PC‐8800シリーズ アプリケーション百科
県の図書館に『PC‐8800シリーズ アプリケーション百科』なるものがあったので借りてみた。

NEC自らのカタログらしい。時期的には1986年10月1日発行とあるので、既にPC-8801mkIIFR/MRが存在し、PC-9801シリーズではVM2が出ている頃。PC-8801FH/MH、PC-9801VM21、VX等はこのすぐ後ぐらいに発表または発売と言った状況下か。ゲームソフトも多数掲載されているけれど、それよりも統計計算や土木構造計算などのビジネスソフトがたくさん載っており、それらのソフトがどれほど実用的だったか、あるいは売れゆきがどうだったかは別として、ともかくいろんなビジネスソフトが出ていたんだなと関心した。何しろ自分がPC-8801を手にしたのは中学生のときだから、ゲームソフト以外は接点がなかったもんで。周辺機器も凄まじい数のプロッタプリンタが載っており、もちろん、PC-8001等から引き継いだ資産もあろうし、メインのターゲットがPC-9801である機器も多かろうけど、ともかくそれらはPC-8801で使えたわけである。ちなみに、プリンタの歴史としては、初期はプロッタ方式が特に作図が必要な用途で隆盛だったそうな(その頃のことはリアルタイムで見てないのでよくわらかんが)。

2ちゃんねるの昔のPC板では、PC-8800シリーズの評価は低く、400ラインとかじゃなくて、低解像度2画面などのモードがあれば、電波ソフトがナムコのゲームをうまく移植したのにという意見が多いのだけれど、ゲームの話だけでハードの評価をしてしまうのはどうかと。今から振り返ると、PC-9801がビジネス、PC-8801がホビー用途ときっちり差別化されていたように思えるけれども、初期は完全にビジネス用途だったし、その後も手探り状態で分化していったものであろうし。ゲームにしても、アーケード移植みたいなのはファミコンに全部もっていかれるので、パソコンの方は640×200ラインを生かしたAVGやらSLGで真価が問われるのではないと思うのだが。ということで、個人的には、アーケードの移植で当時の8bitパソコンの優劣を論じるのはあんまり好きではない。まぁ、X1turboが400ライン搭載してビジネス用に強化されたのは、客層を考えると、やはり微妙に判断ミスだったかもしれないけど、これも結果論で、うまく展開していれば、X68000に実用的なビジネスソフトが揃っていたかもしれない。X68000は当時の雑誌を見たら祝一平氏がワープロソフトの貧弱さを嘆いて、X1turboの即戦力を起動して文章書いているとか、そんな記事を読みましたなぁ。

ところで、先のビジネスソフトなんだけれども、ワープロとか比較的大きなソフトでない場合、BASICで書かれているものが多かったりする。具体的には例えば、パソコンによる土木構造物の設計計算プログラムとか、『土木工事間接工事費等の積算 パソコン(13機種)によるプログラム集』とか、『パソコン統計解析ハンドブック』とか、『マイコンによる薬物体内動態解析法―実用プログラム収載 (1984年) 』みたいなのであるが、市販ソフトウェアと言っても、書籍に載っているプログラムをフロッピーに保存しているとか、そんなものだったりするのだが。

BASICは実行速度が遅かったということで、馬鹿にする人も多いのだけど、このインタプリタ言語というのは、今でいうとエクセルなんかの表計算ソフトに近いものがあるような気がしてきたんだけど、どうだろう。現代人から見れば、そんなのは表計算でやればいいじゃないかと言われる用途かもしれないし、実際、1979年にAppleII用にVisiCalcが発売されて既にビジネス用途に活用されていたし、マルチプランなどもやがてPC-8801に移植されたけど、今のExcelのような高度なものではなく、むしろ極めて限定された機能しかなかったので、それよりもBASICで組めばほぼ自在に設計できるから、ずっと汎用性があったかも。今は事務用パソコンの主な用途としては何より真っ先に表計算ソフトが思い浮かばれると思うが、その役割をBASICが担っていたのかもしれない。BASICはインタプリタ言語だからコンパイル等の作業無しに、サクサクとプログラムを組んで、直したりしながら実行できるのだが、それはエクセル使ってるときに似てないかしら。BASICは確かに遅いけれども、遅いというのは、グラフィックをタイミングよく書き換えなければならないゲームなどの用途の話であって、事務的使用方法では遅くはなかったかもしれない。設計から実行、頻繁な微修正までトータルに考えれば、ある意味、非常に速かったかもしれない。8bitパソコンは、まだワープロソフトなどは処理が重いというか、全般的に不便であったが、N88日本語BASICのエディタは日本語の変換なども含めて非常に快適だった。MZ-2500のワープロは非常に重かったそうだが、BASICは高速だったそうな。PC-8801MHあたりから、日本語変換用のキーが追加されたりして、しかも変換精度や速度も申し分なく、なんでBASICの為にそこまでという不思議さがあったが、上記のような用途で使おうと思ったら、なかなか強力なツールである。そう言えば、中学のとき、学園祭で、宇宙に関するクイズのプログラムを作って展示したけど、このとき使用した画面モードが、日本語BASICの400ラインモードだけど、400ラインを使用した日本語BASICであるが、印象としては遅いものではなかった。富田倫生の『パソコン創世記』を読むと、PC-9801開発に関しては、BASICの互換性を持たせることに凄まじい労力を費やしていたことが垣間見える。無料閲覧可→「悪夢の互換ベーシック開発 - パソコン創世記」。『パソコン創世記』やっぱりいい本ですな。逆に今までで読んで一番酷かったのは『パソコンマニアは冬眠しよう 対談集 (技術者が語る)』というので、「BASICを血祭りに」と言って、酒の入った対談風にさんざん貶されている。と言っても、他の言語も同じく貶されているが、しかし何にでもTPOというか、適材適所というものがあって、それに合わせてツールを選ぶのが筋であって、闇雲に使えるとか使えないとか言うのはどうかなと。

| 家電・パソコン | 01:22 AM | comments (0) | trackback (0) |










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