フジミ模型 1/100 出雲大社完成
フジミ模型の1/100 出雲大社、完成しました。
出雲大社
汚しを入れ過ぎて暗くなってしまったのが反省点です。説明書指定のカラーより明るい色を塗ってからウェザリングするとちょうど良くなるかと思います。指定色はウッドブラウンでしたが、神社建築は白木で建てられることが多いので、タンや甲板色でスプレーした後に、ウェザリングで経年の黒ずんだ感じを出すと、リアルな状態に近いのであろうと思います。あと、銅の腐食した状態をどれくらい緑に寄せるかというのも気になるところですが、今回はゴールドとオリーブグリーンを交互に吹いてごまかしました。このあたりは、遷宮からどれくらいの年数が経っているかによって、見た目がだいぶ変わるかと思います。実際の色を再現するだけでなくて、形態を認識しやすいような、教材的な塗装というのも探ってみたい気がします。

建築写真集や論文、古代史の書籍、出雲大社に関するDVDなど、いろいろ見ながら制作したので、とても勉強になりました。ただ勉強すると頭に入ってこないような部分も、模型を作りつつやると頭にするする入ってきて、しかも忘れ難いというのを感じます。あとは現地で実物を見られれば文句なしですが、今は個人的な旅行は控えて、模型で代替えしておこうかと思います。
出雲大社
非常に大きなキットなので、時間がかかりました。もっとも、このくらいのサイズ感がないと、出雲大社ではないという気はしますが。写真では伝わらないと思いますが、実物が目の前にあると、すごい迫力があります。キットは細かいところまで再現されており、説明書は部材の名称まで解説されていたりと、日本建築の勉強になりました。このキットの原型制作者はさぞかし研究の上で作られたのでありましょう。とはいえ、模型に関しては、今後は控えめなサイズのものを買おうかな、という気分です。

4枚目は1/100薬師寺東塔との比較です。
出雲大社
出雲大社の檜皮葺屋根の厚さが際立ちます。

| 史跡・古墳・名所等 | 11:22 PM | comments (0) | trackback (0) |
出雲大社 制作記1
目下私は春休み的な状況下にあり、いろいろ学ばねばならぬことが多々あって、せっせと勉強に励んでいるのですが、現在はフジミ模型の1/100出雲大社を組み立てております。なかなかこれが感動的なくらいに勉強になります。神社建築の各部の写真など、かつてこれほど熱心に観察したことはありませんでした。ちなみに昨日は『NHKスペシャル 遷宮 二つの遷宮 ~伊勢と出雲のミステリー~』というDVDを見たほか、ちょっとむつかしい学術的な本も注文してあります。

それにしてもこの出雲大社、1/100スケールということもあって、パース数、パーツの大きさ共に未だかつてないくらいのサイズ感です。1/100興福寺五重塔のもけっこう大きかったのですが、各パーツのサイズはさほどでもなく、上方にスリムに延びてゆく塔であったので、あまり大きさは強調されていなかったわけですが、それと比較すると出雲大社というのはやはり巨大さが際だっております。ある程度割り切って、さくさく進めていかないと途中で挫折する予感がします。というわけで、色に関してはあまり深く考え過ぎずに基本的に説明書の指示に従うことにしました。
↓はマニュアルの指示に従ってウッドブラウンをスプレー缶で吹き付けたころです。
出雲大社
大社本殿の写真を観察すると、元は素木で作られたものが経年によって黒ずんでいるように見えますので、甲板色のような明るい色を塗り、その上にウェザリング塗料を何度も重ねて経年色を表現すると実物に近くなるのでは、という考えもあったのですが、何しろ表面積のあまりの大きさの為に全体を丁寧に処理するのは難しいだろうと断念しました。スプレー缶1本でこのくらい塗ったので、無事塗り終われたかと安心していたところ、屋根の下部に当たる大きなパーツがいつくた残っていた事に気がつきました。1本で足らなかったというのはなかなか衝撃です。

出雲大社
台座部分はプラスチック感を緩和する為にタミヤの「情景テクスチャーペイント 路面ライトグレイ」を数回塗布した上で、ロイヤルグレイを吹いた後に軽くウェザリングをしました。本当なら、ブライブラッシ技法にて各石などの色味を変えてゆきたいところなのですが、面積が大きい為にここは妥協して、この程度に留めておきたいと思います。

力を入れるべきは、出雲大社の大きな特徴とも言える檜皮葺の厚い屋根でありましょう。パーツには檜皮葺のモールドが彫られてあり、これに塗装するだけでもいけそうではありますが、ちょっと年数の経った檜皮葺特有の柔らかみの感じられる表情を極めたいと思い、「情景テクスチャーペイント 路面ライトグレイ」を何層も塗ってみました。
出雲大社
しかしパーツの接着部分の隙間がどうしても凹んでしまうので、タミヤパテを注文したところです。ここの美しさが出雲大社最も重要な部分ではないか、そして実際の遷宮の際などにも重要な部分になるところではなかろうか、と思うようになってきたのですが如何でしょう。

| 史跡・古墳・名所等 | 11:17 PM | comments (0) | trackback (0) |
フジミ模型 1/150 慈照寺銀閣寺 制作記4(完成)
銀閣寺、完成しました。
フジミ模型 慈照寺銀閣寺
屋根頂上の鳳凰が付いてませんが、すぐに取れてどっかに行ってしまいそうなので、まだ付けておりません。通常のプラモ用接着剤ではなくて、エポキシ接着剤など準備して、他のキットの鳳凰などと共に一斉に取り付けようかと考えております。建物の周囲は、ネットで検索した画像などを参照しつつ、あとは自分のイメージを加えて処理しましたが、確認できない部分が多くて、ほとんど想像です。特に池の手前あたりは、上空から俯瞰した写真で確認したかったのですが、人の目線からの写真が多くて、どうなっているのかわからず。しかし昨日、宮城県美術館に行ったついでに図書室で、学研の日本美術全集第15巻「北山、東山の美術」を閲覧したら、周囲の状況がはっきりとわかるような上空からの撮影の写真が載っており、不明瞭だった部分がすっかり判明した次第ですが、今となっては手遅れであります。最近よく出入りする図書室にはたまたまなかったので、見逃してしまっていたのでしょう。何か日本美術全集が欲しいなと思っているのですが、候補がいくつかありまして迷っているところで、今回ちょっと学研版に心が傾いております。それと、庭に小木が上えてあるような感じにしたかったので、Nゲージジオラマ用に販売されている「KATO 日本の紅葉 ラージプランツ こきひ(深緋)」、同じく「こんじき(金色)」をくっつけてみました。このような製品を利用するのも初めてですので、なかなか楽しかったです。池の水面は、クレオスの日本機コックピット色を塗った上に、スーパークリアIIIを塗っただけです。レジンを流すとか、Nゲージレイアウト用の水面材料なども検討しましたが、ここに時間をかけても美術史の学習にはならないので、最も手短にできる方法と思ってこんな感じになりましたが、結果は意外と悪くないような気がします。

初層の屋根を取れば中を見られるようにと、接着はしておりません。
フジミ模型 慈照寺銀閣寺
この状態だと初層に八畳と六畳の部屋がみられますが、一応、資料を参照しつつ塗装したつもりだったのですが、どうも誤解があったようで、八畳の方は板敷の仏間が正しいかもしれません。塗り直したいところですが、それなら階段や勝手口近くの小部屋、仏間の仏壇なども再現したくなりそうではあります。いずれにしても、リベンジ戦は銀閣再訪を実現してからの方がよろしいでしょう。今回はここまで勉強できれば充分と考えて、次に進むとしましょう。

| 史跡・古墳・名所等 | 09:32 PM | comments (0) | trackback (0) |
フジミ模型 1/150 慈照寺銀閣寺 制作記3
本キットの土台パーツはたいへんシンプルな作りなのですが、ここは加工のやりがいがありそうな部分ですので、いろいろ工夫してみたいと思います。
フジミ模型 慈照寺銀閣寺
銀閣の池と言えば、池に並んでいる石も重要であり、名前のついている石もあるくらい重要です。それは銀閣に限ったことではないですが。土台パーツの池は非常に狭い面積しかないので、有名な石はないのであろうと思いますが、池の手前には石が並んでおりますから、これくらいは再現したいと思います。写真等を見ましたが、斜めから撮影されたものが多くて、どのように並んでいるかは判然としなかったので、適当に作ってみることしました。

樹脂粘土(モデナ)を小さく丸め、彫刻刀をヘラと代わりにして、それっぽい形に加工。ベースに接着しました。
銀閣寺
接着剤には、プラモデル用の接着剤(アセトン等でプラを溶かして接合するもの)を使用しましたが、モデナが着くかどうか不明でありましたが、しっかり食いついております。なお石かコンクリートの舗装かと思われる部分は、タミヤの情景テクスチャーペイント「路面 ライトグレイ」を塗布。

サーフェイサーを吹いておきました。
銀閣寺

そこから、タミヤの情景テクスチャーペイントの各種を駆使して、建物の周りを装飾してゆきます。
銀閣寺
「土 ブラウン」、「土 ダークブラウン」、「砂 ライトサンド」を微妙に混ぜながら変化を付けつつ塗ってゆき、そこに「草 カーキ」などを載せていく感じです。ジオラマ初心者なので、練習のつもりでやっております。石の部分は、ウェザリングした後に、ホワイトと黄土でドライブラシして、さらにウェザリングしております。

さて、本体の1階部分は、戸を開いた状態の壁面が多く、内部もちょっと見えるようでしたので、床が畳であることが表現されていなければならぬと思います。銀閣1階には八畳と六畳、二畳の畳部屋があるのですが、床面全体に畳が敷かれているという日本の住宅建築の基本と言えるこの状態の初期の例のひとつかもしれないので、ここをおろそかにはできません。模型を楽しんで遊んでいるわけではなくて、あくまで勉強の為にやっているので、おろそかにはできないのです。模型も楽しんでいるので、一石二鳥なのでありますが。甲板色(素木の板っぽい色)のスプレーがあったので、それを吹いたあと、ウェザリングカラーのフェイスグリーンを塗って、綿棒で荒く擦り取って、畳的な色になるようにしてみました。
銀閣寺
畳の耳の部分は鉛筆で描くという、いい加減なものですが、おそらく屋根を載せたら暗くてそんなにはっきりは見えないでしょうから、こんなもので充分であろうかと。

このような感じで内部の構造も、ある程度再現されております。素晴らしいキットであると言えるでしょう。
銀閣寺
ある程度の大きさがないと、建物の構造等の勉強にはならないかと思っていたのですが、このサイズでも充分かもしれません。銀閣の平面図や立面図をこれほど眺めたことがあるでしょうか、ふつうはない。それと、このサイズなら置く場所に困らないでしょう。

学生時代の4年間、銀閣の比較的近くに住んでいたというのに、その頃まるで関心がなかったのは残念なことですが、そこに関心が向かうまでの知識というのは数年で得られるものではないのでありましょう。もっともまだまだ知識は入り口に入ったに過ぎないので、読み続けておりますが、なかなか追いつかないところです。集英社の「日本の歴史」シリーズも読んでいたのですが、まだ平安時代で止まっていますし、先は長いのですが、洋の東西のバランスも取りたいので、そっちも読んでおるのですが、なかなか進まず。

| 史跡・古墳・名所等 | 11:54 PM | comments (0) | trackback (0) |
フジミ模型1/100出雲大社(御本殿)入手。
フジミ模型1/100出雲大社御本殿を入手しましたが、びっくりするぐらい大きい。
出雲大社
宅配の人も、なんか大きいものが...と言いながら、運んできました。こんな大きなプラモデル買ったことがあったであろうか。少年時代にタミヤのRC、ワイルドウィリスを買ってもらって以来ではなかろうか。出雲大社に行ったことはないけれども、1/100でこのサイズというのは、よっぽど大きいのであろう。中のパーツを見ると、1/100薬師寺東塔など比べると、その巨大さに改めて関心するところです。1/100で製品化しようと企画した人は大変良き判断をしたと言えるでしょう。模型のパーツを見ただけで、なんという凄さであろうかと、出雲大社への畏怖の念がわき起こって参ります。ちなみに写真にちょっと写ってるのは1/150銀閣寺の箱です。

例によってどんどん調べながら作ってゆきたいと思います。この前は『日本名建築写真選集(第14巻)伊勢神宮・出雲大社』に目を通した話を書きましたが、今回は瀧音能之(監修)『図説 日本人の源流をたどる!伊勢神宮と出雲大社』(青春新書)を読みました。実は新谷尚紀(著)『伊勢神宮と出雲大社 「日本」と「天皇」の誕生』(講談社学術文庫)の方を読もうと思っていたのですが、内容が難しかったので、先にもっと一般向けの図書で勉強せねばと思って、易しいそうなものを注文して読んだ次第ですが、大変わかりやすかったです。出雲大社の話ではなくて、伊勢神宮と対比して書かれてある本を読むと、なかなか興味深いところであります。いつの日か、出雲大社を訪れることができるといいのですが、その機会はじっくり待つとして、今はその為の知識を蓄えるとしましょう。

ついに物置用の本棚が完成したので、大晦日は当分読まないと思われる本をせっせと移動しましたが、本は重いですな。二階に居る者としては、これは部屋に置いておくのはあかんなぁと改めて思いました。
本棚
これは、なんか、あと二つくらい物置用本棚作りたいところです。

| 史跡・古墳・名所等 | 12:11 AM | comments (0) | trackback (0) |
フジミ模型 1/150 慈照寺銀閣寺 制作記2
フジミ模型の銀閣寺、製作開始しました。

さて、前回も述べた通り、キットの屋根には縦線のモールドがありますが、こけら葺きの場合は横線になるかと思われましたので、耐水ペーパーで削り落としました。
銀閣寺
これに改めて横線を彫り込むという手もあるのですが、かなりの手間になるので断念し、経年劣化してこけら葺きの線が見えなくなった状態を再現するという方向でいくことにしました。その方がらしく見えるかと思います。
やや形が不鮮明になったような状態を表現するため、まずは、タミヤの情景テクスチャーペイントの路面ライトグレイを塗ります。
銀閣寺
刷毛で何回か繰り返し塗布しました。このテクスチャは経年檜皮葺の屋根でも使用しましたが、数十年ほど経ったものは、遠目にはこけら葺きと檜皮葺は、似たような感じに見える、あるいはなんとなく似ているけれども、こけら葺きは檜皮葺ほどは乱れない、檜皮葺は古くなると草やら苔までも生えてくる、というような印象なのですが、しかし私の伝統建築屋根観察は最近はじめたばかりなので、まだまだ勉強不足であります。
今はそれはともかく、このテクスチャの上に色を塗ろうと思いまして、画像検索して銀閣の屋根の写真をたくさん見たのですが、天候や時間帯等の条件によって色がかなり変化し、何色を塗ったらよいか結論はでませんでした。葺替えからの年数でも変わってくるかと思います。黒く見えることもあるし、灰色でもあるし、赤っぽいときもあるし、時には銀色に輝いて見える写真もありました。というわけで、それらの色をちょっとずつ缶スプレーで吹いてみることにしました。
銀閣寺
これは我ながら微妙な出来映えであり不満もあるのですが、この後の壁などとの組み合わせで印象が変わってくるであろうから、あまり考え過ぎずに次にゆきましょう。

次に壁のパーツにかかりますが、スケールが小さいこともあって、木と漆喰、障子等が分かれていないので、自分で塗り分けないといけないようです。そこでまずは全体をつや消しの白でスプレー、ちょっとだけ灰色もスプレーして落ち着いた彩度に調整しました。
銀閣寺

それから白部分にタミヤのマスキングテープを貼ります。白部分は説明書の塗装解説に指示されてあります。
銀閣寺
地味に大変な作業ですが、タミヤのマスキングテープが扱いやすくて、ついつい夢中でやってしまうようなところがあります。

マスキングが済んだら、全体にウッドブラウンをスプレー。
銀閣寺
一般に銀閣寺からイメージされる色よりも、明るめに塗装しました。これも写真を見ると、日照条件などで、色がころころ変化しているので、なんとも言えません。模型のパッケージの写真だと、ほぼ黒という印象ですが、光量が多いときには、だいぶ木の質感がしてきているように見えるので。というわけで、明るめの木の色調で塗装した上に、ウェザリングで暗い色を表現していくことにします。

まずは全体にMr.ウェザリングカラーの「マルチブラウン」を塗布します。
銀閣寺
さらに二階の壁は同じくMr.ウェザリングカラーの「マルチブラック」で塗り重ねます。銀閣寺の二階は黒漆塗りだった可能性があり、その話をすると非常に長くなりますが、たいへん有力な説だと思われます。現在の状況を模型レベルの視点で観察するのは難しいですが、ちょっと黒いようにも見えます。ちなみに軒下部分の構造物には豊かな彩色もあった痕跡も見られるようです。

ウェザリングを綿棒で丁寧に拭き取ってから、マスキングテープを剥がしてみました。
銀閣寺
うまく言っているのかどうか、緊張する場面ですが、あんまり上手くいってるようでもありませんが、まぁ、こんなものでしょう。
銀閣寺

どうも、この調子だと年内の完成は無理そうです。

| 史跡・古墳・名所等 | 10:06 PM | comments (0) | trackback (0) |
フジミ模型 1/150 慈照寺銀閣寺 制作記1
再販されたようなので、さっそく購入してみました。ドナルド・キーンの足利義政を読んでから、自分の中ではなかなか重要な日本建築のひとつとなっておるわけですが、実は銀閣は2、3度訪れたはずなのですが、いずれも何もわからずに見ていただけだったのだけれども、今なら銀閣だけでも2時間ぐらい語ってしまえるような気がします。いずれまた行ってみたいと思うのですが、しゃべりすぎるといけないので、次は一人で行くべきですな。

さて、到着したキットですが、税込定価1760円のプラモデルだったのですが、けっこうミニサイズでした。
フジミ模型 慈照寺銀閣寺

パーツ構成は以下のようになっております。
フジミ模型 慈照寺銀閣寺

古い金型なのか、バリが凄いので、ランナーについているうちに目立ったバリはナイフで処理しておきましょう。
フジミ模型 慈照寺銀閣寺
パーツ数は少ないのですが、少ないだけに、色の塗り分けは大変そうです。障子や漆喰等の白パーツは分離していないので、自前で塗り分けが必要です。しかし、自分で塗り分けるということは、実際の建物をよく観察することにも繋がるということで楽しみであります。

屋根はこんなふうです。
フジミ模型 慈照寺銀閣寺
銀閣寺の1階の屋根は東西と南北で勾配が異なるという特徴があるのですが、しっかりと再現されております。また二階の縁の幅も東西と南北で違うのですが、それもしっかり再現されております。素晴らしい。しかし、屋根の凸モールドが縦方向の筋になっておりますが、銀閣の屋根はこけら葺きなので、実際には横方向になるかと思います。これはヤスリで削り落とし、経年のコケラ葺きます。ちなみに、創建当初は二階の壁は黒漆であり、一部鮮やかな彩色があった可能性がありますが、そのあたりについて読みつつも、ひとまずは現状の再現を目指して塗装したいと考えております。

基礎の部分といいますか、ベースのパーツはこのようになっています。
フジミ模型 慈照寺銀閣寺
よく見ると池に相当する部分も含まれているようです。池の縁には現在も石が並べられているので、粘土か何かでそれも再現したいところです。

今回の模型作りにおいて、精神面ではドナルド・キーン、技術面では『日本名建築写真選集』をベースとしてやっていこうと思っておりますが、随時図書など探しながら調べていこうと思います。

| 史跡・古墳・名所等 | 11:34 PM | comments (0) | trackback (0) |
フジミ模型「清水寺舞台」 1/400 制作記 その2(完成)
前回の続き、清水寺後編です。

まずはベースとなる地形のパーツですが、マスキングテープを駆使して、缶スプレーでこのように塗り分けてみました。
清水寺舞台
土や砂、岩と思われる部分はライトランド、石畳の舗装部分はロイヤルライトグレイをスプレーしました。その際、タミヤの模型用のマスキングテープを買ってみたのですが、これが様々な形状にフィットして貼れるという優れたマステでありまして、これさえあれば、もうマスキングゾルすら要らないのでは無いかと思ってしまうほどです。普段、美術の授業で使用している教材用カタログのマスキングテープとは随分性能が違うものですな。

概ね塗り分けたところで、ウェザリングカラーを使って、汚しを入れていきます。
清水寺舞台
クレオスのウェザリングカラーすっかり気に入ってしまいました。油絵具に近い塗料みたいですね。色調の違うもの3種ほど使って塗ったり拭き取ったりして調整してゆき、それから崖部分はさらにMr.ウェザリングペーストのマッドイエローもドライブラシ的に使用してみました。

木材構造部分のパーツは甲板色をスプレーして、それからやはりウェザリングカラーでウェザリングして、最後に定着の意味も含めて、つや消しトップコートををかけました。
清水寺舞台
舞台の足場はウェザリングをあまり拭き取らずにやや黒めにしておきました。

さて、地形に対して諸々のパーツを接着していくわけですが...
清水寺舞台
これは、けっこうカッコいいかもしれない。

というわけで、全てのパーツを組んで完成となりました。
清水寺舞台

少しずつプラモデルの技法に慣れるよう工夫はしてきましたが、まださほど技術はついてはおりませんが、そろそろあれですな、美術史的に非常に興味深い仏教建築である「金閣寺」に挑みたいところです。事前調査の為に様々の論文を読んでおりますが、あと何か3冊くらい目を通したいところです。さらにフジミ模型のwebサイトを見ていたら、銀閣寺も再版される模様です。

| 史跡・古墳・名所等 | 10:22 PM | comments (0) | trackback (0) |
童友社「小田原城 1/350」制作
童友社のお城シリーズを買ってみました。小田原城、松本城、安土城、岐阜城の4つです。
童友社「小田原城 1/350」
機会があれば、他のお城モデルも買ってみたいとは思いますが、ざっくりと大きさの比較もできるように、スケールは1/350前後で統一して買い求めていこうかと思います。というわけで、試しに一個作ってみる的な感じで、小田原城からはじめてみようと思います。

箱を開けてみると、現代のプラモデルとはまた違った雰囲気のオーラが感じられます。古い金型を駆使しつつも継続して販売してくれてることはありがたいことなので、パーツの精度などに文句を言ってはなりませんが、しかし樹木のパーツは、ちょっとさすがに使用を躊躇せずにおれません。
童友社「小田原城 1/350」
youtubeでベテランモデラーの姫路城制作動画を参照したら、うまく加工して利用しておりましたので、手間を惜しまなければ化けるとは思うのですが、強度的に丈夫なものは作れそうにないですし、今回は木は付けないという方針でいきたいと思います。

というわけで、木を取り付ける筈だった箇所の穴を、エポキシパテで塞ぎ、ヤスリをかけました。
童友社「小田原城 1/350」
妙な形状ですが、現在の小田原城天守の西側は土が盛ってあり土手みたいになっていますが、それを再現したパーツでありましょう。

ちょうど、タミヤの情景テクスチャーペイント[草 グリーン]が届いたところなので、全体に草が生えてる感じにしてみようと思います。
童友社「小田原城 1/350」
塗ってみたら、色がけっこう派手と言いますか、人工染料的な色合いで驚きました。

これはダメだなと思ったのですが、乾燥したら艶が引いて、いかにも牧草みたいな草らしい感じになっております。
童友社「小田原城 1/350」
さすがに1/350スケールには不自然な大きさの草ですね。1/35なら自然なサイズの繊維かと思います。それと、うまく草を立てる方法もあるようです。さらに、まるで牧草地のように全面に塗るというよりは、土とか石などのテクスチャーと混在させることによって、より自然な感じになるかと思います。

石垣ですが、クレオスのMr.ウェザリングカラーという商品が届いたので、それを試してみることに。
童友社「小田原城 1/350」パーツのモールドが浅くて、うまく拭き取るという感じにはいかなかったのですが、とりあえずはこんなものですかね。何しろプラモ初心者ですから、あまり深く考え過ぎずにとりあえず試してみるというくらいに考えてやっております。

というわけで、こんなふうになりました。
童友社「小田原城 1/350」
建物部分はパーツの噛み合わせも良好で、城モデル初心者にはちょうどいいキットだったのかもしれません。強いて言えば、たくさん開いている窓から、向こう側の窓からの光が見えて、いかにも中が空洞なのがわかってしまうのが難点ですが、たぶん城モデル全般の問題なのでしょう。窓は塗装前にプラ板でも貼って塞いで置いた方が良さそうです。瓦屋根をウェザリングとかドライブブラシとかやりたかったのですが、この窓ではリアルさは追求できぬと思って、モチベーションも下がったので、本模型はここで終わりにしたいかと思います。城模型の練習、プラモデル用の特殊な塗料を試してみるという目的は達したので、よろしいとしましょう。特にウェザリングのテクニックは、既に制作した仏教建築模型に施したいところなので、上手くなりたいところです。

さて、現在の小田原城は鉄筋コンクリート造りであり、プラモデルの方もそちらを再現しておりますので、天守に上って展望するためのフェンスも付いております。今の価値観であれば、天守再建も、模型の方も、往時の姿を再現したくなるところなのですが。しかし、そもそも我々が戦国の城としてイメージする平城の天守というのは、安土城以降と考えると、戦国末期から江戸時代に入ってからのものであるわけで、意外と新しいものです。この小田原城も秀吉が攻めた小田原城とは全く違う姿であったことかと思います。その辺を読んだりしながら作ると面白いでしょうなぁ。

| 史跡・古墳・名所等 | 07:21 PM | comments (0) | trackback (0) |
フジミ模型「平等院鳳凰堂1/150」制作記2(組み立て終了)
瓦葺きの屋根ですが、缶スプレーにていつもより明るめにベースの色を塗りました。
平等院鳳凰堂
この塗装の上に、エナメル塗料を希釈して流し込むように暗い色を重ねていこうという計画です。

そんなわけで、瓦屋根に使えそうなエナメル色を数種類購入していたのですが。。。
平等院鳳凰堂
とりあえずは、フラットブラックを中心にブラウンを少量混ぜたりしながら、流し込んでみたのですが、まぁ、初心者ですから、なかなか上手くはゆきません。色や溶剤を調合する際に、調色スプーンやスポイトが必要であると知って、それらを注文しました。毎回いろいろ手法を変えながらやってみるということは大事だと思います。

せっせと組み立てます。
平等院鳳凰堂
1/150モデルだと肘木のパーツもこのくらい簡略化さてくるのですな。

朱壁を明るく塗りたいと思っていたのですが、成形色がダークブラウンである為か、明るめのスプレー缶をいくら吹いても、なかなか明るい色に到達してくれず、無駄にスプレー缶のゴミを発生させてしまっている気がします。このような場合、事前にサーフェイサーというものを吹かないといけないということを知り、ホワイトおよびライトグレーのサーフェイサーを注文しました。

一応、組み上がりました(頂上部の鳳凰は後日、瞬間接着剤を入手してから取り付けたいと思います)。
平等院鳳凰堂
う~ん。どうも全体の色味が気に入らないように思います。木材部分はもうすこし朱色っぽくしたい。瓦屋根はドライブブラシ技法などを使ってもうちょっと本物らしくしたい。全体的にウェザリングを施したい。という考えはあるのですが、材料がまだ揃ってないし、ここまででも充分楽しかったと言えるでしょう。色を考えるだけでも、資料を参照してみたりするわけで、美術史的な知識が勢いよく増強されていく感じがするわけで、それが特に充足感となっているような気がします。さらにもうすこし時代や様式のことなる模型に挑戦してみたいところです。

| 史跡・古墳・名所等 | 09:58 PM | comments (0) | trackback (0) |

↑上に戻る↑  : 古い記事>>
累計
本日、昨日 集計結果
  
■NEW ENTRIES■
■RECENT COMMENTS■
■RECENT TRACKBACK■
  • 昔のキャンバスの木枠は意外とシンプルだったのか?
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■PROFILE■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■
■LOGIN■
現在のモード: ゲストモード
USER ID:
PASSWORD: