ウェルドで木綿を染めてみた。
西洋の黄色染料の代表格のひとつであるウェルド、数年前からタネの発芽を試みつつ、なかなかうまくいかなかったのですが、今年はついに一定量の収穫があったので、それを乾燥させていたのですが、いよいよ何か染めてみることにしました。

染色方法はあまり調べておりませんが、手元にあるエセル・メレの『植物染色』を参考にしていこうと思います。本来もっと計画的にやるべきところですが、あまり丁寧にやろうとすると、やるまえにいつの間にか日々が過ぎて機会を逃してしまうことが多いので、とりあえず黄色い色が出るのかどうかを確認するくらいということで、けっこう雑な感じで進めてゆきます。まぁ、一回目は軽くやってみてそれから情報を集めた方が理解しやすいということもありまして、逆に手を付けずに文献を調べていると言っている意味がわからないということもあって、はじめはいつもこんな感じですので。

というわけで、本当に黄色になるのか、煮出してみることに。
ウェルド
煮始めるとすぐに水が黄色っぽくなって、沸騰して泡が立つと、その泡も黄色くて、確かに黄色が出ている感じはしました。お試しということで15gの乾燥葉をしばらく煮てみることに。エセル・メレには45分とありましたが、30分ほど煮続けたところで煮汁も少なくなってきたので、そこで止めておきました。ほんとはもっとたくさんの量を45分煮出すとよろしいのでしょう。

そして綿布というか、たまたまあった木綿ガーゼを浸してみます。
ウェルド
この布は事前にミョウバンと酒石酸(8:2)くらいの割合で先媒しております。なお、エセル・メレではミョウバンと酒石酸でとあったのですが、比率などは書かれていませんでした。煮汁はかなり茶色っぽく見えるかもしれませんが、薄めた状態だと、たいへんきれいなレモン色に見えます。

こちらが染めた布を乾燥させた状態ですが、ギリギリ黄色く染まっているというところでしょうか。
ウェルド
画像では白っぽく見えますが、肉眼ではもうちょっと黄色い印象でした。黄土色とかじゃなくて、確かに黄色ではあるよなぁ、とは言えるでしょう。濡れていたときはもうちょっと黄色っぽかったのですが。隣は木綿のおしぼりですが、無媒染です。いずれにしても薄いので、綺麗で濃い黄色染めるには、まだ勉強が必要な模様です。単に濃くしようとすると赤茶っぽい色になりそうな予感もしますが、顔料化するとやはり以前下記の動画で撮ったウェルド顔料のような色味になるように思われました。いや確実にそうなるでしょう、という気がします。何が問題か、媒染剤か?土地の問題か?
[Medici] 染料系顔料 黄色編
https://youtu.be/6SF-aM1nJh8

黄色の植物染料はいくつか試してみましたが、キハダが群を抜いて黄色いし、染めやすいというのは草木染めをやっている人から聞くことがありますが、同意見です。カリヤスも黄色を出すには複雑な工程が必要でした。その他もそんな感じでありましょう。サフランは濃そうですが、料理にしか使ったことがないので、個人的にはキハダの凄さが際立つ印象でありますが、レーキ顔料にする話は聞かないので、耐久性等の問題があるのかもしれません。天然染料の世界において、赤や青に比べると、黄色を鮮やかに出すというのは難易度高いと言えるのではないでしょうか。

| 絵画材料 | 08:41 PM | comments (0) | trackback (0) |
渡辺照宏(著)『法華経物語』読了、そしてフジミ模型「多宝塔」制作
暑さも和らいですっかり過ごしやすい気温になってきましたが、もはや暑さを理由にダラダラしていられなくなったわけで、渡辺照宏(著)『法華経物語』を読了。これは名著でありますな。日本美術の勉強の為に仏教経典等の解説書、あるいは現代語訳というか要約というか、そのようなものを多々入手して読んでおるのですが、その中でもたいへん優れた一品ではなかろうかと思います。まぁ今の私の知識で判別できるものでもありませんが、あるいは私の趣味に合っているというだけかもしれませんが。日本美術において建築と彫刻の世界は経典と宗派についての知識がなければ何もわからぬ。絵画においても、一方は日本文学、一方は仏教美術とも言えるし、それは仮名と漢文の違いとも言えるかもしれぬのですが、日本文学はいろいろ読んでおりましたが、経典はまだまだ不勉強なだけあって、ちょっと読むとなんだかすごくいろいろ知ったような気がして楽しいと言えるでしょう。法華経の見せ場は見宝塔品かと思われますが、いままで気にしていなかった多宝塔も気になってきて、是非とも著名な多宝塔を訪れてみたいと思ったわけですが、遠くに旅行は控えた方がいいかと思い、代わりにフジミ模型の多宝塔(石山寺)プラモデルを購入。いつも塗装とかいろいろ考えているうちに作る機会を逸してきたので、今回は何も考えずに接着剤だけでぱぱっと組み立てました。
多宝塔
箱は大きかったのですが、なかのモデルは思ったより小さかったです。しかし垂木、肘木やその他の装飾など、細部はよく再現されており、自分で組み立ていくうちに印象に残るという意味で、これは建築の形状とか、様式とかを学ぶのにいいかもしれません。これはその他の建築モデルも作ってみたくなってきました。なお、金型が古いのか、バリが非常に多かったです。カッター等でバリを取りつつ進めるのですが、バリなのかデティールなのか微妙なところも多くて悩みどころでありましたが、そういうところが昔ながらのプラモ制作という感じで楽しいとも言えるでしょう。塗装する場合ですが、これは一回作ってみたないと塗装の計画を立てるのは難しいかと思われます。塗装しなくても概ね色分けはされているので、説明的なモデルとして使用するなら、むしろ何も手を加えない方がいいかもしれません。

その他には美川圭(著)『白河法皇 中世をひらいた帝王』読了。最近、ずっと日本史についての本を読んでおりまして、現在のところは平安期を中心に読んでおりますが、そろそろ中世へ移行したいところでありますが、思い返せば、武田恒夫(著)『狩野派絵画史』を読もうとして、ちと日本史の知識が足りぬなと感じで読んでいるうちに、当初の目的はすっかり忘れてしまって、何故か古代史から読んでおりますが、いやしかし改めて読んでみると、何もかも美術史と結びついており興味深いところであります。

福満しげゆき(著)『中2の男子と第6感』全4巻読了。久々にマンガ本を読んだような気がしますが、大変面白かったです。引きこもり的な箱庭的な部分と、そこから話が広がってゆく展開とがなかなか絶妙でありますが、最後の方はちょっと感動してしまいました。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 01:24 AM | comments (0) | trackback (0) |

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