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画材&技法 全般 (10)」からの続き。


画材&技法 全般 (11)


オイルバーについて教えて下さい

nuts-man さんのコメント
 (2005/04/24 00:18:02 -
E-Mail Web)

はじめて書き込みします。
私は、一昨年までNYに2年程滞在しておりまして、その期間中ウィンザー&ニュートン社などから発売されているオイルバーを使用して、絵を描いておりました。
帰国後も引き続き使用中なのですが、大型のオイルバーを日本の大型画材店などで見かけたこともなく、ウィンザー&ニュートン社以外の製品は目にしたことがありません。
また、色数も少なく、値段も高価です。
もしも、何処か安く、大量に手に入るところがありましたら、教えて下さい。
また、顔料と蜜蝋等の簡単に手に入る材料で制作可能でご存じでしたら、制作方法をお教え頂けると、非常にうれしいです。
お願いばかりで、申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。


Re.メディウムの混ぜ合わせと照明器具について

miyabyo さんのコメント
 (2005/04/24 23:43:52)

はじめまして、ミヤビヨです。

●メジュームとヴィヒクル
≪ヴェネツィアテレピンバルサムやルフランのメディウム・・・・バルサムはあのどろどろの状態のまま、絵の具に混ぜ込めばいいのでしょうか?それとも電熱器などを使ってテレピンのような揮発製油に溶かし込めばいいのでしょうか?≫

私は画用液類は、画材専用の冷蔵庫に保存しており、使用するときはその前日に出して、保冷保温用のマット(なければエアマットなど)にくるんで直射日光や熱源を避けて常温になじませます。

つぎに、ビーカーを2個用意して、一方にヴェネツィアテレピンバルサムの原液(例えばターレンスの)を、他方にテレピンを入れて、湯煎で30〜40℃ほどに暖め、テレピンをバルサムに少量ずつ注ぎながらスティックで掻き混ぜてなじませます。

配合比は、下地の状態、それぞれの技術やpractice(好み・やりやすさも含めて)などによりさまざまで、一概に言えませんが、私はこの段階ではバルサム:テレピン=1:2(重量比)を基本濃度としてつくり、制作段階で更にテレピンを加えて調整しています。

制作段階の配合比は、あなた自身が習作を通して探すべきであることはいうまでもないことでしょう。

≪バルサムとフレミッシュメディウムとフレミッシュシッカチフメディウムを絵の具に混ぜて描こうと思っているのですが、メディウムとバルサムの混ぜ合わせる割合や混ぜ合わせたメディウムを絵の具にどの程度の割合で混ぜ合わせるか≫

ここでは、ヴィヒクルの中身について少し考えてみましょう(したがって配合比には触れません。指針としては、ド・ラングレの『油彩画の技術』など参考にしてください)。

A.「バルサム」 を 「ヴェネツィアテレピンバルサム」(バルサム1:テレピン2)
B.「フレミッシュメディウム」 を  「メジュームフラマン」(マスティック樹脂+焼いた乾性油+石灰+一酸化鉛)
C.「フレミッシュシッカチフメディウム」を  「シッカチーフフラマン」(コパル樹脂+スタンドオイル+一酸化鉛+テレピン)

として、考えて見ます(バルサム以外はルフランのものとしますが、現在でも組成が同じなのかは存じません)。
まず、A.C.とB.はその使用用途が異なります。
B.は、パレットに出しておいて、絵具と混ぜるもので、予め油壷の溶油に入れるものではない。
一方A.C.はテレピンで展ばし、制作過程でそれぞれの配合比を変えながら油壺に入れ換えていく。
油壺は二つ用意し、一方にはA.C.を含むヴィヒクルを、もう一方にはテレピンのみを入れて制作するとよいかもしれません。

A.C.を含むヴィヒクルは、テレピンを加えて基準となる液をつくって空き瓶に入れておき、描き始めはその基準液に更にテレピンを加えた、濃度の薄い溶液にしておきます。そして描き進めるにしたがって徐々にテレピンの量を少なめにしたヴィヒクルに入れ替えていきます。

ところで、絵具を溶油と混ぜる前に、絵具そのものと混ぜるB.のメジュームフラマンについてですが、その組成を見て了解できるように、石灰が含まれていなければ、通常のヴィヒクルとして使用できる組成です。

では、なぜわざわざ石灰を含めたメジュームがあるのでしょうか?

実は、このメジュームが使われていた時代の絵具と関係があります。どのくらい過去に遡れるのかはまだはっきりしていませんが、1500年代には使用されていたことがはっきりしています(その透明なメジュームをパレットにのせた絵が残っています)。
その当時の絵具と現在の絵具との根本的な違いは、当時は今ほど絵具に腰がなく、緩かったということです。その腰のなさを改善するということもあって、石灰を含むメジュームがあったわけです。現在の絵具には、同様の効果を出す目的もあって、蜜蝋などが加えられているのです(この他に色料によってバライト、カオリン、バリウム、ベントナイト、アルミナ等々を入れる場合があります)。


私は、以前「秘密にしておきたい内容」で次のように書きました。「画材&技法 全般 (9)」
 【炭酸カルシウムなどは、リンシード油で練るとすぐに確認できますが、屈折率の関係で透明〜半透明になり、絵具の色そのものにほとんど影響を与えないのです。
下限がいつかはまだはっきり判っていませんが、1500年代以降に使用されていたメジューム(これは溶油ではありません、透明〜半透明のゼリー状)にも使用されていました。
『ド・マイエルン手稿』などの技法書(マイエルンはメモを残しているのであって、技法書として編纂したわけではありませんが)や修復保存報告書などを参考にしてマルク・アヴェル氏が作ったルフランのメジュームがあります。
「メジューム・フラマン」艶出し:マスティック樹脂+焼いた乾性油+石灰+一酸化鉛
「ヴェネツィア・メジューム」艶消し:硬質の蝋(カルナウバ蝋?)+焼いた乾性油+石灰+一酸化鉛

どちらにも炭酸カルシウムが入っています。
昔の絵具は現在の絵具よりはるかにゆるい絵具でしたが、上記のようなメジュームを添加して絵具の展性を調整したのです。現在のチューブ入り絵具は、いわばそうした補助材が最初から入っているようなもので、私の好む絵面や効果によって、そうした補助材が邪魔になることがあるのです。
そのために、私の場合、絵具屋さんよりはるかに劣る技術ながら手練りは欠かせないのです。】


したがって、既述のように現在の絵具にはメジュームの石灰に代わるものが既に入っているといえるわけで、溶油にA.Cが入れてあれば、B.は入れる必要性に乏しいともいえるかもしれません。仮に乾性油のみで手練りをやられるのであれば、メジュームフラマンの使用は理にかなった選択の一つといえるでしょうが・・・・。

かつて、美系大学受験の限られた時間内で油彩画を仕上るために、石灰などを絵具に混ぜて描くやり方がはやったことがありますが、これもあながち邪道と言い捨てることはできません。ルーベンスなども一部の作品にそのようにして描いたものがありますから。


●照明について
≪外光を完全に遮断して24時間同じ照明下で描きたいのですが、その場合部屋の元々の照明だけでは暗すぎると思うのですが、その場合何らかの照明器具を用意するべきなのでしょうか?≫

明るい暗いという問題は、照明の数を増やすということも解決のひとつと考えます。
それよりもむしろその照明の色温度のほうを一考しても良いかもしれません。

昼間の太陽下の色温度は5500K(ケルビン)前後とされています。これより高くなるに従って青みが増し、低くなれば赤みが増す。
なるべく安く済ませようとするなら、蛍光灯ということになりますが、これは3色販売されています。

電灯色:3200K程度。昔の裸電球に近く、レストランなどで、料理や暖かい雰囲気を演出する目的で使用させる。イメージはろうそくの炎。
昼白色:蛍光灯としては最もニュートラルで、赤からず青からずで、普通はこれを使用すると良い。
昼光色:6700ケルビン程度で午前10時から午後2時の晴天の色温度に近く、青っぽい色をしている。

その他に「AAA演色」という蛍光灯があります。少々高いかもしれませんが、昼白色のそれより更に良いといえます。


メディウムの混ぜ合わせと照明器具について

オーテカ さんのコメント
 (2005/04/25 03:51:56 -
E-Mail)

返事ありがとうございます

どうやらミヤビョさんの意見ではベネチアテレピンバルサムとフレミッシュシッカチフメディウムはテレピンで展ばし、制作過程でそれぞれの配合比を変えながら油壺に入れるものとのことですが、僕がベネチアテレピンバルサムを絵の具に混ぜようと思った理由として、前、予備校の講師に「青木敏郎は絵の具にベネチアテレピンバルサムを混ぜ、それだけでは早く乾きすぎるから、そこにリンシードオイルをさらに加え、乾燥時間を調整している。だから、あんなピカピカの絵になるんだ」と言われました。どうやら、その講師は昔何かの雑誌でそう書いてある記事を読んだらしいのです。たぶん、青木さん本人が書いた文章らしいのですが。三嶋哲也さんも調合したメディウムの中にベネチアテレピンバルサムを入れているようなんですが、絵の具にベネチアテレピンバルサムを混ぜ込むのは古典技法においても一般的ではないのでしょうか?よく、グレージング溶液に使われることは知っていましたが。ベネチアテレピンバルサムはそれだけではいつまでもべたべたしてて乾かない、と技法書には書いてあるのですが、自分でとりあえず、絵の具に1対1の割合で湯煎したり、テレピンで薄めたりもせずに、混ぜて(ちなみにベネチアテレピンバルサムはもっとも濃厚なクサカベのものを使いました。まるで水飴みたいでした。)何も加えない絵の具と乾燥時間を比較しました。確かに強い光沢のまま、何も加えない絵の具より、ベネチアテレピンバルサムを混ぜた絵の具のほうが早く乾きました。ただ、早く乾きすぎるという感じではなかったです。

メディウムの配合比はド・ラングレの『油彩画の技術』など参考にするようにとのことですが、ラングレやデルナーの技法書については既に信頼できる画家が「これらの技法書の通りに描いてみても、ほとんどの古典絵画のマチェールのようにはならない」と発言されているので、誰かに実践的で参考になる意見を尋ねてみようと思ったのです。それと、ヴィヒクルという言葉の意味が分からないのですが、日本語に訳するとどんな意味になるのでしょうか?

炭酸カルシウムの件のお話ですが、これも件の話に出てくる予備校講師に、前に僕が「クサカベとホルベインの絵の具だと、どっちの方がいいのですか?」と尋ねたら、「ホルベインは増量と腰を出すために炭酸カルシウムをたくさん添加していて、顔料はあまり入っていないからクサカベの方がいい。炭酸カルシウムが入っていると絵の具の透明度も悪くなる。」と言われ、炭酸カルシウムを悪者のように考えていましたが、ずいぶん昔から使われていたのですね。こうした歴史的な文脈のなかでみてみるととても感心させられます。

照明の件ですが、僕が住んでいる1Kのアパートでは照明の増設はちょっと無理そうです。自分はてっきり写真屋で撮影するときに使うような照明器具を使ってみんな描いているのかなぁと思っていたのですが。特に人物画の場合、照明の当て方で絵の雰囲気がかなり変わるので、その場合やはりプロのカメラマンが撮影するときに使うような照明器具を使った方がよいのではないかと思いました。照明の色温度と種類についてのお話はとても参考になりました。


「メディウムの混ぜ合わせと照明器具について」へのレスです。

三嶋 さんのコメント
 (2005/04/25 03:57:47 -
E-Mail Web)

オーテカ様はじめまして。

Artisから連絡があったと思いますが、志を頂きありがとうございました。
教室の件につきましては、またメールにてご連絡させて頂きます。

さて、本題のメディウムの件ですが、私の場合チューブ入りメディウム以外全てを混ぜ合わせた液体を予め作っておきます。
作品数点分、半月〜1ヶ月位持つ量でしょうか。
その際バルサムもドロドロ状態のまま混ぜていますが、混ざり難さに閉口します。
滑らかなターレンスならまだしも、硬いクサカベだと大変です。
湯煎せず常温で強引に「掻き混ぜ振り混ぜ」ていますが、やはり湯煎した方が良く混ざるでしょう(笑)。

そしてその調合液体メディウムを制作前、絵具の量に応じて数滴〜十数滴垂らし、その時チューブ入りメディウムも一緒に混ぜ合わています。
混合比等は私の企業秘密ですが、なにも古典絵画がこのような配合や材料を使っていた訳ではありません。
おそらく各画家が自分の表現に適した配合や材料を見つけていた事でしょう。
ご自分の使い易い配合比を見つけられると良いですね。
(かく言う私の場合も、いまだ微妙に変化し続けていますので)
一言だけ助言するとすれば、技法書の配合比はあまり参考にしない事です。

照明に関しては詳しくは解りませんが、経験上現在より明るい物に取り替えるだけで解決するかもしれません。
私も最近買い替えましたが、蛍光灯も細く明るく、以前の主流サイズから随分変わってきているようです。
画家によっては横からの光を求め、さらにモチーフの近くに追加する方も居られます。
これは私も大変興味が有ります。
ちなみにA先生のアトリエは天井が高く広いので、斜め上方遠くの壁から強い光を出す装置が有ったり、様々に照明がコントロール出来る環境の様でした。

P・S
miyabyo様はじめまして。そしてありがとうございました。勉強になる書き込みを度々拝見しております。
その研究と博識には驚くばかりです。


追記

三嶋 さんのコメント
 (2005/04/25 05:32:41 -
E-Mail Web)

オーテカ様

書き込み中にすれ違ってしまいました。
答えられる範囲でお答えします。

まずベネチアテレピンバルサムが一般的だったかは解りません。
どう扱うにせよ、これが無くても充分絵は描けます。
ベタベタするし大変な厄介者でもありますが自分の場合、
単に「私の絵」を構築するのに必要なので使っているだけです。
写実絵画に必需品なんて代物では決して無いと思います。

その乾燥が速すぎるというのは、おそらく話しの食い違いです。
その雑誌の文と思える書物のコピーも持っていますが、
「リンシードで乾燥時間を調整」という文章は有ります。
しかしこれはルツーセに使うダマール樹脂の乾燥を遅らせる為という内容です。

このように伝聞はあてになりません。
さらに書物も引用や孫引きが多く、常に疑いを持って見る必要があります。
前述の書物も記者がまとめ上げた物ですから、ニュアンスが全く違っている可能性も有ります。
私も全く言っていない事を書かれたり、言葉を勘違いされとんでもない事を書かれた経験があります。
例えば「写実技法」が「写真技法」とやらに変化したり(笑)。
まさに真実は画家の手にのみ存在すると言っても大げさではないでしょう。

ラングレについての記述は多分私の言葉ですね。
率直に言うと配合比は揮発精油の割合が異常に多すぎると思います。
それを実感する為にも是非試してみてください。
これは私だけの感想ではなく、すでに我々画家の間では常識になっている事かもしれません。
ただ、ラングレの本は大変勉強になる記述も多く、とても感動的な本です。
もしまだ見ていないようでしたら、是非ご一読をお勧めします。


メディウムと照明と青木氏の記事

オーテカ さんのコメント
 (2005/04/25 21:54:51 -
E-Mail)

三嶋先生はじめまして、そして返事ありがとうございます。

あまり語りたくないはずの技法についてわざわざご説明いただき、ありがとうございます。とても参考になりました。アーティスに関しては夏休みを利用して1ヶ月だけお世話になろうと思います。本当は継続して受講したいのですが、受講料より交通費のほうが高くかかってしまい、夏休みや春休み等の長期休暇中しか、通えそうにありません。もし、アーティスでお会いしたときは技法や画材のことで質問攻めしてしまうかもしれませんが、そのときはすいませんが、適当に相手してください。何せ、僕の大学には描写を指導してくれるような教員が一人もいません。こんなの誰でも描けるんじゃないのか?という感じの絵を描く現代美術作家だけです。

雑誌についての件ですが、三嶋先生が持っているコピーはおそらく、京都造形芸術大学が出版した「洋画を学ぶ」ではないでしょうか?このことで僕がお話しできるエピソードは、僕が予備校生だったときに、本屋や図書館で何か実践的、かつ専門的な洋画の技法書はないか、と探し回っていたとき(初心者向けの本はいくらでも置いてあるのですが)、図書館で「洋画を学ぶ」を見つけました。あの青木敏郎さんが写真付きで静物画の実演をされているのに驚き、その時からずっとかりっぱなしの状態ということがあったのです。予備校にも何度か持って行って読んでいたわけですが、ある時、前述の講師に、「お前何読んでるんだ?」と言われ、その本を見せたところ、「これ、おもしろいな、ちょっと貸して」と言って、そのまま一晩その講師に貸したことがありました。ですから、その講師はうろ覚えの記憶で僕に話した可能性が高く、三嶋先生のいう「話の食い違い」は確かにその通りかもしれません。ルツーセについての記述は僕も読んでいて、たぶん、30%のリンシードオイルを加えると書いてあり、まねして作った覚えがあります。ただ、その講師は昔の雑誌に書いてあったと言っていたので(その講師は若干、虚言癖があったので信用できないのですが、)青木さんとその講師がほぼ同い年で青木さんと三嶋先生が20歳以上歳が離れていることを考慮すると、何十年も前に本当にそういった記事があったのかもしれないので、地元に戻ったときにあらためてその講師にその情報の出所を聞いてみようと思います。もし、うまくはぐらかされたら、三嶋先生の言うとおりでしょう。「洋画を学ぶ」と「タブローの研究」(タブローの研究は三嶋先生のホームページではじめて知り、図書館でかりました。)にも、メディウムやベネチアテレピンバルサムについての記述はなかったと思います。それとこの書き込みを読んだ方でその真偽について分かった方は返事お願いします。

ラングレについての記述は勝手ながら三嶋先生の言葉を使わせていただきました。ラングレの技法書については図書館においてあったので、予備校生時代から読んでいたのですが、でも、あのときは絵の具にアルキド樹脂系のメディウムを混ぜて、有名美大の試験時間に合わせ6時間で描いていた時期であり、古典画の溶剤や樹脂についての知識も全くなく、かなり難解に感じましたし、実践する時間的な余裕もありませんでした。現在、大学の図書館で、デルナーとラングレの技法書をかりて、ざっと目を通していますが、実践していないので書かれている文章を頭の中で反芻できていないような状態です。照明についても、作家さんそれぞれ独自のこだわりがあるようですね。自分なりにいろいろやってみようと思います。


Re.メディウムと照明と青木氏の記事

三嶋 さんのコメント
 (2005/04/26 03:20:15 -
E-Mail Web)

記述は昔の雑誌の特集で、知り合いから貰った手元のコピーには「アトリエ743より」と書いてあります。
80年代でしょうか。
技法解説他、照明に関する記述もあります。


三嶋さんへ

オーテカ さんのコメント
 (2005/04/26 20:09:56 -
E-Mail)

大学の図書館で雑誌アトリエの743号を調べたところ、青木敏郎さんの特集を見つけました。メディウムについての記述は残念ながら、ないようですが、画学生の僕には非常に参考となる内容でした。わざわざ教えていただき、ありがとうございます。


過去と現在の狭間で

miyabyo さんのコメント
 (2005/04/28 01:26:31)


オオテカさんへ

まず所感を述べます。
オオテカさんの最初の書込みも、私のレスに応じる二度目のレスにより、何を問題にされたかったのか、かなり明確になったようです。オオテカさんの情報源の質についても想定できました。また、文面に挙げられたお二方の作家の一人、三嶋さんからのタイミングの良いレスもあり、情報源の内容に関する実態も確かなものとなったと思います。
ひと段落したと思われますので、以下記します。

「古典技法」「古典画法」なる言葉の怪
私も時にはこの便利な言葉を、近代から現代に至る様々な絵画手法を、それまでの様々な絵画手法とを乱暴に対峙させる場合使用することがありますが、多くの方もお思いになるように、この言葉は実体のない意味不明の言葉だと思っているひとりです。「ルネサンス」もかなり揺れる言葉ですが、「古典技法」「古典画法」はその比ではないように思うのです。しかしながら、この怪に対する疑問は判断中止をした上でお話しているという前提もあります。

≪どうやらミヤビョさんの意見ではベネチアテレピンバルサムとフレミッシュシッカチフメディウムはテレピンで展ばし、制作過程でそれぞれの配合比を変えながら油壺に入れるものとのことですが≫

じつは、これは私の意見ではなく、その多くは今から350年ほど前の『ド・マイエルン手記』にほのめかしてあることですし、また保存修復の報告書などとも絡めて一定の蓋然性を有するのです、といえば大げさになりますか・・・・。

ずばり言いますと、その手記は、現在画材メーカーから販売されている.「フレミッシュメディウム(メジュームフラマン)」 や.「フレミッシュシッカチフメディウム(シッカチーフフラマン)」のお手本となった重要な原史料です。過去の絵画術の実践的想定に立脚した現代の作家の処方からある時代の絵画技法(この場合は漠然とした「古典技法」)を云々するより、一足飛びに、その重要な史料にはどのようなことが書いてあるのかを見るのが、物事の順序だろうと思います。

ただ、この手記は、残念ながら、日本では森田恒之氏の抄訳による紹介と、私がこちらのサイトで部分訳をして紹介したものくらいしかありません。

また、通常入手可能な技法書も、特に実作家の手になるものは、こちらのサイトに今までにも書いてきましたように、問題を含んでいるわけですし、自分のpracticeと相容れない内容もあるのが普通でもあります。一方、非作家の書となると安全性や過日の画材の多くをノスタルジーとでも言わんばかりに否定されかねない傾向が強くあります。

ド・ラングレの書は、温故知新的に過日の技法について思い巡らし、彼なりのpracticeを見出したのですから、読み手としてはいくつか問題はあっても、やはりそのプロセスにある種の感動を受けるわけです。これはもはや継ぎ接ぎだらけとなったディルナーの書(改訂版)からは決して得られない感動ではないでしょうか?だからこそ、一読を薦めたくなりますし、また彼自身がやったと同じように、徹底して彼自身の処方やpracticeの検証をすることもしてほしいと望むものです。つまり、どのような書に当たったのかもないままのご質問に対しては、こうした情報に乏しい日本では、やはりご紹介せざるを得ないのです。
(もしも、これをお読みの方で、今後ご質問されようとなさる場合は、ご自分の参考にされた書は書いてくださると助かります。過去レスをご覧になると、実に不親切な質問が多くございます。そのようになされば、もっと知恵を出してくださる方もあるのではないかと老婆心ながら・・・)

ド・ラングレにしたところで、過日の画法や処方の再現ではなく、そこから彼が模索し、実験し、彼の画法にかなった材料と配合の処方例を示しているに過ぎないと私は思っています。したがって、彼の処方でいわゆる「古典技法」なるものが描けるかどうかという問いかけそものもは、まったく議論の外にあるものだろうと考えるわけです。

むしろそうした意味合いで試すならば、
●Maroger, Jack, “The Secret Formulas and Techniques of the Masters”, New York 1947 (Hacker 1979) 
の方が、叩き易いでしょう。


☆「失われた画術」17世紀の源泉をたずねて

さて、『ド・マイエルン手記』に話を移しますが、そのとっかかりとして・・・

≪だから、あんなピカピカの絵になるんだ≫

オオテカさんが講師の言葉として引用されている部分ですが、ひとまず特定の現代の画家の方を示さずに、オオテカさんが言われる「古典技法」を、例として17世紀のold mastersの絵画の一般論として考えて見ます。
まず、ニスを塗る習慣がほとんどなくなった現代の多くの画家にとって、絵の見えに対してどのような想像をしているかという点です。現在に残る絵画のほとんどは現在までに幾度となく保存修復の手が入っている事情を差し引いても、はたしてそのワニス層を除去した状態(絵画層)との差異を画家はどのように想像するのでしょうか?
といいますのも、ある画用液を使ったがゆえに「ピカピカ」に見えるという因果関係は、最終ワニスを施していないことを前提にしていない限り成立しない話だからですし、一方、最終ワニスを施していないold mastersの油彩画などありえないです。

実は、ここからが問題です。仮に、最終ワニスを施さずに、old mastersのような「ピカピカの絵」にしようとした場合、通常どうするかです。おそらくは、ビヒクルに限りなく多くの樹脂を入れ込むことになるでしょう。そして、それは好ましい処方ではない、ということはいえます。技法的にではなく、保存的観点から。

誤解?
A.「バルサム」 を 「ヴェネツィアテレピンバルサム」(バルサム1:テレピン2)
B.「フレミッシュメディウム」 を  「メジュームフラマン」(マスティック樹脂+焼いた乾性油+石灰+一酸化鉛)
C.「フレミッシュシッカチフメディウム」を  「シッカチーフフラマン」(コパル樹脂+スタンドオイル+一酸化鉛+テレピン)

もう一度確認しますと、B..「フレミッシュメディウム(メジュームフラマン)」は、チューブ入りです。そして「その透明なメジュームをパレットにのせた絵が残っています」と補足しています。つまり、オオテカさんがどのような使い方をされたいかに拘らず、このメジューム(現在の製品が当時と同じかどうかの保証はありませんが)が、本来どのように使われたかを、私はお話しの基点としています。
当時の画家は、B.は単独でパレットに出しておいて、まず絵具と混ぜ、その後に場合によりヴィヒクルと混ぜたのです。
これには道理があります。例えば、粘性の緩い絵具を、石灰の入ったBメジュームフラマンとパレット上で混ぜ合わせて腰を与えます。もしもそのままでよければ何も加えずにカンヴァスに塗る。しかし、腰がありすぎると感じた場合は、テレピンで予め展ばしたA.C.を含むヴィヒクルで緩める。また、色は薄めたいが、希釈剤(テレピン、ペトロールなど)で薄めたくないときにもこのメジュームを使います。

『ド・マイエルン手記』には、ヴェネツィアテレピンバルサムは1:1または1:2程度に薄める処方があります。ただし、現在にいうテレピン精油なのか、その元である松脂(含油レジン)であるのか、はっきりしていないようです。


オオテカさんが、もしも、粘性の強いヴィヒクルで描くことが「古典技法」と思われているとすると、それは余りに偏った見地です。もっと広いスタンスで捉えてください。

三嶋さんもおっしゃておられる様に
≪まずベネチアテレピンバルサムが一般的だったかは解りません。
どう扱うにせよ、これが無くても充分絵は描けます。
ベタベタするし大変な厄介者でもありますが自分の場合、
単に「私の絵」を構築するのに必要なので使っているだけです。
写実絵画に必需品なんて代物では決して無いと思います。≫

また、三嶋さんの手順もつまるところ同じです。、
≪本題のメディウムの件ですが、私の場合チューブ入りメディウム以外全てを混ぜ合わせた液体を予め作っておきます。≫
≪そしてその調合液体メディウムを制作前、絵具の量に応じて数滴〜十数滴垂らし、その時チューブ入りメディウムも一緒に混ぜ合わています。≫

つまり、B.は入れずにA.C.の調合液体メディウムを予め作っておき、(パレット上で)絵具の量に応じてその(調合液体メディウムを)数滴〜十数滴垂らし、その時点でチューブ入りメディウムも一緒に混ぜ合わておられるわけです。

【ご参考までに】
●1600年前半当時の技術を伝える『ド・マイエルン手記』(1620〜1646年)では次の様に書き残しています。

   (No. 148, v. de Graaf, ド・マイエルン手記, p.203. 独:No.205, 仏:fo1.94, pp.113-4)
   比類ないワニス
   もっとも澄んだヴェネツィアテレピンと無色テレピン油を取り、とろ火の上に置いた
   ポットに同量ずつ入れよ。(* 容器の)周辺に泡が吹いてきたら速やかにそれを火から
   移せ、ワニスは自ら煮える。冷めたらガラス瓶に保管せよ。このワニスはすべての絵
   具を覆うのに適している。特にヴェルディグリ、顔、その他のすべて。それはすべて
   の色を保護するし、決して色褪せせず、空気で変化を受けることもない。それは3時間
   で乾き、その後で仕事ができるしその上に描くこともできるので、最高である。

これは今日言うところのルツーセ(加筆用)に相当し、ヴェネツィアテレピンバルサム:テレピン精油=1:1の配合。
このスレッドで以前ukaさんとのやりとりで話しましたように、ルツーセはテレピンの量を調整すれば最終ワニスにもなる。
ただし、ご承知のように、現在ワニスの組成にあるダンマル樹脂は、この当時はまだ使用されていなかった。
当時の「ワニス」は、必ずしも現在に言うワニスのみを示すわけではなく、光沢性の強い配合油に対しても使用された語。

◎その後Ukaさんより時々メールがあり米国で頑張っておられます。今以下のところに作品が載せてあります。
 http://www.artrenewal.org/articles/2005/Salon/winners8.asp
 

   (No. 111, v. de Graaf, ド・マイエルン手記, p.186. 独: No.23-4, 仏:f ol.16, P.32)
   油を水のように透明できれいにすることについて
   純粋の黄金リサージを1/2オンス、鉛丹2オンス、胡桃油を英国1パイント(* 0.56ℓ)取り、
   一緒にとろ火で1時間煮よ。ときには油はナイフで切ることができるほどどろどろになるが、
   そのうち澄んでくるし液状になる。まったくどろどろにならないこともある。それを滓から
   分離して、ガラスポットに入れて太陽に晒しておけ。
   熱せられるがままにしておけば、それは漂白されてとても澄んだ油になる。
   注記−1年のうちで3月の太陽は、この効果を得たりさらに漂白したりするには最も適して
   いる。4月と5月は悪くはないし、その後の3ヶ月よりは好ましい。
   【欄外付記:私は見た。
   卓越せしフランドルの画家メッテン氏、1622年】

   濃厚だが透明で乾燥牲に優れ、体質に乏しい絵具との混合に適し、その絵具に体質を与え、
   絵具が油の底に沈まないような油の作り方について
   きれいなナラの灰(* oak ashes)を取り、一握り、つまり油量の1/4の量を温めよ。その上
   から胡桃油を1パイント注げ。8、12、14日間そのままにしておくがよい、君の欲するもの
   が得られる。
   メッテン氏に依れば、油は浅くしておけばそれだけ熱し易くなり、絵具と混ぜるのにより
   適した油になるとのことだ。

「ときには油はナイフで切ることができるほどどろどろになるが」とあり、びっくりされるでしょうが、これは、祭りの屋台などで見かける串にさしたりんご(りんご飴)に絡めてある赤色の乾く前のどろっとした飴程度。


   (No.112, v. d, Gaaf, ド・マイエルン手記, p.187. 独:No.202, 仏:fo1.93, P.112)
   シッカティフ油(速乾性油 huile Siccative)
   リサージ(* 金密陀)とミニウム(* 鉛丹)とでリンシード油を煮よ。それが泡立たないように、
   とろ火に置け。それはシロップのようになる。それをガラス瓶など(蓋無しの平皿で試し
   てみよ)に入れて3月の太陽の下に置き、それが澄むまで放置しておけ。そうすれば、カナ
   リア産のワインのように美しくなる。
   【欄外付記:メッテン(* V.D.グラーフにはあるが、ベルガー、仏版にはない) できるだけ3月
   の太陽よりもさらに長い太陽に晒す必要がある。試してみよ。だが、油を熱すれば熱するほど
   それは濃くなる。】

   (No. 119, v. de Graaf, ド・マイエルン手記, p.187. 独:No.33, 仏:fo1.20, p.37)
   ポピー油は非常に透明な油であり、フランドルの画家達に使われている。彼らは、
   Jacques de Gheyn供* ベルガーでは[‥‥?]、仏版ではH. Ghein)や他の画家の静物画など
   のように、鮮明な色が必要な繊細な仕事に用いる。この油はそれ自身なかなか乾燥しない。
   そのため、ヴェネツィアガラスと一緒にそれを練って、それからガラス瓶に入れて太陽の
   下に3、4週間置き、週に4日は攪拌しなければならない。それを使用したいときは、澄んだ
   油を静かに移す必要がある。残りをガラス瓶に置いておけ。
   【欄外付記:白ポピー油(Oleum papaveris albj) メッテン氏
   ポピー油は、薄板又はガラス容器で覆ったかなり大きい錫板に置いて、3、4日あるいはそ
   れ以上熱い太陽に晒せば、さらに良く乾燥する。ワーロンの画家M. Vannegre氏は、この油
   はかなり早く乾燥することを保証している。】

   (No. 159, v. de Graaf, ド・マイエルン手記. p.206. 独:No.339, 仏:fo1.160, p.160)
   《フランドルの画家ニューポート(Newport)卿の談話
    1633年9月16日(* ベルガー版では1633 (1638?)年、仏版では1638年となっている)》
   彼の絵画用の常用ワニスは、非常に白いテレピンバルサム、透明のテレピン精油、マス
   ティック樹脂で作られる。
   それは流動性に富み、とても美しい。アダム・スシンゲル(Adam Susinger)のワニスを見よ。
   このワニスは、色を引き出して制作を進め、すでに描いたところを見たり、色が死んでよく
   見えないところの仕事を仕上げるために、絵具がキャンバスに沈んだその図像の上に塗れ。

この常用ワニスもルツーセ(加筆用)としても使用。つまり、更に薄めれば、通常のビヒクルとしても使用可能なのです。

   (No. 121, v. de Graaf, ド・マイエルン手記. p.191. 独:No.11, 仏:fo1.96, p.23)
   ルーベンス氏
   注意− 青でそうするように、汝の絵具を塗りやすくするには―その結果よく混ざるし
   色褪せしないが―、とはいえすべての絵具にもいえることだが、描いている最中に、
   湯煎で抽出した明るい色のヴェネツィアテレピン油に、時折筆をちょっと浸せ。それか
   ら、その同じ筆で絵具をパレットで混ぜよ。
    【欄外付記:精製テレピン油(Aqua di Ragia) 私は見た。】


   (No. 155, v. de Graaf, ド・マイエルン手記. p.205. 独:No.341, 仏:fo1.161, p.158)
   ベルカム氏の速乾性ワニス  私は見た。
   極上のサンダラックを1/2オンス取れ。それをごく微粒の粉末に磨り潰し、極上のヴェ
   ネツィアテレピンが1オンス入った釉薬をかけた土製のポットに入れよ。汝のポットを、
   良火に掛けた砂入りの容器または陶器に入れよ。砂が赤熱するように強火にせよ(その
   必要はないと私は思うが)。汝のビャクシンの樹脂(サンダラック)を溶かし(水中でやっ
   てはならない)、この混合物に極上のテレピン油を2オンス加えよ。混ぜよ、そして汝
   の完璧なワニスは汝が必要とするまで保管せよ。それは良いものだが、黄色い。
   【欄外付記:ベルカム氏が私に見せたこのワニスの以前の記述を見よ。彼は無色で乾燥
   性のあるリンシード油を添加した結果を私に見せた。】
   T.M.(「追記」の意)このワニスを、速乾性リンシードまたはクルミ油1ポンドに対し
   て1/2オンス加えよ。
   空気または水で漂白または   ?    したものは、堅固で耐久力がある。

   (No. 113. v. de Graaf, ド・マイエルン手稿, p.187. 独:No.208. 仏:fo1.96, p.115)
   <緑青、アンバー及び皓礬の場所に使うレーキや黒用の速乾性油>
   良く粉砕した黄金色のリサージを取れ。そこに胡桃油又はリンシード油を入れ、火の上で
   かき混ぜよ。煮えだしたら火から下ろし、沸騰が収まれば再び火にかけよ。これを5、6
   回繰り返せ。それを冷まし、すり潰した顔料にそれを1、2滴加え、パレット上で念入
   りに混ぜ合わせよ。この油はそれ自身清澄で、透明になる。表面に皮が生じることがあ
   るから、それを取り除く必要がある。
   【欄外付記:この油は他の色を殺すので、黒や暗色を混ぜたレーキ専用である。】

   (No. 157, v. de Graaf, ド・マイエルン手稿. p.205. 独:No.301, 仏:fo1.140, p.136)
   アダム氏の最良のワニス、水のように透明で、しかも3時間で乾く
   極上のヴェネツィアテレピンを11/2オンス(彼は13/4オンスまですることがあるが、
   これが最良の分量である)取れ。小さめのかまどに置いた熱湯の入った盥の中のガラ
   ス容器に、それを入れよ。テレピンを溶かしながら温め、よく洗った1/2オンスのマス
   ティックの涙を細かい粉末状に磨り潰してテレピンに投入せよ。マスティック樹脂が
   溶けるまでテレピンをつねに掻き混ぜよ。別の容器に極上の透明なテレピン油を4オ
   ンス取り、容器をガラス蓋で覆って、これを同様に加熱せよ。それを、溶けたテレピ
   ンとマスティックに注ぎいれ、適宜掻き回し、火から移せ。
   その塗り方について。汝の絵をきれいにし、それが暖まるまで太陽の下に置け。その
   暖まった絵にワニスを塗り、そのまま乾燥させよ。
   【欄外付記:私ははっきり見た。】

当然ながら、「私は見た」と書込みのある部分は、いわば肩越しに見た情報のため、画家から聞いたとする情報より更に価値が高い。


以上『ド・マイエルン手記』より、ヴィヒクル・ルツーセ・最終ワニスなどに使用される材料について記された中から、ほんの一部を抜粋して訳しておきました。試訳です。
『ド・マイエルン手記』は2種類あってイーストレーク以来その一方だけが紹介されているわけで、その点では全体像が見えないのが残念ですが、それを差し引いても、特に油彩画をやられる方には貴重な当時の情報源といえます。
多くは、ベルガー版(原文と独訳)によるものですが、ベルガー版からの仏訳、伊訳、英訳、それに原文に基づくV.D.グラーフ(オランダ語)、も参照しました。近々ベルガー版の『ド・マイエルン手記』の部分だけの改訂版が届く予定ですから、現行の仕事が終わり次第読み直したいところです。

まだまだ彼の使用した用語で特定できていないものもありますが、詳細な注釈も煩わしいので、現状のまま載せておきます。

ここに紹介した『ド・マイエルン手記』の処方を、多くの画家やメーカーがそうするように、空想たくましく実際に作って試してみられるとよいでしょう。そして、更に知りたいと思われるのであれば、「1.技法書全般」のスレッドに私の読んだものを載せてありますので、ネットなどで入手されると良いでしょう。


三嶋さんへ
こちらこそ、はじめまして。拙文への感想を賜りありがたく存じます。
私は団塊の世代ほど疑り深くはありませんが、かといってネット上のみで解決させようとするほど楽天的にはなれない世代です(オオテカさんのことではありませんよ。でなければレスしません)。また、自分の知っていることだけお答えするのもそれはそれでよいのですが、私自身知りたい気持ちをなかなか形にできないもどかしい経験(裏付けの取れない情報)もあり、単に体験したことや知っていることをお答えするのではなく、その知識の源泉や経験の妥当性を可能な限り確認し、裏づけができるように、また、質問なさる方の知りたい気持ちを今一歩進める一助になればと、参考文献なども惜しまずお知らせしております(完璧にはできかねますが)。
もちろん、誰しもファイヤーウォールを持っているわけで、教えたくないこと、知らせたくない文献はあります。ただ、その防壁が他の方よりはかなり奥にあるというだけです。では。




画材&技法 全般 (12)」へ続く。


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