マツ科の植物について整理してみたい。
急にマツ科の植物が気になって仕方がなくなって調べはじめているところです。急に気になり出すのも変ですが、マツ科の樹木から採れる絵画材料としては油彩画家なら誰でも使っているテレピンが採れるということで、極めて重要であるといえるでしょう。これまでは乾性油が採れる植物や樹脂が採れる植物にばかり注目してきましたが、ここでようやく精油の方へ気を配る余裕が出てきたと言いますか、むしろ今までうっかり忘れていたともいえますが。

とりあえずマツ科に属するものとしては・・・

カラマツ属(Larix):こちらは欧州唐松(Larix decidua)から採れるのがヴェネツィアテレピンだったかと思われる。針葉樹の中では珍しく落葉樹らしいので、見分けやすいかもしれない。山に登ったら木を付けて見ることにしたいところですが、可能であればタネか苗を入手したい。カラマツの苗はいつでも買えるけれども、西洋絵画材料的には欧州唐松がよろしいであろう。

モミ属(Abies):こちらは欧州モミ(Abies alba)から採れるのがストラスブルクテレピンだったかと思われる。モミの木はかっこいいスマートな逆三角形。先日も書きましたがタネを入手したので、現在は発芽に挑戦しているところです。

ヒマラヤスギ属のレバノンスギ(Cedrus libani)は、古代史によく登場するのでちょっと気になる。これを植えて育てるスペースはないけれども、盆栽的なサイズで観察してみたいようには思います。Amazonとか検索すると売ってますな。

マツ属(Pinus):アカマツ、クロマツを含み庭、公園等でも珍しくないと思うので、図鑑を片手に見てわまりたいところである。これは田舎町を歩けばとにかくいろんなマツが植えられているので、種類を覚える練習には困らないかと思います。そう考えると散歩も楽しくなりそうです。

中東から地中海の樹木は東北では育たないことも多いのですが、マツ科はむしろ東北の方が向いているので、できることが多くて楽しそうであります。そもそも今までは広葉樹が贔屓であって、針葉樹はあんまりという気持ちであったのだけれども、そういうのはあかんですな。いろいろ詳しく調べてみたいのだけれども、図書館も閉館中なので、手元にある資料を手がかりに身近なところから徐々にレベルアップしていく感じで勉強してゆこうかと思います。

| 家庭園芸 | 09:07 PM | comments (0) | trackback (0) |
ピスタシア・レンティスカス、アカンサス・モリス、アイビーの苗、その他購入
いつの間にか4月も後半となりましたので、今シーズンに植える植物などを購入しております。

まずはPistacia lentiscus(ピスタシア・レンティスカス)の苗。エーゲ海はキオス島において、マスチック樹脂を生む樹木として知られる、あのピスタシオ・レンティスカスですが、なんとなくネットで検索していたら苗が販売されておりまして、ちょっと高かったのですが注文しました。マスチック樹脂については下記の動画で詳しく説明しております。
https://youtu.be/fnrN67oDZK4
6本構成の長編動画であり、ひたすらマスチックについて語っておりますが、それでもまだ語り足りません。それにしてもまず手に入らないかな、と思っていた樹種なので、思わず買えてびっくりです。エーゲ海との気候の差に注意したいところですが、基本的には鉢植えにして、梅雨の間は軒下に移すようにしたいと考えております。上手く育ったら新鮮なマスチック樹脂が採れるかもしれませんが、キオス島でなければ質は落ちるのでありましょう。落ちてくれなかったら私としてはむしろ悲しいところです。

それからヨーロッパモミの種。苗は見つからず、種を注文。こちらはストラスブルクテレピンを生む樹種としてしられるヨーロッパモミの種。発芽させられるか、ちょっと自身はないのですが、まぁこのようにして話の種にしつつ、植物について覚えていければ私としてはそれでいいのです。なお、ヴェネツァテレピンを生むヨーロッパカラマツの種は売り切れでした。発芽させらるかがまず難しいところですから、時期を買えつつ2回に分けて慎重に進めたいと思います。なお、樹脂が採れるほど大きくなられても植えるところもないので、飽くまで観賞用に考えております。

次にインド藍の種を売っているお店を見つけたので注文。無数にある藍植物の中で、タデアイとウォードは植えてみたことがあるのですが、というか、今でも自宅に生えてきていますが、もうちょっと視野を広げていきたいところですので、ちょっとずつ植えてみようかなと。いっぺんに買い集めてもいいのですが、個々の印象が薄れてしまうので、数年おきくらいで範囲を広げてチャレンジしてゆきたいかなと。

アカンサス・モリスの苗も購入。これは珍しいものではなくて、どこでも買えますし、園芸の定番ですが、個人的に気になりだしたのは最近であります。コリント式柱頭のデザインでも知られるアカンサスですが、このところずっと頭の中が古代ギリシアなのですが、なんとしても植えてみたかった植物であり、春になるのをずっと待っておりました。リーグルの『美術様式論』を読みつつ、こちらの成長を見守りたいところであります。古代だけではなくて、その後の美術においても影響力のある植物だったといえましょう。装飾美術の植物文様についてそれほど深く考えたことはなかったのですが、今は熱烈に気になっており、その他の植物文様のベースとなった植物も植えてみたいところなのですが、ロータスは池がないし無理ですかな。自宅には植えられないからして、今度ハスの花を目撃したときは、めいっぱい観察して、写真もいっぱい撮っておこう。それにしてもリーグルは19世紀末の本なので、後で比較的新しい本で復習し直さねばならないとは思うけれども、やはり西洋中心というか、ギリシアに向かって話が進んでいくような感じはあるのだけれども、それはそれでいいのかもしれない。エジプトから進み、ロータスから徐々にイオニア式、やがてコリントスに向かっているような感じであり、ちょっとづつ近づいてゆくのが感動的である。装飾というものがこれほど面白かったとは。もっとも、周りには誰も共感してくれそうな人はいないのですが。

アイビーの苗も注文してあります。こちらも植物文様装飾の発生源となっているかと思うのですが、まだちょっと勉強が足りずいまいち説明できませんが、観葉植物としてしばらく鑑賞してみたいと思います。自分の部屋、北側の窓以外はカーテン締め切っているのだけれども、北窓の光でもいけるだろうか。やっぱ外に出して充分増やしてからにするべきか。

| 家庭園芸 | 01:05 AM | comments (0) | trackback (0) |
内山勝利(編)『プラトンを学ぶ人のために』(世界思想社)読了
10万という金額は大学の学費や英会話教室の費用みたいなものと考えると焼け石に水みたいな金額ですが、しかし独学で使うとしたら、非常に多くのことを学べる金額であります。この金額を知識に投資すれば、ちょっと2、3ヶ月前のお前とは違うな、男子三日会わざれば刮目して見よ、みたいな感じになるのではなかろうか。大学等の休校やオンライン化で憂っくしている学生も多いことであろうけれども、実技系の美大は伝統的にインプットを軽視しがちであるので、ここはインプットというものにじっくり取り組むべきではなかろうか、この時間と10万円で。

まぁ実際はそんな変わらんし、ほんの少し前進したか、あるいは前進したかもわからぬくらいであろうというのはこれまでの経験で充分わかっておりますが、しかし本日はリーグルの『美術様式論』を読み始めたけれども、ちょっと読み始まっただけで、美術という括りの中では今までそれほど自分の中で大きなウェイトを占めたことのなかった「装飾」というものに関して、並々ならぬ関心を引き起こされており、むしろ今まで深く考えていなかったことを恥じ入るばかりであります。

しかしこうして何もかも行動自粛になって世界が一変してしまうと、あれですな、日本人はあまり言わないけれども、チャイナリスクっていうのは予想を遙かに超えて巨大でありましたな。ウイルスの蔓延だけでも影響が大きいわけですが、それに加えて中国はマスクを優先的に販売する条件にファーウェイの5G設備導入を課したり、資金繰りに悪化した欧州企業をまとめて買収しようとしていたりするし、軍事面では米空母4隻、仏の唯一の空母がコロナ感染で行動不能となり、その状況下で南シナ海及び尖閣諸島で挑発行為を繰り返しているなどして、現在の状況を上手く活用しているようにみえるのですが、この方法だと非常に安いコストで世界を圧倒できるわけなので、これが上手くいってしまうと、中国共産党がこの手法が有効なものであると認識したら、常套手段として定期的に活用されてしまうのではなかろうか。10年間隔くらいでこんなことが起こるか、あるいはこのような香港のデモみないなものや、その他共産党内の権力闘争などの折に、その解決方法として使用されるようになってしまうというとも考えられる。国内でマスクが買えないのは、日本メーカーの工場も中国にある為ということもありますが、日本国内でも中国人ブローカーや暴力団の資金源になっているという情報がぼちぼち出てきておりますが、考えてみれば老人が買占めるというのは確かにあるのでしょうが、ちょっとそれだけは説明できないくらい手に入らないのは、やっぱりそういうことなのでありましょう。今後いずれは食料危機とまではいかなくとも、食料不足的な状況にはなる可能性がありそうだけれども、この場合も穀物の価値が上がりそうだとなると中国由来のブローカーが買占めをする可能性があり、そうなると物はあるはずなのに消費者の手に入らないという、下手したらどこかに穀物はあるのに餓死者が発生するということもあるかもしれません。我々はここ数十年食料危機で餓死をするような状況を体験していないけれども、ここから先はこれまでの世界と全く違うものになってしまうかもしれない。

で、それはともかく、内山勝利(編)『プラトンを学ぶ人のために』(世界思想社)読了。
以前読んだ『新プラトン主義を学ぶ人のために』の方は多数の哲学者が含まれる為、歴史的な叙述が多かったのだけれども、本書の方はイデア論はじめ、プラトンの思想、探求方法などについてじっくりと解説されている。最近プラトンやらその他の哲学者について本をしきりに読んでいるけれども、思想の内容などよりも、どのような人物に引き継がれ、どのように世界に影響を与えていったのか、ということに関心があって、そっちの方が断然面白く読めてしまうということもあって、自分は哲学ではなくて世界史が好きなんだろうなということを改めて実感してしまいました。しかしそれはそうでも、やはり本書もかなり興味深く読みました(途中ちょっと飛ばしたところもありますが)。それにしても、プラトンの著のほとんどはソクラテスを使った創作でソクラテスに自分の思想を代弁させているようなところが無きにしもあらずという気もあったのですが、しかしそもそも文学者志望だったプラトンがソクラテスの影響によって哲学者として生涯を送ったということになるとソクラテスがプラトンの一生を使って語らせたということでもあり、師と弟子の影響の複雑さというのをちょっと考えました。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 01:35 AM | comments (0) | trackback (0) |
小学館『西洋美術館』他購入
大学の美術科に洋画という専攻名がありますが、使われ方としては和紙と洋紙とか、和服と洋服みたいな感じで、日本画の対義語的なものなのでしょうけれども、実技系の大学の場合、昔はともかく少なくとも20世紀後半以降はこの専攻名は実際に授業で行う内容と一致していないような気もするので「絵画」専攻の方がすっきりするような気もするのですが。油絵をほとんどやってない「油絵」専攻と同じく、実際には洋画という定義に収まるようなものでもないして、羊の東西に縛れるものでもなくなってきていますし。と言いつつ、私自身はせっせと西洋絵画について読み続けているのですが、ここ数日買ったのは以下の本。これから読む、というか今読んでいるところです。

小学館『西洋美術館』(大型本/1999)。西洋美術の図鑑的なもので、全1199ページの大型本であり、定価15000円もするのだけれども、現在は廃版で、中古市場では2000~3000円で入手可能の状態です。非常に多くの図版が掲載されており、個々の図が小さいので、視覚的に鑑賞したいという人には不満も多いようですが、実は本書はテキストが非常によく編集されており、図版は美術史の内容を理解させる為のものという面があるかと思います。今、せっせと読んでいますが、非常に面白いです。ただ、関連する様々の本を読んでいたから、このまとめ方に感動するというところもあるので、例えば学生時代に自分が読んで何か理解できたかというと、ピンとこなかった可能性も高いとは思いますが、少なくとも今は面白いです。

リーグル(著)『新版 美術様式論 装飾史の基本問題』(美術名著選書)
19世紀オーストリアの本で、美術様式論としてはけっこう古い物というかその道の人には古典なのでしょう。翻訳自体が相当古いと思うのですが、画像等でよく確認して活字の新しくなったものを購入しました。コリント式オーダーの柱頭は一般的にアカンサスをイメージして作られているということになっていますが、それはアカンサスに似ていたからそう言われるにようになったという後付けではないか、という説が提唱されたらしいですが。これから読むところです。今年はアカンサスを植えてみる予定なので。

『新訂版 高校倫理』(実教出版 倫理312)
倫理の教科書を購入してみました。Amazonのマーケットプレイにて購入。教科書の古書はマーカーなどの書き込みがされていて読みにくいことが多いのだけれども、これは全く無傷で名前が書かれてあるだけでした。プラトン、アリストテレス、エピクロス、ストア派から中世のスコラ哲学まで限られた紙数にまとまめられており復習によさそうです。残念ながら新プラトン主義は欄外に補足としてプロティノスの名が小さく出ていただけでありました。高校の教科書レベルでは弾かれてしまいますかな。しかし、中世へ移行する間には重要な役割があったかと思うのですが。そしてやはり中世哲学はそんなに人名は出てこないですね。重要度ではやはり下がるか。仕方の無いところでありましょう。

ベンジャミン・ブレック(著)『ミケランジェロの暗号 システィーナ礼拝堂に隠された禁断のメッセージ』とロス・キング(著)『システィナ礼拝堂とミケランジェロ』という本も購入。ミケランジェロは探せば探すほど本が尽きない。同じようなものを何度も読んでいるような気もしてくるが、それぞれ切り口は異なる部分もあるし、復習を兼ねるという意味でも、というかそもそもミケランジェロの話はなんだかんだでけっこう面白い。基本的はヴァザーリとコンディヴィの伝記と、あとは現代人によって書かれた伝記が一冊読めばいいかというところもあるけれども。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 01:48 PM | comments (0) | trackback (0) |
渡辺晋輔(著)『ジョットとスクロヴェーニ礼拝堂』読了
仕事が途絶えても1年は暮らせるように税金と車の維持費と食料の貯えは残しているつもりで、いざとなったら材料を研究して、山ほど本を読んで過ごそうと思っていたけれども、自分だけないというのを想定していたのだけれども、世界的に自粛みたいになるとは想定外でありましたが、それはともかくとして、鳥越さんとルーベンスの動画を撮るためにルーベンスについて読んでいたはずだったのだけれども、いつの間にかミケランジェロについての本を続々買い込んでしまってました。コンディヴィのミケランジェロ伝も結局買ってしまったが思いの外分厚かったので驚いたけれども、書簡集も込みであった。ミケランジェロについての本で触れられている手紙などの読めて、これはなかなかよい。他にシスティーナ礼拝堂についての本を二冊注文。しかしそうなると、これは先にジョットのスクロヴェーニ礼拝堂のフレスコ画について読むべきではないかと思って、渡辺晋輔(著)『ジョットとスクロヴェーニ礼拝堂』を読了。文章の量は多くはないのですが、情報がとてもよく凝縮されており、手元においておきたい一冊でした。ジョットについてもっとずっしりと重い本も読みたいと思ったのですが、ミケランジェロとを比較すると日本語で読める本はミケランジェロに比べてかなり限られておりますな。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 12:30 AM | comments (0) | trackback (0) |

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