2017,11,12, Sunday
先週の連休中に東京に行ってきました。画材にまつわる場所を訪れてきましたので、まとめてご報告したいと思います。
まず初日は鳥越一穂氏(http://torilogy.net/)の紹介により、春蔵絵具さん(埼玉)を訪問させて頂きました。 春蔵絵具さんについての詳細は以下を参照ください。 HARUZO絵具 -日本で一番古く一番新しい油絵具- http://www.haruzo-enogu.com/ 春蔵絵具さんはNatural Pigments社の顔料を使った油絵具『ヴィーナス』を製造・販売していますが、私は昨年、ヴィーナスホワイトとグレープブラックを購入して愛用しております。 ![]() まだ一部の色しか購入しておりませんが、とくにグレープブラックは気に入っております。今回、製造に関する工夫などのお話を伺うことができました。 翌日はこれもまた鳥越さんの紹介で、アトリエラポルト(東京) http://laporte.suppa.jp/を訪れました。 ![]() 写真からわかるとおり、カーテンで仕切れられており、それぞれモチーフと照明があるという、素晴らしい環境です。これもまた大変勉強になりました。また、材料や道具類なども洗練されております。私もできることならこのような環境で絵画を勉強したかったです。 最後に、鳥越さんと収録したラピスラズリの動画を通じて最近交流ができ、ブログにコメントもくださっている吉川聡氏の作業場(神奈川県)を見学させてもらうことができました。神奈川ということもあって、滞在時間が限られていたのですが、ラピスラズリ抽出に関する様々な道具類を見て、そしてその他の顔料について貴重なお話を聞くことができました。 特に驚いたのはウェルドです。 ![]() 植物染料の黄色と言えば、日本ではキハダやカリヤスなどがメジャーなところだと思いますが、西洋絵画ではウェルドです。サフランの方が有名ですがあれは少ししか採れないので、やはり主力はウェルドだと思います。が、本で読むだけで実物の顔料を見たことはありませんでした。種を入手してまいてみたことが何度かあるのですが、いずれも発芽に失敗して断念しました。そもそも絵画材料に興味がある方々もウェルドの存在自体知らないことが多いのですが、まさかウェルドについてお話を聞けるとは思っていませんでした。また、同じ染料系であるコチニール顔料もあり、これは実は私も某所から購入して使っていたのですが、それはレンブラントなどバロック期の赤を求めて使っていた的なところなのですが、そちらの製法についても貴重なヒントを多数頂きました。1時間半くらいしかお話できなかったのですが、私としてはかなり重大な情報でした。もっといろいろ聞きたかった、とも思うのですが、しかし、今回頂いたヒントでまずは自分で試行錯誤してみたいと思います。せっかくの機会なので、ウェルドの発芽はもういちど挑戦してみたいと考えています。その他、ウォード、サフラン、キハダなど染料になる植物を植えまくっているのですが、今後はまとまった数になるように工夫してみたいと思います。 というわけで、大変楽しい旅でした。訪問先の皆様、その節はありがとうございました。 |
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