松田壽男(著)『古代の朱』他読了
松田壽男(著)『古代の朱』を読みました。『丹生の研究 歴史地理学から見た日本の水銀』の方が有名ですが、こちらは中古価格が高騰しており入手はあきらめて、一般読者向けに書き下したという『古代の朱』の方を読みましたが、これでも充分なボリュームでした。バーミリオン、硫化水銀、あるいは水銀というものにへの関心が非常に高まる一冊であったといえましょう。私は赤い色が好きでして、バーミリオンやカドミウムレッドはよく使います。絵画用途ではバーミリオンは変色しやすいので、現代ではカドミウムレッドに置き換えるよう言われておりますが、しかし、これを読んだらバーミリオンを使わずにはおれないところです。と言ってもふつうは硫黄と水銀を掛け合わせた合成バーミリオンしかふつうは油絵具にはありませんが、それも西洋では中世以来の伝統があるといえるでしょう。しかしやはり天然辰砂も使いたくなるというものです。日本画の岩絵具ではありますけれども、油絵具にしたらどうなのでしょうか。
さて、『古代の朱』は一般向けに書かれたとは言っても、だいぶ年季が入っておりますので、少々読みにくいところはあるかと思います。私は他にも日本の朱やその他の金属関連の本も買ってはみたのですが、
蒲池明弘(著)『邪馬台国は「朱の王国」』が面白かったです。松田壽男に非常に影響された内容であり、そこから邪馬台国の話になるという、学術的な本というよりは一般向けの読み物であるのでしょうけれども、この人は文章がとてもうまいです。ちょっと前掲の本で意味不明だった部分もすんなり理解できたりします。ちなみにこれらを読んで、それからいろいろ調べていたのですが、youtubeに無断アップロードされていると思われる「所さんの目がテン」という番組の水銀の回が非常によくできていたので、消されてしまう前に一度見ておくといいんじゃないかと思います。

それから、文化財保存修復学会第43回大会 研究発表集が届きました。USBメモリ版をリクエストしましたので、このままどこかにしまったりしたら、そのまま無くてしてしまう恐れもありますので、気になるものをその日のうちに読むことにしました。やはり顔料と関わりのあるものをピックアップして読んでしまうわけですが、「嘉永年間の役者絵に用いられた石黄の分析」、「鉛金属の腐食と空気環境との関係についての調査事例」、「東海市指定文化財「釈迦十六善神図」「阿弥陀如来象」の修復及び調査報告」、「西洋中世の処方に基づいた青色人工顔料の歴史的考察」がいずれも顔料に係わるテーマで勉強になりました。特に「西洋中世の処方に基づいた青色人工顔料の歴史的考察」は今後が楽しみです。

レーキ顔料づくりの方はコチニールに移行したいところですが、National Gallery Technical Bulletin Volume26にThe Technology of Red Lake Pigment Manufacture: Study of the Dyestuff Substrateという記事があったのだけれども、これはなかなな優秀そうな情報源であります。でも、今読むと理解が半端になりそうなので、まずは現在の知識でコチニールをレーキ化しつつ一通り材料を集め、その後に目を通した方がよさそうであります。しかし、この号は2005年に購入して放置しておりましたが、改めて開いてみたら、面白そうな記事ばかりであります。買ってほっとしてしまうというのが一番よくない気がしますが、やっぱり何かの切っ掛けがないと素通りしてしまうということもありますので、こういうことも何かの縁なのでありましょう。なお、現在はwebで公開されております。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 11:44 PM | comments (0) | trackback (0) |
鉛白途中経過

左はイースト(+砂糖)の皿にゼラチンを少量添加したもの。
中央はイースト(+砂糖)だけの皿(反応が早く終わるので、ガス放出量は多いけれども、ときどき皿の中身を新しくしてやらねばならない)
右はイーストなし。

というわけで、ぱっと見た比較ですが、イースト無しはさすがに反応が少ないのですが、他の2つの進行に大きな差はないように思えます。定期的にイースト交換している方が若干進行は速そうにも思えますが、時間的な余裕がない日々のなかでは、それも難しいことを考えれば、ゼラチンを少々添加して放置しておける方が効率的であろうと思います。

二酸化炭素は空気(窒素と酸)よりも比重が重いという助言を頂きましたので、対策を考えたいところですが、今回の場合は応急処置として、百均のロートとエルボー型塩ビ管を組み合わせて、誘導してみることにしました。

ちなみに150円ほどで完成しました。

気温は30℃前後が丁度いいとは聞いておりましたので、夏場に実行したわけですが、ここ数日天候が悪くて条件は悪くなっております。当面天候の回復はなさそうです。今後の処理などいろいろ気になるところはあり、それなりに調べております。しかし最近、松田壽男の朱に関する本を読みまして、辰砂の方も気になっておりまして、ヤフオク等で辰砂を収集しておりまして、うっかり鉛白のことを忘れてしまいそうになります。鉛も水銀も現代では異様に嫌われておりますが、これほど魅力的な金属もなかなかないでありましょう。

| 絵画材料 | 12:34 AM | comments (0) | trackback (0) |
染料の顔料化をやってみました。
レーキ顔料を作ってみました。まだまだ不勉強なので、出来具合いはお察しください。

今回はイラン産茜を使用。30分かけて煮出したものがこちら。
レーキ顔料
あまり綺麗には見えませんが、アルミ媒染するとかなり明るくなるようです。

今回は布を染めるわけではなくてレーキ顔料を作るわけですが、まずはミョウバン液をたっぷり用意しておきます。濃度等はまだよくわからないものの、いろいろ助言をもらいつつやったわけではありますが、今回はスーパーでも手に入る調理用の焼ミョウバンを使用したのですが、焼ミョウバンの場合は重量比では生ミョウバンの半分にするべきだったようです。それと、ミョウバン液を入れても色は明るくなってはくれず、赤ワイン色みたいな感じのままでした。でも、先に進みます。ここでアルカリ液を用意するはずが、気がついたらアルカリ液を作るための薬品がなかったので、買おうかと思いまして、洗濯ソーダを勧めている記述が多かったので、特に海外サイトでは多かったので、買おうかと思ったですが、スーパーの市販品は何かしら微調整のための混入がありそうな気がして、食品添加物の炭酸ソーダをネットで注文しました。それを待つことにして、その日はそこで手を止めて、ネット上でレーキ顔料づくりについて読みましたが、英語圏のページが非常に多くて、それらを眺めておりました。炭酸ソーダはヨドバシに注文したので、速攻で届きましたが、実は部屋の掃除をしていたら炭酸カリウムが出てきたので、これを使うべきであろうと思って、そちらで試すことに。なお、強いアルカリ性は皮膚等を痛めますので、取り扱いは注意してください。

炭酸カリウム液を投入し、ミョウバン液を沈殿させる。そのときの二酸化炭素?が放出されるのか発泡する。
レーキ顔料

沈殿を待ち、それからコーヒーフィルタで濾過する。
レーキ顔料

コーヒーフィルタを広げて、乾燥させる。
レーキ顔料
2、3日待つと乾燥し、塊となっていました。

これを乳鉢で粉末化しまして、アラビアゴム水溶液と混ぜて試し塗りしました。
レーキ顔料
さて、アルミの影響で明るい赤になるかと思いきや、銅か鉄で仕上げたみたいな色になっておりますが、これはなんでしょうペーパーの問題とかでしょうか。あるいはもうちょっと熱心に乳棒を使って細かく粉砕すればよかったのでしょうか。でも、とりあえずは、ミョウバンやアルカリ剤など、手元にいろいろ準備が整ってきたので、この調子で徐々に環境を整えつつ、そして手元にはコチニールがけっこうあるので、これを使い切ってみる感じで顔料化のノウハウを学んでゆきたいと考えております。

| 絵画材料 | 10:37 PM | comments (0) | trackback (0) |
ウェルドでシルクを染色してみました。
自室のエアコンを新調しました。購入したのは東芝の10畳用エアコン、本体と設置費、処分費、室外機配線カバー等いろいろ含めて9.5万でしたが、部屋にエアコンの専用電源が通っておりませんで、その工事も必要となりそれに4.5万かかりました。古い家なので、もっとかかるのではないかと心配していたのですが、なんやかんやで計14万程かかりました。東芝のエアコン、実質的に製造元はアイリスオーヤマともはや変わらないようなのですが、数年使えれば充分だし、10年使えたら立派なものであろうと考えることにしましょう。それにしても、新品のエアコンは非常に効きが良くて、29℃に設定してもキンキンに冷えております。東北とはいえ昼間の外気はかなり暑いですね。しかし夕方になるとカラッとした涼しげな風が吹いてきて、窓を全開にするとけっこう快適なのです。ところが夜になると再び猛烈に暑くなってくるのですが。19~3時くらいにかけてめちゃくちゃ暑くなるのですが、これは皆が帰宅してエアコンを付けて、それが外気を熱しているということはないだろうかと、ちょっと心配になりました。まぁそれはともかく今後は部屋のカーテンを閉め切って暗い部屋で顔料でも作りたいと思います。

エアコン工事の件もあって、久方ぶりに本格的に部屋の掃除をしたのですが、昔集めた天然染料が大量に出てきましたので、ここで一気に使ってしまおうかと思っております。レーキ顔料化してみたいと思うのですが、顔料化の前に、乾燥させたウェルドがあったので、これで布を染めてみたいと思います。ウェルドは昨年、意欲的に植えたはずなのですが、収穫できたのはごく少量に過ぎませんでした。
ウェルド
ずいぶん植えた気はするのですが、乾燥させてみたら、これが2袋というものでした。昨年、半分を使って綿布を染めたのですが、ほぼ染まらずに終わってしまって、果たして黄色染料として有効なのかもはっきりしておりませんでした。植物性の繊維を染めるなら蛋白処理しておくか、あるいは動物性の繊維を使ってはどうかというご指摘をツイッターか何かで頂いておりましたので、とりあえず、この残りのウェルドを使ってシルクを染めてみたいと思います。

というわけで、やってみたのですが、わりと綺麗に黄色く染まりました。
ウェルド
写真では薄く見えるかもしれませんが、肉眼で見るとけっこう綺麗な黄色です。黄土色とかではなくて、かなりいい感じの黄色です。2~3回繰り返し染めると、色も濃くなってかなり鮮やかな感じになるのではないでしょうか。染料は既に品切ですが。でも種は取ってあるので、頑張れば来年また染められるかもしれません。忘れずに秋まきをしておかねばなりません。いずれにしても、育てていたものが、一応黄色い染料として機能しそうだということが実証されたということで安心しました。レーキ顔料づくりの方ははじめはアカネとコチニールでやっていく予定ですが、実はすでに試しはじめてはいるのですが、実際やってみると材料や薬剤が不足していたりなどで、ネットでせっせと注文している状況です。

| 絵画材料 | 10:09 PM | comments (0) | trackback (0) |
鉛白作りを開始
夏休み中なのですが、残すところ3週間となってしまいました。それでもけっこう長いとは思いますが、講師以外の仕事も入ってくるだろうと思っていたのですが、あんまりそうでもないみたいな感じですので、本当にただの休みのような感じなのですが、しかしやるべき課題は多々あるのであります。実はこのところいまいち画材の研究というものにいまいち取り組んでなかったので、この機会に初心に返って、画材の何かに勤しみたいところなのですがまずは鉛白を作ってみたいと思います。鉛白の作り方は古くは古代ローマ時代のヴィトルヴィウス、中世のテオフィルスなどでは壺などの底に酢を入れ、上部に鉛板を置くなどして、酸性の蒸気にさらすことにより、鉛が腐食して白くなってゆくというくらいの方法が書かれてありますが、近世以降、バロック期あたりですと馬糞を置いて炭素(メタンガス?)を供給していたようですが、より近代的な大量生産方法ですと、鉛板を吊した部屋に酸性の蒸気及び二酸化炭素を供給して製造するという具合だったかと思います。最近、あまり画材のことを考えていなかったので、いろいろ間違ってるかもしれませんが、今回の顔料作りが終了するまでには、調べなおして改めて投稿したいと思います。で、現代の方法は上記のいずれとも違うのですが、以前の近代的製法の方が絵画用とでは優れているというふうに言われたりしております。実際にどうなのかは意外とはっきりしません。何しろその近代的製法の鉛白ホワイトというのがなかなか手に入らず、あるいは手に入ったと思っても実はそうではなかったとか、いろいろありますので、私としてはそのようはことはあまり気にせずに、画材の理解の為と割り切って鉛白を作ってみたいと思います。

今回は馬糞の代わりにイーストを使用します。イーストと砂糖を混ぜておけば、二酸化炭素を発生させるであろうということで。この中の炭素が役立ってくれるのではないかと思います。分量等はまだよくわからないので、とりあえずホームベーカリー用の3g入りのイーストにその4倍の白糖をまぜ、お湯で溶いてみました。イーストはすぐに反応してブクブクとふくれてきまして、大きめの器を用意したつもりでしたが、あやうくあふれ出すところでした。反応がとても早いですね。この件に関しては、ゼラチンを2%添加することで、ゆっくりとした反応になるという話を教えて頂いておりまして、今回はゼラチンを混ぜた器も用意しました。

写真では、左側がゼラチン無しでありまして、初っぱなに反応の大半が進んでしまった感があります。自分用のメモとして書いておきますと、左側はイースト3gに白糖12g、湯を15gを混ぜたものです。右はイースト6g、白糖24g、ゼラチン1g、湯24gで混ぜたもの。ゼラチン入りの方は倍ぐらいの量にしてありますが、ゆっくり反応してくれるなら多めに用意しておいてよいかな、という考え方です。ゼラチン無しの場合は、頻繁にイースト容器を入れ替えるということで、1度の量は少なめにしております。

というわけでコンテナの底に酢を入れ、プラスチックの器に鉛テープを、それから、イーストの皿を並べたのが以下の写真です(ゼラチン無し)。

こちらはゼラチン入りのイースト容器を入れたものです。

コンテナはアイリスオーヤマのバックルコンテナを用意しました。透明なものと、ダークグリーン色のものを買ってみましたが、光を遠さない方がいいというような噂も耳にしましたので、果たしてどっちがいいなかというところですが、実験としては透明な方が常に観察できるので、その利点は大きいような気がします。イースト溢れてないかとか、気になることは多々ありますし。おそらくはコンテナが黒、フタが透明なものがたぶん一番いいかと思います。なお、アイリスオーヤマのバックルコンテナは、よく観察すると、多少通気性がありそうです。これはどうなのか、空気の出入りが少しくらいあってもいいのか、というも今はわからないところですが、密閉したい場合は、隙間テープみたいなもので補強してみるとよいのかもしれません。今日のところはマスキングテープで仮止めしておくことにしました。

酢ですが、ワインビネガーを使ってみました。これも意味はよくわかりませんが、西洋ならワインビネガーではないかな、というそれだけの理由なのですが、何か意味があるのかというと、気分的なものであろうか、というところもあって、西友の一番安い穀物酢でもよさそうな気がするのですが、いずれにしても鉛板の購入だけで手間も金も出ているので、今は気にしないことにしましょう。

ついでなので、イーストを入れないコンテナも用意してみました。ビネガーだけです。若干の通気性を残しておけば、大気中の二酸化炭素でいけるのではという気もしますが。それと掃除していたら、氷酢酸も見つかったので、これを使いつつ、適当な通気性の元でというのもあるかもしれませぬ。今回はまだ試行錯誤的な部分もあり、以下の3パターンのみで試してみようかと思います。

その他に関しては鳥越さんもやってみるというので、別の何かパターンを試してもらえればと思っております。お気づきの点があれば、コメント欄にて教えてください。

| 絵画材料 | 11:04 PM | comments (2) | trackback (0) |
アカンサス・モリス、アカンサス・スピノサス共に花が咲きました。
ここ2、3年ほどギリシア文化に夢中になっておりまして、その流れでアロイス・リーグルの『美術様式論 装飾史の基本問題』を読み、非常に感銘を受けまして昨年はアカンサス苗を植えてみたのですが、今年無事花が咲きました。装飾美術の世界では葉の方が重要とはいうものの、この花の柱はなかなかインパクトがあります。

ちなみに、アカンサスの重要な二種、モリスとスピノサスを植えています。

アカンサス・モリス
アカンサス・モリス
花は咲いたけれども、葉の量などがまだまだ寂しい感じなので、上手く生き延びさせれば、今後大きくなってゆくと思うので、引き続き撮影して素材写真を集めたいところです。冬になると枯れて消えてしまうので、宿根草なんですかね。

アカンサス・スピノサス
アカンサス・スピノサス
モリスに比べると棘が鋭くて、触れるとめちゃくちゃ痛いです。葉に出ている棘もけっこう堅いのですが、花の近くの萼状の葉の棘が特に鋭くて凶器のようです。モリスも棘はあるけれど比較的柔らかいので、刺さるということはないと思います。

装飾美術の世界ではアカンサスはよく活用されるモチーフですが、これは最近じゃなくて、もう古代世界の頃からの話であり、特に有名なところでは、コリントス柱頭の装飾のモチーフとなっているのではないかという話ですが、厳密にはその辺もあまりはっきりはしませんが、実際にはコリント式が流行ったのは古代ローマ世界であり、古代ギリシア盛期では神殿の奥まったところにちょっとあっただけで、アテネのゼウス神殿のようなギリシアにあるコリントス柱頭もローマ征服後であったろうとか時系列的にも複雑であるし、言及し始めたら切りがありませんが、それはさておき、とりあえずは植物を観察してみるというのは大事かと思われます。一般的に手に入るのはアカンサス・モリスという種類で、ネットショップで簡単に手に入るのですが、アカンサス・スピノサスの方はそれよりは入手が難しいと言えるでしょう。私も買ってみたものの、葉の形はスピノサスではないだろうなというのが届いてしまったりとか、いろいろありましたが。モリスの方が葉の形が柔らかで大柄であり、スピノサスの方が細くトゲトゲした印象があります。もっとも、植物の特に葉っぱの形状は、個体差が大きいので、判別が難しいことも多いのですが。

ちなみに↓は拙宅スピノサスの葉です。
アカンサス・スピノサス

それにしても、近年の研究成果も踏まえた装飾美術を読みたくて探してはみてはいるのですが、アロイス・リーグルほどの読み応えのあるものは見つけられず。やはりこれは一度は読んでみるべき書と言えるでしょう。

| 家庭園芸 | 09:39 PM | comments (0) | trackback (0) |
アラビアゴムノキ近況
水彩絵具の媒材として知られるアラビアゴムは、アラビアゴムノキ(アカシア・セネガル)から出てくる水溶性の樹液からなるもので、水に溶け、乾けば固まる、という性質のもので、絵具の他には錠剤を固めたり、チョコレート、アイスクリームの形成材となったり広く使われております。アラビアゴムノキ(アカシア・セネガル)は主に北アフリカやアラビアで繁殖しているようですが、同じように水溶性の樹液で水彩絵具の媒材となり得る樹木は他にもあって、日本では桜の木から出ている樹液で顔料を溶くと、概ね水彩絵具的な使い方が可能となります。その他の樹木は中世ドイツのテオフィルス筆「さまざまの技法」でも紹介されておます。
で、アラビアゴムノキですが、ずいぶん前から種子が欲しかったのですが、最近になって国内のネットショップで扱われるようになっておりましたので、購入してみた次第です。私が見つけたのは2件のショップですが、Yahooショッピングに出店されているお店が価格設定が安めでありました。種の植え方ですが、種を茶碗に入れて、90℃の熱湯を注ぎ、常温に冷めたころに冷蔵庫に入れて24時間保管、その後、育苗ポットにて、市販の野菜用培養土を使って植えました。赤玉土のみだと覆土が硬くなりすぎることがあって、アラビアゴムの、豆のように大きな種子の頭が出てこられないことがありましたので、軽めの培養土が向いているかのやもしれません。
アラビアゴムノキ
育苗ポットに植える際、各ポットに2~3個の種子を植えた方がしっかり成長するようです。植物の種子は隣に同種のものがあると、競い合って伸びると言われていることもありますが、今回は複数撒いたものが出芽も育成も、明らかな差がでるくらい良好でした。1個だけのものは出芽する確率も低く、出芽しても育ちが悪くやがて腐ってしまったりという具合でした。実はつい先日、6月後半にという時期にも植えてみまして、もうすっかり夏日の日もありまして、種を植えるには季節外れかと思いましたが、それはあまり関係ないというか、そもそも北アフリカやアラビアなどの気候下にある植物ですから、むしろちょうどいいのかもしれず、わずか数日でそれなりの本数に芽が出てきました。以上のような方法で、概ね半数の種子が発芽します。

5月に植えたものは現在、以下のような状態になっております。
アラビアゴムノキ
写真では同じ鉢に2本植えておりますが、もうちょっと大きくなったら、分けて植え直そうと考えております。図鑑でみるようなアカシア・セネガルの葉に近いように見えます。もっと大きくなるまで、これが実際にアカシア・セネガルなのか確実なところはまだわかりませんが、同じアカシアのミモザは国内のホームセンターでよく売ってますが、葉の付き方は似ております。アカシアセネガルの図を見る限り、ミモザアカシアと似たような花が付いているので、もしかしたら区別も難しいかもしれません。ちなみにミモザも東北で越冬が難しく、一度失敗していますが、再び購入しております。

| 絵画材料 | 04:53 PM | comments (0) | trackback (0) |
昨年植えたスイカズラに花が咲いております
装飾美術について参考とするべき植物を昨年からせっせと植えているのですが、そのうち、アカンサス・モリス、およびアカンサス・スピノサスに花のつぼみのようなものが出てきたので、今年は花を見ることができるかもしれません。写真はアカンサス・モリス。
アカンサスモリス
装飾美術の歴史に影響を与えたのは、基本的には葉の形状であろうと思われますが、しかし、その花も特徴的だし、何らかのつぼみをモチーフとした装飾も古来ありますので、よく観察してみたいと思います。本で通説を確認する際にも、実際に見ていないとわからないことも多いことですし。古代ギリシャを愛好する者としては、モリスとスピノサスの違いも大変気になっているところです。

それから、スイカズラも植えていたのですが、今日よく見たら、花みたいなのが出てきておりました。数日前に見たときは全くなかったのですが。
スイカズラ
これは古代エジプトからギリシアその他へと連綿と続く唐草模様の代表例であるところのパルメット文様の源泉となったモチーフの候補と考えられていたこともあったようですが、今ではそうでもないという意見が多いようですが、しかし、花が伸びてきているところを見ると、実にパルメット文様的な形状をしております。特に写真左の方の、茎から花が伸びてきた的なところが実にパルメット的です。しかし、いろいろ書物は読んだのですが、理解できなかった部分も多いのですが、実際の植物をよく観察した後に再び読んでみたいと思います。

しかし、こうなると、装飾の源泉中の源泉、ロータスを植えたくなるので、池を作ってみたくて仕方がないのですが、さすがにそれは止めておいた方がよいのでしょう。そもそも近所の公園の池に生えているし。しかし、池があればパピルスも植えられし、燕子花も植えられるかもしれないが、今はどう考えてもそれを管理する余裕がありません。ところで、蔓草模様と言えば、アイビーも植えていたのですが、だいぶ生い茂ってきたので、ちょっと怖くなってきました。植えてはいけない植物にも挙げられることもあるし、どうしたものか。

| 家庭園芸 | 09:15 PM | comments (0) | trackback (0) |
フジミ模型 1/100 出雲大社完成
フジミ模型の1/100 出雲大社、完成しました。
出雲大社
汚しを入れ過ぎて暗くなってしまったのが反省点です。説明書指定のカラーより明るい色を塗ってからウェザリングするとちょうど良くなるかと思います。指定色はウッドブラウンでしたが、神社建築は白木で建てられることが多いので、タンや甲板色でスプレーした後に、ウェザリングで経年の黒ずんだ感じを出すと、リアルな状態に近いのであろうと思います。あと、銅の腐食した状態をどれくらい緑に寄せるかというのも気になるところですが、今回はゴールドとオリーブグリーンを交互に吹いてごまかしました。このあたりは、遷宮からどれくらいの年数が経っているかによって、見た目がだいぶ変わるかと思います。実際の色を再現するだけでなくて、形態を認識しやすいような、教材的な塗装というのも探ってみたい気がします。

建築写真集や論文、古代史の書籍、出雲大社に関するDVDなど、いろいろ見ながら制作したので、とても勉強になりました。ただ勉強すると頭に入ってこないような部分も、模型を作りつつやると頭にするする入ってきて、しかも忘れ難いというのを感じます。あとは現地で実物を見られれば文句なしですが、今は個人的な旅行は控えて、模型で代替えしておこうかと思います。
出雲大社
非常に大きなキットなので、時間がかかりました。もっとも、このくらいのサイズ感がないと、出雲大社ではないという気はしますが。写真では伝わらないと思いますが、実物が目の前にあると、すごい迫力があります。キットは細かいところまで再現されており、説明書は部材の名称まで解説されていたりと、日本建築の勉強になりました。このキットの原型制作者はさぞかし研究の上で作られたのでありましょう。とはいえ、模型に関しては、今後は控えめなサイズのものを買おうかな、という気分です。

4枚目は1/100薬師寺東塔との比較です。
出雲大社
出雲大社の檜皮葺屋根の厚さが際立ちます。

| 史跡・古墳・名所等 | 11:22 PM | comments (0) | trackback (0) |
出雲大社 制作記1
目下私は春休み的な状況下にあり、いろいろ学ばねばならぬことが多々あって、せっせと勉強に励んでいるのですが、現在はフジミ模型の1/100出雲大社を組み立てております。なかなかこれが感動的なくらいに勉強になります。神社建築の各部の写真など、かつてこれほど熱心に観察したことはありませんでした。ちなみに昨日は『NHKスペシャル 遷宮 二つの遷宮 ~伊勢と出雲のミステリー~』というDVDを見たほか、ちょっとむつかしい学術的な本も注文してあります。

それにしてもこの出雲大社、1/100スケールということもあって、パース数、パーツの大きさ共に未だかつてないくらいのサイズ感です。1/100興福寺五重塔のもけっこう大きかったのですが、各パーツのサイズはさほどでもなく、上方にスリムに延びてゆく塔であったので、あまり大きさは強調されていなかったわけですが、それと比較すると出雲大社というのはやはり巨大さが際だっております。ある程度割り切って、さくさく進めていかないと途中で挫折する予感がします。というわけで、色に関してはあまり深く考え過ぎずに基本的に説明書の指示に従うことにしました。
↓はマニュアルの指示に従ってウッドブラウンをスプレー缶で吹き付けたころです。
出雲大社
大社本殿の写真を観察すると、元は素木で作られたものが経年によって黒ずんでいるように見えますので、甲板色のような明るい色を塗り、その上にウェザリング塗料を何度も重ねて経年色を表現すると実物に近くなるのでは、という考えもあったのですが、何しろ表面積のあまりの大きさの為に全体を丁寧に処理するのは難しいだろうと断念しました。スプレー缶1本でこのくらい塗ったので、無事塗り終われたかと安心していたところ、屋根の下部に当たる大きなパーツがいつくた残っていた事に気がつきました。1本で足らなかったというのはなかなか衝撃です。

出雲大社
台座部分はプラスチック感を緩和する為にタミヤの「情景テクスチャーペイント 路面ライトグレイ」を数回塗布した上で、ロイヤルグレイを吹いた後に軽くウェザリングをしました。本当なら、ブライブラッシ技法にて各石などの色味を変えてゆきたいところなのですが、面積が大きい為にここは妥協して、この程度に留めておきたいと思います。

力を入れるべきは、出雲大社の大きな特徴とも言える檜皮葺の厚い屋根でありましょう。パーツには檜皮葺のモールドが彫られてあり、これに塗装するだけでもいけそうではありますが、ちょっと年数の経った檜皮葺特有の柔らかみの感じられる表情を極めたいと思い、「情景テクスチャーペイント 路面ライトグレイ」を何層も塗ってみました。
出雲大社
しかしパーツの接着部分の隙間がどうしても凹んでしまうので、タミヤパテを注文したところです。ここの美しさが出雲大社最も重要な部分ではないか、そして実際の遷宮の際などにも重要な部分になるところではなかろうか、と思うようになってきたのですが如何でしょう。

| 史跡・古墳・名所等 | 11:17 PM | comments (0) | trackback (0) |

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