改善されている。
この辺の事情は↓下記のご意見が正しいかと思われる。
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/zokusihonron-mangadedokuha.html

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::マンガ・アニメ | 02:04 AM | comments (0) | trackback (0) |
パーツのぱ
恥ずかしながら普段からすごい量の漫画本を読んでるのだけど、ほとんどは歴史題材の作品ばかりで、ふつうの漫画はさっぱり読まないと言いつつ、でもちょっとは読んだりしてるのだが、最近のでは野村宗弘(著)『とろける鉄工所』がすごく良かった。正直すぐにネタ切れになるのではないかと思っていたのだけど、4巻になっても全然トーンダウンしていない。藤堂あきと(著)『パーツのぱ』は第1巻を読んでたときは、まぁちょっと面白いかな、という感じに思っていたが、2巻目を読んでいるあたりから、各キャラ等にも愛着が湧いてきて、今は非常にお気に入りである。ヨドバシができてから秋葉原の向こう側には全く行かなくなってしまったのだけど、PCパーツショップってまだ存在するのだろうかと思ってWebで検索したらまだまだたくさん在った。ちなみに現在、個人的にはほとんど全てのパーツをネットのTWO-TOPで買ってたりする。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::マンガ・アニメ | 04:14 PM | comments (2) | trackback (0) |
池田理代子『栄光のナポレオン - エロイカ』全14巻読了。
正月に何を読もうか、ってことで、数年前に揃えたままだった、池田理代子の『栄光のナポレオン-エロイカ』を読破。やはり伝記系のマンガは長編に限る。最近、同著者の作品も含めて、短編あるいは1~5巻程度の歴史物、伝記物を読んだけれど、紙数が少ないと描かれ方に納得がいかなかったり、読後感に乏しかったりすることが多い。大人物の一生を描くなら最低でも10巻は要るなぁ。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::マンガ・アニメ | 10:36 PM | comments (0) | trackback (0) |
『ヴィンランド・サガ』第1~5巻(現在最新刊)読了
11世紀ヨーロッパ、ヴァイキングの時代を背景とした作品だが、時代背景がこれほどしっかり書かれている作品も珍しくないだろうか。それほど世間一般に知名度の高くない歴史上の人物が出てきたりして、なかなか勉強になる。こういうのは、WikiPediaとか見ながら読むと楽しいっすね。



| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::マンガ・アニメ | 07:54 PM | comments (0) | trackback (0) |
アニメ『N・H・Kにようこそ!』全12巻観了。
GONZOというと、美少女と3DCGのメカが出てくるだけの作品しか作れない制作会社というイメージがあったが、本作はキャラ的な魅力よりもドラマの方に重点が置かれていて、珍しく最後まで見応えがあった。やはりアニメや映画はストーリィを語るものでなければならない。ひきもりがテーマとういう割にはひきこもりに関する描写が甘いと批判されることもあるが、しかし、ひきこもり問題がどうこうということではなく、青春群像みたいなものだと思えば、実にいい話である。一つ一つの描写は一見、特殊な状況を描いているかのように見えて、実は田舎から都会に出てきた者の顛末としてごく普通にあり得る物語である。ここに出てくる悩みも不安も葛藤も、ひきこもりであろうがなかろうが、誰でも共通して経験するものであろうし、一度や二度体験するというものでもなく、それこそ人生の終わりまで何度も繰り返し降りかかってきて、なんとなく解決したように感じこともあるが、結局のところ最期まで逃れられるものではない。「ドラマには起承転結があって、感情の爆発があって、結末があります。僕らの日常は、いつまでもいつまでも薄らぼんやりした不安に満たされているだけです」という山崎のセリフに集約されているような気がする。


| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::マンガ・アニメ | 05:27 PM | comments (0) | trackback (0) |

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