庭木から松脂を集める
実家暮らしなのですが、庭にマツの木があるのです。あんまり大きくないのですが、ずいぶん昔からあるような気がします。で、そのマツの木から、松脂を取ってみようと思いまして。

庭木なので、幹が細く、そして斜めに格好良く伸ばされていたので、よく松脂採集の写真で見るような、豪快な樹脂採取はできません。樹皮はメタセコイヤと違って、内樹皮もしっかり剥がしてしまった方がよいみたいです。すぐにじわじわと樹液が染み出してきます。一応、樹液の流れを作ろうかと、三角刀で切れ込みを入れまして、下の方に集約しようと思ったのですが、なかなかうまくいきません。斜めに生えているというネックでありまして。下に容器を置きましたが、そこにうまく流れてくれず、容器で受け止めるのはあきらめて、ペインティングナイフでときどきかき取って小瓶に詰めることにしました。


松の木から松脂を取ってみようと思ったのですが、出て来た透明な樹液をすぐに集めてビンに入れたのですが、密封すればそのままかと思ったのですが、白濁するんですね。

私はいろいろ松脂について誤解しているというか、無知でありすぎたと今更ながら思うところです。松脂は出て来てすぐは無色透明であって、それがもうヴェネツィアテレピンバルサムみたいなものだと思っておりました。そこから蒸留によりテレピン精油を得たり、ロジンが残ったりと。しかしそう単純なものではないといえるでしょう。そもそも、採取した時点の松脂というものはめちゃくちゃ濁っているしゴミも大量に含まれるというものでして、そこから精製の工程があったりて、われわれの使うテレピンバルサムも多くの工程を経ているわけです。たぶん。市販バルサムはそれどころか、ロジンとテレピンあるいはペトロールを混ぜて作っていたりすることもあり、そのようにでもしなければあのような綺麗な松脂にはならぬのでありましょう。

もっとも、この辺についての文献は、あれを読めばいいのかもしれないとか、ある程度の目安はあるのですが、しかし、実際に樹脂を採取したりなどしてから読まぬの気付かぬことも多かろうという意味もあって、読書と実践のバランスを取りつつ、勉学に励んでいるところであります。とりあえず言えることは、市販の画用液のバルサムはかなり人工的なものであろうかと思います。ロジンとテレピンまたは石油系溶剤を混ぜたものであろうかと思いますが、それを明示されているメーカーもあるようです。もちろんそれでいいのだと思います。そしてヴェネツィアテレピン、シュトラスブルクテレピン、カナダバルサムなど、バルサム類は原木や産地に違いではあるのだと思いますが、兎膠の原料が実は兎でなかったりということもわかりつつある今となっては、表示通りそのまま100%信用するという人はもう居ないとは思いますが、そうだとしてもまぁそんなに気にすることでもないかな、と。

以前動画でバルサムについて語ったことがありますが、今思うと画用バルサムについての私の認識は未熟なものであったと言えるでしょう。


上記動画公開のあと鳥越一穂氏はいろいろ調査されていた模様ですので、ご参照ください。

■ロジン+ターペンタインによる還元バルサム
https://torilogy.net/2741

| 絵画材料 | 07:59 PM | comments (0) | trackback (0) |
リンシードオイル完成
以前、ハンドプレス機を使って、亜麻仁を搾った話を書きましたが、その後、その油はどうしたかというと、静かに放置しておりました。なんだかんだで、種子の残渣などのゴミが混入しますので、それらが底に沈むまで待つわけです。

ゴミが下に溜まって、油が澄んできたら別の容器に移します。先日目を通した、写真絵本『油ができるまで』によると、その工程は「油交かん」というらしいです。油を扱う工程では、置いたまま待つという地味な日数がけっこう大事であったりします。とはいえ、搾っただけの未加工油は流動性が高い状態なので、わりかし速く沈んでゆきますけれども。

さて、大した量を搾ったわけではないので、最終的に得られた油はこんなものでした。

容器に移すときに、ちょっとだけゴミが混入してしまいましたが、しばらく待っていれば、ゴミはビン底に落ちます。
それにしても、なかなか良い感じの亜麻仁油色です。もっと太い容器だと、色はかなり濃いめに見えたでしょう。

さっそく顔料と混ぜて試し塗りしております。

精製工程も何も経ていない未加工油ですので、乾燥にはけっこうな日数がかかるかと思われますが、無事に乾燥すれば、油彩技法で使用できるリンシードオイルであると実証されて、搾油実践の全工程は終わることになります。

しかしフラックスシードが大量に余っているので、もう一回搾油してもいいのですが、どうせなら別の種子を搾ってみたい気もします。亜麻仁油を搾ってはみたものの、この状態は完全未加工油であり、漂白、精製などの工程を一切経ていません。ふつうは強い褐色の色素や水溶性不純物の除去などを行なうところですが、今回得た量の油ではそれは試すことはできませんので。

ところで、外で搾油機を使っていたのですが、こぼれた種から、なんと翌日には芽が出ていたので、なんという素早い発芽であろうかと思って、プランターにちょって蒔いてみたのです。やはり1~2日で芽が出てきました。種屋で買ったこの手の種子はいつも発芽に手間取るのですが、こんなに簡単に芽が出るというのは驚きです。

ちなみに食用のフラックスシードではなく、よく見たらポプリ用の商品でした。

亜麻仁の香りがする枕とかつくるんでしょうか?ふつうの人にとってはあまりいい香りではないと思いますが。しかし1kgもあるので、土地があれば亜麻畑を作れそうです。土地はありませんが、とりあえず、プランターに蒔いておきました。


食用など、基本的は熱処理等して、発芽しないような種を販売しているものですが、これはそのようなものではなくて、そしてさらに新鮮な種なのでありましょう。ちなみにポピーオイルの原料であるケシの種も搾ってみたいのですが、これはもちろん発芽しないような処理はされているのがふつうですが、実際には発芽してしまうこともあるので、そうなったら違法行為ですから、これを外で搾るのは心配であります。同じく、麻の実もおそらく乾性油になるので、搾ってみたいのですが、それも止めておいた方がいいのでしょう。するともうあまり搾るものは残されていません。

| 絵画材料 | 08:03 PM | comments (0) | trackback (0) |
メタセコイアから樹液を採集する
自宅にメタセコイアを植えているのですが、そんなに大きくなったわけではないですけれども、そろそろ樹液ぐらいは採れそうだと思って試みているところです。何しろ、琥珀になる可能性のあるタイプの樹脂を出す木として、メタセコイアが上げられていますので、そのタイプの樹脂ならば、画用コーパルとして現在売られているタイプの樹脂を同じような性質を持つかもしれないという可能性がありまして。コーパルとはいったい何なのか、という疑問のちょっとしたヒントになってくれるかもしれないのであります。

で、2年前は以下のように樹皮を剥いて、傷を彫って樹液を集めようとしたのですが、失敗しております。
メタセコイア
マツやキハダはこれでじわじわと樹液がわき出して、流れるように落ちてくるのですがメタセコイアではさっぱりでした。

他には、数センチほど穴を開けてストローを指しておく、これはカエデの木から樹液を取るときによく見る方法ですが、
メタセコイア
こちらも何も出てこないのです。カエデなどは辺材のところを道管があって、水が流れていたりするのでありましょうが、メタセコイアはどうなんですが。どっちにしろ、辺材はあたりは水みたいなものが流れるところで、樹皮を保護するような樹液が噴き出すようなところではないのかもしれません。

それで私はいろいろ調べてはみたのですが、樹脂的な樹液が出てくるのは、師部(内樹皮)といういう、外樹皮のすぐ下の層らしい、というけっこう基本的な事柄に気がつきました。調べてみたとは言っても、難しい専門書は読んでおらず、農文協の絵本シリーズをひたすら読んでいたんですが、もちろんメタセコイアの本はありませんが、様々の樹種の本を見て、広く浅くいろいろ知識が付いたような気はするのですが。

というわけで、外樹皮だけを剥がして、内樹皮層と思われるところに包丁で切り込みを入れてみたところ、10日ほど経ったところで、このように樹液が出てきておりました。
メタセコイア
他の木のようにすぐに出てくる感じではありません。数日経って、ふとのぞき込むと出ていることもある、という程度です。はじめはかなりねっとりしておりまして、数日経つと固く脆くなります。大木ならいざしらず、現状では爪で引っ掻いて取るくらいの大きさの樹液塊が得られるくらいです。東南アジアの樹脂採取の動画を見ると、けっこうがっつり彫って樹脂を出してたりしますが、それはダンマルの木みたいな樹脂大量放出樹のことであって、メタセコイアの場合は、本当にこの外側だけなのかもしれません。もっと大木になるとまた量が違ってきたりするのかもしれませんが。それにしても樹木というものは、幹の大半は死んだ細胞から構成されており、活発に生命活動しているのは、非常に薄い表面の部分だけなのですな。

そして、このように浅い傷をたくさん付けまして、せっせと樹液集めをしているところです。
メタセコイア
9月いっぱいせっせと集めてみようかと思ってます。

| 絵画材料 | 10:38 PM | comments (0) | trackback (0) |
搾油機を購入、リンシードオイルを搾油してみました。
Amazonにて、とても安い搾油機を購入しました。
OilPressMachine 搾油機 卓上油搾り機 フルセット 手動式 ステンレス製...
搾油機
このような手回し式の簡易搾油機はずいぶん前から買ってみようかどうか迷っていたのですが、商品の選定にはけっこう迷うものです。ちゃんと動くか怪しげなものが多いですから。同様の手回し式の搾油機で、もうちょっと立派そうな赤い搾油機も気になったのですが、あちらは鉄製らしく、手入れをさぼると錆びそうな心配があったので、こちらのステンレス製のものを注文。届いてすぐ中身をチェックしました。部品は欠品等も内容でした。カビか指紋ようなものがついていてアルコールウェットティッシュで拭きました。ゴムバンドが加水分解して崩壊しておりましたので、梱包したからそれなりの年数が経っていたかと思われますが、本体には影響はなさそうです。

さっそく亜麻仁を搾りたいと思いまして、フラックスシード 1㎏も購入。
搾油機
よく見ると、ラベルに「※食品ではありません」と表記されているのだけれども、ではいったい何の為の商品なのでありましょう。食用の種子は大抵は加熱処理されて発芽しないようになっているのですが、これはどうなんでしょう。加熱処理されていても、実際にたくさん蒔くとちょっとは芽が出てくることもあるようですが。ポピーと違って植えても違法ということはないと思うので、試しに一部をプランターに蒔いてみたいと思いますが、それはともかくとして、実際にリンシードオイルを得てみました。
搾油機
慣れないもので、種子など盛大に散らかしながらの作業となりましたが、一応搾油はできましたので、私の感想を交えつつ、本製品の使用方法についても解説したいと思います。

説明書はA4のペラ1枚だけであり、英語と中国語のみになります。要点を和訳しつつ、私のコメントも差し挟んでおきながら、以下に手順を解説したいと思います。まずは何はともあれ組み立てでありますが、マニュアルには各部の名称が載っている小さな図があるだけで、どちらかというとパッケージに使われている製品写真の方が大きいので、組み立ての際はこの写真を参考に行いました。ハンドルが上手く回せるような場所(テーブルなど)に設置します。かなりしっかりした場所に設置しないといけません。大まかに組み立てたら、圧搾ケージに圧搾ケージキャップを回し込み、それからさらにターミナルアジャストメントキャップを回して締めます。アルコールランプの綿芯(15cmくらい)を、付属のワッシャー(円形で中央に穴が空いている金具)に通し、外側に0.5cm出して、長い方は燃料ボトルの中へ。あまり燃えすぎてもよくないので、ちょっとだけ芯を外にだせば充分であろうと思います。燃料ボトルには燃料(ケロシンまたはアルコール)を入れます。※ケロシンはおそらく灯油のことかと思います。私は常備しているエタノールを使用。普通はメタノールでしょうか。そしたら圧搾ケージを約7分ほど加熱します。オイルを確実に出させる為で、これがないとまずほとんどの種子は人力で搾油するのは困難かと思います。圧搾ケージが50℃~70℃に達したら、材料をプレス機の注入口に入れることができると説明にありますが、アルコールランプで熱するれば当然あっという間にかなり高温になるわけですが、圧搾ケージ全体が温まるにはやはり7分くらいはかかるのかと思います。抽出中も加熱は継続しておくのだと思いますが、火加減はけっこう難しいです。ちなみに搾油の際に種子等を炒めてから行うことがあるけれども、この器具の場合は加熱しつつ行うので炒める必要ないようです。圧搾ケージが充分熱せられたら、注入口から材料を投入します。圧搾の開始時、ターミナルアジャストメントボルト(圧搾ケージの先についている回せるパーツ)はノーマル位置がよい。もし放出される塊が固すぎたり、ハンドルを回すときの抵抗力が強すぎるときは緩める。逆に放出物にオイルがまだ残っているような場合は締める、というふうに指示されておりますが、放出される種子残渣が固いと、詰まってしまってどうしようもなくなることがあるので、そこそこオイリーで緩めな状態で良しとした方がいいんじゃないかな、という印象を受けました。種子を入れてクランプを回して圧搾するのですが、先端のキャップの小さな穴から残渣がニョキニョキと出てきます。そして油が圧搾ケージの根元の細い穴から出てきます。こんなふうに上手くいったら、休まずに搾り続けた方がいいかと思います。手を止めると、種子が焼けてくるし、残渣が固くなって詰まって動かなくなったりします。

圧搾した油はゴミや不純物が混ざって汚く見えるかもしれません。
搾油機

しかし数時間置くことによって、沈殿して綺麗になります。
搾油機
というわけで、リンシードオイルが得られました。いずれ顔料を混ぜて乾燥試験をしたいと思います。なお、食用として使う場合は早めに消費した方がよろしいでしょう。

注意事項等ですが、搾油ケージ付近は熱くなるので、やけどしないように気を付けましょう。ターミナルアジャストメントボルトを回すときも、素手で触らず、耐熱手袋などしてやりましょう。ターミナルはレンチで回しますが、圧搾ケージやキャップを触らなければならない機会は多いので、耐熱手袋はあった方がいいかと思います。けっこう汚れるので、百均で売っているパン焼き用の綿製手袋みたいなものを使うといいかと思います。搾油後は器具類を速やかに清掃しなれけばなりません。種子残渣が固まってしまうとやっかいです。あと熱しながら搾油するということもあって、種子の臭いが周囲に広がると思います。手も亜麻仁油臭くて、洗っても当分は匂っていました。

というわけで、私もまだまだ使い慣れていないといいますが、1回試しただけなので、修練不足ではありますが、気がついたことをまとめてみました。ちなみに自分で搾った方がいいリンシードオイルが得られるとか、溶剤抽出よりも圧搾抽出のオイルの方が優れているとか、そのようなことは考えておりません。あくまで絵画材料の理解の為にやっております。

| 絵画材料 | 09:12 PM | comments (0) | trackback (0) |
鉛白づくり近況
鉛白づくりですが、イーストの交換を忘れてしまったり、さらに夏後半の天候不順により予想より気温が低かったなどの理由により、さほど進行せずに過ぎてしまいした。実はコチニールをいじっていたら、すっかり忘れてしまっていたというのもあるのですが、まめにイーストを交換するというのは、簡単そうでなかなか難しいものです。
鉛白

鉛板を入れているプラ容器を多少揺すると、鉛白が落ちます。
鉛白
鉛板を吊しておくという、ドイツ製法であれば、鉛白はどんどん下に落ちていくのかもしれません。次回は縦方向に高さのあるコンテナにして、吊してやってみるというのもよいかもしれません。

鉛板も再びむき出しになってここからまた反応を継続させていくよう努めたいと思います。
鉛白
ワインビネガーを一度捨てて、コンテナを洗って、再び材料類を投入しておきました。

今のところ集まった鉛白は以下の量です。
鉛白
ちなみに鉛板があまり減っていないように見える割に、鉛白はそれなりに取れるので、炭素を取り込んだりした分、体積が増えるのかもしれないというふうに思ってしまったりもしますが、おそらくは空洞が多いだけで、油で練ったりすると、顔料の見た目よりも体積が減って、大した量の絵具はできなかったりします。昔Narural Pigmentsから購入した、けっこうな価格のするスタック法鉛白も、苦労して練ったら油絵具としてはとても少なかったりして、しょんぼりしたものです。鉛白を生成したりするのは、それほど手間ではなく楽しい工程ですが、ここから油絵具にするというのは、けっこう困難でときに力業になるかもしれませんので、その辺の対策を考えているところであります。

| 絵画材料 | 08:39 PM | comments (0) | trackback (0) |
コチニールでレーキ顔料づくりを試みてみました。
引き続きレーキ顔料づくりを続けておりますが、試行錯誤中ですので、以下は自分用メモみたいなものです。情報に大した信憑性はないと思っていただければと思います。

まずは、染料店のミョウバンを購入しました。スーパーの焼ミョウバンはアンモニウムミョウバンが多いけれども、こちらはカリウムミョウバンであり、どちらがレーキ顔料に適しているか調べてみようとしたけれども、どちらでもよいみたいである。アンモニウムミョウバンにもカリウムミョウバンにも、生ミョウバンと焼ミョウバンがあり、染料店から購入したものはいずれもカリウムミョウバンでした。
生ミョウバンか焼ミョウバンかの違いは、処方において量が異なるという点と、溶けやすさや、溶ける温度に違いあるようで、レーキ顔料を作る際には、その成否にかかわることもあるし、色味にも係わる要素となりえそうです。焼ミョウバンは水を含まないので、重量で計った際には生ミョウバンの処方の半分で良い、らしいのだけれども、そもそも焼ミョウバンか生ミョウバンかを明示していないことも多く、この辺はどちらのことを指して処方を述べているのかわからないこともあります。

今回はコチニールを使ってやります。やはり主役はコチニールと言えるでしょう。実は掃除中に引き出しなどを漁っていたら、合計で150gのコチニールが発掘されまして、これを活用して実験をやってみるのがよろしかろうかな、と。いったい何年前に買ったものか、下手すると10年以上経ってそうなものもありましたが、いよいよ役立ってくれそうです。

今回は15gのコチニールを使用しすることしました。
コチニールでレーキ顔料
コチニールは事前に乳鉢で細かく砕いておきましたが、これを綿布でくるむなどはせずに、湯の中にそのまま入れました。約1リットルの水の中で、20分ほど煮出して色を出しました。
コチニールでレーキ顔料
鍋は金属の影響がでないようにホウロウ鍋を使用しております。煮出して色が出たあとにまずはテトロンという、シルクスクリーンで使う細かいメッシュの布で濾して大きめの破片を取り除き、さらにコーヒーフィルターで濾過して細かなゴミも取り除きました。コチニールに限らず染料素材の残渣は丁寧に取り除くべきであろうかと思います(なお、後で外人youtuberの映像をみたら、ミョウバンも入れて溶かしたあとにフィルタリングしていたので、確かにその方が効率がよろしいですな。)。そのような行程を経るうちに蒸発するなどして、1リットルの水はだいたい600mlくらいの染液になっておりました。
コチニールは色の出方がすごいので、ちょっと多く使いすぎたかもしれないという不安はありますが、そこは好みの問題なのかもしれません。この染液に対して45gの生カリウムミョウバンを入れることにしました。染液を再び80℃くらいまで上げて、ミョウバンを投入します。生ミョウバンはそれほど高い温度が必要というわけではありませんが、念のためこのくらいの温度にしております。よく撹拌しつつミョウバンを溶かします。ミョウバンが入れば当然色も変化します。コチニールの場合はこの時点ではパープルがかった染液に見えるようになるかと思います。それと同時に別の容器に炭酸ナトリウム液を作っておきます。500mlビーカーに400mlくらいの湯を入れ、そこにスプーンで5杯の炭酸ナトリウムを入れました。これは様子をみながら逐次投入するので、念のためちょっと多めに用意しておくけばよろしいかと思います。ちなみに炭酸ナトリウムは洗濯用のものを使うことが多いと思いますが、私はコンニャク作り用食品添加物というものを買っております。洗濯用の製品は妙な効能などいろいろ書いてあったりして、余計な成分が入ってないか心配になったもので。
コチニールでレーキ顔料

さて、コチニール染液は1000ml容器に移し、念のためミョウバンとの反応がしっかり行われることを待つ意味で、染液が50℃くらいになるまで待ちました。炭酸ナトリウム液の方もだいたい同じように50℃くらいになったところで、コチニール染液の中に少し炭酸ナトリウム液を入れます。たまたま閲覧した外人youtuberが温度が大事だと言っておりましたので。しかし何度なのかはわからず。発泡して泡が出てきますので、少しずつ入れねばなりません。一気に入れると溢れ出すことがあります。泡だっているものを撹拌し、ガスが抜けて少し落ち着いたら、再びカリウム液を追加するというのを繰り返します。
コチニールでレーキ顔料
いつしかカリウム液を入れても反応が鈍くなり、そして泡もでなくなってきたところで、よく撹拌したのちしばし放置します。色の付いた顔料?が沈殿して下の方におりてゆき、上層には透明な液体の層ができます。そのまま一晩放置しました。

それからコーヒーフィルターで濾しますと、ねっとりした顔料が残るので、フィルターを開いて乾燥させます。
コチニールでレーキ顔料
乾燥には3~4日かかるということで、この後の工程は後日報告致します。

さて、ミョウバンを少なめに入れて試してみました。先ほどは45g入れましたが、今度に15gにしておきました。ミョウバンの量で色を調整できるかどうか試したかったもので。約600mlの染液に15gですと、カリウム液を入れた際に、かなり早い段階で発泡も終わってしまいました。

やはりミョウバンが少なかったといえるでしょう。出来た顔料は少なく、染液がだいぶ無駄になったという印象です。なお色の違いは顔料が完成してみないとわかりませんので、また後日ということで。

実はこの後に乾燥した顔料を細かくする工程があるのですが、そこが悩みの種でして、乳鉢乳棒で砕いたのちに、練り棒と大理石パレット上で練っていくわけですが、意外と顔料が固くて、どうも大理石パレットでは、うまく行かないのでは。大理石というのは大して高い硬度はないので、何か高硬度のパレットが必要になるのではないか、という気がしているところです。もっとも、これは他の顔料でもいつも思っていることなので、今更ではありますが。

| 絵画材料 | 11:44 PM | comments (2) | trackback (0) |
鉛白途中経過

左はイースト(+砂糖)の皿にゼラチンを少量添加したもの。
中央はイースト(+砂糖)だけの皿(反応が早く終わるので、ガス放出量は多いけれども、ときどき皿の中身を新しくしてやらねばならない)
右はイーストなし。

というわけで、ぱっと見た比較ですが、イースト無しはさすがに反応が少ないのですが、他の2つの進行に大きな差はないように思えます。定期的にイースト交換している方が若干進行は速そうにも思えますが、時間的な余裕がない日々のなかでは、それも難しいことを考えれば、ゼラチンを少々添加して放置しておける方が効率的であろうと思います。

二酸化炭素は空気(窒素と酸)よりも比重が重いという助言を頂きましたので、対策を考えたいところですが、今回の場合は応急処置として、百均のロートとエルボー型塩ビ管を組み合わせて、誘導してみることにしました。

ちなみに150円ほどで完成しました。

気温は30℃前後が丁度いいとは聞いておりましたので、夏場に実行したわけですが、ここ数日天候が悪くて条件は悪くなっております。当面天候の回復はなさそうです。今後の処理などいろいろ気になるところはあり、それなりに調べております。しかし最近、松田壽男の朱に関する本を読みまして、辰砂の方も気になっておりまして、ヤフオク等で辰砂を収集しておりまして、うっかり鉛白のことを忘れてしまいそうになります。鉛も水銀も現代では異様に嫌われておりますが、これほど魅力的な金属もなかなかないでありましょう。

| 絵画材料 | 12:34 AM | comments (0) | trackback (0) |
染料の顔料化をやってみました。
レーキ顔料を作ってみました。まだまだ不勉強なので、出来具合いはお察しください。

今回はイラン産茜を使用。30分かけて煮出したものがこちら。
レーキ顔料
あまり綺麗には見えませんが、アルミ媒染するとかなり明るくなるようです。

今回は布を染めるわけではなくてレーキ顔料を作るわけですが、まずはミョウバン液をたっぷり用意しておきます。濃度等はまだよくわからないものの、いろいろ助言をもらいつつやったわけではありますが、今回はスーパーでも手に入る調理用の焼ミョウバンを使用したのですが、焼ミョウバンの場合は重量比では生ミョウバンの半分にするべきだったようです。それと、ミョウバン液を入れても色は明るくなってはくれず、赤ワイン色みたいな感じのままでした。でも、先に進みます。ここでアルカリ液を用意するはずが、気がついたらアルカリ液を作るための薬品がなかったので、買おうかと思いまして、洗濯ソーダを勧めている記述が多かったので、特に海外サイトでは多かったので、買おうかと思ったですが、スーパーの市販品は何かしら微調整のための混入がありそうな気がして、食品添加物の炭酸ソーダをネットで注文しました。それを待つことにして、その日はそこで手を止めて、ネット上でレーキ顔料づくりについて読みましたが、英語圏のページが非常に多くて、それらを眺めておりました。炭酸ソーダはヨドバシに注文したので、速攻で届きましたが、実は部屋の掃除をしていたら炭酸カリウムが出てきたので、これを使うべきであろうと思って、そちらで試すことに。なお、強いアルカリ性は皮膚等を痛めますので、取り扱いは注意してください。

炭酸カリウム液を投入し、ミョウバン液を沈殿させる。そのときの二酸化炭素?が放出されるのか発泡する。
レーキ顔料

沈殿を待ち、それからコーヒーフィルタで濾過する。
レーキ顔料

コーヒーフィルタを広げて、乾燥させる。
レーキ顔料
2、3日待つと乾燥し、塊となっていました。

これを乳鉢で粉末化しまして、アラビアゴム水溶液と混ぜて試し塗りしました。
レーキ顔料
さて、アルミの影響で明るい赤になるかと思いきや、銅か鉄で仕上げたみたいな色になっておりますが、これはなんでしょうペーパーの問題とかでしょうか。あるいはもうちょっと熱心に乳棒を使って細かく粉砕すればよかったのでしょうか。でも、とりあえずは、ミョウバンやアルカリ剤など、手元にいろいろ準備が整ってきたので、この調子で徐々に環境を整えつつ、そして手元にはコチニールがけっこうあるので、これを使い切ってみる感じで顔料化のノウハウを学んでゆきたいと考えております。

| 絵画材料 | 10:37 PM | comments (0) | trackback (0) |
ウェルドでシルクを染色してみました。
自室のエアコンを新調しました。購入したのは東芝の10畳用エアコン、本体と設置費、処分費、室外機配線カバー等いろいろ含めて9.5万でしたが、部屋にエアコンの専用電源が通っておりませんで、その工事も必要となりそれに4.5万かかりました。古い家なので、もっとかかるのではないかと心配していたのですが、なんやかんやで計14万程かかりました。東芝のエアコン、実質的に製造元はアイリスオーヤマともはや変わらないようなのですが、数年使えれば充分だし、10年使えたら立派なものであろうと考えることにしましょう。それにしても、新品のエアコンは非常に効きが良くて、29℃に設定してもキンキンに冷えております。東北とはいえ昼間の外気はかなり暑いですね。しかし夕方になるとカラッとした涼しげな風が吹いてきて、窓を全開にするとけっこう快適なのです。ところが夜になると再び猛烈に暑くなってくるのですが。19~3時くらいにかけてめちゃくちゃ暑くなるのですが、これは皆が帰宅してエアコンを付けて、それが外気を熱しているということはないだろうかと、ちょっと心配になりました。まぁそれはともかく今後は部屋のカーテンを閉め切って暗い部屋で顔料でも作りたいと思います。

エアコン工事の件もあって、久方ぶりに本格的に部屋の掃除をしたのですが、昔集めた天然染料が大量に出てきましたので、ここで一気に使ってしまおうかと思っております。レーキ顔料化してみたいと思うのですが、顔料化の前に、乾燥させたウェルドがあったので、これで布を染めてみたいと思います。ウェルドは昨年、意欲的に植えたはずなのですが、収穫できたのはごく少量に過ぎませんでした。
ウェルド
ずいぶん植えた気はするのですが、乾燥させてみたら、これが2袋というものでした。昨年、半分を使って綿布を染めたのですが、ほぼ染まらずに終わってしまって、果たして黄色染料として有効なのかもはっきりしておりませんでした。植物性の繊維を染めるなら蛋白処理しておくか、あるいは動物性の繊維を使ってはどうかというご指摘をツイッターか何かで頂いておりましたので、とりあえず、この残りのウェルドを使ってシルクを染めてみたいと思います。

というわけで、やってみたのですが、わりと綺麗に黄色く染まりました。
ウェルド
写真では薄く見えるかもしれませんが、肉眼で見るとけっこう綺麗な黄色です。黄土色とかではなくて、かなりいい感じの黄色です。2~3回繰り返し染めると、色も濃くなってかなり鮮やかな感じになるのではないでしょうか。染料は既に品切ですが。でも種は取ってあるので、頑張れば来年また染められるかもしれません。忘れずに秋まきをしておかねばなりません。いずれにしても、育てていたものが、一応黄色い染料として機能しそうだということが実証されたということで安心しました。レーキ顔料づくりの方ははじめはアカネとコチニールでやっていく予定ですが、実はすでに試しはじめてはいるのですが、実際やってみると材料や薬剤が不足していたりなどで、ネットでせっせと注文している状況です。

| 絵画材料 | 10:09 PM | comments (0) | trackback (0) |
鉛白作りを開始
夏休み中なのですが、残すところ3週間となってしまいました。それでもけっこう長いとは思いますが、講師以外の仕事も入ってくるだろうと思っていたのですが、あんまりそうでもないみたいな感じですので、本当にただの休みのような感じなのですが、しかしやるべき課題は多々あるのであります。実はこのところいまいち画材の研究というものにいまいち取り組んでなかったので、この機会に初心に返って、画材の何かに勤しみたいところなのですがまずは鉛白を作ってみたいと思います。鉛白の作り方は古くは古代ローマ時代のヴィトルヴィウス、中世のテオフィルスなどでは壺などの底に酢を入れ、上部に鉛板を置くなどして、酸性の蒸気にさらすことにより、鉛が腐食して白くなってゆくというくらいの方法が書かれてありますが、近世以降、バロック期あたりですと馬糞を置いて炭素(メタンガス?)を供給していたようですが、より近代的な大量生産方法ですと、鉛板を吊した部屋に酸性の蒸気及び二酸化炭素を供給して製造するという具合だったかと思います。最近、あまり画材のことを考えていなかったので、いろいろ間違ってるかもしれませんが、今回の顔料作りが終了するまでには、調べなおして改めて投稿したいと思います。で、現代の方法は上記のいずれとも違うのですが、以前の近代的製法の方が絵画用とでは優れているというふうに言われたりしております。実際にどうなのかは意外とはっきりしません。何しろその近代的製法の鉛白ホワイトというのがなかなか手に入らず、あるいは手に入ったと思っても実はそうではなかったとか、いろいろありますので、私としてはそのようはことはあまり気にせずに、画材の理解の為と割り切って鉛白を作ってみたいと思います。

今回は馬糞の代わりにイーストを使用します。イーストと砂糖を混ぜておけば、二酸化炭素を発生させるであろうということで。この中の炭素が役立ってくれるのではないかと思います。分量等はまだよくわからないので、とりあえずホームベーカリー用の3g入りのイーストにその4倍の白糖をまぜ、お湯で溶いてみました。イーストはすぐに反応してブクブクとふくれてきまして、大きめの器を用意したつもりでしたが、あやうくあふれ出すところでした。反応がとても早いですね。この件に関しては、ゼラチンを2%添加することで、ゆっくりとした反応になるという話を教えて頂いておりまして、今回はゼラチンを混ぜた器も用意しました。

写真では、左側がゼラチン無しでありまして、初っぱなに反応の大半が進んでしまった感があります。自分用のメモとして書いておきますと、左側はイースト3gに白糖12g、湯を15gを混ぜたものです。右はイースト6g、白糖24g、ゼラチン1g、湯24gで混ぜたもの。ゼラチン入りの方は倍ぐらいの量にしてありますが、ゆっくり反応してくれるなら多めに用意しておいてよいかな、という考え方です。ゼラチン無しの場合は、頻繁にイースト容器を入れ替えるということで、1度の量は少なめにしております。

というわけでコンテナの底に酢を入れ、プラスチックの器に鉛テープを、それから、イーストの皿を並べたのが以下の写真です(ゼラチン無し)。

こちらはゼラチン入りのイースト容器を入れたものです。

コンテナはアイリスオーヤマのバックルコンテナを用意しました。透明なものと、ダークグリーン色のものを買ってみましたが、光を遠さない方がいいというような噂も耳にしましたので、果たしてどっちがいいなかというところですが、実験としては透明な方が常に観察できるので、その利点は大きいような気がします。イースト溢れてないかとか、気になることは多々ありますし。おそらくはコンテナが黒、フタが透明なものがたぶん一番いいかと思います。なお、アイリスオーヤマのバックルコンテナは、よく観察すると、多少通気性がありそうです。これはどうなのか、空気の出入りが少しくらいあってもいいのか、というも今はわからないところですが、密閉したい場合は、隙間テープみたいなもので補強してみるとよいのかもしれません。今日のところはマスキングテープで仮止めしておくことにしました。

酢ですが、ワインビネガーを使ってみました。これも意味はよくわかりませんが、西洋ならワインビネガーではないかな、というそれだけの理由なのですが、何か意味があるのかというと、気分的なものであろうか、というところもあって、西友の一番安い穀物酢でもよさそうな気がするのですが、いずれにしても鉛板の購入だけで手間も金も出ているので、今は気にしないことにしましょう。

ついでなので、イーストを入れないコンテナも用意してみました。ビネガーだけです。若干の通気性を残しておけば、大気中の二酸化炭素でいけるのではという気もしますが。それと掃除していたら、氷酢酸も見つかったので、これを使いつつ、適当な通気性の元でというのもあるかもしれませぬ。今回はまだ試行錯誤的な部分もあり、以下の3パターンのみで試してみようかと思います。

その他に関しては鳥越さんもやってみるというので、別の何かパターンを試してもらえればと思っております。お気づきの点があれば、コメント欄にて教えてください。

| 絵画材料 | 11:04 PM | comments (2) | trackback (0) |

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