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支持体と地塗り」からの続き。


支持体と地塗り (1)


Re: 金箔地についておしえてください

管理人 さんのコメント
 (2000/6/25 02:01:45)

> 金箔を張る時、初めて張ったときは白亜地にそのまま膠をぬってしまい、でこぼこに、、、なってしまいました。
> 金箔を張る際、なにを下地につかったら、いちばんいいのでしょうか??

こんにちは。はじめまして。
私は金箔はやったことがないので、間違ったこと書くかもしれませんが、誰もレスを付けてくれないのでしょうがないから書いちゃおうかな。

白亜地はOKだと思いますが、平滑に磨かないといけません。金箔を貼る作業は、前に本で読んだときはかなり複雑な工程でした。下地の吸収性を低める作業や、なんでしたっけ、ボーロだったかポリメントだかいうのを塗ってとか。などと言いつつも、私はやってみたことはないので、参考になる本だけ紹介します。
●田口安男著 新技法シリーズ「黄金背景テンペラ画の技法」 美術出版 2300円
たぶん、これに書いてあると思うんですが、まだお読みでなかったら参考にしてみてください。残念ながらこの本は廃刊になっているので、現在では大きな図書館でしか見かけないと思います(ちなみに、私はこの本読んだことないので、読んだこともない本を勧めるのも気が引けるなあ)。というわけで、がんばってください。


Re: 金箔地についておしえてください

bonapa さんのコメント
 (2000/6/25 02:02:47)

遅くなりました、ここのところ休みがつづいていたもんで、
で、金箔を「貼る」のは下地に極端にいえばなんでもメデイウム
さえあれば貼る事はできます。「鏡面」にして磨きたい場合ときには、下地が「平滑」でなければ磨けない。(石膏をぬったあとに鉄板で平らにけずります。)ということです、また「ハクシタとのこ」をひかないと、石膏にはメデイウムがないからメデイウムのやくわりとして砥粉をひくんです」箔を載せるときも職人技でさっとやらないと皺があると磨いた時に鏡面になりません。また、金の色をきちんと光らせたい時は重ね張りのほうがきりに光ります。(磨く場合には必ず、砥粉をしないとみがけなせん)ハクシタとのこは多分画材屋さんでうっていると思います(名前が店によってちがうとおもいますので、使用目的を話すとだしてくれると思います)黒、黄色、赤があります)下地ようの膠に2倍の水でうすめて(水2体膠すい1)入れ物に先にとのこをいれて膠すいを徐々にたします、だいたいみずよりもちょっと濃いえきたい、(ちょっと重い感じ)くらいでいいと思います。とのこが乾燥したら箔をみずおきしてください。(箔の張りかたは他の本にもでているのあるんだと思います。)

おおざっぱすぎてわからないかも、、箔を置く時に「平ら」にのせられればだいたいきれいに磨けます。


Re:金箔地についておしえてください

管理人 さんのコメント
 (2000/6/25 02:04:24)

■bonapa様

> 遅くなりました、ここのところ休みがつづいていたもんで、

おお、珍しく仕事が忙しいのかと思ったら、休んでたんですか。
ここはやはりモバイルを買うか!?!?

> で、金箔を「貼る」のは下地に極端にいえばなんでもメデイウム
> さえあれば貼る事はできます。

なるほど。そう言えば、ルフラン(だったかな)からミクスチョン(だったかな?)という金箔処方用のメディウムがあったそうですが、bonapa殿は使ったことあります?


Re:金箔地についておしえてください

bonapa さんのコメント
 (2000/6/25 02:09:22)

管理人様、
風邪はよくなられたのでしょうか?
> なるほど。そう言えば、ルフラン(だったかな)からミクスチョン(だったかな?)という金箔処方用のメディウムがあったそうですが、bonapa殿は使ったことあります?
↑はい。あります。でもこのミクスチョンはもともとシャルボネール社のせいひんで、ラベルもシャルボネールのものがはってあると思います。で、このミクスチョンは「金属の上に金箔をのせる時」にしたに塗る物です。使い方はとてもかんたんでした。コルアート社のひとは「自由の女神が掲げているたいまつの炎部分の金箔の張り直しをした時、ヴァンドーム広場にあるジャンヌダルクの像を張り替えの時につかわれたんだぞ、」と自慢げにはなしていました。 だから何?って日本ではいわれそうだけど。


クサカベの油彩向きジェッソ

管理人 さんのコメント
 (2000/6/25 02:10:31)

以前から試してみるって言ってた、クサカベの油彩に向いているというアクリルジェッソ使ってみました。とは言っても、板に塗ってみただけで、まだ、その上に何も描いてないですけど。他のアクリルジェッソは、普通艶消しで光が吸い込まれていく感じですが、クサカベのやつは、気のせいか光が反射してます。油分が少しあるらしいですが、確かにこれだと、最初に塗った絵具でも、つやが失われることはないでしょう。絶縁をしているのと同じ効果、ということでしょうか(アクリルジェッソを板に塗って描くと、普通、どんどん油を吸収して始めのうちは艶消しになりますよね)。なんとなく絵具の食いつきが悪そうにも見えますが、でも、まだ描いてみてないので、どんな描く具合かはわかりません。月末あたりに試してみます。

ちなみに、蓋をあけた瞬間の臭いが、他のジェッソとは全違います。


Re: 金箔地についておしえてください

hikaru さんのコメント
 (2000/6/25 02:12:00)

> 金箔を張る時、初めて張ったときは白亜地にそのまま膠をぬってしまい、でこぼこに、、、なってしまいました。
> 金箔を張る際、なにを下地につかったら、いちばんいいのでしょうか??

 私は、石膏地を平らにしてから、ルフラン社のアシェット(ASSIETTE A DORER extra-fine ROUGE 750・)と膠水を混ぜて塗ります。乾燥してから、メノウ棒で磨いて、セーブル筆を使って水で濡らします。そうすると、アシェットと膠の層が粘着力を持ってきます。それで、金箔を置いていきます。(慣れていないと、とても難しいです。)約6時間おいて、再度、メノウ棒で磨いて鏡のようにします。
 友人と二人で、白亜地を使用して、金箔をメノウ棒で磨いたら、
金箔とアシェットと膠の層が、剥がれ落ちたことがあります。それ以来、石膏地を使用しています。
  あとは、美術出版社 新技法シリーズ「黄金背景テンペラ画の技法」田口安男著 を参考にしてください。


Re: 金箔地についておしえてください

hikaru さんのコメント
 (2000/6/25 02:13:17)

 yukiko様
 
 補足します。
 ルフラン社のアシェット(ASSIETTE A DORER extra-fine ROUGE 750・)は、箔下とのこの代わりに使用します。
 セーブル筆ではなく、水筆です。訂正します。


板に貼る布

管理人 さんのコメント
 (2000/6/25 02:14:03)

みなさん、こんにちは。元気ですか?

金箔やると、それに付随したいろんな知識を得られそうですね。

ところで、以前、どんな板を使ってるか聞いたことがありますが、今度は布で行ってみましょう。あ、これは金箔とは別に関係ないですよ(関係ある話でもいいですけど)。
で、板に布を張って支持体を作っている方は多いと思うのですが、布についていろいろ話し合いましょう。

みなさんは、どんな布を使ってますか?
あと、どこで入手してますか?

などなど、その他、布による違いとか、こんな面白い話があるよとか、どんなことでもいいです(長い話OK)。

ちなみに私は薄手のシーチングをハンズで買ってますが、これはちょっと厚いかな、って思ってます。

では。


Re:板に貼る布

bonapa さんのコメント
 (2000/6/25 02:14:39)

私は試したことはありません。
でも、単なる「感じ」としてってことですけど、あれは「真新しい」布つかわないほうがいいんでないのかなぁ?あたらしい布は「糊もついてるし、固い」ものね、もっと「なじむ」様によく子供ふくとかで使われている(欧米ではね)「再生繊維布」っていうすごく柔らかい布(要は古い布をあつめてもう一度布にしたって言うもの)のほうが、柔軟性があって、板にはって密着性がたかいんでないかなぁ?(それって売っているのか??ということあもんだいか、、)繊維質が固すぎると後日ごわごわになりそうだし、はじめから、かなりすいとりが悪そうでしょ? 管理人さんどうでした?シーチングのつかいごこちは?


Re:板に貼る布

窓鳥 さんのコメント
 (2000/6/25 02:16:05 -
Web)

■管理人さま
15年ぐらい前に木製パネルにカゼイン糊で化繊の安い布を張り付けて上からシルバーホワイトを塗り描いたのが1点あります。

今のところ問題ないようです。緻密な描き方が出来た記憶があります。
最近はできるだけ時間をかけない方法に移行しつつあります。

■takenariさま
こんにちは。
最近はどんな下地をつかっているのですか?

私はキャンバスはアクリル地で水彩は紙のままです。
紙も最近は国産の安いものを使っています。
クレスター水彩紙。全紙大で300円。
大きいサイズの水彩だと中々描き良いですよ。緻密な表現には向かないけど。


Re:板を張る布

hikaru さんのコメント
 (2000/6/25 02:16:38)

 細目の麻布を水洗して付着物を取り除いてから、シワがない状態にして乾燥させて使用します。
 アイロンを使用してシワをとる方法もあります。シワを完全にとり除いておかないと、後々影響するようです。


膠を使う下地処理の仕方

riko さんのコメント
 (2000/6/25 02:17:45)

こんばんわ。初めまして。
 膠を使って下地処理をしたいのですが、膠を使った経験がないので、よければ教えて下さい。また、おすすめの書籍などあれば
知らせてください。お願いします。


Re: 膠を使う下地処理の仕方

M.Watanabe さんのコメント
 (2000/6/25 02:20:54)

こんばんわ、riko様。
 膠を使って下地処理について、
 新技法シリーズ146 絵画技術入門(テンペラ絵具と油絵具による混合技法) 佐藤一郎著 美術出版社
 に写真付きで説明してあります。
 入手出来れば良いのですが。


Re: 膠を使う下地処理の仕方

riko さんのコメント
 (2000/6/25 02:21:43)

こんばんわ。Watanabe様。
 ありがとうございます。早速、本を探してみます!
 入手出来たら報告しますね。


支持体のページ執筆中

管理人 さんのコメント
 (2000/6/25 02:22:38)

フリートーク掲示板にも書きましたが、「板による支持体」のページを執筆中です。

が、材料の名称の整理で既にかなり混乱しています。白亜、石膏、炭酸カルシウム、ムードン、スペイン白、硫酸カルシウム、ボローニャ白亜(石膏)、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、二水石膏、焼石膏、天然石膏、胡粉、等々。。と、まあ、科学的なことは抜きにしても、購入するときに正しいものを買えるくらいにまとめたいです(初めて買う人なんか、製品名が違う名称というだけで何買ったらいいかわからないはずだし)。

極端にまとめてみると下みたいな感じでいいのでしょうか。

「白亜」=「炭酸カルシウム」=「ムードン」=「スペイン白」
「石膏」=「硫酸カルシウム」=「ボローニヤ白亜(石膏)」

「軽質炭酸カルシウム」=「沈降性炭酸カルシウム」

「重質炭酸カルシウム」=「ムードン」

と、まあ、この辺の関係をうまく説明できる方がいましたら、是非掲示板に書き込んでください。

そう言えば、「軽石粉」=「盛上げ」なんてのもありましたね。

■窓鳥様&hikaru様
「板に張る布」にお返事ありがとうございます。
布を張るときのコツなんかも、支持体のページで紹介したので、何か良い技など知っていたら教えてください。

■riko様
はじめまして。
膠の使い方も上記のページで親切に書く予定です。
でも、「新技法シリーズ146 絵画技術入門」でもばっちりですよ。

■M.Watanabe
もしかして以前メールをいただいた、watanabe様ですか。
これからも、時間があれば掲示板に参加してください。


支持体

monga さんのコメント
 (2000/6/25 02:23:59)

改めて整理すると管理人さんの言われるように混乱してきますね。間違っているところがあるかもしれませんが、強いて分類すると…

■ 炭酸カルシウム(成分として分類し、市場で商品名として流れているもの)

胡粉(カキ灰)、珊瑚末、大理石末、方解末(岩胡粉・方解石末)、水晶末、白亜(チョーク、石灰岩末)

■ 硫酸カルシウム

<ホルベイン製>
ボローニャ石膏(Gesso Bologna 天然二水石膏・非晶質石膏)イタリア製
       (95%硫酸カルシウム、クレー・鉄分含む)

■ 天然白亜(Meudon 通称スペイン白)

<ホルベイン製>
ムードン(仕上用)フランス製 天然土(炭酸カルシウム、微量のクレー)
ムードン(下地用)ベルギー製 天然土(炭酸カルシウム、微量のクレー)
<クサカベ製>(スペイン白を下地用の製品名とされています)
ムードン(仕上用)イタリア製 天然土
スペイン白(下地用)イタリア製 天然土
※「スペイン白」は天然白亜の通称とされていますが、読んだ文献には表記ありません。「クレー」はアルミナ・シリカ系成分を含む。

■フレスコ画の描画の段階と石灰の化学変化及び名称

石灰石(炭酸カルシウム)
↓焼く→炭酸ガス
生石灰(焼石膏・半水石膏)
↓水を加える
消石灰(水酸化カルシウム)
↓水・砂を加える
石灰モルタル(漆喰)
↓塗る
石灰ストウッコ
↓水で溶いた顔料を着彩、乾燥
フレスコ画完成
↓空気中の炭酸ガス吸収し硬化
石灰石に戻る

<参考文献>
「油絵のマチエール」岡鹿之助 美術出版、「絵画学入門」黒江光彦 美術出版、「絵画材料辞典」森田恒之 中央公論、「絵画材料ハンドブック」ホルベイン工業技術部 中央公論、「ホルベイン専門家用顔料とその素材」ホルベイン工業刊(無料配布ですお店で貰ってください)、「フレスコ画」丹羽洋介 ホルベイン工業刊


訂正

monga さんのコメント
 (2000/6/25 02:24:35)

■参考資料

参考資料の出版社など間違えてたので訂正します。すみません。

「絵画材料辞典」
R.J.ゲッテンス+G.l.スタウト共著
森田恒之 訳 美術出版社刊


Re:支持体

管理人 さんのコメント
 (2000/6/25 02:25:21)

■monga様
いつもながら見事なレポートありがとうございます。

まずは大きく、炭酸カルシウムと硫酸カルシウムに分類することでいいみたいですね。
それから、それぞれの材料について解説する、と。

あとは、硫酸カルシウムを使ったときと、炭酸カルシウムを使ったときの具体的な違いなどをコンテンツに書いていこうと思います。僕は石膏の方はまだ試してみたことなくて。実は石膏にはあまり興味がないんですが、少しは試してみなけらばならないかなぁ。

さすがに本に載ってるのを全部試してみる時間はなくて、こういうことは学生時代に徹底的にやっておけば良かったなあ、と思いました(今の生活も学生時代と同じくらいに暇ではあるんですが)。

では。


支持体(麻布を板に貼る)

hikaru さんのコメント
 (2000/6/25 02:26:50)

 麻布を使用する場合は、約50号位までの時は、支持体の大きさよりも上下左右それぞれ10cmほど大きめに、約100号位以上の時は、支持体の大きさよりも上下左右それぞれ15cm以上大きめに、切って用意した方が良いと思います。その理由は、麻布が、水洗・膠塗りされる時に、縮んでくることがあるためです。衣服を洗濯した時に、縮んでしまうのと同じです。

 麻布に、しっかりと膠引きを2回されていれば、油彩に使用する油・樹脂・メジュームが、麻布や板に染みることはないと思います。膠は、麻布を固定させると共に、膜を形成して布地の穴を塞ぐ役目をするのです。板を使用した支持体もキャンパスも同様です。

 麻布を板に貼る場合は、
 1. 刷毛などで板に水引きをして乾燥させてから、浮き出てきた表層の継ぎ目の重なりなどを、サンドペーパーをかけて取り除いて平らにします。
 2. 板に、1〜2回、1日1回の膠引きをして、しみ込ませます。
 3. 板に、3回目の膠引きをして、麻布の片面に膠水を刷毛で塗り、その両面を濡れている間に貼り合わせます。そして、打ち刷毛・染色用の丸刷毛・硬い腰のある毛のついた刷毛などで、たたき込まなくてはなりません。そうしないと、麻布が板にしっかりと密着して貼りついてくれないのです。乾燥して部分的に麻布が、板に貼りつかなくて火ぶくれのように浮き上がってしまった場合は、支持体の端の部分ならば、横から筆を使って膠水を板と麻布の間に注入して、再度打ち刷毛などでたたき込んで接着させます。そして、支持体の中央の部分ならば、浮き上がっている部分の麻布を、カッターナイフで1ミリほど切って、その切り口から筆を使って膠水を注入して、再度打ち刷毛などでたたき込んで接着させます。

 支持体作りは、雨天で湿気の多い日は、避けた方が良いと思います。


訂正

hikaru さんのコメント
 (2000/6/25 02:27:37)

 麻布に、しっかりと膠引きを2回、1日1回されていれば、油彩に使用する油・樹脂・メジュームが、麻布や板に染みることはないと思います。


吸収性地

hikaru さんのコメント
 (2000/6/25 02:28:43)

 油絵具を使用する場合は、直接、描くことは出来ません。その理由は、油絵具が酸化して固まるまで1週間から2週間かかってしまい、油絵具の乾性油・樹脂が白亜地・石膏地に吸収されて、油絵具の顔料だけが白亜地・石膏地の上に残ってしまう状態になります。これでは、絵が台無しになってしまいます。
 油絵具を使用する場合は、直接、樹脂(ターレンス社のRETOUCHING VARNISH 004)と精油(ペトロール)を1対1の割合で混ぜ合わせた溶液、叉は、ダンマル樹脂とペトロール精油を1対2〜3の割合で混ぜ合わせた溶液をを薄く塗り、白亜地・石膏地と油絵具の絶縁剤として、吸収性をコントロールして弱くする必要があります。(油絵具の乾性油が、顔料を包み込んで白亜地・石膏地に吸着します。) しかし、このような絶縁剤を強く塗り過ぎて、光沢を持ってしまったり、ガラスのようになってしまっては、完全に吸収性をなくすことになり、樹脂油絵具が白亜地・石膏地に吸着しなくなり、剥がれ落ちてしまいます。このような状態にならないように、支持体の端の部分(額装した時に絵が隠れてしまう部分)で試し塗りをしてみると良いと思います。  技法書では、ダンマル樹脂とペトロール精油ではなく、ダンマル樹脂とテレピン精油となっています。


吸収性地追加

hikaru さんのコメント
 (2000/6/25 02:29:35)

 ダンマル樹脂とペトロール精油を1対2〜3の割合で混ぜ合わせた溶液
 技法書では、ダンマル樹脂とペトロール精油ではなく、ダンマル樹脂とテレピン精油となっています。
 
 これらの溶液に、微量の油絵具(緑土テールベルト、叉は、バーントシェンナーとイエローオーカーを混合)を混ぜれば、地透層(インプリマツーラ−)に使用できます。
 
 混合技法で描くことが可能です。


半吸収性地

hikaru さんのコメント
 (2000/6/25 02:30:32)

 テンペラ絵具(卵・ダンマル樹脂・スタンド亜麻仁油など)・油絵具で、描くときに使用します。
 
 膠水に対して、亜麻仁油の比率が多くなれば、油性地(非吸収地)に近くなり、亜麻仁油の比率が少なくなれば、白亜地・石膏地(吸収地)に近くなります。それによって、使用する絵具を決めなければなりません。
 亜麻仁油の比率が多く、油性地(非吸収地)に近い地の上に、脱脂性(油・樹脂が入っていない)のテンペラ絵具で描くのは疑問です。又、亜麻仁油の比率が少なく、白亜地・石膏地(吸収地)に近い地の上に、油絵具で描くのも疑問です。


半吸収性地

murazero さんのコメント
 (2000/6/25 02:31:28 -
Web)

自分は、胡粉を膠水で溶き、日ざらし亜麻仁油を加えてつくった下地に油絵具で描いています。
亜麻仁油の割合を変えて油の吸い込みを調節できますが、描画に使う亜麻仁油とペトロールの混合率で描き心地がかなり違ってきます。
ぺトロールが多いと、hikaruさんのおっしゃるように顔料だけが表面に残り、支持体に食いついていきません。次に絵具をのせるときに筆でこすれてきます。それではと亜麻仁油をあんまり多くして描くと、そこで油の膜が一層出来てしまい、半吸収性下地が持つ独特の描き心地を最初の段階でそこねます。油地と変わらなくなってしまうのです。
実際には描かない方ですが画材商である人に「吸収性下地は柔軟性に欠け、もろいのではないか。仕上がりがマットでありたければ最終的にマットメディウムで仕上げればいい」と言われたのですが、自分の場合、表面上の色艶よりも、制作それ自体に関わるところが多く、将来どうなるかという実験台もかねて続けている状態です。
半吸収性下地は油も混合するため、吸収性下地よりも白色の度合いは落ちます。亜麻仁油の割合が多いほど麻地を透かす白になるわけですが、最初はそのまま描いていました。薄塗りで明るい色を出す人は気になる暗さかもしれません。今はチタニウムホワイト粉末を混合しています。少量でも効果があり、充分な白さを得られます。


吸収性下地・ 半吸収性下地

hikaru さんのコメント
 (2000/6/25 02:32:09)

 murazero 様
〉実際には描かない方ですが画材商である人に
〉「吸収性下地は柔軟性に欠け、もろいのではないか。
〉仕上がりがマットでありたければ最終的にマットメディウムで仕上げればいい」
〉と言われたのですが、

 確かに吸収性下地は油を含まないので柔軟性に欠けます。
 キャンパス張りの状態で吸収性地塗りを厚く塗り過ぎますと、脆く亀裂が入りやすくなります。そうならない様に、吸収性地塗りは薄く塗らなくてはなりません。刷毛塗りする時は、水の割合を少し増して薄く塗るか、叉は、薄めないで少し厚めに塗っておいて、膠が固まらないうちに、ヘラか文房具の下敷きなどを使ってかきとってしまうか、などして薄い状態にしなければなりません。
 吸収性下地は、キャンパス張りよりも板を使用した方が良いのではないかと思います。
 板を使用すれば、柔軟性は関係なくなります。

 支持体は、柔軟性があるよりも硬い方が良いと考えています。
 支持体の上に、下層描き(テンペラ、叉は、樹脂・油の少ない油絵具層)、その上に上層描き(樹脂・油の多めの油絵具層)が載っていきます。硬い物の上に、少しづつ柔軟性を増した物が載っていくという構造になります。それで安定すると思うのです。

 吸収性下地は、テンペラ・油彩(艶あり、艶なし)が可能で、絵具の発色がとても良いです。

 半吸収性下地は、鉛白1:石膏1:膠水1:ブラックオイル1(亜麻仁油を一酸化鉛で加熱処理したオイル)の割合のものを作って、油絵具で描いたことがあります。少し吸収性が強過ぎて描きずらかったです。
 ブラックオイルの割合を2にすれば良かったのかもしれません。
 鉛白と油を混合したため、吸収性下地よりも白色の度合いは落ちました。


半吸収性下地

murazero さんのコメント
 (2000/6/25 02:33:44 -
Web)

hikaruさん
まったくそのとおりです。
大学1年生の半吸収性下地つくりはじめのころ、かなり層が厚くなってしまいましたが、当時の先輩にはこの下地でかなり厚いマチエールをつける方もいて「けっこう大丈夫なものだなー」と横目で見て勝手に安心しておりました。
数年後、公募展に出した作品の一部がほんのわずかながら真っ白に浮いて見えました。よくみると、マチエールの高い部分がこすれて下地の表面ごと絵具層が落ちてしまったようでした。いやー、補筆しました。誰かが触らなければ問題なかったんだ、と言う友人もいましたが、そんな故意に削ったならともかく、ちょっと触ったぐらいで絵具がとれる油絵は問題でしょう。
下地の厚さが、絵具や展色剤がしっかりくいこめる程度ならば、リンシードの吸い込みで補強されるはずが、絵具のしみない下地層が多かったんでしょうね。それからはなるべく薄い、均一な下地層をつくるようにしています。

半吸収性下地の絵は柔軟性がないので巻けない、という記述があったので、実際に巻いてみました(気に入っている絵には間違ってもできないことですが、当時は本当に失敗続きだったので)。
厚めの下地にぺトロール多めで薄塗りした絵は巻くそばから剥離しました。しかし、リンシードを多めに仕上げた絵は、巻いて2年経っても特に変わりは見えません。ただし、この絵はリンシードが多すぎて半吸収性下地のよさが制作中楽しめなかった覚えがあります。最終的にリンシードが強度を高めて完成することを計算してちょうどよく描けるといいのですが。
自分自身の実験ではここ10年のデータしか得られないわけで、堅牢性についての確実な具体例は手に入らないという気もします。文献は貴重ですね。

板にも描いてみました。ただ大作の場合重くなるので、ハニカムボードを使ってみました。構造的には丈夫ですが、表面は結局はベニヤ、中の蜂の巣構造はなんとダンボール。不安で1回でやめました。結局、大作はキャンバスで描いています。良質な板だったら小品にはいいですね!筆をしっかり受けとめてくれる板の描きごこちはいいものです。


支持体と地塗り (2)」へ続く。


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