蝋(ワックス)というものにもうちょっと慣れ親しもうと思い、試しに蝋燭でも作ってみようかと考えた(と言っても、単に溶かしてそれっぽい形にするというだけの話なのだが)。
百均にて、溶かした蝋を成型するためのアルミカップ(チョコレート用)と、芯にするための凧糸を購入。
アルミカップの底に穴を開けて、凧糸を通す。
爪楊枝なんかを使って、凧糸が真っ直ぐの芯になるようにしておく。
蝋は何種類か用意してあるのだが、まずは我らが蜜蝋である。

画材店で売っているやつである。
電子レンジという手もあるが、落ち着いて作業したいので保温トレイで蝋を溶かす。

なお、当方が使用しているのはタニタの純銅電気保温トレイTW-810なる製品であるが、現在、タニタでは保温トレイ商品は扱っていないようである。保温トレイという家電ジャンル自体が消滅寸前とも言えるが、とりあえずヤフオクにはいっぱい出てる。
溶けると透明な液体になる。

それを、先ほど用意したアルミカップに注ぎ入れる。
徐々に固まってゆく。
で、蜜蝋の次は木蝋を。

こちらはホームセンターで購入。
木蝋は融点が低いので、保温トレイに置くとみるみる溶けていく。
緑色である。
次はカルナバ(カルナウバ)蝋

カルナバ蝋のロウソクって聞いたことがないが、別に毒ガスとか出ないですよね?
蝋の中では飛び抜けて融点が高く、保温トレイ上に置いても、溶け出すまでしばらくかかった。
冷えて固まったら、アルミカップを剥がす。
完成。

素早く固化させようと思って、外気に曝したら一部割れてしまった。蜜蝋は柔軟性が保たれることで知られるが、木蝋、カルナバ蝋はやはり固いのかもしれない。まぁ、溶かす前の状態でも、触っただけでなんとなく柔軟性の差は感じられるのだが。絵画の媒材としては蜜蝋以外は固すぎて単体では支持体のちょっとした変化についていけないかもしれない。
なお、別途着色料とか入れてないので、ロウソクの色は基本的に素材に利用した蝋の色である。
日が暮れた後、さっそく火を付けてみる。

突出して融点の高いカルナバ蝋は、炎の間近のみが溶けるだけで、ずっと形を保ったままである。
融点の低い木蝋は、炎に近いところからどんどん溶けてしまって、わりと短時間で決壊、流れ出したのち火が消えた。
蜜蝋とカルナバ蝋はふつうにロウソクとしてそれなりの時間、炎を提供し続けた。
ちなみに、融点とか柔軟性とかは、適当にブレンドしたり、助剤を加えるなどして調整するのが普通と思われるので、今回のような極端なロウソクが作られることはないと思う。実際、木蝋のロウソクとかあるし。あと、いずれのロウソクも煙とか嫌な臭いとか全く出なかった。

数十分後であるが、外側が形を保ったまま内部が溶けるという点が災いし、芯が蝋の池に埋まってカルナバ蝋燭は消えてしまった。適度に液漏れしていた蜜蝋が、本レースの優勝者となったが、ちょっと偶然も作用しているかも。