2020,07,25, Saturday
ドナルド・キーンの日本文学の歴史、古代・中世篇4を読了。2、3巻も注文しているのだけれども、なかなか届かないので、先に届いた4巻読むことになってしまったが、本巻は新古今和歌集と軍記物がメイン。大変勉強になりましたが、本シリーズが「古代篇」、「中世篇」と分かれておらず、「古代・中世篇」という括りになっているのは、古代(古典)と中世が平行進行みたいな状況なのですな。そしてかなり遅れて届いた古代・中世篇2も読了。古今和歌集、及びその後の勅撰和歌集、土佐日記他の日記文学類を扱うが、なかなか情報量の多い巻でありました。古今集と新古今集の間の勅撰和歌集というものを気にしたことはなかったけれども、改めて解説を読んでみると、なかなか興味深いものがあります。現在の勤め先の図書室は立派なところなのだけれども、日本文学の棚を改めて見てみると拾遺集、後撰集なども揃っていて、これはちょっと空いた時間に少しづつ目を通してゆきたいところでありますが、今までタイトルすら気にしなかった部分が気になるというのはいいことであります。日本古典全集や日本文学全集の背表紙を見るのが非常に楽しくなっているところです。
その他には関裕二(著)『神社が語る 古代12氏族の正体(祥伝社新書)』を読む。導き出される結論が創造的過ぎて途中でついていけなくなって、もう読むのやめちゃおうかなと思いつつ、しかし途中の推論の過程に出てくる説明は為になる話が多くて、ついつい読んでしまいます。勢いで同著者の『仏像と古代史 ミステリー案内』という本も読んでしまいました。読んでて面白い、というのは認めねばなるまい。 |
2020,07,18, Saturday
ロイヤル・オペラ グレート・パフォーマンス(32CD)コヴェント・ガーデン王立歌劇場ライヴ1955~1997聴了
1年半前にナクソスミュージックストアにて3640円で買った32枚組のCD BOXセットでしたが、最近ようやく聴き終えました。英国のロイヤルオペラで演奏された様々の作曲家のオペラ12曲が納められて32枚組、そして紙ケースの格安販売品なわけで、オペラもデフレ感がすごいと思ったものですが、今年に入ってから激安の輸入盤が急に少なくなって、新型コロナの混乱か、それともストリーミング配信が定着して物理CDの時代がいよいよ終焉を迎えたのか。いずれにしても私としては、通勤に片道1時間かかるので、その間に車載オーディオで聴いているわけですが、一部繰り返し聴いてみたり、それからコロナ自粛期間でブランクがあったりなどして、なかなか進まなかったわけですが、ふと気がついた最後の1枚を聴き終えておりました。改めて振り返ってみると、初め頃に聴いた演奏の印象はすっかり忘れてしまってるのですが、最も印象に残っているのはパルジファル(サー・レジナルド・グッドール指揮、1971年)であります。このパルジファルは素晴らしい。むしろ私はこのCDによってパルジファルの魅力に気がついたと言えます。こんなにいいものだったのか。以前はワーグナーの曲の中でも、あまり聴いてこなかったのですが、今では非常にお気に入りの曲となりました。次点はニュルンベルクのマイスタージンガー(ハイティンク指揮、1992年)であります。この曲もCDやらDVD等でいろいろ聴いたものですが、しかし私は今回聴いたのがベストじゃないかな、と自分の中では思っております。結局のところ、ワーグナーにしか関心がないのかもしれません。イタリア等のオペラも入ったセットを聴いて、イタリア物にも馴染んでゆきたいと思っていたのですが。強いて言えば3番手としてはヴェルディの『仮面舞踏会』(エドワード・ダウンズ指揮、1962年)が良かったですかな。 さて、手持ちのCD BOXは概ね聴き終えたのだけれども、今後はどうしたものか。格安紙ケースBOXの時代も終わりつつありそうで、そして安いと思って買おうとするとAmazonのストリーミング配信で全部聴けるようになっていたりして、微妙な転換点ですな。車載オーディオにスマホを繋げるという手もありますが、しかし、CDを聴き終えるという、なんとなくこれまでの習慣であるところの達成感みたいものもなくなると言いますが、ストリーミングだとほんと気がつかないうちに数十枚組CD全部演奏終わってたりしますから、印象も何もないような気もするし。 |
2020,07,12, Sunday
洋画専攻だったこともあり、西洋美術のものばかり読みがちになってしまいますが、現在は自分の知識の穴を埋めるがごとく、日本史と日本美術本を漁っておるところであります。そして最近読んだのは、ドナルド・キーン(著)『足利義政 日本美の発見』、日本美術やその他文学等の本が、どうも文語風に見えるような、読んでいた頭にすっと入ってこないようなものが多い、下手するとこれは漢文か?と思ってしまうようなところがあって、敬遠していたというところもあるのですが、ドナルド・キーンは英語圏出身という文化的背景か、あるいはたぶn英語で書いて日本語に翻訳しているという点においてなのか、非常に読みやすい文章となっている気がします。応仁の乱の説明となると普通は短い文章で試みても、一冊の書物にしてみても、どっちみち訳がわからないところありますが、しかし本書の説明分は簡略化しつつも、なかなか要点をついたサマリーになっているように思われます。というわけで、義政そして銀閣寺、東山文化というものについて説明しつつ、そこからさらには日本文化全体を考えさせられる、なかなか良い本だと思います。
もっとキーンの本を読まねば。と思ったのですが、その昔購入した『日本文学の歴史 古代・中世篇1』が放置されていたことに気がついて、部屋の中を探し回って埃まみれになっているのを発見し、読んでみましたが、これがとにかく素晴らしい。そして面白い。解説という技、そして魅力を伝えるという技にかけては、英語圏文明の方が上手であるといえましょう。そして結構な巻数を使って日本文学全体を一人で執筆している模様ですが、このクオリティで進行してゆくのかと思うと、次巻以降も大いに期待できそうなので、せっせと注文ボタンを押しました。もっとも、この類の本を読んでいると、紹介された文学、あるいは作品を研究した別の本なども買っておかねばと思ってくるのは自然な流れであり、買わねばならぬものがねずみ算式に増えてゆくのですが、ここは躊躇せずに注文ボタンを連打してゆくことにしましょう。古代編の第1巻で扱われる作品に関しては手元に未読の本が山ほどあるので、改めて買ったのは空海の「三教指帰」だけでしたが、これは空海「三教指帰」ビギナーズ 日本の思想(角川ソフィア文庫)という口語意訳風の翻訳版を入手してさっと読み通したというところです。 |
2020,07,01, Wednesday
専攻が洋画だっただけあって、西洋美術史についての本を読むことが多いのだけれども、日本の美術についてもバランスよく読んでいかねばなりませぬな、というふうに思うこともときどきあって、とりあえず武田恒夫(著)『狩野派絵画史』を購入しました。ちょっと読み始めただけでもなかなか興味深いのですが、日本史についての知識が半端であるというのを痛烈に感じて、いったんこの本は保留にして、手元にあった集英社の『日本の歴史11天下一統』を読み始めました。信長はダントツに面白い。それと国松俊英(著)『信長とまぼろしの安土城』という一般向けの易しい本も読んでみましたが、こちらはふつうにぐいぐい読めて楽しかった。光栄の日本史もので、シリーズとして生き残ったのが信長の野望だけというのも肯けるわけです。それはともかくとして問題はその少し前辺り、室町幕府時代全般ですな、いまいち頭が整理できてないのは。というわけでこの集英社シリーズを遡って読んでみることにして、第10巻「戦国の群像」を紐解いてみましたが、こっちの方は通史というのではなくて、何か専門書っぽい内容で難しいんですな。ともかくも、日本史と言えば古墳時代の本ばかり読んでいて、順次踏破してゆきたいのですが、古戦場跡や古城の跡を訪れてみたくなってきので、国内旅行解禁というか、推奨的になって、何か助成みたいなのが実行されるようになったら行きたいところがたくさん出てきました。今はひたすら読むだけですが。せっかく日本にいるのだからその辺は楽しんでみたいところです。その前にコロナ第二波来そうな予感もしますが。いやそれより前に三峡ダム決壊なのか。三峡ダム決壊とドイツ銀行の破綻はtwitter始めた頃から話題になってたような気がしますが、三峡ダム決壊となればドイツ銀行破綻もセットなんですかね。これはあれですな、食料危機の為に氷砂糖を追加で貯めておかねばならぬところでしょうか。
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