画家鳥越一穂氏の作品をお預かりしております。
画家鳥越一穂氏の作品をお預かりしております。
鳥越一穂氏、および作品等について詳細は下記を参照ください。
http://torigoeart.wixsite.com/medici

円柱構造物付祭壇風額縁に小物棚をイメージしたトロンプルイユとなっております。


モチーフを見てみましょう。※Twitterでちょっとだけご本人からモチーフについて聞いております。


瓶に入ったラピスラズリとマラカイト、左下には水晶らしきものが見えます。右側の瓶に入っているのは真珠、それからサンゴのカケラだそうです。
なお、画面に埃のようなものが見えますが、ガラスで遮られていないので埃が付きます。鳥越さんからはたまに埃を払うように言われております。


玉虫色の甲虫が見えますが、これはニジイロクワガタだそうです。右側の石ははっきりわからないものありますが、中段の赤いのはガーネットだそうです。トンボの横の青い石は、トルコ石をスライスしたものだそうです。


画面上の中央には大顔面(ルキウス・ウェルス帝)面取り版の石膏像ミニチュア。その横にはファン・アイク「アルノルフィーニ夫妻の肖像」風に自画像と室内が描かれております。このモチーフの組み合わせに、隠喩か何か図像的な意味があろるのだろうかと思って聞いてみましたが、特にはないようです。

なお、写真では表現しづらいのですが、照明の明るさをやや落として、薄暗い状態で見るとなかなかの雰囲気があります。バロック期のトロンプルイユ画、あるいは広く静物画なども、電気照明もまだ存在せず、窓も小さかったでしょうから、そのような状況で見ていたのかというふうに考えて状況を近づけるというのもよろしいかと思います。バロック期のトロンプルイユ画を画像や画集で見るときも、その辺を考えて鑑賞したいというふうに思っております。

| 絵画材料 | 08:54 PM | comments (0) | trackback (0) |
吉岡幸雄(著)『日本の色を歩く』読了
人工緑青づくりに関する一定の知識が欲しいように思いまして、さまざまのパターンを試しながら銅板を腐食させているところですが、いろいろやってはみたものの、それらを体系的にまとめて整理する時間が今はちょっとなかった感じであります。今年度は高等学校向けの学習指導要領改定が実施にあたる年なので非常勤職の私もシラバス作成に追われておりました。観点別評価が高校でも導入されるのですが、芸術科目は元々考査無しで全体が観点別評価みたいなところもあったのでどうにかなるだろうと思っていたのですが、想定よりも規則と計算方法が複雑でして、まだ未定の要素も多い中で事前に周到な計画書を立てねばならないというのが難しかったです。各校によって内規と書類の様式が異なるので、2校勤務の私は頭の中でごっちゃにならないように注意しなければなりません。また、文書様式やシステムが基本的に考査のある五教科を想定して作られているので、そこを美術向けに再解釈しつつ調整して作成せねばなりません。というわけで、最近土日もずっと考えていたところです。連休も1日だけ使って、書類を再確認しておきたいと思います。それから、評価項目が膨大な数になりそうなので、そこは美術科用の管理エクセルシートみたいなを作成しておきたいところです。他の先生方も作成されておるとは思いますが、他教科のものはやはり考査を前提としていますし、内部の計算方法がわからないと不安ですし、何よりシート作成が全体像の理解に繋がると思うところなので、やはり自作するのが良いと思います。地方では美術の授業は非常勤がひとりで勤めているケースが多くなっているのですが、廃止されたりせずに細々とでも残ってくれて欲しいように思いますので、可能な範囲で努力したいと考えております。それにしても、私が意見できるような事柄ではないのですが、年間の授業時間のほとんどが評価の対象となっているというのは、十代にこのような環境にいるとしたら、社会人になったときに挫折感が拡大したり鬱病になったりしないだろうかという心配はなきにしもあらずなところがあります。

それから3回目のワクチン接種をしてきました。個人的にはもう4回目は接種しないことにしたいと思っておりまして、3回目をけっこう遅めの4月末あたりに予約していたのでした(大半の病院や接種会場は4月で打ち切りみたいだったので)。しかし接種直後に4回目は高齢者や基礎疾患のある人が対象という報道があって、私のもくろみはあまり意味がなかったようです。でもまぁ妥当な気もするので、この件で騒ぐことではないように考えております。ちなみに副反応で悪寒がひどく、昨日はずっと休んでおりましたが、おかげで吉岡幸雄(著)『日本の色を歩く』を読むことができました。素晴らしい本です。やさしい言葉で書かれており、長年疑問に思っていた事がいくつか解決しました。そしてあちこち訪ねてみたい場所も増えてきました。それから思わずクチナシとクワの苗を注文してしまいました。クワの品種はけっこう多くて注文が難しかったのですが、実は食えるそうなので実がいっぱいなるというのを注文しておきました。紫草の種も入手したいと思っているのですが、それはまだネットでは発見できず。

| 絵画材料 | 10:54 PM | comments (0) | trackback (0) |
山形県立博物館に行ってきました
岩石・鉱物の勉強の為に山形県立博物館に行ってきました。岩石・鉱物の展示が充実しているということで、前からずっと気になっていたのです。


1階にある古びた展示ケースに並んでいる岩石・鉱石コレクションは、一見目立たぬような感じではありますが、分類の仕方がとても教育的であります。


最近、私も熱心に砕いておりました、赤鉄鉱もたくさんありましたが、特に写真のものはベンガラ作りによさそうに見えました。


2階にも鉱物資源の展示が続いており、山形県を中心とした日本の鉱物資源の情報も得られます。そこから考古学展示と進展していって、実に面白かったです。

それから宮城県図書館に行きまして、最も初級と思われる、岩石に関する本を借りてきました。

鉱物の本はやまほど読んだものですが、岩石はついついスルーしておりまして、そこは反省点であるというか、知識の弱点となっておりました。顔料に関する知識としては、鉱物を押さえておけばいいような感じに思っていたこともありますが、いやしかし、岩石への理解なくてしては行き詰まるといえましょう。

というわけで、県図書館の子供図書コーナーを探したのですが、まずは『ちしきのぽけっと23 石はなにからできている?』。こちらは石の種類の見分け方としては初歩中の初歩というべき内容ですが、私には丁度よかったです。鉱物に比べると、実は岩石の方が判別が難しいですよね。ここを突破口にして邁進してゆければと思います。

次に、『石ころ 地球のかけら (たくさんのふしぎ傑作集)』、こちらは山の頂から石が川などを下りつつ、砕かれつつ海へと流され、砂や泥になって海底に堆積するも、やがて堆積物の重さで再び岩となり、プレートの力で隆起して再び山となるサイクルを絵本化したもので、なかなかの感動作でした。

以上です。

| 絵画材料 | 09:06 PM | comments (0) | trackback (0) |
ヘマタイトを砕いて顔料(ベンガラ)にしてみる その2
前回の続きです。

前回砕いたもののうち、練習も兼ねて腎臓状の黒っぽい破片の方を精製してみることします。


乳鉢でさらに少し細かく摺ったあと、水を入れてまして、少し待ってから上澄みの赤い液だけホウロウ鍋に移します。


見た目がすごく酸化鉄感があってテンションが上がります。


ホウロウ鍋をカセットコンロで熱します。


それほどの量ではなかったので、比較的短時間のうちに水分が蒸発し、顔料が残りました。

常温で蒸発させようとすると数日かかりますが、これだとすぐに顔料とすることができます。この煮沸では赤みや彩度が増す効果はあまり期待できないかと思います。水がなくなったあとも加熱すれば、100℃以上の熱になって、黄土や褐鉄鉱ならば赤みが増すかもしれませんが、もともと赤茶のものだと変わらないかと思います。そして今回の顔料の色ですが、期待していたよりは彩度が低めでした。この色でも油彩画的には褐色として大いに役立ちますが、ベンガラを名乗るには赤みが足りないといえましょう。

次に赤い多孔質部分を精製します。


今度は、水簸に時間をかけてみました。

縦長の容器、これはプラコップですが、これに水と共に入れまして、一晩待つことに。どうも、この顔料は、細かな粒子のものはかなり長い時間上方に留まっているようで、大きめの粒が落ちてゆくのをじっと待つと、彩度の高いベンガラが得られそうな気がしたのです。ベンガラの彩度は水簸が肝なのではないかという予感がしてきました。

そんな気がしたので、ここは水簸技術の練習をしようと思いまして、何回かやり直したりなどして、延々と水簸的なものを繰り返しておりました。

おなじ酸化鉄でも、このくらいの差が出てきます。静脈と動脈の血液の色の差みたいな図になっておりますね。

充分に水簸を試行錯誤した後、先ほどと同じように煮沸して仕上げました。

水簸を繰り返して遊んでいたために、最終的にはこれくらいのわずかの顔料が得られただけでしたが、勉強にはなりました。今現在の認識としては、原料のヘマタイトはもともと赤いもの、多孔質?(コークス状?)で砕きやすそうな感じのものを選んでおいた方がよく、水簸は時間をかけてやった方が赤いものが得られそうな感じがしているという感想を持っているところです。しかし他の状態の赤鉄鉱、それから褐鉄鉱などを使用してみるとまた見解も変わりそうな感じでありますが。

| 絵画材料 | 08:37 PM | comments (0) | trackback (0) |
メタセコイア樹脂がどの溶剤で溶けるか確認する
昨年は夏から秋にかけて自宅のメタセコイアから樹液をちまちまと集めておりましたが、それらの樹液(たぶん樹脂なので、樹脂と呼ぶことにします)の溶剤テストを決行してみようと思います。


採取してから半年ほど経ちましたので、すでに揮発成分は充分に抜けているかと思います。小さい塊ですからね。


メタセコイアの樹脂ですが、『琥珀』 (飯田孝一)など樹脂関連の書物を参照すると、どうもメタセコイアは琥珀になる可能性のある樹脂を産するようでありまして、そうすると現在コーパルという樹脂にあたるのではないかという感じがしておりまして。コーパルは鉱物界では琥珀になる前段階の半化石樹脂を呼ぶ名前ですが、産業的なコーパルは別に半化石という程古いものではなく、アガチス属などの生きた樹木から採られているようであります。鉱物界で半化石樹脂として売られているコーパルも、放射性炭素年代測定をするとほとんど新しいものであることが多いようです(Plant Resins)。

樹脂の名称の変遷は複雑で、それを整理するのは一筋縄ではいかないわけですが、ひとまず話を限定的にして、フタバガキ科のダンマル樹脂と、アガチス属のコーパル樹脂の性質の違いに搾りますと、前者が軟質でテレピンに溶けるがアルコールに溶けない。後者は硬質でテレピンに溶けないがアルコールには溶ける。ダンマルはテレピンに溶けるので、容易に油彩画用液として使えるが、コーパルはランニング処理が必要。という感じあります。

というわけで気になるのは、メタセコイア樹脂はどっちの性質なのかという点です。

テレピンと、無水エタノールと水でテストします。

樹脂は各2g弱、それに約4倍の溶剤を投入しました。

テレピンに溶ければダンマル的な、無水エタノールに溶ければマニラコーパル的な、水に溶ければアラビアゴム的な性質である可能性があります。これだけで何か判明するわけではありませんが状況証拠のひとつにはなりましょうかと。


というわけで、どうなるでしょうか。

と思ったら1時間くらいでおおよそわかりました。

エタノールのサンプル瓶だけがすぐに樹脂が柔らかくなり、その後ドロドロになって下に溜まってしまいました。たぶん棒で引っ掻いたりしてればもっと溶けると思います。これはマニラコーパルとだいたい同じ感じであります。いや、むしろマダガスカルコーパルに近いか。いずれにしても予想した通りになってくれました。これだけでこの樹脂がコーパルだと確定できるわけではありませんが、自宅の木から析出してるのがコーパル樹脂かもしれないという可能性が高まっております。

| 絵画材料 | 08:30 PM | comments (0) | trackback (0) |

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