藍の生葉で皮膚が染まるか
古代、ブリテン島に住んでいたケルト人は、ウォード(大青)で全身を青く染めることがあったようである。ユリウス・カエサルのガリア戦記には「・・・ブリタンニー人はすべて、タイセイ草で体を青く染めている。そのため、戦闘のときの姿たるや、すさまじい。また、髪を長くたらし、頭と上唇のほかは、全身の毛を剃っている。・・・」(『新訳 ガリア戦記』PHP研究所)と書かれている。映画『キング・アーサー』(2004年)は、アーサー王を、ローマ帝政末期に実在した人物というような感じで、ややリアル志向に描いた映画だったけど、劇中、ローマに敵対するウォードという集団が全身を青く染めて戦っていた。

日本では、藍と言えばタデアイのことであるが、藍の色の元であるインディカンを多く含む植物は他にもいろいろ在って、ヨーロッパに生えていたものはウォード(大青草)、ただし古代から既にインドの藍がはるばる輸入されていたようで、その色はインドから来たみたいな意味の名前だったようであり、ウォードはインド藍の代用品的な立場だったともされる。さすがにブリテン島ではウォードしかなかっただろうけど。

藍は発酵などの作用を利用して、濃い色に染めるなどの工夫があり、多種多様な方法があるけど、強いアルカリ剤を使うものは、肌を酷く荒らすと思われるので、安全性の面では生葉染めが、いいかもしれない。生葉の汁そのままでは、植物性の繊維には染まりにくいが、動物性の繊維には助剤無しに普通に染まる。皮膚もいけるかと。原始的な方法と言えば、葉で皮膚を擦るだけでも青くなったかもしれないけど、全身で行なうのは大変そうだ。葉を磨り潰したあと、全身に摺ったものを塗り、しばらくそのまま待つという方法あるかも。などとあまり調べもせずに述べていてもしかたないが、とりあえず、生葉染めの要領で試してみよう。

先月、一度目の刈り取りを行なった、タデアイであるが、ご覧の通り、短い期間の間にすっかり回復している(ただし、2回目のタデアイは、1回目よりインディカンの量が少ないという話である)。
藍の生葉で皮膚が染まるか

生葉と適量の水を入れ、ミキサーで粉砕する。
藍の生葉で皮膚が染まるか

直接手を入れたり、腕に汁をかけてみたりする。
藍の生葉で皮膚が染まるか

十数分くらい、そんなことをしてから、空気にさらすと↓こんな感じに青く染まった。
藍の生葉で皮膚が染まるか

汁に浸けてすぐには青くならず、空気に触れるなどして、徐々に青さが増してくる。しばらくは青が少しずつ濃くなり、1日くらいは青さが持続するが、日常生活で手を使ったり洗ったり、あるいは代謝しているうちに、だんだん元の肌色に戻っていく。
写真ではわからないかもしれないけど、なかなか不気味な青光りであり、コンビニでおつりをもらうときに、さすがにこれはヤバイというぐらい、自分でも気持ち悪いと思ったが、もし全身を染めた戦士が向かったきたら、かなり恐ろしいものだったと想像できる。

■追記 2011.9.11
2日ほどで、皮膚についた青は消え去ったが、爪に関しては1週間以上経っても、はっきりと色が残ったままで、マニキュアでも塗ったかのような状態になっている。
インディゴで皮膚を染める
皮膚は代謝によって表面が入れ替わってゆくが、爪は先の方に伸びるように更新されていくので、その違いで時間差ができるのであろう。爪を染めた後は、かなり強く擦っても落ちない。

| 絵画材料 | 10:46 PM | comments (0) | trackback (0) |
藍錠
一袋の種を植えただけなのに、自宅敷地内のあちこちにタデアイが育ちまくっているうえ、借りた畑にも生えている。先月一回目の刈り取りを行なって生葉染めを行なったが、その箇所も、ほとんど元通りという感じに再び生い茂っている(タデアイは2回収穫できる)。

そのようなわけで、藍の葉が豊富にあるのだが、来年は他の植物を植えたいと思うから、タデアイで試せることは今年のうちにやっておこうと思うのである。しかし、数ヶ月かけて発酵させるというような方法は、ちょっとキビシイので、わりと少ない日数で済むのに限るとしでだが。。

ボローニャ手稿にインディゴの作り方が羅列されており、そこからピックアップするという手もあるが、タデアイではなくてウォードが素材みたいであるから、その点どうかとも思うが、それはともかく、まずはタデアイで一般的に行なわれている方法を体験していきたい。

で、ネットを検索すると藍錠というものがよく見つかるので、それをやってみることに。

借りた畑で育った藍を引っこ抜いてくる。
藍錠

丁寧にむしった葉を、水に浸ける。
藍錠

水に浸すこと2日間。
藍錠
藍葉から色が落ちて黄色っぽくなっている。

液から葉を取り除くとこんな感じ。
藍錠

ここで消石灰を入れる。
藍錠
しかし、後から思ったが、これはいくらなんでも量が多すぎたかもしれない。

かき混ぜると緑色の液に。
藍錠

だんだんと泡が出て、その泡が青くなってくる。
藍錠

そこでさらに消石灰を入れるのだが、やはり入れすぎだと思われる。
藍錠

泡がブクブクである。
藍錠

2日ほどそっとして、沈殿させた。
藍錠

上澄み液を捨てる。
藍錠

なかなか泥藍っぽい。
藍錠
しかし、ちょっと緑っぽい気がする。これは空気に触れていれば、青くなるのかもしれない。

ここ迄は順調そうである。

でも、何か緑の色素が入っているなら、水で取り除けるかなと思って、再び水を入れてかき混ぜたり沈殿させたりしていたのだが、そのうちに水の表面に白い膜ができるようになって、何度水を取り替えても、その都度むしろ膜が厚くなってくるのである。なんだろう。

結局そのまま乾燥させた。
藍錠

なんだよこれ?、って感じである。

白いのは表面だけで、中は青いですけどね。
藍錠
若干、緑がかりだけど、放っておけばそのうち青くなるかもしれない。
消石灰入れすぎてなければ、もうちょっと濃い色だったかも。
まぁ、わからんことだけですな。

| 絵画材料 | 01:09 AM | comments (0) | trackback (0) |
藍の生葉染めで、綿Tシャツを染めてみた。
以前、生葉染めでシルクを染めた件を書いたことがあったけれども、その後、たて続けに木綿も染めてみており、それはまだ文章化していなかったので、記憶が薄れる前にと思って、以下に書きとどめる。
シルク、ウールなど動物性繊維の場合、刈り取ったばかりの藍葉をジュースにして、単にそれだけでわりと簡単に染めることができるのだけれど、綿、麻の場合は、汁にハイドロサルファイトナトリウムや消石灰などを入れるなどしなければならない。ちなみに参考にした資料は、今回も農文協の『アイの絵本』

藍葉をミキサーでジュースにするところまでは、前回と同じ。
木綿に藍生葉染め

しかし、このままでは、木綿を染めることはできない。

予め水に溶かしておいた消石灰の上澄み液を入れてかき混ぜる。
木綿に藍生葉染め

水に溶かしたハイドルサルファイトナトリウムを入れてかき混ぜる。
木綿に藍生葉染め
やがて泡が青くなるそうだが、たしかに青っぽくなってきた。

綿を投入。
木綿に藍生葉染め

緑ですな。
木綿に藍生葉染め

しばらく浸けてみたけど、すっごい緑である。
木綿に藍生葉染め

空気に曝すと青くなるということだったので、しばらく干してみたが、緑色のまま。
木綿に藍生葉染め
還元されたインディカンが酸化しないのか。あるいは藍葉にも緑の色素はあるだろうから、その緑なのか。
とりあえず、よく洗ってみてから再び干したが、やや薄まったものの、印象としてはかなり緑っぽい印象である。

これは失敗かと思っていたけれど、翌日になってから見たら、すっかり綺麗な水色になってた。
木綿に藍生葉染め

藍染めに於いては、思い描いたような綺麗な青色になっていなかったとしても、あまりがっかりせずに、ヘタにいじったりもせず、まずは気長に待ってみるといいかもしれない。

| 絵画材料 | 12:41 AM | comments (3) | trackback (0) |
収穫したブドウ食ってみた。
春に植えた葡萄(キャンベルアーリー)が3粒ほど実っていたのだけど、
ブドウ:キャンベルアーリー

そろそろ食べ頃だろうかと思って、取ってみた。
ブドウ:キャンベルアーリー

剥いてみたが、確かに葡萄である。
ブドウ:キャンベルアーリー
セシウム入っているかもしれないけど食べてみた。


ところで、葡萄の皮には酵母菌がついているし、果実に糖分が多く含まれているので、潰すだけで発酵してワインになる。オークの樽に入れておけば、オーク材のタンニンによって、味が深まるかもしれないけど、フレッシュな状態でもアルコールであることには変わらんですな(ウィーンだとホイリゲと言ったような。2回くらい飲みに行った記憶が)。同じようにりんごの皮にも酵母菌が付いていて、りんご酒を作れるとか。

bジョン・セイモア(著)『図説 イギリスの生活誌 道具と暮らし』(現在は改題改訳版『図説 イギリス手づくりの生活誌 伝統ある道具と暮らし』)には、「ヨーロッパではどこの国でも葡萄の糖分が充分に高いので、農夫たちはワインを作る。作り方は簡単で出来上がりは素晴らしいのだから、作らないほうがどうかしている」なんてありますな。

ところで、何故か近所のあちこちでブラックベリーが植えられているのだけれど、家にもけっこう生えていて、ジャムとかにされている。その際にジャムというか薄い液状のジュースみたいなのを作ると、すぐに発酵して、炭酸ジュースになってしまうのだけど、ブラックベリーの皮にも酵母が付いているんでしょうなぁ。しかし、ブラックベリーは葡萄ほど甘くないような気がする。発酵には糖分が必要と思われるが、元々ジャムにするつもりでやっているので、砂糖はガンガン追加されているのですな。ブラックベリーが熟すのは8月なので、とにかく気温が高いというか、蒸し暑いので、そのせいで発酵も急速に進むのかも。

前掲のジョン・セイモアの本だと、ブラックベリーでは、沸騰した湯と酵母を足さないといけないと書かれている。沸騰に関しては、どのような意味はわからないけど、ジャムは煮詰めてつくるので、沸騰はさせていましたかな。しかし、酵母は足さなくてもいいような気がする。しかし、実際にワインにしてしまったら、酒税法違反になるので、確認はできない。

ブラックベリー

ブラックベリーを摘んでみたりすると思い出しますな、エイジ・オブ・エンパイアを。

| 家庭園芸 | 01:25 AM | comments (0) | trackback (0) |
農文協の『油作物とことん活用読本』は集大成っぽい
農山漁村文化協会『ヒマワリ、ナタネ、エゴマ・・・油作物とことん活用読本 栽培・搾油から燃料まで』別冊現代農業 2011年 07月号

農文協の本では、『油の絵本』という植物の油脂を扱った本があって、一応子供向けの絵本であるけども(と言っても子供が読むとは思えないが)、実践という意味では全く申し分ない素晴らしい本であると思うのだけど、もうちょっと詳しいデータ的な部分も読みたいという方は、この現代農業別冊本がよろしいかと思われる。これまで、農文協から出ている、個々の作物の本に少なからず目を通してきたけれど、そのような本の油脂に関する部分だを集約したしたといった感じである。
などといいつつ、まだ全部読み終えてはいないのだけど、拾い読みしただけでも、なかなか興味深い内容である。手製の搾油器による搾油方法などは、個別の作物の本でよく読んだ内容とだいたい同じですかね。基本的には食用油がメインで、塗物という観点ではないけれども、例えばヒマワリ油では、リノール酸、オレイン酸の含有率を変化させる技術などの記事が載ってて、これも増やしたいのはオレイン酸の方かもしれないけれど、画材的な視点からも、面白いかと思う。画材店で買ってくるというだけなら、食べ物と画材は全く異なるものだけれども、原料から意識するとほとんど紙一重というか、半分ぐらいは重複しているんじゃないだろうかと思えなくもない。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ::理系・工学 | 12:16 AM | comments (2) | trackback (0) |

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