2011,01,31, Monday
黒のベタ塗りのときは、数回塗り重ねるのだけど、はじめのうちシルバーホワイトをたっぷり混ぜて塗っております。
![]() 塗ったときはグレーっぽく見えるけども、時間の経過かと共に次第に目立たなくなる。チタニウムホワイトだと着色力が強すぎて駄目である。チタニウムホワイトがまざったファンデーションホワイトもNGで、最近は、リンシードオイル練りのシルバーホワイトもあるので、それを使ったりしている。 最後の方は、多目のメディウムで溶いたものを、軟毛の筆、または指か手のひらで塗る。 ![]() というわけで、延々と黒背景を。 ![]() |
2011,01,26, Wednesday
先日、羊皮紙を購入したので、さっそくこれに銀尖筆(シルバーポイント)で何か書けるように下準備したいと思い、骨の灰を作ってみることにした。銀尖筆で書くには、銀が削れて筆跡を残せるように微細な凹凸が必要なのだけど、その件に関して、チェンニーニの書には骨の灰を使う記述がある。銀尖筆用のジェッソのような製品も売ってることだし、骨灰もやはり売っているのだけれど、骨を焼くだけで作られるなら、試しにやってみたいところである。
まずは骨付き鶏肉を購入。チェンニーニ(岩波書店)には「・・・雌鶏か,あるいは去勢した雄鶏の腿や手羽の骨を用意する.鶏は,年をとったものであればあるほどよい.食卓の下にそれを見つけたら,見付け次第,火にくべ給え・・・」とあるけど、若鶏の手羽元買ってしまいました。そもそも老鶏ってのが売ってるかどうかは知らんけど。ところで、「食卓の下に」っていうのは、当時の職人、あるいは一般的な食卓では、鶏肉を食べたら骨を床にポイ捨てしていたということだろうか。まぁ、そんなものか。 骨炭作った際は、水炊きにしたけれども、鶏の臭いに参ったので、今回はカレーにしてみる。 ![]() 食後に残った骨を乾燥させたのち、コンロの上で炙ってみた。 ![]() ずいぶんよく燃える。脂が燃えているような感じである。 Wikipediaの「骨灰」項には、「・・・動物の骨からにかわ・脂質を除いたあと、高温で焼くことによって作られる、白い粉末状の灰・・・」とあるように、本来、膠やら脂質を除いた方がいいのかもしれない。お湯で茹でたりすれば、除ける? 「(骨を)見付けたらすぐさま火にくべ給え」のチェンニーニにその工程はないけど、年をとったものであるほとよいというのは、脂の量が違うとかそういう意味だったりするのだろうか。 短時間で真っ黒い炭になった。ここで止めて砕けば、ボーンブラックか。 ![]() さらに焼き続けると、白っぽくなってきたが、ここから先はかなりの時間焼いてもなかなか白くなってくれない。 ![]() 骨が崩れてきたので、フライパンに移し、加熱を続ける。 ![]() しかし、フライパン上ではさっぱり焼成が進まず、めぼしい変化がないので、ガスバーナーで炙ってみる。 ![]() 乳棒で細かくしてみたが、まだ黒い。 ![]() バーナーでじっくり炙ると、徐々に白く。。。 ![]() でも、白ではない。 ![]() チェンニーニ曰く「・・・灰よりもずっと白くなったら・・・」というけど、簡単に考えていたが、けっこう大変なものである。 ひとまず色は諦め、乳鉢でさらに細かく粉砕。 ![]() スクリーン版画用のメッシュ(200)を通して粗いものを取り除く。 ![]() ↓こんな感じで一応、完成?でしょうか。 ![]() ”bone ash”をネットで検索して出てくる画像は真っ白なんだけど、今回作ったのはちょっと灰色である。それでも、機能上とくに問題がないのであれば、真っ白よりはむしろこちらの方が好みではある。。 ↓こちらの画像とは全然違う。 http://www.marui-grp.co.jp/kagakukan/009/melma.html しかし、よく読むと、豚や鳥より牛の骨がより白くなるとも書かれているので、その辺も関係あるのかしら。 Natural PigmentsのBone Ashには、膠を取り除いた骨を1100℃で焼成、325メッシュで濾過等々書かれている。 もっと思い切って焼かないといけないとしたら、陶芸用の窯で、本焼き(1200℃)の際に、素材(骨)を入れておくというのもいいかもしれない。 |
2011,01,16, Sunday
![]() ささやかなサイズのサンプルだけど、彫刻刀で削ったり、焼いて炭にしたりなど、いろいろ試してみたいところであります。そう言えば、大英博物館やV&Aには中世の象牙の美術工芸品がたくさんありましたなぁ。 象牙加工品を販売するという計画は今のところ全くないですけど、購入する場合は何か注意事項があるのだろうかと、象牙の取引についてちょっと調べてみたのですが。。象牙の国際取引はワシントン条約で禁止されているけれども、南アフリカの一部では象の頭数も増え、管理も行き届いているということで、2007年と2008年に限定的に輸入されたそうで。国際間ではなくて、国内での取引の場合、販売には特定国際種事業届の義務があるそうで。でも、ネットショップの象牙及び象牙加工品取扱店では、届出の有無や届出番号が明記されていなかったりするところが多いっすなぁ。ひとまず、購入者側の法的義務みたいなのはなさそうな感じですが、気が付いたことがあればコメントください。 |
2011,01,15, Saturday
最近、尖筆や黒顔料、染料等を作ったりしていて、そうすると自ずと羊皮紙に使用してみたいと思ったりしてしまうもので。
一応、以前、輸入雑貨店Giovanniさんというところから購入した羊皮紙があるのだけれど、もうちょっと欲しいなと思いまして、探してみたら羊皮紙専門サイト羊皮紙工房さんというところで、フルサイズの羊皮紙が販売されていたのを発見、さっそく注文。 すぐに到着。 ![]() 方形に切ってある羊皮紙を買うよりも、いろいろビビっと来るものがありますなぁ。 これは、壁に貼っただけでもインテリアになりそうな気がしないでもないけど、大事にとっておいても仕方ないし、いろいろ試してきたい。 羊皮紙専門サイト羊皮紙工房 http://www.youhishi.com/index.html これも必見。 http://www.youhishi.com/manufacture.html |
2011,01,13, Thursday
『たのしい科学あそび 炭と墨の実験』なる本を県図書館の子ども図書室から借りてきたのだけれど、なかなか侮れない内容である。クッキーやコーヒーの缶で炭を作る方法も紹介されていたが、先日木炭を作ったときの様子と非常に似ており、そんな感じの実験がイラスト付きで多々紹介されている。ちなみに缶を使った炭の作りの際、フタに開けた小さな穴からガスが出てくるのだが、私はそのまま放置していた、あるいはむしろ火が着かないように気を付けていたのだけれども、この本によると、そのガスに火を付けて燃やしておくと部屋に煙が充満しない、というアドバイスが。。まぁ、私の場合、ガレージでやってたので、そんなに気にするほどのことでもなかったけど。
それはともかく、ここ数週間で集めた炭やら煤やらを触っていると、同じ炭素の黒でも、両者はずいぶん性質の異なるものであることを実感しつつあります。 先日作った骨炭、ちょっと思うところあって、水洗いしたり、水簸したりできないかと水に入れてみたのだが、鉱物顔料みたいにすぐにではないけど、一晩ほど待つと、顔料が残らず底に沈む。 ![]() これは膠などの分散を助ける媒質がないので、分散液を長く保っていられないという理由もあるかもしれないが、『炭と墨の実験』によると、炭を砕いた粒では大きすぎて、膠液だったとしても、やがてはみんな底に沈んでしまうということである。墨(煤)ならば、より粒子が細かく、分散状態を保つことができ、いわゆる墨汁などを作れるという。 で、先日集めた亜麻仁油の煤も水と混ぜてみる。 ![]() このように、水と煤だけでは、反発しあってうまく混ざらない。煤が寄り集まってよれよれの塊となる。 面白いことに、水の下じゃなくて上に溜まった。 分散液を作るためには膠やPVAなどの媒質がなければならないとのこと。ちなみに、膠液は使ったことのない人には準備に手間取るからか、『炭と墨の実験』の中では洗濯糊、いわゆるPVAを使う感じでまとめられている。 私の場合は、アラビアゴム水溶液を投入してみた。 ![]() おお、それなりに混ざりあってるではないですか。 しばらく待っても、とくに分離するという様子もない。 まぁ、膠液を加えて団子にした墨を練るなどしたら、たぶん、もっと綺麗に分散するとは思うけど、団子にするほどの量の煤は採れなかったしで。 試し塗りしてみたんですけど、べつに悪くないんじゃないでしょうか。 ![]() それにしても、触っていて改めて感じたが、炭は意外とあっさりしていて、手が汚れにくいし、汚れても洗えば綺麗に落ちるけど、煤は手や衣類が汚れると、非常にしつこくて石鹸で洗ってもなかなか落ちない。しっかり手を洗ったつもりでも、こうやってキーボードを叩いてると、2万円近くもした東プレのキーボードが汚れてしまったりする始末。 |