2017,09,19, Tuesday
前回、ラピスラズリ岩石を砕き、樹脂などでパテを作るところまで進みましたが、いよいよ抽出の場面です。
[Medici] 実践・天然ウルトラマリンの抽出 #2 チェンニーニの方法では、器と灰汁を換えつつ、くり返し抽出してゆくのですが、初めの方は濃い青が採れ、徐々に薄くなってゆき、最後の方にはアッシュブルーといったような灰色がかった青になります。しかし、実際やってみると、2番目の方が濃かったりします。 抽出後は丁寧に洗浄して完成となるのですが、そちらも収録して公開済です。 [Medici] 実践・天然ウルトラマリンの抽出 #3 天然ウルトラマリン顔料の完成~比較 抽出の段階によって、様々な色味、粒径のウルトラマリンが得られますが、どれがベストなのかというと、展色剤に何を使うかによっても変わってきそうな気がします。油絵具にするのか、テンペラで使うか、写本のようにゴムで使うか。また、この方法で抽出した後に、水簸などで粒径を分けることによっても、違うグレードの顔料ができるかと思いますが、その辺も動画で語っております。 |
2017,09,02, Saturday
バロックについていろいろ読みつつ、音楽の方は聴いてみたりなどしているところですが、youtubeで見つけた映像などまとめてみました。自分用メモみたいなところでもあるので、内容の正確性、誤字乱文等ご容赦ください。
史上最初のオペラ、ヤコポ・ペーリ作『ダフネ』は現存していないということですが、ダフネといえば、ベリーニの彫刻でダフネを題材にしたものが、まさにバロック彫刻代表作として言及されたりするので、バロック的な題材といえるのかもしれません。現存する最古のオペラはペーリ作『エウリディーチェ』で、1600年にフランス王とメディチ家マリーの婚礼を祝ってフィレンツェで初演されたとされる、これもまたバロックの始まりを告げるような出来事ですが、この作品については本などで存在を知る機会はあったものの、現代で演奏されることはないのだろうなと勝手に思っていました。が、検索したらyoutubeでいくつか実演の音声らしきものを見つけることができました。考えてみれば、現存最古のオペラとなれば、学究的にも重要なことだし、演奏しようと思うグループは多々あることでしょう。 動画説明欄によると、オペラ誕生400周年を記念して行われた国際会議の一環として、2000年にイリノイ大学の学生等で演奏されたもののようです。 動画では英語の訳まで表示されてなかなか親切です。じっくり見ている余裕はなくて、作業用BGMとして流すような感じで、最後まで聴いてみましたが、確かに世にいろいろ言われるように、台詞をポリフォニーで歌うように表現するということに注力しており、バロック的に演出的な効果は少なめで地味かなという気はしないでもないですが、まだそんな聴き込んでないので、あくまで印象です。なお、王家に名字はないので、后は慣例に出身地を附して呼ばれる為、フランスではメディチのマリー、マリー・ド・メディシスとなるのですが、後にルーベンスにマリー・ド・メディシスの生涯という連作を描かせ、それは現在はルーブル美術館に飾られており、ルーベンスの代表作ともなっていますが、初めてあの部屋に入ったときには、なんちゅう悪趣味な絵だろうと思って素通りしましたが、今ならじっくり見て楽しめそうです。 それにしても史上3番目のオペラ(現存する2番目に古いオペラ)、モンテヴェルディの「オルフェオ」は完成度が高いと言えるでしょう。『オルフェオ』について先日既にかなり書きましたが、ガーディナー指揮で比較的最近演奏された映像がyoutubeに上がっていました。 舞台演出的には、私としては先日取りあげたリセウ大劇場のDVDの方が断然好きなのですが、これはこれで面白い感じもします。現在、オペラと言えば、舞台と客席の間のオーケストラピットに楽器演奏団が収まっていますが、いつ頃からそうなったかは、はっきりしていないようです。もしかしたら、こんな感じだったのかもしれません。ガーディナーなので学術的にいろいろ考えた末かもしれないし、演出家が考えたことかもしれないし、どうなのか、確認している余裕はちょっとないんですが、いずれにしても、バロックなら舞台演出は凄まじく豪華で演出的だったとは思いますが、なんというか、ユニクロというか、部屋着で歌ってるみたいな映像っすね。 モンテヴィルディは18のオペラを作曲しましたが現存するのは次の3作、「オルフェオ」「ウリッセの帰還」「ポッペアの戴冠」。これらを観てゆきたいところです。ちなみに「ポッペアの戴冠」の方は既にDVDを持っているのですが、題材があまり好みではなくて、いまいち楽しめません。「ウリッセの帰還」のDVDを買いたいのですが、今は金がない。ウリッセの帰還というのはイタリア語なのでわかりにくいですが、ウリッセはラテン語ではウリュッセウス、英語でユリシーズ、ギリシャ語ではオデュッセウスであり、ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』なのだろうと思います。なお、映像ではアーノンクール指揮のDVDは3作揃っており、まぁ、探せばyoutubeにあがっているのもあるのですが、アーノンクールは未だにちょっと苦手なもので・・・。モンテヴェルディに続く作曲家としてはジャン=フィリップ・ラモーの「優雅なインドの国々」という作品のDVDを既に持っていました。数年前に買ったのですが、なんと未開封のままです。 アントニオ・チェスティの『黄金のりんご』と思わしき音声をyoutubeで見つけました。 オペラ『黄金のりんご』は神聖ローマ皇帝レオポルト1世とマルガリータ・テレサ・デ・エスパーニャの結婚式で上演されたそうで(1666年?1668年?)、マルガリータはスペインのベラスケスが幼少からの肖像画を描いてウィーン宮廷へ送っていた為、肖像画がたくさん残っているあのマルガリータであり、なかなか濃い感じでバロック繋がりですね。オペラの方は、おそらくバロックオペラ史上最大のイベントだったのではないかと思われますが、オペラ劇場どころから宮廷全体を使ったり、花火を打ち上げたりなどいう具合だったようで、基本的に再現不能なのではないかと思っていましたが、解説書で読んだだけなので、どんな作品なのかは知らず。上記の動画では5時間ですが、コメント欄をなどを見ると本来は8時間であり3時間のカットがあるそうですが。 |
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