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全工程を乾きの遅い油で描こうと思うとグラッシなどこざかしい工程に時間がかかってしまいますが、朝描いて粘ってきた部分に夕方絵具を載せてうまく行った時の感覚は気持ちいいもので、翌日もこの感覚で描きたいと思うことがあります。
筆も毎日洗うよりざっと拭って遅乾性の油を含ませて置いておいた方が、毛にとっても良いかも知れないと最近考えています。ペンキ屋は水に浸け置いたりしますが、油の方がいいでしょう。 ホルベインVERNETのラインナップにスタンドポピーオイルというのがあったと思いますが、試されたりしましたか?
| 鳥越 | EMAIL | URL | 2016/02/14 08:31 PM | bNjVHAH. |
こんにちは。
「筆も毎日洗うよりざっと拭って遅乾性の油を含ませて置いておいた方が・・」というのは私も思います。あと、どこで聞いたか忘れましたが、油絵具を出したパレットも水に浸けて乾燥を止めておくという方法も昔はあったようですね。 ヴェルネ画用液は「ハンスメディウム(リンシードタイプ)」を買いましたが、他はまだ試しておりません。 ヴェルネのスタンドオイルは、従来のスタンドオイルより粘度が低めとありますので、使い勝手がよさそうな気がします。スタンドオイルは高粘度なので薄めて使わねばならず、あれは重合するときにもうちょっと重合度を控えめにするなどして、程よいスタンド具合になったりとかはできないものだろうかと想像したこともありましたが、「従来のスタンドリンシードオイルよりも重合度が低く、描画に適した粘性を持っています。」と説明にありますので、ついに実現したんですね。すごいと思います。価格は残念ながら、普通ブランドのスタンドオイルより高くなっていますが、これくらいはべつにいいかなと思います。 ハンスメディウムはテレピンを使わずにスタンド亜麻仁油にダンマルを溶かしたものとありますが、「仕上時に薄めず使用すると、抜群のツヤと透明感が得られます」と書かれていて、これまでの油絵の技法書や入門書ではまず書かれなそうな傾向かと思います。スタンド油にダンマルが入っているにもかかわらず、粘度もほどよいです。ただし、どれくらいの濃度で樹脂が入っているかは表記されてないんですね。これもポピータイプがあるようです。 程よい重合度のスタンドオイルが出たということと、ダンマルを溶剤を使わずに溶かしたワニスが出たということで、2つ希望が叶ったような気がします。それにしても、亜麻仁油も植物油の中では高い方ですが、ポピーはやはりそれよりも高いんですね。栽培の規制等で高コストになるのでしょうか。
| まつかわ | EMAIL | URL | 2016/02/16 12:22 AM | ucriX/2o |
お返事どうもです。
パレットを水に漬け置くのはたぶん昔からの知恵で、Claude Yvelの本には写真付きで解説されています。アメリカにはパレット専用の薄いタッパーが売られていたという話も聞きます。これは水ではなく密閉容器で酸素供給を抑制する為のものだった様です。 メーカーの説明でメディウムを薄めずに使うと言うのはたしかに珍しいですね。揮発性油が積極的に使われ始めたのがいつ頃からかは知りませんが、乾性油のみで描く処方というのも改めて考えられていいんじゃないかと思っていて、実際に私のいくつかの作品はスタンドオイルとサンシックンドリンシード(+微量のフラマン)のみで描いたりしています。 求めるマチエールや作業性によりますが、高粘度の加工油のみでも描けない事は無くて、逆に私は粘度の高い油を探して愛用しています。 ポピーもコールドプレスドもなぜか高いですね。 どうせ黄変はするんだから余計な漂白工程を省いてその分安価にしたピュアオイルって売れないでしょうかね。
| 鳥越 | EMAIL | URL | 2016/02/17 07:10 PM | bNjVHAH. |
揮発性油が現代のようにメインの画用液みたいに使われて始めたのはいつかということは確かに気になります。私の大学の先生にはテレピンのみしか使用されていない方もいらっしゃいました。
それと同時に古い話だと揮発性油の精製ぐあいがどのようなものだったのかというのも気になります。テレピンがバルサムからどれくらい分離されていたのかとか。 ところで、クサカベさんの「微香性油絵具ゼファ」の方は使われましたでしょうか。ヴェルネの技術的な方向性はすぐに理解できるのですが、ゼファの方は油絵具の将来性としてどれほどの影響力があるのか気になるとこです。
| まつかわ | EMAIL | URL | 2016/03/12 02:52 AM | gemXqc9k |
ゼファもヴェルネ画用液も使ったことはありません。
たしかホルベインからは「アロマ」を謳った青い容器に入った画用液も出てましたよね。方向性という点ではあちらの方が「どうなの?」って感じはします。青い瓶なんてカッコイイですけどね。 流石に今では少しかじった人ならテレピンのみで描くという事は怖くて出来ないくらい油に対する認識は正常化?した感がありますが、揮発性油はメディウムに絶対添加しないといけないというのは検証抜きの思い込みかなという気がしてます。
| 鳥越 | EMAIL | URL | 2016/03/18 08:07 AM | bNjVHAH. |
昔の油絵を見ると、まるでガラスの中に顔料が入っているというか、陶器の上薬のような透明感があって、それはニスだけの効果で得られるとは思えず、やはり揮発油をほとんど使わないか、あるいは揮発油なしで描いているのではないと思っていたのですが、これまで技法書だと樹脂に関する考察が多く、また処方も揮発油が非常に多くて、そこが疑問でした。
ヴェルネのハンスメディウムを使っておりましたが、なかなかよいと思います。今までは自分で亜麻仁油を過熱してダンマルを溶かしていましたが、その手間が要らないと考えるとお買い得だと思います。ヴェルネメディウムの中では私としてはこれがお薦めかと思います。と言っても他はまだ買っていません。個人的にはダンマルと同時に蜜蝋も少量溶かしているので、それも入っているものがあったらいいなとは思いますが、需要はなさそうですね。 高校生に油絵を教えているのですが、臭いが原因で自宅で描けないと言う生徒が多くて、きっと絵画教室などからそのような声が聞えてくるのでしょう。しかし、今の高校生は我々の頃と違って本当に経済的にギリギリといいますが、スマホの月額料金にお金がかかってるのかもしれませんが、ゼファの価格だと高校生には絶対に買えないですし、大人の初心者の方でも購入層が狭まりそうな気はします。染色などをやっていると、自然の材料から色を出すというのは常に悪臭がつきまとう作業であって、油絵具などは大した臭いではないと思うのですが、現代は非常に臭いに敏感な社会になってしまったのだと感じます。私などは油絵を習いはじめた頃はこの臭いにあこがれたものですが。
| まつかわ | EMAIL | URL | 2016/03/19 02:06 AM | gemXqc9k |
「ゼファ」や「オドレス〜オイル」の臭いを抑えた油絵具関連の製品は、社会人向けの絵画教室での使用を目的のひとつとして、開発されたものと推測しております。
管理人様の方が現状を詳しくご存じでしょうが、使用できる予算の関係から、高等学校などにおける美術教育の分野では、購入は困難なことが大井です。 また、臭気が少ないと言うだけで、換気が不要ではありませんので、配慮が行き届かなかった場合には、事故を発生する危険もあり得るでしょう。 高等学校以下の学校での美術教育の時間が、70時間→35時間になってしまい10年以上が過ぎました。このことから油絵具だけではなく、様々な画材製品の売上げも落ちているようです。 特に数時間は必要な油画を描くことを避けられることもあるため、高校生・初心者向けの油の具セットの売上げは、落ちていることと思われます。 油絵具関連製品の市場は、職業画家・絵画教室受講者・学校教材、などが主なものであり、「ゼファ」や「オドレス〜オイル」などは、・絵画教室受講者に絞った製品でもありましょう。 絵画教室での受講をするのも、臭いの強い環境で指導を受けるため、受講を避けていた方を呼び込むためや、カルチャー教室や公共施設の部屋を使う場合は、臭いが少ない方が望まれるためでもありますね。 製造物責任を意識することが重要である職業画家向けの絵具製品を家発したのと、同時期か僅かに後発に企画されたものであるのかも知れません。
| Bambook | EMAIL | URL | 2016/03/19 03:58 PM | 3rR2E7Ls |
書き込みを忘れておりました。
7年程前に、立体作品の仕上げに、亜麻仁油を使いました。 絵画用のリンシードオイルではなく、食用のフラックスオイルです。 極めて主観的かつ個人的な感想ですが、絵画用のリンシードオイルよりも乾燥に時間がかかりました。 フラックスオイルが低温圧搾法で製造されたものだったように思いますが、既に製品のブランド名も忘れてしまっったため、確かめる方法がありません。 同じ亜麻仁油でも、絵画用の製品と食用の製品では、原材料の選別や製造方法や管理方法の違いにより、乾燥速度に差違が生じるのかも知れません。
| Bambook | EMAIL | URL | 2016/03/19 04:04 PM | 3rR2E7Ls |
現代の日本だと現金の多くが60代以上の世代に備蓄されているとも言われますし、学生でも使える商品を開発するよりはずっと儲けがあるのかもしれませんね。これはどの業界でも同じ傾向なのだと思いますが、その行き着く果てがどうなるか想像すると恐ろしくなってきます。しかし、それはともかく、売れ行きがどうなるか興味深いところです。
| まつかわ | EMAIL | URL | 2016/03/20 01:26 AM | gemXqc9k |
高等学校以下の学校での美術教育で使用される絵具については、それを使用した児童・生徒の皆さんが継続して購入して貰えるとは限らないことが、画材業界の売上げの維持に繋がらないことでもあります。
学校で使用した油絵具・アクリルガッシュなどを卒業後も買い足して使用することは、美術関連の学校に進学した方以外には、皆無に近いと察します。 社会人向けの絵画教室の受講者の方向けの絵具であれば、使用するのに相応しい性能と価格を提供し、使用される方が気に入っていただければ、購入を継続していただけるリピーターになります。 そのことが、画材業界の売上げの維持にも繋がり、それは製品の性能と価格の維持だけでななく、より高品質な製品の研究開発もしやすくなりますね。
| Bambook | EMAIL | URL | 2016/03/20 02:04 PM | 3rR2E7Ls |
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