2011,06,25, Saturday
パピルスと言ってもミニパピルスですが。
![]() 茎の断面は三角形をしており、その他、パピルスらしい特徴と一致しております。 パピルスは4mぐらいの高さにも育つそうですが、こちらは1mぐらいとの話。 茎の太さもそれほどにはならないだろうから、これでパピルス紙づくりは難しいかもしれないけおd、名刺サイズぐらいなら、もしかしたら作れるかもしれないという期待込みで。 しかし、これはどうやって植えるのだろうかと、画像検索でいろいろ見てまわったが、よくわからない。 とりあえず、サンシックンドリンシードオイル作成に使用していた水槽が放置されていたので、それに入れてみた。 ![]() |
2011,06,23, Thursday
亜麻など植物の繊維が糸になるというのは、実際にやってみるまでは不思議なものであるが、糸が布になるというのも体験しないと理解しがたいことである。キャンバスは平織りの亜麻布が多いけれども、「織る」ということをやってみたことがなかったので、何かの話のタネにでもと思って、織機を買ってみた。
ただし、子供用である。 ![]() ナカバヤシ(株)はたおり工作キット。Amazonで1500円くらい。 対象年齢6歳以上。 子供用工作キットで学ぼうというのは、お手軽すぎると思われるかもしれないが、立派な織機は、機織りを効率的に行なうための補助的機構が付加されており、機織りの根本的な仕組みを知る上で、かえって邪魔になるので、むしろ子供向けキットの方が、学習に適している可能性がある。例えば、よくテレビの映像などで、立派な織機を使った実演を見る機会は多いと思うけど、あれを見て、機織りの仕組みを直感的に理解はできないだろうと思われる。 中身はこれだけ。 ![]() 亜麻糸は手芸店で購入。百均のたこ糸でもいいだろうけど、せっかくなので亜麻でいきたい。 ![]() まず、四角い枠に経糸を張っていく。 ![]() 経糸を引き上げたり下げたりする綜絖(そうこう)、あるいはヘドルという部分に、経糸をひっかける。一本おきに。 ![]() 勘のいい人なら、この時点で織機の仕組みが理解できるであろう。 緯糸を、杼(ひ)またはシャトルというものに巻いて準備しておく。 ![]() で、ヘドルについた経糸を持ち上げて、持ち上がってない経糸との間に、シャトルで緯糸を通す。 ![]() 通した緯糸をクシで真っ直ぐに整える。 ![]() で、今度は、ヘドルを下に下げて、下げてない経糸との間に緯糸を通す。 ![]() 延々と繰り返すと、こんな感じになってゆく。 ![]() で、適当なサイズの布ができたところで、経糸を切って、枠から外す。 ![]() 亜麻キャンバスが完成。 ![]() 緯糸より経糸の間隔が広いので、ちょっと平織りキャンバスっぽくはないけど。。 キャンバスの緯糸と経糸の違いは実はわりと重要であるし、一定の間隔にどれぐらいの本数の糸が存在するかという、布目の粗さも当然重要で、その辺を、実体験付きで学べるから、キャンバスを使う者なら、こんなことも、やってみる価値はあるかと思われる。サイズが小さいから、このレベルの製品で絵画用のキャンバスを自作というわけにはいかないけれど、機織りの仕組みの理解という点では、構造がシンプルな方が望ましく、さらに低予算、短時間で済む作業となるので、なかなかよろしいというのが結論である。 ところで、Amazonには本製品の説明文にて「簡単な構造で編みのもの仕組みが理解できる機織りセットのキッズ用おもちゃです」と書いてあり、メーカーのサイトでも同様の文章だったけど、これは織機なんだから、「編み物」じゃなくて、「織物」ではなかろうか。 |
2011,06,19, Sunday
水彩絵具の媒材としても知られるアラビアゴムの採れる木は、アカシア属のアラビアゴムノキ、代表的なものはアカシア・セネガル(Acacia senegal)というのだそうであるが、アカシア属は関東以北では育たないそうなので、東北在住の当方では栽培は難しいと思われる。しかし最近はかなり蒸し暑くなってきたので、植えてみたら案外いけるかもしれないが、アカシア・セネガルの苗木というのは売っているのを見たことがない。ミモザアカシアはどこでも売っているが、セネガル以外のアカシアでも似たような水溶性のゴムは採れるのだろうか(ちなみに北海道など北の方でもアカシアというのが植えられているけど、それはニセアカシア)。
で、先日、『縄文人になる! 縄文式生活技術教本』なる書物を読んでたら、古代絵具を作るというくだりで、サクラやクヌギの樹液が水溶性であり、顔料を定着したりすることができる、みたいなことが書かれていたので、さっそく近所の桜の木をまわって、樹液を集めてきた。 近所の農業用貯水池のところに生えているサクラの木。 ![]() 樹木からなぜ樹液が出てくるのか、というその理由は、ケースバイケースで、不明な点も多いと聞くが、主たる理由としては、樹皮に傷が付いたところを守ったり修復したりするために出てくるというのであろう。そんなわけで、樹木に傷を付ければ溢れ出てくるけど、大概の木は、よく観察するとどこかに傷がついており、そこから樹液が出ているもので、少量集めるなら、改めて傷つけるほどでもない。新鮮なのを集めるなら別かもしれんけど、ひとまず、すでに出ているものを集めることにした。公園とか誰の敷地かわからないところで集めるときは重要なポイントである。 このような感じで、探せばあちこちに出ております。 ![]() こういうのをつまんで取るわけですが、 ![]() 中の方は、こんな感じで粘っこかったりする。 ![]() 湯煎して水に溶かせば、固いのでもいけるようであるが。。 ちなみに、手についた樹液は、すぐに乾いて指にこびりついてしまった。なかなかの粘着力であり、しかもすぐ乾いてくれる。媒材として期待できそうである。また、冷水であっさりと洗い流すこともできた。ダンマルを溶かしたのは水で落とすのは難しいが、こちらは水であっさりと流れ落ちる。これがレジン(樹脂)との違いというものだろうか。とはいえ、自分が普段触れる樹脂、ゴム類はごく限られた種類でしかないので、もっといろいろ経験を積みたいところである。 サクラにもいろんな種類があると思うので、別の場所からも採ってみるため、近所の山に行った。 ![]() ここでもありますなぁ、樹液。 ![]() まぁ、こっちは、うまく接着できなかったですけど。 ![]() これ、溜め池近くのサクラで取った樹液。 で、水に浸けて一晩ふやかしたのち、湯煎して溶かす。 ![]() 顔料(レッドオーカー)と混ぜて、画用紙に塗ってみた。 ![]() 紙も貼付けてみたが、ごらんの通り。 ![]() 紙同士がちゃんと接着されており、剥がそうとすると破れた。ということは、紙の接着に充分なくらいの接着力はあるということになる。 ちなみに、湯煎する前の混濁液では、さっぱり接着されなかった。 顔料の方であるが、 ![]() どっちもサクラの樹液を湯煎で水に溶かしたものだけど、左の方はよく接着されており、ティッシュでさすっても顔料が落ちない。右は残念ながら、ティッシュに顔料が付いてしまう。桜の品種によって違うのか、それとも、樹液の老化等で違ってくるか、まだまだわからぬことが多いけど、とりあえず、桜の樹液で顔料を定着させることには一応成功した模様である。サクラは日本では町中どこかにあるものなので、実践の際は、複数のサンプルを採取して行なうといいかと思う。 |
2011,06,18, Saturday
亜麻の種を散々ばら蒔いた上に苗まで買ったけど、生育状況が芳しくないのだが、それはともかく、他にも有用な靭皮繊維が採れる植物はいろいろあるので憶えていこうかと思い、まずは「カラムシ」、これは苧麻(ちょま)とも呼ばれ、これから作った布をラミーというそうであるが、日本でも全国的に自生しているということで、山野を探せばたぶん見つかるのかと思うけど、まず、どれがカラムシの姿もよくわからないので、庭先に植えて毎日眺めていたら、これかって気が付くようになるだろうかと思って、さっそく注文しようかとしたのだけれど、しかしカラムシは雑草の類という立場なのか、種とか苗とかあんまし売ってないのですな。カラムシと苗で検索すると、どこで売ってるんですかという話題ばっかりだし。。。まぁ、皆無じゃないんですけどね。
いろいろ探した上で、注文したのが、下記。 ![]() 葉の柄がかっこよくて、観賞用と思われる品なんだけど、一個800円もしたので、ふたつだけに留めた。 半日陰がよいというので、アカネを植えていた半日陰コーナーに植えてみた。 ![]() カラムシは放っておくと2mぐらいまで伸びるそうだが。こんな畑で大丈夫か。 カラムシからの繊維の取り方ですが、下記のページがなかなか参考になろうかと。 ■からむしの糸づくり http://www.ac.auone-net.jp/~sidori/karamusinoitotukuri.htm このように繊維を取って、そしてそれをよじって糸にし、経糸と緯糸が交差するように織るとキャンバスとなる、かも。 |
2011,06,18, Saturday
県の図書館に『PC‐8800シリーズ アプリケーション百科』なるものがあったので借りてみた。
NEC自らのカタログらしい。時期的には1986年10月1日発行とあるので、既にPC-8801mkIIFR/MRが存在し、PC-9801シリーズではVM2が出ている頃。PC-8801FH/MH、PC-9801VM21、VX等はこのすぐ後ぐらいに発表または発売と言った状況下か。ゲームソフトも多数掲載されているけれど、それよりも統計計算や土木構造計算などのビジネスソフトがたくさん載っており、それらのソフトがどれほど実用的だったか、あるいは売れゆきがどうだったかは別として、ともかくいろんなビジネスソフトが出ていたんだなと関心した。何しろ自分がPC-8801を手にしたのは中学生のときだから、ゲームソフト以外は接点がなかったもんで。周辺機器も凄まじい数のプロッタプリンタが載っており、もちろん、PC-8001等から引き継いだ資産もあろうし、メインのターゲットがPC-9801である機器も多かろうけど、ともかくそれらはPC-8801で使えたわけである。ちなみに、プリンタの歴史としては、初期はプロッタ方式が特に作図が必要な用途で隆盛だったそうな(その頃のことはリアルタイムで見てないのでよくわらかんが)。 2ちゃんねるの昔のPC板では、PC-8800シリーズの評価は低く、400ラインとかじゃなくて、低解像度2画面などのモードがあれば、電波ソフトがナムコのゲームをうまく移植したのにという意見が多いのだけれど、ゲームの話だけでハードの評価をしてしまうのはどうかと。今から振り返ると、PC-9801がビジネス、PC-8801がホビー用途ときっちり差別化されていたように思えるけれども、初期は完全にビジネス用途だったし、その後も手探り状態で分化していったものであろうし。ゲームにしても、アーケード移植みたいなのはファミコンに全部もっていかれるので、パソコンの方は640×200ラインを生かしたAVGやらSLGで真価が問われるのではないと思うのだが。ということで、個人的には、アーケードの移植で当時の8bitパソコンの優劣を論じるのはあんまり好きではない。まぁ、X1turboが400ライン搭載してビジネス用に強化されたのは、客層を考えると、やはり微妙に判断ミスだったかもしれないけど、これも結果論で、うまく展開していれば、X68000に実用的なビジネスソフトが揃っていたかもしれない。X68000は当時の雑誌を見たら祝一平氏がワープロソフトの貧弱さを嘆いて、X1turboの即戦力を起動して文章書いているとか、そんな記事を読みましたなぁ。 ところで、先のビジネスソフトなんだけれども、ワープロとか比較的大きなソフトでない場合、BASICで書かれているものが多かったりする。具体的には例えば、パソコンによる土木構造物の設計計算プログラムとか、『土木工事間接工事費等の積算 パソコン(13機種)によるプログラム集』とか、『パソコン統計解析ハンドブック』とか、『マイコンによる薬物体内動態解析法―実用プログラム収載 (1984年) 』みたいなのであるが、市販ソフトウェアと言っても、書籍に載っているプログラムをフロッピーに保存しているとか、そんなものだったりするのだが。 BASICは実行速度が遅かったということで、馬鹿にする人も多いのだけど、このインタプリタ言語というのは、今でいうとエクセルなんかの表計算ソフトに近いものがあるような気がしてきたんだけど、どうだろう。現代人から見れば、そんなのは表計算でやればいいじゃないかと言われる用途かもしれないし、実際、1979年にAppleII用にVisiCalcが発売されて既にビジネス用途に活用されていたし、マルチプランなどもやがてPC-8801に移植されたけど、今のExcelのような高度なものではなく、むしろ極めて限定された機能しかなかったので、それよりもBASICで組めばほぼ自在に設計できるから、ずっと汎用性があったかも。今は事務用パソコンの主な用途としては何より真っ先に表計算ソフトが思い浮かばれると思うが、その役割をBASICが担っていたのかもしれない。BASICはインタプリタ言語だからコンパイル等の作業無しに、サクサクとプログラムを組んで、直したりしながら実行できるのだが、それはエクセル使ってるときに似てないかしら。BASICは確かに遅いけれども、遅いというのは、グラフィックをタイミングよく書き換えなければならないゲームなどの用途の話であって、事務的使用方法では遅くはなかったかもしれない。設計から実行、頻繁な微修正までトータルに考えれば、ある意味、非常に速かったかもしれない。8bitパソコンは、まだワープロソフトなどは処理が重いというか、全般的に不便であったが、N88日本語BASICのエディタは日本語の変換なども含めて非常に快適だった。MZ-2500のワープロは非常に重かったそうだが、BASICは高速だったそうな。PC-8801MHあたりから、日本語変換用のキーが追加されたりして、しかも変換精度や速度も申し分なく、なんでBASICの為にそこまでという不思議さがあったが、上記のような用途で使おうと思ったら、なかなか強力なツールである。そう言えば、中学のとき、学園祭で、宇宙に関するクイズのプログラムを作って展示したけど、このとき使用した画面モードが、日本語BASICの400ラインモードだけど、400ラインを使用した日本語BASICであるが、印象としては遅いものではなかった。富田倫生の『パソコン創世記』を読むと、PC-9801開発に関しては、BASICの互換性を持たせることに凄まじい労力を費やしていたことが垣間見える。無料閲覧可→「悪夢の互換ベーシック開発 - パソコン創世記」。『パソコン創世記』やっぱりいい本ですな。逆に今までで読んで一番酷かったのは『パソコンマニアは冬眠しよう 対談集 (技術者が語る)』というので、「BASICを血祭りに」と言って、酒の入った対談風にさんざん貶されている。と言っても、他の言語も同じく貶されているが、しかし何にでもTPOというか、適材適所というものがあって、それに合わせてツールを選ぶのが筋であって、闇雲に使えるとか使えないとか言うのはどうかなと。 |